鈴渚さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

鈴渚

鈴渚

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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

善悪なんて個人の主観、いかにも。権力には抗えないし、純粋なだけじゃこの世界では生きていけない。色んなふるいにかけられて、選別されて、ラベリングされて、正しさが正義になるわけでもなくその判断は曖昧で、誰>>続きを読む

恐るべき子供たち(1950年製作の映画)

4.0

母親の死をきっかけに、姉は母親のように振る舞い弟、そして友人たちを母親が持つ象徴界的な力の声を使い征服しようとする。鏡の使い方も素晴らしい。一人の人間が持つ二面性。そして歪められてしまった関係と破滅へ>>続きを読む

すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

4.0

短いフレーズに、場面ごとアレンジを加え繰り返すことで、その映画を象徴する音楽が生まれる。音に変換された言葉やイメージは、私たちの脳へダイレクトに侵入してくる。考えるのではない、感じることで理解する。>>続きを読む

肉体の門(1988年製作の映画)

3.0

ドレスにピンヒール、レースの手袋で戦う名取裕子がカッコよすぎる…。ダンスホールで踊り狂う姿は、女性たちの怒りと悲しみが溢れている。マレーネ・デートリッヒ、グレタ・ガルボといった男装の麗人たちを彷彿させ>>続きを読む

ボヴァリー夫人(2014年製作の映画)

2.0

なぜボヴァリー夫人は孤独だったのか。結局彼女が求めていたものはなんだったのか。核になる部分が抜け落ちていて、ただただ綺麗な映像を見せられているだけのように感じてしまった…エズラをポスターでも、予告でも>>続きを読む

ボヴァリー夫人とパン屋(2014年製作の映画)

3.0

大学2年の帰り道、友人と長い長い階段の上から夕焼けを見ながら聞いていた「Jimmy」は、この映画の曲だったのか…とてもなつかしくなった。ちょうど今くらいの季節だった

「人生が芸術を模倣することもある
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ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017年製作の映画)

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『アーサー』を思わせるキャラクターのヴィジュアルデザインや世界観が、あぁリュック・ベッソンが監督なのか…と知り納得。リアーナのダンスシーンが可愛い。あれ、イーサン・ホーク?!
元司令官がひとつの惑星を
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さよなら、ぼくのモンスター(2015年製作の映画)

4.0

ワイルダー役のアリオシャ・シュナイダー(ちなみにお兄ちゃんはあのニールス・シュナイダーで、末っ子もこれまた美男子でヴィトンのモデルをやってたりなんかして…もうフランスの美男子三兄弟と言ったらシュナイダ>>続きを読む

私は告白する(1953年製作の映画)

4.5

<全ては視線で語られる>
カトリック教徒の神父である主人公は、宗教上の理由から懺悔の内容を他言することが出来ないため、殺人の真相を知っているにもかかわらずそれを口にすることが出来ない。だからこの主人公
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陽のあたる場所(1951年製作の映画)

4.5

オーバーラップがドラマチックかつ神秘的な効果をもたらしている。特に、主人公が湖を眺める場面では、ちょうど彼の眼差しの先にある湖と重なるように恋人の姿がぼんやりと映し出される。その姿は湖面を漂う幽霊のよ>>続きを読む

断崖(1941年製作の映画)

4.0

死んでもなお主人公を縛り続ける父親の存在。遺産として残された彼の肖像画が「父の掟のシニフィアン」として彼女と夫を監視する。父なる権力の蔓延した家庭から抜け出すため、ジョニーとの結婚を決意する彼女だが、>>続きを読む

白い恐怖(1945年製作の映画)

5.0

こんなにも美しいキスシーンがあるだろうか…前景から後景へゆっくりと開く扉、画面に魔法がかけられたかのように2人の姿がゆっくりと、ぼんやりと映される。多くを語らずとも心の高ぶりを表すとはこういうことか。>>続きを読む

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)

3.0

期待されること、期待に応え続けること。「あなたなら大丈夫」この言葉がどれほどプレッシャーか。本当は苦しくて堪らないけど、それさえも表に出せずモノクロの世界を生き続けるのは辛い。ぽっかり空いた心の穴。ど>>続きを読む

バルカン超特急(1938年製作の映画)

4.0

ヒッチコックお得意の言葉遊びが面白い。消えた老女フロイを探す主人公。彼女は確かに車内にいたはずなのに誰も見ていないと言う。しかし観客は、各シーンの随所で確かに彼女が存在したことを確信する。その見せ方が>>続きを読む

めまい(1958年製作の映画)

5.0

ジェームズ・スチュアートの気持ち悪さが最高。亡きマデリンを求めジュディの髪型から服装まで全て変えようとする。しかしこのような行為は、マデリンであることを隠すため変装するジュディにとって1枚、また1枚と>>続きを読む