くしさんの映画レビュー・感想・評価

くし

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ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

5.0

好きなバンドの、しかもライブ映画の傑作と言われている作品なので大いなる期待を持っていたが、想像以上に最高。
オープニングから惹き込まれ、高揚感、狂熱、まるで本当にライブを見ているよう。
出演者みんな多
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ブリーダー(1999年製作の映画)

3.7

自分のことしか考えられない未熟さを持つ人々の群像劇。
オフビートな感じで進んでからのラストの演出、ギャップが良かった。
レオとルイーズの喧嘩のセリフが、二人のすれ違いを浮き彫りにしていて印象的。
「勝
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ハッピーエンド(2017年製作の映画)

3.9

最初から最後まで、流れていく時間を淡々と外側から切り取っている映画。
何となく予想した通りに物語は進んでいき、プツリと終わる。
きっと誰にとってもハッピーではないし、何も終わらずこの先も時間が流れ続け
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小さな悪の華(1970年製作の映画)

3.8

少女二人でしか描けない残酷で美しき刹那的な世界。
一人は悪に魅了されているけど、もう一人はただ彼女と一緒でありたいだけなように思えた。
悪に惹かれるのは思春期あるあるだと思うが、罪を犯すことが使命とい
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ジャッリカットゥ 牛の怒り(2019年製作の映画)

2.8

逃げた牛を追うという至ってシンプルな大筋に村の人間関係が所々絡んでくる。
臨場感あるカメラワークや大量の人が一斉に動き出したり、集まったりの映像は迫力があったが、多用されすぎていて新鮮味を失い、途中か
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キャット・シック・ブルース(2015年製作の映画)

3.7

ポップな殺人シーン、ちょいちょい挟まるクスっと場面、ラストに明かされるキャットマンの原点の哀愁、色んな要素が絶妙な塩梅で混じり合っていて良い意味で軽やかな映画。
飼い猫を失い、キャットシックになった青
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.6

ずっと薄暗く曇天な色調が淡々とした不穏を全編に漂わせる映画。
キリスト教や神話に詳しいとより考察が楽しそうだが、よく知らなくても話の筋は理解できるような構成になっている。
夫婦の平穏な生活に訪れたアダ
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PIG ピッグ(2021年製作の映画)

4.0

日本版の予告編やポスターの雰囲気に期待して観ると肩透かしを食らう。
これはリベンジスリラーではない。
主人公の目的は復讐ではなく、奪還であり、望んだのは暴力ではなく、平和的解決。
静かで繊細で手間ひま
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.2

オムニバス形式だが、それぞれの話に特に繋がりはなく、一つのテーマについて淡々と描かれているところが確かに雑誌っぽい気もする。
セットから構図から色々こだわりを感じる世界観がひたすらお洒落で美しく、美術
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.2

時系列がばらばらな群像劇で、徐々に伏線が回収されるという流れだが、ばらばらのパート1つ1つがそれだけでも1本撮れそうなくらい作り込まれていて良い。
ギャングの雑談はひたすら聞いていたいし、一人で音楽に
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007 スカイフォール(2012年製作の映画)

3.9

悪役の動機やボンドの過去が掘り下げられていて、これまでとは違い重厚な雰囲気の作品。
ダークナイト感漂う作風とオープニング曲が相性良い。
2匹のネズミの話がとても印象的。

007/慰めの報酬(2008年製作の映画)

3.2

前作のカジノ・ロワイヤルから一転、スタイリッシュさはなくなり全体的に地味めなトーン。
やさぐれボンドの復讐物語で色々ストーリーが展開されていた気がするが、あまり印象に残らなかった。

007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

3.9

シンプルにかっこよくて面白かった。
派手なアクションシーン、カジノの心理戦、美女とのラブロマンスにラストのオチまで色んな要素がバランス良く盛り込まれていた。
冒頭シーンからのオープニング、洒落ててわく
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教授のおかしな妄想殺人(2015年製作の映画)

3.3

軽快なテンポでサクサク展開が進み楽しめた映画。
最後も変に劇的な展開にせず、あっさり終わるのがそれまでの雰囲気と合っていて良い。

うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.0

配役や世界観、展開も台詞もすべて原作にとても忠実。
映画ならではの表現があまりなく、個人的には物足りなさを感じた。
原作が漫画で、登場人物の表情や風景がすでに描かれているからか、漫画をそのまま実写した
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.5

コメディタッチの序盤から危うくなる中盤、悲しい展開で終わりかと思いきや、絶望、希望、やるせなさ、カタルシス、色々入り混じったラストシーン。
すごく惹きつけられる映画だった。
ラストの曲とダンスとカメラ
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.8

ゆっくりと濃密に時間が流れる映画。
淡々とした台詞回しやどこか寂しさ漂う情景が村上春樹の世界観と合っていて良かった。
劇中劇と物語が徐々に繋がり、絡み合う展開が面白い。
観たというより体感したような映
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ストーカー(2002年製作の映画)

3.5

いつもの日常に入り込む人の怖さが淡々と描かれている映画。
主人公がただ怖いだけじゃなくて、背景に温もりへの渇望や裏切りへの怒りが感じられる。
彼の過去について明確に語られないまま終わるので色々考えさせ
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.8

なんとも不気味で美しい芸術映画。
話についていけていないところもありつつ、映像に惹き込まれて最後まで見入ってしまった。
陰鬱なモノクロ映像、おどろおどろしい音響、閉塞感のある空間、不安定な登場人物、そ
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

5.0

音楽、ダンス、その合間のトークが絶妙なバランスで構成されていて終始惹き込まれた。
トーキングヘッズ好きにはたまらないだろうと思っていたが、想像以上の圧巻のパフォーマンスで素晴らしかった!
出演者が全員
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.0

映像がとても魅力的な作品。どのカットを切り取ってもポストカードにできるくらい、絵になるシーンが多くて見てて楽しい。
意外とグロいストーリーにポップな演出の組み合わせが絶妙でおとぎ話みたいだった。

ジェントルメン(2019年製作の映画)

4.0

軽快なテンポと洒落てる台詞回しで序盤からぐいぐい引き込まれた。
登場人物の駆け引きや思惑が絡み合ってで二転三転していく展開が小気味良い。
所々ユーモアも効いていて、スタイリッシュな娯楽映画だった。

危険なプロット(2012年製作の映画)

3.8

友人の家に行った時の様子を作文に書く少年とそれを添削する教師。
内容がだんだんエスカレートしていくが、どこまでが創作でどこからが現実かは最後まで明かされない。
ゆるやかな展開と余白を残す終わり方が良い
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ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

4.0

時系列が入れ替えられていたり、主人公が信頼できない語り手だったりして難解な部分があるものの最後まで惹き込まれる魅力的な作品だった。
オープニングが最高にかっこいい!そしてあのラスト!
最初と最後に流れ
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偽りなき者(2012年製作の映画)

4.5

原題が『Jagten(狩り)』なだけあって、狩り→鹿狩り→魔女狩りを彷彿させる。
色々なことが曖昧なまま終わる後味悪めのラストが良い。

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