三上新吾さんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

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人生は囲碁のように自分のことを受け入れてくれる陣地を増やしていくゲームなのかもしれない。だとしたら、シンジはとても不利なゲームを挑まれている。初見にてエヴァに乗らなければ全て敵陣になってしまうという状>>続きを読む

岬の兄妹(2018年製作の映画)

4.8

まったくもって欺瞞ではない。
それこそ岬のように、人間の隅っこに居る二人の本当の話。

でもこの話にどう落とし前をつける?

遊具の夢で格が一つ上がった。

マリコは誰よりも神に近い存在。
兄や男たち
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

水中の部屋、寓話であることのエクスキューズ。
いきなり主人公の裸に自慰、子供向けでは無いことのエクスキューズ。

魚人はその社会においての少数派のシンボルか。
黒人、唖者、女性、性的マイノリティ対アメ
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サーミの血(2016年製作の映画)

4.5

遠い異国の聞いたこともない民族の女の子の話なんて面白いと思えるのか…?と思いながら見るうちにどんどん引き込まれた。

普遍的なそして個人規模の感情をもとに民族に対する意識の問題を描いた物語。

社会的
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦(2002年製作の映画)

4.6

面白い。

しんちゃんの魅力は、禁忌を犯しまくること。冒頭のダメダメの歌はしんちゃんの本質をついている。

ひろしやみさえ、戦国時代の大人たちにある常識や既成概念を軽々と超える5歳児は見ていて痛快であ
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gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

3.6

可愛かった。

フランクも実家が裕福だし学歴もあるから安心してフラフラ出来るんだよな、誰がどう転んでもまあ幸せになれるだろうな、と空中戦をみるクリリンの気持ちにはなった。

ラブレス(2017年製作の映画)

4.0

内見客がきた後で離婚することを知らせることで、「?」となりぐっと集中させられる。

そんなそぶりはなくても、口論の最中に包丁を取り出しただけで潜在意識的に緊張が走る。果物を切るだけであっても。手元が写
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美しい星(2017年製作の映画)

4.8

この監督が一番海外の賞とかに近い気がする。

概念を代表する人物。

野生動物との邂逅。

メタファーとしての物語。

原作を読みたい。


今作のような、伏線未満のようや言えない尻切れシーン、そして
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海底47m(2017年製作の映画)

3.8

珍しい真面目なサメ映画。
ほとんどワンシチュエーションなのにずっとドキドキしてた。
短さもいい、これ以上長いと疲れてた。

ボンベ残量という時間制限、海底からの脱出という分かりやすさ◎。

不能犯(2018年製作の映画)

3.7

間宮の役所が薄いかなぁ。
典型・記号的なキャラ造形はわかりやすい反面作り物感が出てしまう。

これまでの白石節がでてて、でもメジャーの目を意識してほどほどに自制してて面白かった。

泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)

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「どう考えればその手を発見出来たのか」を反省することの大切さ。
一つのことを極めると、ほかのジャンルも引っ張り上げられるように色々なことの本質が見えてくる。

東京物語(1953年製作の映画)

3.8

強迫症的とも言える画面作り。

たらい回しになる2人がすごく可哀想。
かと言って子供夫婦たちが完全に悪いかといえばそうではない。


小津作品の中でも評価が高いのは、やはり老夫婦への憐憫が強く感じられ
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欲望という名の電車(1951年製作の映画)

3.5

人間の性。

都落ちした末、死の反対は欲望という信念のもと放蕩した女、ブランチの嘘で固められた悲しい顛末。

意外とキャラクター映画。

ブランチがそれなりに綺麗だったから老いの説得力がない…。

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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

3.8

岩下志麻、ずっと見ていたい美しさ…

正対称、固定、同ポジ、位置の低い構図。


必要以上に謙るかつての師。

感情乗せすぎない演技。
どこか記号的な演技、物語展開。
安易な感情移入を排したテーマ主義
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.2

コロンボが船越っぽくて良かったな。
映像詩。
情緒。

筆触分割。

ホーホケキョ となりの山田くん(1999年製作の映画)

4.0

アニメーションの凄み。と滋味。
リトルミスサンシャインのインスピレーション元と聞いて見てみると、家族構成やエピソードが似ていて面白い。

キャラクターの実在感。

家族という共同体の不思議さ。
えばっ
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氷の微笑(1992年製作の映画)

4.1

・大したタマである。
・何度も接触する必要がある。
・男の生活の寂しさ
・必要もないのに接触する。

初恋(2020年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ハイテンションパルプファーゴ。
ローリングしながら大ごとになって行く感じと、アウトサイダーとしての主人公軸。
抗争の勢力図のリアルじゃないけど違和感を感じずに済むリアリティ。
主人公が惜しい、もっとは
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極道の妻たち(1986年製作の映画)

4.9

情緒がある数少ない邦画の一つ。
すげえ映画を見た。
ラストシーン。

娼年(2018年製作の映画)

3.0

おばあちゃんパートだけよかったな。
上澄みだけ感。
セックスがテーマならもっと言うことありそうだけどな。

毒にも薬にもならんかった。
知ってることしか、というか。

名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)

3.3

良い感じに複雑で、分かりやすい絵で話が進むので子供もみられる。

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.5

この充実した内容で100分ちょっとの尺ということに驚いた。テンポが良かったということか。
みんなの成長曲線がそれぞれ描かれていてすごい。
「私があなたを成功させた」の含蓄ある台詞に唸った。

ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999年製作の映画)

4.0

決定的な何者かの姿は映らないままに、音や声だけで十分怖かった。

レディ・バード(2017年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます



家らしきところから帰る親子
アラバマ物語朗読後の2人のリアクション
もっと楽しいと思っていきたい
将来のことについて喧嘩
自称の名前
飛び降りるレディバード
学校生活のテンポ良いカットの積み重ね
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キューティ・ブロンド(2001年製作の映画)

3.8

いけ好かないスクールカースト最上位のブロンド美女に、最後はスクールカースト関係なくすべての人が好意的な目で見られた、キャラクターの強さ。

頭の良さ。
カースト下位に手を差し伸べる、しかも機転をきかせ
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魔女っこ姉妹のヨヨとネネ(2013年製作の映画)

3.2

良くも悪くもアニメーションのためのアニメという感じ。

宇宙ショーへようこそ(2010年製作の映画)

2.8

30分経っても物語が始まらない…
主人公が誰かわからないし、目標もわからない。
造形は面白かった。

ヒーローになりたいという言葉はあるが、何故なのか、その欲求の切実さが表現されていないから感情移入出
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全員死刑(2017年製作の映画)

3.0

対位法に頼りすぎ。
中盤から残り時間を気にしてしまった。

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)

4.0

良質な映画、という印象。
主人公の切実さ。
ドクターの好人物。
対立し次第に和解する二人。
美術、カメラワーク。
会話の応酬、テニス。