rhumさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

愛情萬歳(1994年製作の映画)

3.9

タイトルの愛情萬歳とは程遠い話。ガランとした部屋でひたすらすれ違い続ける赤の他人3名。台詞は極端に少なく、たまに生まれる会話や情交も、繋がりを示す何かへは発展しない。話す相手も寄り添う相手もいない、本>>続きを読む

アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

4.5

短めの感想:MCU観続けてきて良かった!
中くらいの感想:とにかく作品のバランス感覚に圧倒されっぱなし。古今東西映画ファンもそうでない人も誰もが楽しめる大作映画、かつ世界観がまるで異なるヒーロー物11
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台北ストーリー(1985年製作の映画)

4.0

美しい物はより美しく、そうでない物もそれなりに写る富士フイルムもといエドワード・ヤン映画初期作品。▶︎変化していく事物・街並と、そこで翻弄される人々とについて。主役2人各々に仮託された過去と未来への視>>続きを読む

ブラック・ミラー: バンダースナッチ(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

視聴者の選択により話が変わる作品。ひと通りのシナリオは通ったと思うので記録。
ゲームが5点満点で評価されるエンディングに向かうシナリオが一番好きだし、ある意味ベストエンディング。このルートは「自由意志
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ラブゴーゴー(1997年製作の映画)

4.3

オフビートめなコメディ&もんのすごく豊かな感情が流れる超チャーミングな恋愛映画。
自分が望む通りに受け入れられる見込がなかろうと、窓ガラスに写る自分(窓ガラスのショット多し!)がどんなにみっともなく見
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台北セブンラブ(2014年製作の映画)

2.7

食べる・飲む/吐く・放出するシーンがひたすらに繰り返される(制作プロセスのメタファーなんかな?)デザイン事務所内のわちゃわちゃ仕事&恋愛模様。だいぶヘンテコ。
日本で言うと、TUGBOATとか野田凪と
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ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ(2018年製作の映画)

3.0

『黄金のアデーレ』を観て以来気になってるナチスによる美術品の略奪と芸術の蹂躙・破壊。それについてのドキュメンタリー。よくもここまで卑劣な…と。特に、大ドイツ芸術展と退廃芸術展とを対置するやり口に戦慄。>>続きを読む

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

3.2

Nine Inch NailsのTシャツを着た女子は大体、世間が押し付けてくる「らしさ」や同調圧力にも屈せず力強く生きてそうに見えるため、日頃からNIN女子(にんじょし)と勝手に呼んでリスペクトを捧げ>>続きを読む

バイス(2018年製作の映画)

3.6

ブッシュ(子)政権の黒幕はチェイニーだと知ったのはいつの頃だったか…とにかくこんなの観たいとずっと待ち望んでた題材。
まぁ観たところでチェイニーの何かがわかるわけではなく、ひたすら胸糞悪いジョークのよ
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シンプル・フェイバー(2018年製作の映画)

3.5

1に衣装、2に衣装、3、4も衣装で5も衣装!な2時間サスペンス。素晴らしき衣装演出。
あと、アナケンさんの纏っている、何というかいろいろアレな感じが後半になるにつれ2次関数的に加速していくのがまぢで爽
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

みんな大好き(?)潜入捜査サスペンス物。「アホなWASPをクールなアフロ兄貴(&カイロレン)がやっつけるぜ!」ってなベタベタにブラックスプロイテーション映画的プロットの痛快コメディ。な!ん!だ!が!そ>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

3.8

多方面に気配りの利いた、半分以上やさしさで出来ている系友情物語。心が温かくなる。
映画に限らず、全方向的に優しい物作りってのはとても難しく、そうした試みは大抵中身の無い軽薄なものに終わる。たぶんこの作
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オアシス(2002年製作の映画)

4.1

めちゃ生々しくど直球剥き出しなやつ。
芯は「男は女に自らの居場所を見、女は男に世界へと繋がる扉の鍵を見る」てな具合の、古典的とも言える恋愛物語。なのだけれど、あからさまかつ残酷に可視化された2人と外界
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.1

ある悲しい男の、人生の分岐点と後悔を巡る過去20年の記憶の旅。長い月日の中で図らずも変わってしまったもの、失われてしまったもの。その原因は何か特定の事象のせいか?物事そんな単純じゃあないのが切ない。>>続きを読む

ラストタンゴ・イン・パリ(1972年製作の映画)

3.6

今も昔も問題だらけの作品を4K上映にて。アパートの一室、社会的制約から解き放たれた男女の戯れの中に愛を見出そうとする中年男の倒錯した社会実験。キモい。
様々な読みの余地のある映画だけど「窓を開ける/閉
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ノーザン・ソウル(2014年製作の映画)

3.6

ノーザンソウルの存在自体はかれこれ10年以上前、この映画でダンス監修もやってるKebDarge先生経由で知ってはいた。ただ、自分が認識してた「レアな7インチ盤に対するコレクター魂が極まった音楽ムーブメ>>続きを読む

運び屋(2018年製作の映画)

4.4

グラントリノの鏡像のような、更新された御大の集大成。当然、一切無駄の無い体脂肪率0%映画。この作品を特徴付けてるのはやっぱりアール爺さんの濃ゆいキャラ。家族を一切顧みず好き勝手にやってきたがめつい頑固>>続きを読む

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

5.0

ぜっっっっったいにIMAX 3Dで観るべきやつ。

超超超up-to-dateな現代の地平にて語られる、並行宇宙にいるはずの俺たちの話。にして、己の可能性を切り拓く物語。
もう一体全体なんなのか…冒頭
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.1

繰り返されるマチスモや死のイメージと対照される、慈しみと再生の話。描写は淡々と、あくまで淡々と。
よく観ると「何?どうやって撮ったのこれ」みたいな技術的な驚きが多く、しかも画が全体的にパキッとしてるの
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スターシップ・トゥルーパーズ(1997年製作の映画)

4.6

青春ごっこの延長みたいなノリで、カッコいい若者たちが「虫けらどもをぶち殺しまくれイエー!」と叫びながら戦場へ赴いては、気持ち悪い虫にぶち殺されていく大変素敵な宇宙大戦。でっかい虫たちが人間をバラバラに>>続きを読む

ロボコップ(1987年製作の映画)

4.3

「それ、わざわざそこまで露骨に見せる必要ある?」というツッコミの嵐のような映画であり、同時に「人間の営みなら、全部むき出しにして見せた方が良いに決まってんじゃん😜」といういうことを楽しくわかりやすく教>>続きを読む

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.9

例えばホームパーティの場とかで「なんか映画でも観る?」となった際、じっくり見にも流し見にも都合良いから重宝しちゃうタイプの映画ランキング不動の第1位。中身についてはマジメに語ろうと思えばそれこそ何時間>>続きを読む

ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

3.5

とても大きな話と小さな話の交差。観ていてふと「この世界の片隅に」を思い出した。
特に派手な展開もなくゆっくり進む物語。ただ普通は、そもそも派手な事など起こらない日常の中で目にする相手の些細な仕草や言動
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

しっかりした音響環境で観た方が良いやつ。
ワンシチュエーションでアクションも少なくめっちゃミニマルな画が続くけど、緊張感漲る展開で全然飽きない。
描かれる“暴走する正義”、その懺悔と克服。某人気ドラマ
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恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.1

冷徹に描かれる、容赦ない不条理。
兎にも角にもトラック乗ってからの後半が凄すぎ。絶望的状況を描く映画は多々あれど、こんなの絶対無理でしょ⁉︎って絶望感をインパクト絶大のショット一発で見せつけてくる凄み
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.8

ウサギが全てを物語る。
監督お得意のブラックで不謹慎なユーモアが吹き荒れる中、女のドロドロな関係性を楽しむやつ。しかし、皆様の激しく歌舞いたお召し物×激しいカメラのパン祭り×超広角ショット連発×エマス
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ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)

4.2

人生、時には挑むべき戦いがある、というのをボクシングで表現し続けてきたロッキーシリーズの、とてもかっちょいい幕引き。
人生最高の瞬間はとうの昔に過ぎた、と感じる時こそ挑戦すべき時ということか。きっと誰
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ロッキー5/最後のドラマ(1990年製作の映画)

3.4

名言発信度はシリーズ1、2を争うかもしれず、なロッキー5。最後のストリートファイトへの雪崩れ込みはさすがに無理くり過ぎて笑うが、父子鷹みたいなものへの憧れがあるせいか結構好き。
公開当初は評判悪かった
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ロッキー4/炎の友情(1985年製作の映画)

3.3

時代に飲まれたロッキーさん。MTV時代だからなのかなんなのか、めちゃMV感ある仕上がりな4。JB出てくるのが良い。
…というか、そもそも4と5を観てなかったので「クリード2観る前に予習しとくか、なんな
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ロッキー3(1982年製作の映画)

4.2

ラング、アポロ、終盤のロッキー、全員超かっこいい。おそらく少数派だろうが、終盤の試合展開はシリーズで最も好き。冷静な智略と、相手を容赦無く叩き潰そうとする気合の両立、Trash TalkとBoastの>>続きを読む

ロッキー2(1979年製作の映画)

3.8

一世を風靡した有名人の顛末みたいなのを面白おかしくテレビ番組とかでよくやってるけど、そんなの全然あり得る話だろーが笑いごとじゃねーよバカヤロウ!と強く思わされるロッキー2。
地元ヒーロー感漂う愛の戦士
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ロッキー(1976年製作の映画)

4.4

たとえ凍えるような寒さの中でも、己を奮い立たせ起き上がる者だけに訪れる、美しい夜明け!

悦楽交差点(2015年製作の映画)

4.0

視線が交差する地点からお届けされる、妄執と嘘と嫉妬と狡猾さが織りなす奇妙で下世話な恋愛ファンタジー。
『ゴーンガール』『愛のむきだし』がちょびっと脳裏を過る“意地の主客逆転”&“純な変態性”がミソ。そ
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劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ(2018年製作の映画)

3.7

期待と寸分違わぬ内容。しかも来生三姉妹まで出てくる全部盛り感が凄い。最高。
どこが面白いの?とか間延びしてね?とか予定調和過ぎとかそんな声など一切聞こえない。ただただこの異様な多幸感にずっと浸ってたい
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

作家であると言いつつも、何を書いたらいいのか判らない男ジョンスが「世界をどう捉えるか≒虚構をどう紡ぐのか」を模索する心の旅、という見方もできると言えなくもないという気がしなくもない話。

各々が発する
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家へ帰ろう(2017年製作の映画)

3.8

偏屈そうに見えて実はモテなじいさんが、最高のご婦人方の助けを得て故郷へ帰る話。
大切な事ほど向き合うには覚悟がいる。それ故、世界は報われない約束や癒されない傷で溢れてる訳だが、君はそれで良いのか?と。
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