rhumさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

秋のソナタ(1978年製作の映画)

4.4

これはとんでもなかった。鋭利な刃物のような切れ味。サスペンスさながら徐々に全体像が明かされていく展開でグイッと持っていかれ、気がついたら拳握りしめて観てた。
強権的父性との葛藤はベルイマン最大のテーマ
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ストリート・オブ・ファイヤー(1984年製作の映画)

4.8

映画館でデカい音での鑑賞。
これでもかと言うほど話も演技も薄っぺらいのに、なのに終始ずっと超ハイテンションで無駄にカッコよくてとにかく最高!
観ればいつでも気持ちがブーストされる感じなので、どっかに超
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.1

これ、何の前情報を入れないで観たとしても「ボーダーラインっぽいな」と思っただろうな…。
所謂サスペンス要素もあるし、ある種の見やすさはあるけど、重苦しい題材である事に変わりはない。「略奪」「搾取」の連
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

4.2

もはや完全に狂気の沙汰なアクションジェットコースター。
途中からは「俺たちは一体何を見せられているのか?」と考える暇すら無く、目をひん剥き、手汗止まらぬ状態でただただヒヒヒと笑うしかないのであった…

オーシャンズ8(2017年製作の映画)

3.8

軽やか!小気味好い!以上!
(このシリーズはもちろんこれでいい)

マジで一瞬で終わった。楽しい映画だった証拠。

志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

4.0

「外野からは些細な事にしか見えないが、本人にとってはとてつもなく勇気が要る一歩を踏み出す!」な話。こういうのほんと弱い。序盤で死ぬほど涙と鼻水垂らしたが、その先がいよいよリアルで胸が苦しかった。てか聴>>続きを読む

未来のミライ(2018年製作の映画)

3.4

先月、弟が生まれたばかりの友人A(4才男)とくんちゃんの言動が丁度重なって見えたこともあって、めっちゃ楽しめた。ロジックおかまいなしの展開も面白いけど、特にサイケな時空トリップが印象的。赤黒い光を放つ>>続きを読む

ビル・カニンガム&ニューヨーク(2010年製作の映画)

4.0

奇人変人の領域ギリギリにありながら、自らの審美眼とフットワークでストリートのファッションを鮮やかに切り取りまくる伝説の男のドキュメンタリー。自由な精神を体現したようなその生き方!生き様!
ずっと名言の
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恐怖分子(1986年製作の映画)

4.7

都市で生きる人々の営みを描く歪なサスペンス。もうとにかく何がなんだかハンパなく美しい画と動きにハッとさせられ続ける2時間弱。
街の熱気、風の気配、人々の所作…危ういバランスで成り立っているこの世界はし
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ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス(2016年製作の映画)

3.8

前作が良き音楽とじいちゃん軍団の紹介中心だったのに対し、今作はキューバ史や当人達の後日談などの「時間経過」を軸に語られる。中盤、使い回しじゃね?って映像も多かったけど細かいことは気にしない。人生の終盤>>続きを読む

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(1999年製作の映画)

4.1

めっちゃ久々に観た。やっぱり最高。
音楽が人生だった伝説のじいちゃんたち(おばちゃんもいる)が集まって奏でる、人生の音楽。燻らす葉巻。熱くコクのある苦み。
コンパイさん「人生で素敵なものは、花と女とロ
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1999年の夏休み(1988年製作の映画)

3.3

SFと見せかけてBLのフリした百合な作品。もはや現実味ゼロ、抽象化&記号化された“少年性”というイメージが服着て歩いてる感じは、あら不思議、とても涼しげ。“腐”要素はおろか少女漫画的な世界観への見識が>>続きを読む

叫びとささやき(1972年製作の映画)

3.4

ブルジョア三姉妹(+ふくよかな家政婦)の物語。セットも小道具も服も照明ももちろん鮮血も、なにもかもが真っ赤でクラクラする。お屋敷で優雅に過ごす人々とは言え映画に通底する印象はお上品なものでは全くなく、>>続きを読む

沈黙(1962年製作の映画)

4.0

めちゃめちゃな緊張感。
半端じゃない艶かしさ。
凄まじいシャイニングの元ネタ感。
寓話性が後退して精神分析的。
仮面/ペルソナの前哨戦ってな趣。
美しすぎるモノクローム。最高。

冬の光(1962年製作の映画)

3.1

開始早々延々と続く教会でのお祈りが誘う眠気に耐え(られなかっ)た後、朦朧とした意識でぼんやり思ったのは、結局これも神の不在とかは実は比較的どうでもよくて、「我ら人間、やっぱ何かにはすがりつきたくなるも>>続きを読む

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)

2.8

う〜む。どうも監督のセルフセラピー的な要素が強そうな作品だなと思って調べたら実際そのようだった。信仰心がテーマのように見せといて、どうやら家族のお話。弟がウジウジし過ぎている気がするが、きっと気のせい>>続きを読む

処女の泉(1960年製作の映画)

3.0

くっ…暗い…。
宗教画のようなショットの積み重なりもあって、極めて寓話的な印象。救いようなく息が詰まって死にそうになる。

魔術師(1958年製作の映画)

3.3

旅芸人一座が手品のタネ明かしを強制されてバカにされていやな思いをするコメディ。やや下ネタ(?)多め。
別に不利益を被らないのであれば、謎めいた物は謎のまま、ワオ!と驚くことを楽しめるほうが人生楽しいと
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野いちご(1957年製作の映画)

4.2

老人がドライブしながら自らの人生をじんわり振り返る、暗そうなフリしたコミカルなロードムービー。超面白い。義理の娘が美人。ハッピーエンドじゃないけどグッドエンド。甘辛人生、そこまで捨てたもんじゃないって>>続きを読む

第七の封印(1956年製作の映画)

3.4

「人間みんな死ぬんすよ、貴殿もそろそろ…」と言う死神に対し「勝ったら見逃して」と男がチェスの大勝負を挑むも最後は負けちゃう話(ネタバレ)。不可避な死の恐怖と人生の意味、そこに絡む宗教の厄介さと愛や芸術>>続きを読む

夏の夜は三たび微笑む(1955年製作の映画)

3.4

なかなかに奔放な、ハイソな方々のお話。
キレイゴトじゃないドロドロ恋愛模様を展開している物語の筈だが、描写がいちいち滑稽で清々しいので好き。男と女なんてそんなもんさ、って感じで一応ハッピーエンド…って
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夏の遊び(1951年製作の映画)

3.5

生誕100周年特集をやってることもあり、今夏はベルイマンをテーマに自由研究することにする!
飼い犬にやたらイチャイチャを見せつける若き2人の夏物語…は突然終了、あとは一直線に老いて死に行くだけの人生。
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

3.8

これがファンタジーに過ぎる物語だとしても、それで現実を生きる自分を良い方向に変える力になるならばそれで良いじゃないか、と温かい気持ちに。
「相手を知りたかったら、よく見ること」との教訓を心に刻み、映画
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バトル・オブ・ザ・セクシーズ(2017年製作の映画)

3.4

かなり強めにいくつかの現代的なテーマが詰め込まれた映画。実はボビーリッグスがそこまでクソ野郎じゃない、というのがこの作品を簡単な物にしない微妙な所であり、面白さでもあるという。
なお、もっさいエマスト
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マッドマックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディション(2015年製作の映画)

4.8

モノクロだと注意の行く箇所が変化するのが面白い。枝葉よりも幹に集中するというか。カラー版よりも物語に入り込んでしまい、割と序盤からずっと号泣してた。あと、白塗りの奴らの表情や躍動に目が行くし結構応援し>>続きを読む

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

5.0

映画についての映画であり、同時に映画というアートフォームにおける彼岸。
「映画ってのは、ほんと全然わかんねえ芸術表現だな(まぁだからこそ、興味が尽きないんだけど)」と何度でも思える、そんな感じのやつ。

椿三十郎(1962年製作の映画)

4.5

4Kデジタルリマスター版で。
馬鹿みたいに最高。「一般に青年が主張する内容は正しくない。しかし、青年がそれを主張すること自体は正しい」(byジンメル)と言わんばかりに、純な若造の危なっかしさを見てられ
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用心棒(1961年製作の映画)

4.6

4Kデジタルリマスター版で。
馬鹿みたいに最高。三十郎さんのようにコミカルでクレバーでカラッと飄々としつつ群れずにタフな奴になりたい!とかいう馬鹿みたいな感想しか出てこない。あと、音楽の妙。

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

4.0

だいぶ不思議な位相空間の、でも愛くるしい映画だった。個人的には「常識的な良し悪しあるいは客観的な出来不出来などとは関係なく、お前はそれ(orその人)を愛せるのか?」と各登場人物が問われる物語に見えたし>>続きを読む

ゾディアック(2006年製作の映画)

4.4

4th of Julyな花火から始まる楽しげな雰囲気…は数秒で終了。その後はずっとモヤモヤしたサスペンス沼で溺れる人々を見るばかりの2.5時間。
とにかく全体に地味、長い&情報量多い…で、観終わると疲
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お引越し(1993年製作の映画)

4.1

梅雨明けは、気付かぬうちに訪れる。

泣く子も黙る超絶技巧映画(泣くけど)。💦😴👆🎆🔥🌕⛩🌊🐲を通過し「お引越し」完了㊗️…というスピな後半も良いけど、物事の非可逆性をキリキリと描写する中盤が残酷で超
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.1

劇場が連日満員なのでしばらく観れないかなと思ってたけど、客席数84席の整理番号84番滑り込みで鑑賞できた(しかも舞台挨拶付。メデタイ)。
あれやこれや語りたいけども、内容的に観てない人には一言も話がで
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

「一見突飛であざとさすら感じる設定をぶちかますマンガが原作の、窓の外がやたらと眩しい日本のティーン向け恋愛物邦画…ってので当初全く観る気はなかったけど、ノリと勇気を振り絞って観に行ってみたら思ってたん>>続きを読む

バーフバリ 王の凱旋 ≪完全版【オリジナル・テルグ語版】≫(2017年製作の映画)

4.5

もはや「アマレンドラ・バーフバリのようでありたい!」と強く願うだけだが、残念ながら今の俺にはまだキメ顔、跳躍力ほかいろいろと及ばない所があるのであった。

※完全版はデーヴァセーナの歌が最高

七人の侍(1954年製作の映画)

4.9

やっと4Kデジタルリマスター版を鑑賞。台詞は相変わらず七割くらいしか聞き取れない(だがそれがいい)のだけれど、画があまりにも綺麗で吃驚。そのお陰もあって、今まで気づかなかった色々な所にも目が行き、これ>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.0

・台詞や仕草、小道具に至るまで表現が超繊細かつ豊かでビビる。特にみかんとビー玉の大活躍に心震える。
・あとやっぱ食事シーンに目が行くけど、例えば『葛城事件』とかと比べて、家族のあり方でカップ麺はここま
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