Rinさんの映画レビュー・感想・評価

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けものがいる(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

感情と身体を取り戻せ──かなーり面白かった。シンギュラリティ後の世界。失業率は大幅に上がり、職につくためには感情を消すことが求められる。感情を消す訓練のため、レア・セドゥは前世の自分を映像で見せられる>>続きを読む

ドッグ・レディ(2015年製作の映画)

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生活は続く、生活は終わる──その人の生き甲斐で大別したとき、世の中にはセイカツニンゲン、シゴトニンゲン、シュミニンゲンのだいたい3種類がいる。好みの生活様式を維持・発展させる営みを基盤にするセイカツニ>>続きを読む

海から来た娘たち/自由への旅立ち(1991年製作の映画)

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アメリカ黒人映画傑作選より。母やその母がレイプされたことによって存在しているかもしれないアフリカン・アメリカン。その実存をブルージーな音楽に乗せて描いた、ほぼミュージック・ビデオな映画。民族的なアイデ>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐(2005年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

May+S+V=〜しますように──スター・ウォーズを知らない人がシリーズを時系列順に観ていきます。3本目。1は『〜賢者の石』、2は『〜不死鳥の騎士団』と「ハリー・ポッター」シリーズに準えることができた>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃(2002年製作の映画)

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80年以上前に同じような未来都市を映像化してみせたラング『メトロポリス』というオーパーツ──スター・ウォーズを知らない人がシリーズを時系列順に観ていきます。2本目。あんなに可愛くて善良だったアナキン君>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(1999年製作の映画)

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『エイリアン:ロムルス』を観るためにエイリアンシリーズ全部観てAVPを観た流れでプレデターシリーズも全部観たの大変だった──1始めたら100までやりたいタイプなので、映画をどっぷり好きになって数年経つ>>続きを読む

影なき男(1934年製作の映画)

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早起きして出社前に1本。ダシール・ハメットの小説を原作としたミステリー。人物多いしテンポ速いしで頭こんがらがった。人物相関図が欲しい。己のおつむの弱さを実感する。面白かったような気分にさせられたけど実>>続きを読む

昼顔(1967年製作の映画)

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すべてが変わったのか、あるいは振り出しに戻ったのか──オリヴェイラ『夜顔』の予習と『死ぬまでに〜』マラソンで一挙両得とブニュエルBlu-rayボックスを購入して鑑賞。現実と幻想の境界を融かす語り口も、>>続きを読む

極楽特急(1932年製作の映画)

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あなたの仕草が好きなのです──“盗むこと”が道徳的価値観とは全く無関係の現象として、経験豊かな電話交換手の機敏な応答や打てば響くように返事をする執事の挙動と同じような純粋然としたアクション/リアクショ>>続きを読む

霊幻百鬼(1983年製作の映画)

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とある京劇一座が巻き込まれる幽霊騒動。幽霊って普通は“見えるけど触れない”ものだという認識なんだけど、この映画の幽霊は“見えないけど触れる”だった。幽霊の体質が前者だとホラーに、後者だとアクションにな>>続きを読む

霊幻師弟/人嚇人(1983年製作の映画)

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どれだけつまらない映画でも勢いのあるストップモーションで終わらせられたら強制的に納得させられてしまう気がする。ズルい。いや、本作はつまらなかったわけではないんだけど、広東語のイントネーションとギュイギ>>続きを読む

ここではないどこかで(1982年製作の映画)

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風向きが悪くなるとちょける野郎にファック──アメリカ黒人映画傑作選より。哲学を専門にする大学教授のサラと画家の夫ヴィクター。性格的にも経済的にも社会的にも自立したサラだが、果たしてそれは内発的な動機付>>続きを読む

絶望の日 デジタル・リマスター版(1992年製作の映画)

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この手の映画を褒めたくはない──ポルトガルの大文豪カミーロ・カステロ・ブランコとその愛人を俳優が演じて(演じるというより朗読して)いく。基本的に俳優がナレーションするばかりで映像的な驚きが約1箇所だけ>>続きを読む

メイデン(2022年製作の映画)

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こういう作品にハマれなくても大丈夫、優しさが足りなかったなんて思わなくていい──喪失の物語はたいてい残された人視点で描かれるが、本作は行ってしまった人に視点のバトンが渡される。『スタンド・バイ・ミー』>>続きを読む

教皇選挙(2024年製作の映画)

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デジタル・デトックスを課せられる枢機卿たち──カノッサの屈辱、球技場の誓い、ボストン茶会事件などと並んで覚えやすい世界史用語トップテンには入るコンクラーベを題材にしたとても教育的な選挙劇。最後にあの人>>続きを読む

石炭の値打ち 第二部:現実との直面(1977年製作の映画)

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コメディ調だった第一部に対し第二部は爆発事故を主軸にシリアスなドラマが展開される。が、対比としては少し弱く感じた。第一部の牧歌的な雰囲気が、第二部にも余韻のようにわずかに残ってしまっている。後に社会問>>続きを読む

石炭の値打ち 第一部:炭鉱の人々(1977年製作の映画)

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偉い人が降り立つというデウス・エキス・マキナ──ヒューマントラストシネマ渋谷のアメリカ黒人映画傑作選とBunkamuraル・シネマのオリヴェイラ特集の陰で、ユーロライブにてこっそり上映されていたケン・>>続きを読む

アブラハム渓谷 完全版(1993年製作の映画)

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眼差しを送る人、求める人、拒む人──床に落ちる指輪、花、ブレスレット。運命づけられた落下。片足を引き摺るエマと耳が聴こえず口がきけないリティーニャ、眼差しへの向き合い方で対照をなすふたりの抱擁によって>>続きを読む

魔人ドラキュラ(1931年製作の映画)

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2日連続で映画を観れないなんてあってはならないので74分ならいけるかと無理やり鑑賞したら終わり間際に意識飛ばしてしまった。寝不足脱したい。

ドラキュラドラキュラ あたしの
心を噛んで yeah ye
>>続きを読む

今晩は愛して頂戴ナ(1932年製作の映画)

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急に歌わないで頂戴ナ──仕立屋とプリンセスの階級差恋愛を歌いあげるミュージカルで、『死ぬまでに観たい映画1001本』では「とびきり愉快な大傑作」と惜しみない賞賛が贈られているんだけど、マジで話の筋が何>>続きを読む

フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

観る前の私と同じく『ミツバチのささやき』での引用シーンしか見たことないって人も多いかもしれない古典ホラーの重要作品。ホラーというより心優しき怪物が迫害される様子に胸を痛めるヒューマンドラマ。「犯罪者の>>続きを読む

風と共に散る(1956年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

抑圧されたペニスが暴発する時──石油会社の御曹司カイルとその親友ミッチ、カイルの新妻ルーシー、カイルの妹マリリーの4人が展開する四角関係のメロドラマ。それぞれの役柄が“理性と欲望/男と女”のツーバイツ>>続きを読む

風雲のチャイナ(1933年製作の映画)

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いかにもな西欧的優越感──フランク・キャプラ自身がコロンビアで作った映画の中で最もお気に入りと評している作品らしい。宣教師として上海に赴いたバーバラ・スタンウィックが中国の将軍に囚われて好意を寄せられ>>続きを読む

限界(1931年製作の映画)

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ブラジル実験映画の夜明け──ブラジル初のアヴァンギャルド映画とされている作品。デヴィッド・ボウイもお気に入りの一本に挙げているカルト作品で、長らく幻の鑑賞困難作品だったらしいが、マーティン・スコセッシ>>続きを読む

天はすべて許し給う/天が許し給うすべて(1955年製作の映画)

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窓の格子がジョハリの窓のマトリックスに見えてくる──Strangerから恵比寿ガーデンシネマを40分以内に移動するという電車だと絶対に不可能なスケジュールをタクシーで無理やりクリアして観てきた。配車代>>続きを読む

柔道龍虎房 4K(2004年製作の映画)

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2回目の鑑賞。柔道アクション映画ではなく、ものすごく不思議な青春映画。登場人物がこんなにも自由気ままに躍動する作品はなかなか無い。どのシーケンスも最高だ。例えば売れない歌手シーモウが賭場の札束を抱えて>>続きを読む

妖術秘伝・鬼打鬼(1981年製作の映画)

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Strangerさんのラインナップは今年もアツい。急にゴールデン・ハーベストの映画かけたりするんだもん。てことで観てきた。サモ・ハンはどうしてもニッポンの社長のケツに見えて仕方がない。そしてあんなわが>>続きを読む

Love Letter 4K リマスター(1995年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

過去には届かない想い、過去から届いた想い──まだ私が映画好きじゃなかった頃、実家で観た記憶がある。私は普段は観た2日後にほぼ忘れてるレベルの忘却力を誇ってるんだけど、本作はなぜかかなり細かいところまで>>続きを読む

バッドランズ/地獄の逃避行(1973年製作の映画)

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居場所も行き場もなかったある若者の軌跡──人生初テレンス・マリック。マジックアワーで撮る人だということは知っていたけど、それがこれですか。いやー、言葉もない美しさでした。映画館の座席に座っていることを>>続きを読む

サイレントナイト(2023年製作の映画)

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欲を言えばクリスマスに公開してほしかった──ギャング同士の抗争の流れ弾で息子を亡くし自分の声帯も失った父親の復讐劇。パパつおい映画の新作来ました。いいですね、どんどん増やしていこう。全編ほぼ台詞無し、>>続きを読む

ゴーストキラー(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

薬莢はさすがに気づいて清掃しとけ──髙石あかりさん劇場でした。なんせ一人二役ですから。ただし本人のアクションシーンは「ベビわる」前作と比べると少し寂しい量。ゴーストが乗り移る設定はスタントダブルを思い>>続きを読む

Away(2019年製作の映画)

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『Flow』で第97回アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞したギンツ・ジルバロディス監督の1つ前の作品。木に引っかかったパラグライダーから降り立った男がカオナシとデイダラボッチの中間みたいな巨人から逃げ>>続きを読む

ケナは韓国が嫌いで/韓国が嫌いで(2024年製作の映画)

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本作がフィクションであるうちはまだ、あるいは──例えばこれまでの作品では物語の背景だった抑圧的な韓国社会が本作では主題に昇格している点がこれまでのチャン・ゴンジェ作品と大きく異なり、例えば彼氏の無理解>>続きを読む

Playground/校庭(2021年製作の映画)

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校庭、それは世界──3歳年上の兄と同じ小学校に入学したノラは、上級生にいじめられている兄の姿を目撃する。ノラの目線と同じ高さでトラッキングする被写界深度の浅いカメラが、ノラの小さな身体にのしかかる学校>>続きを読む

Four Daughters フォー・ドーターズ(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

虚実を併せ呑む語りに見る「歴史」の生成過程──オルファという名のチュニジア人の女性が画面越しに監督らしき人物と会話する。どうやら彼女と4人の娘についてのドキュメンタリーを撮るようだ。オルファと娘2人の>>続きを読む

片思い世界(2025年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

坂元裕二脚本(直近2本)の構造的な欺瞞性──今週は仕事は忙しいし風邪ひくしで平日の映画鑑賞0本を記録してしまったので、今日は腹いせに1日7本コースでギチギチの予定組んでやった。ということで朝イチのバル>>続きを読む