酩酊石打刑さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ニューイヤー・ブルース(2021年製作の映画)

3.3

まあどうってことない映画。それなりに楽しめた。妻と二人で、「あ、この人みたことある」の連続で、あのドラマではどうだったこうだった、などとくだらない話に盛り上がりながら、かまびすしく観終わった。

白頭山大噴火(2019年製作の映画)

3.8

ハリウッド製のパニック映画の雰囲気。なかなかそれなりに楽しめた。最後の決戦というか目的地まで行くのがタクシーというのが、韓国民衆の心意気を見るようでよかった。
北朝鮮、中国、アメリカと絡み合った政治勢
>>続きを読む

12番目の容疑者(2019年製作の映画)

3.0

舞台演劇のような会話劇。前半あまりにも静かに進むので、ちょっと退屈な気がした。しかしながら朝鮮戦争後の反共政策、思想統制といった内容で興味はある内容ではあるのだが、やはりちょっと映画としてしての魅力に>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.2

台本読みのシーンが続くところで、3時間にならんとする長尺に耐えられるかちょっと心配になったが、単なる杞憂に終わった。いつの間にか物語世界に引き込まれあっという間に映画は終わった。
当たり前といえば当た
>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海(2016年製作の映画)

3.5

ワンス・アポン・ア・タイム・インどこそこといったタイトルの映画がたくさんあることに驚いた。日本の映画会社の邦題のつけ方にはいろいろと批判が多いのだが、これはかなりひどい。
ひどくスタイリッシュで美しい
>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.3

予告映像で伊藤沙莉がタクシーの運転手をやってるのを見て『 Night ON THE PLANET 』が思い浮かんだ。 あの作品のヴィノラライダーはとってもステキだ。 それでこの映画をちょっと観てみるこ>>続きを読む

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

4.0

ユージン・スミスについては、音楽関連のことで名前を聞く程度の知識しかなかった。水俣病との関わりについてはよく知らなかった。
一緒に観ていた妻が小和田雅子さんの祖父がチッソの社長を務めたということを教え
>>続きを読む

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

3.9

この映画を観る数日前に、YouTubeで岡田斗司夫の『映画を早送りで観る人たち』についての解説動画を観ていた。
2013年に電車の中釣り広告で、ドコモdビデオの怖い顔をしたデ・ニーロ顔に「映画をコンテ
>>続きを読む

前科者(2022年製作の映画)

3.4

まずこの映画でいちばんに印象深かったのは、保護司なるものが民間のボランティアで運営されているということだ。
もっと公的な法務省当たりの職員が当たっているのかと思っていたが、あにはからんや普通の人。しか
>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

3.5

冒頭佐藤二郎のハンマーを振り回すシーン、明らかに戦闘訓練風だと思った。それは後半のシーンで実行され正解であった。韓国映画、ドラマでは見慣れたシーンではあるのだが日本映画で、と奇異に思っていたら監督がポ>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

4.2

どなたかも書いておられたが、最終的に死体を引きずっていったダンプの運転手についてはほとんど無関心。やたらと万引きはあったのかどうか、コンビニ側の対応はとまさにワイドショー好みの話題に関心は集中していく>>続きを読む

本気のしるし 劇場版(2020年製作の映画)

3.6

いったい何が始まって、何がどうなるのだろう。この不安な気分に4時間近くも耐えられるのだろうか。そう思いながら観始めた。
まあそれはアマプラでの視聴だったので、日常的な感覚を維持しながら、ドラマみたいに
>>続きを読む

ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった(2019年製作の映画)

4.5

大好きだったTHE BANDのドキュメンタリー。観よう観ようと思っていて、忘れていたがやっと観ることができた。
ロックバンドの盛衰物語はどこか物悲しい。音楽が好きで仲間が集まってライブをやっている間は
>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.4

若草物語は映画かアニメでみたことはあるのだが、気を入れてみたことはなく大まかなストーリーを知っているくらい。ジョーが作家になるというのは分かっていたが、彼女が末っ子だと思い込んでいた。
超有名な少女た
>>続きを読む

知られざるマリリン・モンロー 残されたテープ(2022年製作の映画)

3.4

膨大な録音テープから過去のかけらを探し、物語を構成していくのは対象に対する愛があり、事実解明への熱意があれば楽しいのだろう。しかしその膨大な過去の残骸をさほどの熱意もなく観ていくのは、なかなか辛かった>>続きを読む

攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争(2021年製作の映画)

3.5

ドラマ版シーズン1の尻切れトンボ感がいやだったのだが、ストーリー的には今作でやっとまとまった形で、続きを待てるようになった。
しかしながら、閑話休題風のエピソードがすっかりカットされているのが悲しかっ
>>続きを読む

スペース・スウィーパーズ(2020年製作の映画)

3.6

かなり本格的なSF、スペース・アドベンチャー物。登場人物も西洋人も多く、韓国映画とは思えない感じだった。
スターウォーズ、機動戦士ガンダムの宇宙空間、宇宙ゴミ、新しい生命観など、なかなかワクワクするよ
>>続きを読む

町田くんの世界(2019年製作の映画)

3.3

漫画が原作とのこと。町田君の走り方にはどうにもついていけなかった。
そこが抜け出せなくて映像世界観に入ることができなかった。
しかしちょっと、役者の無駄遣いが過ぎるような気がした。

返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

2.9

ホラーゲームの実写映画化。台湾の白色テロについてまったく知らなかったので、何が起こっているのか理解できないまま観終わった。
ただただ己の無知を恥じ入るばかりだ。
侯孝賢『悲情城市』観ていたのに、台湾の
>>続きを読む

チョ・ピロ 怒りの逆襲(2018年製作の映画)

3.5

最初は韓国ノワール感が希薄かと思ったが、いやいやそんなことはなくノワール感モリモリだった。汚いし、暗いし、痛いし。
敵役のパクヘジュン、なんとなく文科系胃弱っぽいイメージだったのだが、バリバリの体育系
>>続きを読む

SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)

3.3

『鉄腕アトム』やスピルバーグの『A.I.』が思い浮かんだ。
エスパーや改造人間の拡張身体を使ったアクションものになっている。
軽く流し見した。

生きちゃった(2020年製作の映画)

3.9

何なんだろうこの重苦しさ。昔見た『さらば愛しき大地』とか『サード』の持つ鬱屈した重くて暗い空気感。北関東から連想してしまう空気感。こんなことを言ったら、地元の方には怒られそうなのだが。
『アジアの天使
>>続きを読む

ストックホルム・ケース(2018年製作の映画)

3.0

ストックホルム症候群、リマ症候群など限界状況で働く人の心理反応はなかなか興味深い。災害ユートビアなんかも、その類かも。
近代化した社会では、神経症的な病理が多くなることとの合わせ鏡のように。小人閑居し
>>続きを読む

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

4.3

何ともやるせない気分になる。しかしこの世の中を理不尽といってかたずけてしまうのは、何だかモヤモヤしたものが残る。田中良子の生き方はその理不尽さの中で、ひたむきに生きていこうとする姿が共感を呼ぶのではな>>続きを読む

アジアの天使(2021年製作の映画)

3.5

池松壮亮のいつものモヤモヤっとした感が少なく、ハキハキとしていたが、オダギリジョーのあのグータラでどうしようもなさはハンパなかった。それにもまして韓国勢の俳優さんががんばっている。
池松とチェ・ヒソが
>>続きを読む

ルシッドドリーム/明晰夢(2016年製作の映画)

2.5

ネトフリのリストをみていて何気なく観た。何の情報もなく観たのだが、前日に観た『夜叉』のソル・ギョングが出ていてびっくり。特殊能力をなどの方法を使ったスリラー。普通につまらなかった。キム・ガンフンが『ラ>>続きを読む

夜叉 容赦なき工作戦(2022年製作の映画)

3.0

韓国ノアールのえげつなく痛くて暗い映像を期待したが、普通のアクション映画になっていた。Netflix制作ということで期待していたのだが肩透かしを食った。唯一楽しめたのは、オシのイエルさんの新たな魅力が>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

3.8

いつものホン・サンスの世界。何だかこのクダクダ感がいい。

私の少女(2014年製作の映画)

3.0

製作当時からづっと観たかったのだが、やっとサブスクの時代になって観ることができた。
期待していたよりもずっと普通の映画っぽくてちょっとがっかり。
何だか焦点が絞り切れてない気がした。ぺ・ドゥナの刑事さ
>>続きを読む

君が世界のはじまり(2020年製作の映画)

3.5

やはり『リンダリンダリンダ』のことが思い浮かぶ。さりげなく切り取られた学内の風景がいい。
あの頃の年代に感じるやり場のなさ、希望と不安のないまぜになった不安定な感情が映像にうまく定着できている。
閉店
>>続きを読む

鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

3.7

早稲田松竹、目黒シネマでは観ていたのだが、5年ほど前仕事を辞めてからは都内に行くこともなく、この手の中国映画は観ていなかった。
何だか訳は分からないのだが、この映像の雰囲気が好きだ。韓国映画はよく観て
>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

西川監督の作品は寡作であることもありすべて観ている。
丁寧に撮られたいい作品ではあるのだが、何だかあまりによく纏まり過ぎていて、何を受け取ればいいのかがよく分からなかった。
やはりわたしにとっての西川
>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.7

アメリカの何処のいつ頃のことなのか、よく分からないままに観始めた。主要登場人物たちの鬱屈は、いったい何に依るのかを判断する材料もなく物語は進んでいく。
ピーターの存在が舞台となったアメリカ西部の世界に
>>続きを読む