彼に「自己責任」という言葉を突きつける社会全体の空気と、社会的救済システムの非人間性が、この犯行を後押ししている。
決して許される犯行ではないことを踏まえた上で、その責任を彼だけに負わせることはできな>>続きを読む
あんまり日本のコメディは見ないんだけど、大九監督とバカリズムなら大丈夫でしょうと思い鑑賞。期待に違わず面白い作品でした。バカリズムの脚本は、小さい伏線を面白く小さく回収するシーンを積み重ねて飽きさせず>>続きを読む
エブエブ鑑賞後なので、どうしても高評価になります。
変人あつかいされている彼の生き方は、周囲との調和を第一とはしていない。彼がなぜ変わり者になっていったのかが、少しずつ解き明かされながら、一方では彼の>>続きを読む
封切最初に見ました。
ディスるわけではありません。
何が面白いのかまったく理解できませんでした。個人の感想です。
でもアカデミー賞を席巻したのだから、問題はこちらの鑑賞能力にあるのでしょう。
良い悪い>>続きを読む
戦争は人間を狂わせるということ。この会議の参加者にユダヤ人に対する人間的な感情を持っている者は誰もいない。人間的情緒が戦争によって圧殺されていることの象徴が、「音楽」一切無しという作り方に込められてい>>続きを読む
今、世界で起こっている悲劇とまさに地続きの物語です。ある意味見捨てられる前線の悲劇を描いた物語でした。国家や軍事というのは、一人一人の命などなんとも思わない。その家族の気持ちに寄り添いなどしない。前線>>続きを読む
「見栄」とは何なのか。「自分はこうであらねばならない」という理想にからめとられ、無理をしてその水準であることを装う。その無理な装いが、仕事、家族、生活に影響を与え破綻させる。「見栄」とは恐ろしい。まさ>>続きを読む
この作品のリメイクにチャレンジしたスピルバーグ監督の勇気に対しての評価です。
映画の中には、この作品を優れた監督・スタッフ・キャストでリメイクしたら面白くなるだろうなと思う原石的作品は確かにあると思い>>続きを読む
この思い出し方は「ちょっと」じゃねえだろう!と言いたくなるくらい思い出してます。1年刻みの思い出しなので、いろいろな役者さんが、ちょっとだけ出てきたりする贅沢なキャスティング。男女の付き合いが長くなる>>続きを読む
その昔、ビートルズ最後の映画『Let It Be』をスクリーンで観た世代です。その後、この映画は大人の事情でお蔵入りし、長いこと映像化されませんでした。もちろん映画館での再上映も全く無くなりました。い>>続きを読む
この設定でお涙ちょうだい路線にいかなかったことが大正解です。ばかな配給会社に「全米が泣いた!」のようなくずコピーをつけられなくて良かった!この映画は、同情や憐憫を誘うものでは無く、背中を押してあげたく>>続きを読む
おそらく商業ベースには乗らないだろうと思われる本作製作に関わったすべての人に敬意を払います。過酷な修行を経て芸を身につけた瞽女を地域の人々が招いて楽しむ文化がかつて存在し、ハンディを持って生まれた人の>>続きを読む
最近、不器用ながらも世間と折り合いをつけながら生きている女性を主人公とした邦画を立て続けに観てました。偶然鑑賞したこの洋画も同様の感じでした。何をやってもうまくいかない、でも壊滅的なことにもならない。>>続きを読む
「甘いお酒でうがい」鑑賞後、大九明子監督作が気になり鑑賞。
今回はなんといっても脳内会話。脳内会話を積み重ねながら自律を保っているアラサー女子をのんが好演してます。とくに今回は、橋本あいとの共演部分も>>続きを読む
佳子サンのモノローグメインで100分押し切った大九監督の判断に拍手!それを可能にしたシソンヌじろうの脚本にも拍手です!若林というキーパーソンをつかみ所無く演じた黒木華、脱力系男子の岡本を演じた清水尋也>>続きを読む
笑ってください。エンドロールを観るまで、ガガだと気づかなかった。ああ、恥ずかしい。それくらい予備知識なしに鑑賞しました。なぜならタイトル自体がかなりの予備知識だと思いましたので。
さて、映画のテーマは>>続きを読む
自身の体験を積み重ね、周囲の親切を受け入れ昇華していくことで、少年・少女は成長し、大人は成熟するということでしょうか?イーストウッドの作品は、さらに静謐さを極めていっているようです。
主人公は猫背で腰>>続きを読む
資本主義は恐ろしい経済システムである。その昔、マルクスやエンゲルスらの社会主義者が予測したことは的中している。資本主義の欲望は止まることを知らない。本来、その恐ろしい経済システムを、民主主義という政治>>続きを読む
ある殺しを起点とする「復讐劇」。ある児童誘拐を起点とする「救出劇」。日本、韓国、タイを舞台に2つの「劇」が複雑に絡まりながら壮絶な戦いが展開される。そこには同情も憐憫もかけらすら無い。ほんの僅かな救い>>続きを読む
普遍的なテーマですよね。
「辺境」とは誰にとっての辺境なのか。そこに「帝国」の人々の傲慢さが読み取れる。その傲慢さを自覚し理解を示す民政官は、ただただ無力。でも辺境の人々は、実は賢くて強い。まさに土地>>続きを読む
11月26日勝手にマイシネマデイの3本目は「カオスウォーキング」。1日映画鑑賞を頑張ったご褒美に、16:40からの回だったにもかかわらず、またまたスクリーン独り占め。他の客なし。
まず、思想がダダ漏れ>>続きを読む
11月6日(金)勝手にマイシネマデイの2本目として鑑賞。
今回の「悪いやつ筆頭」は白人至上主義者のレイシスト。この親玉の周囲には、自分の差別意識を受容してもらえるため同質の小者たちもむらがり彼らなりの>>続きを読む
11月26日を勝手にマイシネマデイとして、3本の映画を鑑賞しました。3本に共通するのは「悪いやつ」。ということで、第一弾が「ナイチンゲール」。
朝4時からwowow撮りだめのもっとも古いやつをチョイス>>続きを読む
映画館でひとりで観ました。たったひとりの館内でスクリーンを独り占め。僕のためだけの上映でした。僕がこなかったらスタッフはゆっくりできたのにと申し訳なく思いました。11月初旬の日曜日の午後の回でした。天>>続きを読む
序盤はコメディなのかと思わせるゆるめの展開。諜報員たちの仕事ぶりもいい加減。出世と金にしか興味がなさそうな使えないやつばかり。
「緩和」から始まり、中盤からは一気に「緊張」が高まる展開。前半の緩さが、>>続きを読む
観る者の想像や感情の入り込む隙間としての余白がある映画が好きです。余白があるからこそ鑑賞後の余韻が生まれると思います。何でもかんでも説明して押しつけてくる映画はわかりやすく楽しめるけど、見終わった後す>>続きを読む
おじさんは体も弱り、姪のサポート無しでは日常生活もままならないのは事実。その状況を心配して姪の未来を広げてあげようとする周囲の人々は、あくまで優しく温かい。もちろんおじさんも心配している。でも本当は姪>>続きを読む
東西冷戦時代の中でも、もっとも核戦争が現実味を帯びたキューバ危機前後の状況を背景にしたスパイ映画。話も落ち着いておりリアルな緊張感がありました。政治色の強い映画だけども、個人的には国家体制の枠を超えた>>続きを読む
ノーラン監督最大のヒット作(今のところ)。難しいのはわかってた。設定が複雑なのもわかってた。しかし、どうしても「無意識に潜入」とか「夢の多層構造」とかに気持ちが入り込んでいかんのです。映像の凄さは認め>>続きを読む
みんな自分に正直に生きている。だから間違いを繰り返す。
誰もが欠点を持っている。ノーバディ・イズ・パーフェクト。
人の気持ちは他人にはわからない。予想もつかない。
うまくいくこととうまくいかないことの>>続きを読む
自分の映画鑑賞能力不足から、正直よく理解できませんでした。時間がいったりきたり、時間が順行する人と逆行している人が同じ場面で混在していること、なにがどうなっているかの理解をしようとするあまり、話の本筋>>続きを読む
原作小説出版時に読んでいたので、映画も観ました。
小説も映画も二重構造で、時間軸も行きつ戻りつするので、小説では必死でついていった部分も、映画だからこそわかりやすくなって全体の流れの理解はよくまとまっ>>続きを読む
この映画でヨハンソンにハマりました。今やハリウッドNo.1の稼ぎ頭アクトレスとなりました。その時は想像だにしなかった。主役の行動を狂わせる少女としての説得力抜群の存在感ですよね。
最近は、「ヤクザと家族」「すばらしき世界」など、暴対法以後の社会における彼らを描いた秀作が続いていたが、この作品は暴対法以前という舞台設定でなければ表現できなかった超過激作となっていました。アウトレイ>>続きを読む
これは、1980年代のサッチャー・レーガン・中曽根政権登場に象徴される「新保守主義」「新自由主義」の政治によって形成されてきた「今」を直視した問題作です。この路線を選んだ多くの国が同じような「今」をつ>>続きを読む
原作を映画化すると概ね残念な結果になることが多い映画界ですが、その常識を覆す数少ない事例の代表作だと思います。キングの中編にほどよく肉付けしながら、内容を膨らませたダラボンの手腕に敬服です。決して甘く>>続きを読む