るてのらさんの映画レビュー・感想・評価

るてのら

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ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

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ディゾルブやワイプのように本来見たことがあるはずの編集でも「映画なんて観てなんになるんだよ」というこの映画で使われると新鮮な違和感となってくる。
噂の反転した部屋の配置のように映画表現で使えるものを使
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ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

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インスタグラムで氾濫しまくるウェスアンダーソンみたいな映像で映画を作ろうとしたときにきちんと撮影・編集をすればここまでまとまりのある画面になるということにまず驚かされる。

時代を少し遡る設定、アイス
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フィメール(1933年製作の映画)

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男女を反転させた奔放な話ではあるがラストは無茶苦茶保守的に終わる…

南国の恋唄(1934年製作の映画)

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ケイ・フランシスの凝視。ハリウッド映画の楽観的なムードの中にハードなモチーフが並べられる違和感

人生の高度計(1933年製作の映画)

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途中までシンメトリーの構図が多く登場することで、キャサリンヘップバーンの並列な立場が強調されていたように思う。
しかし高度を目指す行為が逸脱になってしまうという絶望感…

ジャン・ルノワールのトニ(1935年製作の映画)

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南仏におけるスペインからの労働者の流入というその後も描かれるルノワールの重要テーマ。
ここぞという場面で使われる並行移動のカメラとディープフォーカス

マッチ売りの少女(1928年製作の映画)

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逆再生やスローなど映画の古典的な特殊技法を多用していて微笑ましい。
幻想シーンの美しさ、揺れる白いカーテン。

愛慾(愛欲)(1937年製作の映画)

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笑ってよいのかよくわからない軽快なトーンの前半パートから、まさにジャン・ギャバンの目の前でミレーユ・バランが変容することで、一気に陰鬱な後半パートへ流れ込む。
ロケ撮影だけは常に生き生きとしていたが、
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自由の暴力 デジタルリマスター版(1974年製作の映画)

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ロトが当たっただけなのに…。
愛されていると思ったけど、愛されてなかった映画。
同性愛の作品ではあるけれど、そのまま異性に変換しても成立する物語。この映画の本質は富裕層と貧困層のあいだにある決定的な断
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リリー・マルレーン 4K デジタルリマスター版(1980年製作の映画)

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劇的すぎる音楽の使い方に人物の周辺を回りまくるカメラの動き。早く移動するカメラって急には止まれないよなと気付かされる。

こういう想像力の使い方、嫌いではないぞ。

コルドリエ博士の遺言(1959年製作の映画)

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ルノワール作品における人間の欲望という主題が凝縮されたようなキャラクター。不審な彼の行動をカメラが俯瞰で捉える不気味なショットが印象に残る。
そしてかなり長い階段の登場。

田舎と都会の往復も靴を擦る
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至福のレストラン/三つ星トロワグロ(2023年製作の映画)

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思ったより提供直前でグダるし、こいつはなんかやらかしそうだなというやつは失敗して笑った。編集の仕方だとは思うけど。

最後に全体のまとめ・詳細を親父と客との会話のなかで明かす展開。

基本は料理の手際
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ベッドとソファ(1927年製作の映画)

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作業員とモスクワの背景を捉えるディープフォーカス

ハンナだけど、生きていく!/ハンナはいつも、アイされたい(2007年製作の映画)

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この時代、この場所でしか醸成されない空気感とも言えるし、裏を返せばどこぞの大学生がまずは作ろうとするどこにでもありそうな仲間内の映画とも言える。嫌いではないのだけど。

死の谷(1949年製作の映画)

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『ハイ・シエラ』に比べると派手さに欠けるような気がしたが、お手本のようなカッティングオンアクションの連鎖が気持ち良く飽きさせない。
脚本も無駄を省き整理され、それぞれの登場人物の感情の置きどころや立場
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7月の物語(2017年製作の映画)

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ここには『宝島』も『リンダとイリナ』もあったのか。というかそれぞれドキュメンタリーと言われるものが、物語映画で既に描かれているってどういうこと…

勇者たちの休息(2016年製作の映画)

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かつて自らがした選択に納得し誇りを持つさまは羨ましくもありつつ、辛そうでもある。

信子(1940年製作の映画)

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冒頭からとばしまくり。路地を歩く高峰三枝子をとらえる横移動するカメラと後ろで上がるタバコの煙。
職員室を奥からも手前からもとらえる贅沢な舞台装置。

経済的な格差が駆動する物語も相変わらず清水宏で、な
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女っ気なし(2011年製作の映画)

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地元で暮らす人間関係の煩わしさから逃れられない辛さ…。それでも他人に迷惑をかけないように暮らすのは偉いぞ…。ヴァンサン・マケーニュだからこそコンスタンス・ルソーのような存在は許されてほしい。

遭難者(2009年製作の映画)

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他人との距離感をうまく掴めない2人の男。
余計なことををして関わるか、余計なことを避け続けるか。

ラストに登場する崖という場所は確かに海が近くても降りることはできない。そこで2人の人物はどのように対
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Chime(2024年製作の映画)

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ちょっと圧倒されてしまった。それぞれの要素を取り出してみれば、黒沢清監督作で登場していた要素を寄せ集めているようにも思えるが、基本的に訳がわからない。脳みそが機械に半分入れ替えられ、半分はそのままとい>>続きを読む

Seventh Code(2013年製作の映画)

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前田敦子をひたすら動かし続ける『旅の終わり〜』に向けての習作。とはいえフィルムノワールとしても充分面白く、流石にラストの歌を被せたシークエンスが浮きまくっているが、活劇を撮りたい欲望を請負仕事で無理や>>続きを読む

リアル 完全なる首長竜の日(2013年製作の映画)

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この映画の流れにホラー漫画要素は関係ないだろうと思ったら、原作は少女漫画の作家ということらしい。そこまでグロテスクな描写を多用しない黒沢清作品において、ここではVFX技術の向上も相まって嬉々として死体>>続きを読む

トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

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4人の家族はそれぞれの役割である生徒・会社員、母、大学生として凡庸で現実的な不和を抱えているが、役所広司による泥棒、交通事故からの回復、従軍による視野の拡大、天才的なピアノの才能という偶然がそれぞれの>>続きを読む

贖罪(2012年製作の映画)

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第3話から急に黒沢清的なシグネチャーが現れるのはなんなのか。廃墟のような倉庫、スクリーンプロセスの車窓。ダンボール。

物語はラストに近づくにつれ、ただただ小泉今日子の役がうろちょろしていただけだった
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リンダとイリナ(2023年製作の映画)

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これがドキュメンタリーであることの驚き。
達観している風だけど、ただ素直になれない女の子たち。

ゴングなき戦い(1972年製作の映画)

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タバコを探し外に出て戻るまでのシークエンス、体育館でのスパーリング、農園への日雇い労働、車中での男女。そしてラストの酒場。全てのシーンに目が奪われる。

色々なフリが散りばめられているのも興味深く、服
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