るてのらさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

るてのら

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死の谷(1949年製作の映画)

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『ハイ・シエラ』に比べると派手さに欠けるような気がしたが、お手本のようなカッティングオンアクションの連鎖が気持ち良く飽きさせない。
脚本も無駄を省き整理され、それぞれの登場人物の感情の置きどころや立場
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7月の物語(2017年製作の映画)

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ここには『宝島』も『リンダとイリナ』もあったのか。というかそれぞれドキュメンタリーと言われるものが、物語映画で既に描かれているってどういうこと…

勇者たちの休息(2016年製作の映画)

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かつて自らがした選択に納得し誇りを持つさまは羨ましくもありつつ、辛そうでもある。

信子(1940年製作の映画)

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冒頭からとばしまくり。路地を歩く高峰三枝子をとらえる横移動するカメラと後ろで上がるタバコの煙。
職員室を奥からも手前からもとらえる贅沢な舞台装置。

経済的な格差が駆動する物語も相変わらず清水宏で、な
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女っ気なし(2011年製作の映画)

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地元で暮らす人間関係の煩わしさから逃れられない辛さ…。それでも他人に迷惑をかけないように暮らすのは偉いぞ…。ヴァンサン・マケーニュだからこそコンスタンス・ルソーのような存在は許されてほしい。

遭難者(2009年製作の映画)

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他人との距離感をうまく掴めない2人の男。
余計なことををして関わるか、余計なことを避け続けるか。

ラストに登場する崖という場所は確かに海が近くても降りることはできない。そこで2人の人物はどのように対
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Chime(2024年製作の映画)

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ちょっと圧倒されてしまった。それぞれの要素を取り出してみれば、黒沢清監督作で登場していた要素を寄せ集めているようにも思えるが、基本的に訳がわからない。脳みそが機械に半分入れ替えられ、半分はそのままとい>>続きを読む

Seventh Code(2013年製作の映画)

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前田敦子をひたすら動かし続ける『旅の終わり〜』に向けての習作。とはいえフィルムノワールとしても充分面白く、流石にラストの歌を被せたシークエンスが浮きまくっているが、活劇を撮りたい欲望を請負仕事で無理や>>続きを読む

リアル 完全なる首長竜の日(2013年製作の映画)

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この映画の流れにホラー漫画要素は関係ないだろうと思ったら、原作は少女漫画の作家ということらしい。そこまでグロテスクな描写を多用しない黒沢清作品において、ここではVFX技術の向上も相まって嬉々として死体>>続きを読む

トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

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4人の家族はそれぞれの役割である生徒・会社員、母、大学生として凡庸で現実的な不和を抱えているが、役所広司による泥棒、交通事故からの回復、従軍による視野の拡大、天才的なピアノの才能という偶然がそれぞれの>>続きを読む

贖罪(2012年製作の映画)

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第3話から急に黒沢清的なシグネチャーが現れるのはなんなのか。廃墟のような倉庫、スクリーンプロセスの車窓。ダンボール。

物語はラストに近づくにつれ、ただただ小泉今日子の役がうろちょろしていただけだった
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リンダとイリナ(2023年製作の映画)

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これがドキュメンタリーであることの驚き。
達観している風だけど、ただ素直になれない女の子たち。

ゴングなき戦い(1972年製作の映画)

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タバコを探し外に出て戻るまでのシークエンス、体育館でのスパーリング、農園への日雇い労働、車中での男女。そしてラストの酒場。全てのシーンに目が奪われる。

色々なフリが散りばめられているのも興味深く、服
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(2006年製作の映画)

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それまでの映画の総決算的なモチーフの再登場が多い。

禁じられた情事の森(1967年製作の映画)

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ゴールド染色版。光の明部である白い馬と人間の裸体で特にゴールドが映える。
ラストの三者を何度も映すパンがダサすぎて笑った。

光あれ(1946年製作の映画)

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精神疾患というものがこんなに単純なものではないことも知ってはいるし、かつフレデリック・ワイズマンとかが必死こいて撮ったドキュメンタリーを観て、そして演出のないドキュメンタリーは存在しないこともわかって>>続きを読む

ザ・デッド/「ダブリン市民」より(1987年製作の映画)

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民族・宗教観の違いはあれど、ギリギリ体面を守り、なんなら少し感動的に終わるパーティ。そしてそのあと残された行き場の無い感情。

勇者の赤いバッヂ(1950年製作の映画)

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狭い画面に兵士を3人配置するショットが多い。表情を近距離で捉えることで緊張感がある。林の中の疾走は言わずもがな良い。

LOFT ロフト(2005年製作の映画)

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湖から吊り上げるリフト、焼却炉というでかい装置。中谷美紀がタバコを吸うことが展開を生む。やっぱり追いかける人間には手を挟まれて欲しい。

夜の片鱗(1964年製作の映画)

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都会のいかがわしさを象徴する人工的なネオン管と元々蛍光灯の作業工として働いていた桑野みゆきには絶望的な因果がある。

そして男との関係ややくざ、貧困という要因も桑野みゆきを縛り付ける。目を背けたくなる
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ココロ、オドル。(2004年製作の映画)

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俯瞰ショットがほとんど。PVっぽいなと思う。監督助手に杉田協士

ドッペルゲンガー(2002年製作の映画)

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『アカルイミライ』ではそんなに意味がなさそうな場面で使われていた分割画面を、ここではきちんと主題との親和性を絡めて使用している。意外と同じような作品が少ないのはさすが。

降霊 KOUREI(1999年製作の映画)

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ことあるごとに余計なことをする役所広司。もしあのときお祓いをしてなかったら…
出てくるとわかってる場面であっても怖いな。
本筋とは関係ないと思われる心霊現象で職場に来なくなる同僚。突然もぬけの殻になる
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映画館の恋(2005年製作の映画)

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構造を操作して盲目で醜い男の欲望を描く…この頃からなにも変わっていないとも言える。前半、映画内映画の主人公のスタイルが良すぎたし、死を選ぶ若者の話という意味でもそこはホンサンス映画ではないのがわかる。

リスト(2011年製作の映画)

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リスト通りに進んでいく話だったわけだけど、冒頭の借金の話がミスリードを誘う。

草の葉(2018年製作の映画)

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いつものホン・サンス映画にオブザーバーとしてのキム・ミニの存在が加えられる。説明や背景が語られないホンサンスの映画において、鑑賞者は今回のキム・ミニとほぼ同じ立場に置かれている。そして誰かの発言や会話>>続きを読む

小説家の映画(2022年製作の映画)

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自己言及風な内容と今にも破綻しそうな危うい関係にある人間たちの会話。

シークレット・ディフェンス(1998年製作の映画)

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思っていたより良かった。物語というよりもサンドリーヌ・ボネールの動作、所作、行動に特に目が惹かれる。都会から田舎へTGVに乗っていく長いシークエンスとモノレールに誤って乗って引き返すまでのシークエンス>>続きを読む

吹けよ春風(1953年製作の映画)

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三船敏郎の語りによって進められる短いエピソード群。小品であり簡単に作られたものではあると思うが、当時の東京の光景が観られるだけで個人的には価値がある。あとタクシー左ハンドルだなとか。
岡田茉莉子目当て
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曖昧な未来、黒沢清(2002年製作の映画)

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良くも悪くも映画はプロデューサーや各分野のスタッフとの共同作業で作られる。つまり『アカルイミライ』の違和感はプロデューサーの発注内容と黒沢清のミスマッチが大きな要因としてあるように思える。そして少ない>>続きを読む

アカルイミライ(2002年製作の映画)

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色褪せたカラーグレーディング。異なる解像度のカメラ。手持ちカメラによるブレ。

新たな画面を作ろうという外部もしくは作家の意図は、結果的にその他の凡庸な低予算映画に酷似してしまっているように思えるが、
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大いなる幻影 Barren Illusion(1999年製作の映画)

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映画美学校の授業も兼ねて、シナリオ偏重ではない映画を目指したということらしい。

物語はあることはあるが、基本的には特に意味を持たない断片のようなシークエンスが積み重ねられていく。

ゴダールや台湾ニ
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