カウボーイから保安官になることで、法を守ろうするジョン・ウェイン。
学はあるウォルター・ピジョンは南北戦争に乗じたゴタゴタの中で無法者に。というか他の兄弟も皆、悪人なのがやばい。
過渡期における秩序の>>続きを読む
人物もその所業も無茶苦茶なバワリイ地区に、法とは別の秩序で動く顔役。
そこにビールメーカーという資本と戦争が介入していくことで結果的にゴタゴタは丸く収まっていく。
ホームで石坂友里さんのセリフ終わりで交差する電車、バイクと並走する電車など力技の奇跡のショット群。
ここでも舌を出す高峰秀子。
全員異なる父を持つ兄弟たちとそこに不幸をもたらす小沢栄太郎。
不気味なくらい幸福の象徴として描かれる香川京子の兄妹。
暗く狭い実家と世田谷の家の見晴らしの良さが対比さ>>続きを読む
前半の高峰秀子の躍動ぶり!姉の田中絹代の夫である山村聰への当たり方。投げ捨てる新聞。今見ると臭くなりそうな一人芝居も普通に笑える。
そして山村聰は本当に良いところがない。かろうじて職につけたという嘘>>続きを読む
気怠く腰を曲げながら階段を上る姿と偽って姿勢を伸ばして着飾る姿がとても対照的。
思ったよりマフィアが酷いことをしてこないのと霧の中に消えていくラストは救いでもある。
ジャン・グレミオン節とも言える少し高い位置から人物を捉える俯瞰ショットから、嫌味のないズームのショットへの移行等、高低・平行・垂直方向に動く撮影が、その地味な邦題からはおよそ想像がつかないほどの豊かさ>>続きを読む
高齢になってきたためか中盤には出番少なめのサッシャ・ギトリ。
巡業地という設定により、ラナマルコーニをつれて様々な場所へアグレッシブに移動をし続ける場面は風通しの良さがある。
そしてラナマルコーニに高>>続きを読む
窓外を見やる主人公のカットの後に窓が映され、その窓外には主人公が現れる。そのように一度のみの殺人の後でも宙吊りにされる感覚が続いていく。横移動されるカメラやショットは常に最高。後半ちょっときつい…。>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
『悪は存在しない』を観ていないといけないような気もするし、観ていなくても大丈夫なような気もする。
劇伴つきのサイレント映画という形態によって濱口作品の特徴である会話が生んでいた緊張感・不穏さは損なわ>>続きを読む
何度か繰り返されるスカイツリーのショット。実際、良くも悪くも目に入るよな…。
ユニクロは出てこない。
大画面で岡田茉莉子を観ることの尊さ。
今からするとやりすぎな演技なのかもしれないがとにかく顔の筋肉がよく動く。
スタンドや電灯、ストーブの火の点滅がそれを補完するように顔にあたる。
そして団地におけ>>続きを読む
ジュヌヴィエーヴ・ギトリが歌手から真実を告げられる切り返しとサッシャ・ギトリと対峙する真正面のカット。
音楽はとにかく最高ですわ。
内容関係なく97年のアワードでの涙にやられた…。
本人が舞台制作者ということもあって、演劇をテーマにした映画という意味では最強では。何重にも渡るメタ構造。自分が観ているのは映画か映画内演劇なのか。カメラ目線や平面的に配置された舞台装置と高めのカメラが>>続きを読む
親父の語りによる長い人生訓とそれをトレースしていくサッシャギトリ。最後は無理矢理感があるけど、後味は良い。
中平卓馬の正攻法ドキュメンタリー。
例の寝てる人を撮った後のあの喜びようと言ったら…。
そしてあのシンポジウム。東松照明や荒木経惟への苛立ちは隠さないが森山大道との距離感は本当に不思議なものがある。>>続きを読む
ギロチンにかけられる前にされる妻からのウインクと投げキッスはトラウマ過ぎる…。
複数の時代に同じ役者が登場することで、今も続く負の連鎖が強く意識される。
現実に起こる戦争・紛争の話を聞いた後では、>>続きを読む
回数が重ねられることと動作が追加、削除されることによって生まれる演技の変化。
それに加えて編集の方法によって鑑賞者の見方も変わってくる。
『ゴースト・トロピック』の感度の低いフィルム撮影による最高なショット群は当然引き継がれている。
靴紐を結ぶために止まった植物学者のシュシュに気づいて戻る建設労働者のシュテファン。何かが起こりそうな向>>続きを読む