森と先住民に特段の神聖さを与えないという意味で、同様にウィリアム・ブレイクを引用している『デッドマン』と対称的。確実に意識はしているのだろう。
被写界深度の浅い背景をぼかした撮影が印象的で、暗く奥行>>続きを読む
思いの外良くてびっくりした…。50年代のハリウッド映画のようなトーンながら、会話劇で展開していく。その中でも風景ショットは郊外であることと工業地帯を意識的にとらえることで孤立していく男女を強調している>>続きを読む
ミシェル・ウィリアムズの声だけでライカートの映画が始まるんだと思わされる。
友達も少なく家族に振り回されつつも離れられない主人公にシンパシーを感じる。
猫の扱いが犬とは対照的。鳩が主人公のアナロジ>>続きを読む
言葉は少ないけど、表情の変化が何かしらの影響を人に与えていく。正しくも誤ってもいない選択。
何も起こらないような気がするが、然るべきことが然るべきタイミングで起こり続ける。
ほぼほぼセット撮影による清水宏。
馬鹿みたいに広い店内を、うなだれる同僚達の中で一人踊る桑野通子。
そして数少ないロケ撮影では見晴らしの良すぎる道沿いを、左方向へは子供とともに歩かせ、帰りの右方向へ>>続きを読む
流石に案件という感じがしなくもない。
俯瞰でとらえた現場立ち会いでは同時に労働者の姿も映していく。
5回繰り返される同様の撮影地と撮影方法。ただだんだんと撮影地の太陽光の強弱、雲の形、環境音から異なる撮影日であることがわかってくる。
不勉強なので詳しくはないが、反復による強調がその場所の重要さに目を>>続きを読む
合間に挿入される自然風景ショットが凄まじく良い。
会話の内容は正直追いかけるのを途中から諦めてしまったが、神や自然の視点や対話の相手との差異から、人間について考えていくという意味では原始的な創作物と大>>続きを読む
カウリスマキのこれが平常運転ではないのだろうけど、最低なのは世界で2人の話は終始最高だな。
当然アルコール中毒が愛で治るわけもないけれど、そんなものは映画にとっては代替可能なものでしかないし、思いあっ>>続きを読む
いつもの縦の構図で描かれる街道でのシーン(隊列を真似する子供、花形選手を見ようとあれこれ画策する女子達)は特に序盤に長く配され、山の稜線とともに美しい。
そして躍動する佐野周二、笠智衆(若くてかっこ>>続きを読む
あの後付けされる大げさでペラペラの伴奏も含めたサイレント映画へのオマージュ。
そしてジャンルノワールの『ピクニック』のように、女は水辺に連れて来られることで決定的に変容してしまう。
色々最高なのだけど、この批評性が今だとどう作用するのか気になってしまう。
ふとしたショットがばっちり決まってて気持ちいい。
カウリスマキ作品そこまで観ていないのだけど、登場人物がもれなく不幸になるな。
アメリカの黄金時代の映画のオマージュが多く、途中で出てくるネオロカビリーバンドもその一つなのだろう。
初期のヴィデオアーティスト、ザ・キッチン創設者の夫婦のドキュメンタリー。
2人の出会いからこれまでのストーリーをなぞりつつ、老齢に達した非商業主義的なアーティストの現在地と夫婦の晩年の関係性を丁寧に>>続きを読む
いくら古典でも物語内容がキツすぎる。
半分くらい回想で語られる内容に裏切りもなく、全て真実なので拍子抜けしてしまう。
有馬稲子の顔と三國連太郎の雰囲気、日本語の古めかしい平坦な会話が見どころか。
本人達の背景は控えめに、ペルーと秩父の自然とアヤクーチョの音楽がメイン。
津波による被害をうけたスリランカのホテルの10年後のドキュメンタリー。
冒頭には仏教徒が多いことを示され、日常としての従業員の掃除のシーン、従業員通用口のシーンが長く配されている。
掃除のシーン・>>続きを読む
ロイハーグローブの音楽ドキュメンタリーを撮ろうとしただけなのに次々に浮き彫りになる搾取とドラッグと病気問題。
音楽は素晴らしすぎるが権利の問題でカバーのみ。辛すぎるけどよくあることかもしれない。
体調>>続きを読む
グラスを割ることで区切りが生まれる。
ジャック・タチ的なコメディでもあるのかなと思いながら観ていた。
『陽炎座』の棒読み気味の演技に比べると、こちらは過剰演技気味。沢田研二も原田芳雄も本人にしか思えず、沢田研二が鼻歌を歌うシーンでは上手く歌わないでいてくれることを願いながら観てしまった。
時系列の操>>続きを読む
冒頭のクレジットでの水面のショットが主題を示す。
突飛な展開はあるもののついていけなくなるほどではないし、あからさまに繋げようとしないショットなどは気持ちいい。
特に前半の情報量の多さがすごい。当時の映画でできること・やりたいことを全て詰め込もうとしたようなテンションの高さ。
そして多様な感情を表現する八雲恵美子の目のとらえかた。
バーから去る曇りガラスの>>続きを読む
少なくとも風景論映画という枠にも入れられる映画と言えるのではないだろうか。爆睡したけど。
とんでもなくミニマルな映像でも、フィルムノワールやヌーヴェルバーグへのリスペクトを感じる。めっちゃかっこいいぞ。