carcさんの映画レビュー・感想・評価

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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

4.2

岡山天音の怪演が凄まじい。最初から最後まで、もはやネタに取り憑かれた狂人と呼んでもいい演技でした。

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.2

この上なく美しい映像で描く喪失と受容の物語。脚本はストレートですが、描き方、撮り方が素晴らしく感動しました。

大切な人を失ったとき、人はどうしても自分や他人を責めてしまうものだと思いますが、それを赦
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.6

2本立て上映のうちの1本として鑑賞。
トルコの美しい景色と、フランキー・コリオの演技が光る映画でした。

サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

3.7

『四畳半タイムマシンブルース』を観る前の予習として鑑賞。
もちろんハチャメチャ青春コメディとして面白いのに加えて、過去改変の使い方もなかなか凝っていて楽しい。
ラストの少し切ない終わり方もおしゃれでし
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うかうかと終焉(2023年製作の映画)

3.9

京都にある取り壊し前の架空の寮、白河寮を舞台に、最後の5日間を過ごす若者たちを描いた本作。京都大学の吉田寮をモデルに、監督の大田雄史氏が過去に上演した舞台の映画化です。

元が舞台ということもあり、限
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正欲(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

朝井リョウの同名小説の映画化。原作は朝井リョウがこのテーマに対して誠実に、かつ踏み込んで書いていました。映画も大筋は原作小説に沿っていますが、いくつか大胆な脚色も見られました。

原作との違いの一つで
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怪物(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

「怪物だーれだ」の予告編以外の前情報ほぼ無しで観に行ったのですが、怪物は(登場人物でも我々でもなく)是枝裕和と坂元裕二だと思いました。

現実世界の割り切れなさとしんどさをこれでもかというほど突きつけ
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

4.0

『パート・オブ・ユア・ワールド』『アンダー・ザ・シー』と名曲揃いのリトル・マーメイド、ちゃんとアニメ版で予習してから鑑賞しました。

最初はあまりにもリアルな映像に衝撃を受けましたが、そこは自然と目が
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リトル・マーメイド(1989年製作の映画)

4.1

実写版の予習として初鑑賞。80分強の作品でありながら、『パート・オブ・ユア・ワールド』『アンダー・ザ・シー』の名曲を始めとしてディズニーの良さが存分に発揮された楽しい映画でした。

セッション(2014年製作の映画)

4.1

ラ・ラ・ランド、バビロンと観て肝心の本作を観ていなかったので遅ればせながらAmazon Primeで鑑賞。

監督の作風やあらすじから、どんな鬼教官が出てくるのかと思いきや意外と人間味があって(かつそ
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エゴイスト(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

母子家庭で育ち、生活費のために体を売りつつパーソナルトレーナーという夢を追っていた龍太と、編集者として裕福な生活を送る浩輔。浩輔は龍太が体を売らずとも母親を養えるよう、月10万円の生活費を援助し、服や>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

4.0

「『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼルが、サイレントからトーキーへの移行期に運命に翻弄される映画人を描いた」なんて生易しいものではなかったです。

こんなことやっていいんですね…

映画に人生を捧
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ミートキュート 最高の日を何度でも(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

設定はよくあるタイムトラベル×恋愛物なのに、そのタイムトラベラーがエキセントリックなものだから一味違った展開に。
主人公もすぐタイムトラベルの話をしてしまうし、サスペンス的な要素よりもなかなかうまくや
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バイバイ(2022年製作の映画)

3.8

ムロツヨシ監督脚本主演ということで、途中はシュールで意味不明な展開に持っていくのかと思いましたが、意外と気持ちよくまとまっていました。

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

機内にて鑑賞。開始直後からの違和感がどんどん増大して終盤の大仕掛けに繋がっていくSFサスペンス。
ネタバラシの気持ち良さはあったんですが、回収されきらずに終わったなあと思ってしまいました。趣味の問題か
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

3.9

機内での鑑賞でしたが、重すぎず気楽に観られるいい映画でした。
ジョージ・クルーニー演じるシニアインターンのおじいちゃんが完璧なのがいいですね。脇役たちも明るく能天気で、メインストーリーに集中できました
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.3

日本未公開作品ですが、飛行機の中で一足先に鑑賞しました。

前半はハチャメチャ不条理ギャグという感じで笑えるのですが、後半はそのハチャメチャな設定やぶっ飛んだギャグがどんどん伏線として回収されていき、
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そばかす(2022年製作の映画)

4.0

日本映画ではこれまであまり扱われてこなかった、いわゆる「アセクシャル・アロマンティック」を題材とした今作。

この題材は「何を描くか」が肝だと思うのですが、「恋愛関係ではない人との繋がり」に加えて、「
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.9

全編通してケイコのセリフはほぼなく、手話や文字での表現も極めて少ないのですが、感情を出さずとも確固たる芯を持って生きるケイコの強さに胸を打たれました。

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

今や日本を代表するエンターテイメント作品の作り手になった新海誠監督の最新作。公開から1週間後ということで、東日本大震災を正面から描いた作品だということは知った上での鑑賞になりました。

本作をレビュー
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.8

伊坂幸太郎の原作をブラッド・ピット主演でハリウッド映画化した本作。
東京発京都行きの新幹線に、様々な理由で集まった殺し屋や運び屋が乗り合わせ、車内をめちゃくちゃにしながら繰り広げる豪華なアクションムー
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百花(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

川村元気が自身の小説を元に撮影した、長編映画としては初監督となる作品。
若年性アルツハイマー病で記憶や生活能力を失っていく母親と、複雑な気持ちを抱えながらそれに向き合う息子の物語。

あらすじからは、
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SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)

3.6

韓国映画のリメイクである本作。舞台を日本に、時代背景をコギャルに置き換え、邦題の強い気持ち・強い愛やSWEET 19 BLUESを始めとした当時の楽曲がふんだんに使われています。
内容はベタベタですが
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.8

「あなたは必ず騙される!」型の作品ってどうしても当たり外れが大きくて映画館に行く勇気が出ないものですが、ホテルの無料VODで偶然見つけたので初鑑賞。

トリック自体は「騙される!」の前知識のおかげでか
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滝を見にいく(2014年製作の映画)

3.7

演技経験不問で集めたおばちゃん7人で作った作品ということで公開当時話題になった本作。
遅ればせながら観ましたが、7人それぞれに愛すべきところがあって友達感覚になりました。みんな遭難してからの方がむしろ
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

4.4

当時からタイトルは知っていた本作、正直もっと単にしみじみするだけの映画かと思っていたのですが、映画ってこういう撮り方もできるんだという驚きがありました。

日本人ベテラン俳優3人の演技ももちろんとても
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.9

日本でいう赤ちゃんポストに捨てられた赤ん坊を売り飛ばそうとするブローカーの2人と、一緒に買い手を探すことになった赤ん坊の母親、それを隠れて追う青年課の刑事2人などが織りなすロードムービーかつ群像劇。>>続きを読む

東京2020オリンピック SIDE:B(2022年製作の映画)

3.8

この映像を映画として残すことにはとても意味があると思い、素材の強さをひしひしと感じた一方で、残念なところもあったので差し引きこの点数です。

選手の活躍とドラマにフォーカスを当てたSIDE:Aに対し、
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はい、泳げません(2022年製作の映画)

3.9

全体のテーマや、哲学教授と水泳コーチのセリフの対比など、ハッとさせられる要素も多かったのですが、出だしの撮り方や他の生徒のセリフ回しなど、全編を通してぎりぎり不快な下品さもあり、好きな要素と苦手な要素>>続きを読む

東京2020オリンピック SIDE:A(2022年製作の映画)

4.1

東京2020オリンピックの公式記録映画。演出や監督の力で何かというよりは、圧倒的な素材の力をシンプルにまとめた印象。
製作を褒めるべき点を1つ上げるなら、組織委のゴタゴタや開会式の演出問題といった「し
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.7

ファンタビシリーズももう3作目の折り返し。
予習せずに観に行ったのでややストーリーに置いていかれ気味でしたが、なんとなくでも楽しめるビジュアルやアクションは健在でした。あと2作なら観に行こうかな。

流浪の月(2022年製作の映画)

4.1

すごい映画であると同時に、感想を書くということが難しい映画です。
結末が観客に委ねられているというわけではなく、起こったことも感情表現も明確なのですが、それをどう解釈し評価するか答えが出せていません。
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劇場版 Free!-the Final Stroke- 後編(2022年製作の映画)

3.8

アニメ第1期から9年に渡るFree!シリーズの最終章。七瀬遙という人間の"主人公性"を描く、まさに集大成の作品でした。

これまでの作品で登場した仲間一人ひとりが、彼らなりの人生を歩み、そしてそれがシ
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