ryosukeさんの映画レビュー・感想・評価

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万引き家族(2018年製作の映画)

3.8

特に物語の前半部における、半径数メートルの日常生活の切り取り方が繊細で素敵。時折挟み込まれる叙情的なロングショットも実に良い。
何より本作は主要人物を演じる役者が全員良いのが凄いな。他の是枝作品でも同
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遊星からの物体X(1982年製作の映画)

3.9

エンニオ・モリコーネの低音と高音の振れ幅が大きい不穏な劇伴が効果的。モリコーネはあまりホラーのイメージが無かったけど、どんなジャンルでも出来るんだなあと感心。
画面にほぼ女性が映らない男臭い作品だが、
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E.T.(1982年製作の映画)

4.5

冒頭のシーン、未知の存在であるUFOよりも、よく知っているはずの自動車の方が禍々しく、異物感をもって捉えられている。この禍々しさは、その後の展開の中で大人たちがE.T.と子供たちにとってどのような存在>>続きを読む

赤ちゃん教育(1938年製作の映画)

4.0

@シネマヴェーラ渋谷 一瞬スロー再生になった気がしたんだけど、気のせいじゃないなら珍しいミスだな。久々に再見。
眼鏡学者のケイリー・グラントの役柄は後の「モンキー・ビジネス」と似た類型。お尻を隠すギャ
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モンキー・ビジネス(1952年製作の映画)

4.0

冒頭の、クレジットの最中にケイリー・グラントがドアから出てくるたびに音楽が止まり、「まだ早い」と止められるネタは、意外とホークスってメタなネタ好きなんだなと思った。「ヒズ・ガール・フライデー」にも役者>>続きを読む

三つ数えろ(1946年製作の映画)

4.1

いきなり異常なフェロモンを発している男女の異常に雰囲気のある邂逅からスタートする凄味のある作品。久々の再見だったが、改めて見てみると家の中に植物園みたいなのがあるのも奇妙だよな。
話については二度見て
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ヒズ・ガール・フライデー(1940年製作の映画)

4.0

今まで見てきた映画で一番スピード感のある作品かもしれない。ノンストップで滑らかなショット間、シーン間の繋ぎ、猥雑な新聞社の中での大量の被写体が過ぎ去っていく横移動撮影、ひっきりなしに早口で繰り広げられ>>続きを読む

暗黒街の顔役(1932年製作の映画)

4.5

冒頭、一瞬で緊張感を醸し出し観客を引き込むクールな長回しに痺れる。本作を見ていると、映画の冒頭10分ぐらいはつまらなくてもしょうがないみたいな雰囲気は甘えでしかないなと思ってしまう。
大体二年半ぶりに
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プラウダ(真実)(1969年製作の映画)

3.0

まあどうせ面白くないだろうと思いつつ一応ジガ・ヴェルトフ集団も一本ぐらい見てみようかと思ったのだが、案の定つまらない。この時期のゴダールはしばらくいいかな。中盤以降ぐっすり眠ってしまった。
何やら晦渋
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ママと娼婦(1973年製作の映画)

3.3

35mm
役者は実在のモデルの発話を録音したテープと同様の演技を求められたとか何とか。そういう意味では、ヌーヴェル・ヴァーグの一つの特徴である即興演出に真っ向から反する代物ではあるのだな。ユスターシュ
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ぼくの小さな恋人たち(1974年製作の映画)

3.7

35mm
とにかく登場人物の移動の描写、それに伴う横移動撮影が繰り返され、一点に留まり得ない思春期の奔放なエネルギーと対応する。
二人の女が歩く様を捉える際に、直接ではなく途切れ途切れの窓への反射を追
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

3.9

極上爆音上映@立川シネマシティ
言わずと知れたスピルバーグの代表作。午前10時の映画祭のおかげでスクリーンで見られたのは嬉しかった。今年で終了してしまうのが本当に残念。
意外に海辺の描写が美しかったり
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処刑の丘(1976年製作の映画)

3.9

寒さや苦痛がひしひしと伝わってくるような泥臭く地味な描写の積み重ねがリアリティのある地獄を作り出す。ドイツ軍に捕獲されてからのシーンの凄惨さが強烈。
本作を名作たらしめている要素としては役者の凄みのあ
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怒りのキューバ(1964年製作の映画)

4.7

108分短縮版 35mm
縦横無尽に動き回り、時に人物のすぐ側まで寄って彼らの熱量を伝えてくれるカメラワークのエネルギーが凄まじい。何よりも意思を持った肉体的なカメラが本作の主役だろう。そのエネルギー
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SOS北極… 赤いテント(1970年製作の映画)

3.0

ソヴィエト版
冒頭から連続する冗長なシーンと悪過ぎるフィルムの状態のせいか中盤以降かなり眠ってしまった。大量のノイズはまだしも、真っ赤に退色してしまって正直何がなんだかという感じ。こんなに状態の悪いフ
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殺し屋(1956年製作の映画)

3.7

ノワール的な画作りがクールで普通にかっこいいんだけどタルコフスキー感はそんなになかった。
沈黙と人物の所作の積み重ねの中で静かに緊張感が高まっていく感じが好み。

チェス狂(1925年製作の映画)

3.7

ソヴィエトサイレント映画の巨匠プドフキンはスラップスティックコメディも撮ってたんだな。スタンダードサイズの画面右端が更にトリミングされていたけどそういう規格もあったのかな。完全サイレント上映@シネマヴ>>続きを読む

青い山/本当らしくない本当の話(1984年製作の映画)

3.5

ちまちました同じようなシーンの繰り返しのせいで結構単調なのは否めない。官僚的組織の非効率を皮肉るテーマ的に必然っちゃ必然なのは分かるんだけども。
オンボロのエレベーターやバイクボール(バイクに乗って行
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ささやかな墓地(1989年製作の映画)

3.0

極めて散漫なドラマと見せ場の無い映像のせいで、正直どう見ていいか分からなかった。
墓地が墓地らしくしっかり霧を漂わせているのは凄いな(人工かな)。
登場人物達の下品さは妙なリアリティがある。
ダラダラ
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君たちのことは忘れない(1978年製作の映画)

3.5

イマイチ見せ場の無い映像と、全ての人間関係が台無しになっていき結局何も得られないドラマがキツくて、正直辛かった。結構長く感じてしまったな。
なかなか迫力のある爆撃シーンと勝利を告げる白い馬の詩的な描写
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人生は素晴らしい(1980年製作の映画)

3.6

冒頭、主人公の転職の経緯と性格の説明を一瞬で済ませる素早い語りが鮮やかで感心。「勝手にしやがれ」。
ただその後は特別良いとも悪いともいえない感じかな。ごくごく普通の標準的スタイル。ヒロインと主人公のシ
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私はモスクワを歩く(1963年製作の映画)

4.4

ちょうどゲオルギー・ダネリヤが亡くなったタイミングでシネマヴェーラで見てきた。「キン・ザ・ザ」のせいでアホ映画のイメージだったがダネリヤはそれには収まらないんだな。
冒頭から瑞々しいショットの連鎖に期
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猟人日記“狼”(1977年製作の映画)

3.9

パラジャーノフが絶賛ということで気になったのだが見てよかった。
ロシアの森林を中心とした美麗な風景描写が光る。セリフを極力排し、カラスの鳴き声を始めとした豊かな自然音に雄弁に語らせる。
わたぼこりが舞
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13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

3.7

ギラギラした鏡張りのトイレ、キッチュな色彩のゲームセンター、蝋燭だらけの部屋、自殺男のいる赤い照明が点滅するスペース、テニス着の社長がいる一室等々、ファスビンダーらしい俗悪な空間の数々が何とも楽しい。>>続きを読む

第三世代(1979年製作の映画)

3.6

黒電話やテレビから発せられる音が常に重なる音響、登場人物の異様な振る舞い、ファスビンダーらしいギラギラしてごちゃついた画面がカオスを作り出す。
各章ごとにリアル「便所の落書き」を挿入するアイデアも素敵
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僕の無事を祈ってくれ(1988年製作の映画)

3.1

場面転換の前に入る必要性の感じられないナレーション、人物が驚いた時のクソダサい効果音、アクションを省略する手書きアニメーション、悪徳医師の踊り場での謎ダンス等々ヘンテコな要素に満ちた作品。そういえば定>>続きを読む

長い見送り(1971年製作の映画)

3.8

時空間の連続性を寸断する編集や、何気ない日常の断片の中で人物の生々しい姿を描き出していく作風は正にソ連のヌーヴェルヴァーグという感じ。
公開禁止になるほどかな?という感じはあるが、少年の「社会」に対し
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ピルクスの審問(1979年製作の映画)

3.6

なかなか宇宙に行かないのでちょっとダルいなと思っていたが、いざ宇宙に出ても意外と地味な心理戦が中心だった。
乗組員が皆どこか人工的な表情、動きを見せることで、アンドロイドが誰なのか疑心暗鬼に陥っていく
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ミスター・デザイナー(1988年製作の映画)

3.5

(35mm)
全編に渡ってテンポが遅滞しており、正直それを補えるほどのイメージの魅力は感じられなかったかな。映像は割と良いんだけど結構だるい。
ちょっと間抜けな印象すらある、安っぽい打ち込みの電子音楽
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死者からの手紙(1986年製作の映画)

3.9

(35mm)
「日」に変わる新たな暦の単位「薄明かり」や、賛美歌が重なることで神聖な印象を与えるミニチュア都市の爆破、枯れ枝のクリスマスツリー等々ディテールがいちいち詩的で、緻密に構築された世界観が素
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ロマノフ王朝の最期(1981年製作の映画)

3.5

(35mm)
次々と人物が登場することで拡散してしまうドラマのテンポが悪く、前半は記録映像を用いた歴史の説明も入ってしまうので、正直二時間半がかなり長く感じた。
主演のアレクセイ・ペトレンコはラスプー
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突然炎のごとく(1961年製作の映画)

4.0

珍しくかなりセンスのある邦題なんじゃないかな。久々に再見。
冒頭からテンポの良い編集にラウール・クタールの自由自在で瑞々しい撮影、ジョルジュ・ドルリューの軽快な音楽によって作り出されるイメージが軽やか
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恋のエチュード(1971年製作の映画)

3.7

35mm オリジナル版
これだけ純粋に恋愛感情ばかりに焦点を当てている映画って意外と少ないのではないだろうか。個人的には恋愛のみがテーマになるとイマイチ内容に興味がもてなくなってしまう。特に姉妹間の葛
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暗殺の森(1970年製作の映画)

4.4

とにかくキレッキレのショットの連続で構成されているベルトルッチ&ストラーロの代表作。リアリズムとは程遠い完璧に調和の取れたショットが耽美的。党の建物のだだっ広く寒々しい空間など記憶に残る。初見時の記憶>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.5

@早稲田松竹。時期的にブルーノ・ガンツ追悼上映ということであろうか。久々に再見。
冒頭のシークエンス、時に空中に舞い上がりながら、縦横無尽かつ滑らかにベルリンの街や人々を捉えていくカメラワークが、肉体
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臨死(1989年製作の映画)

3.6

長回しで延々会話を映し出すという、個人的にはワイズマンのあまり得意では無い方のスタイルでの六時間であり、題材も相まって正直キツくはあった。ワイズマンは映像スタイルとしては、人物や動物、機械等の動きをテ>>続きを読む

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