Ryosukeさんの映画レビュー・感想・評価

Ryosuke

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闇のバイブル 聖少女の詩(1969年製作の映画)

4.5

白を基調にした画に、血、鶏のトサカ、火、ワインの赤が映える絵画的な映像。花に血が垂れる描写、火あぶりなどが特に美しい。
幻想的かつ超現実的であり、一応筋のようなものはあるが、イメージの断片の連続という
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つながれたヒバリ(1969年製作の映画)

3.7

騒音と粉塵に塗れた鉄屑の処理場を舞台に、淡々と労働者、女囚の日々を捉えていく。十字架等、共産主義体制にそぐわないものはゴミとして捨てられている。
体制への批判は、他のチェコ・ヌーヴェルヴァーグ作品とは
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祭りと招待客/パーティーと招待客(1966年製作の映画)

3.8

全体主義への皮肉に溢れた怪作。全体を通して不気味で暗示的。映像自体のインパクトは期待ほどではなく、題材やモチーフの奇妙さが目立つ。
頭の悪い養子に理不尽に縛り付けられる様、全体主義的な催しを「冗談」だ
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いぬ(1963年製作の映画)

3.8

冒頭、長回しで横に歩き続ける様子を映しながらのキャスト、スタッフ紹介がお洒落。トンネルの中に入って真っ暗になったところを利用したりするのも面白い。全体的にも長回し多め。
この時代もまだ車のシーンは明ら
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仁義(1970年製作の映画)

4.0

光と闇の印象的な用い方は、カラー作品でもやはりノワール出身という感じ。暗い画面と青めの色調、曇り、雨、雪と晴れることとのない天気が重い雰囲気を作りだす。明らかに上から放水してる雨はご愛敬。
様々な方向
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.3

人物が多いうえに覚えづらく、説明も少ないので、「悲情城市」見た時と同じ気分になったが、映像が美しいので問題ない。面子と暴力の論理、野蛮で繊細な思春期が描かれる。
家を外から映して、枠の中に人物を収める
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ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

4.0

前半は「恐怖分子」や「ク―リンチェ」に比べると映像の魅力が一段落ちるなと思っていたのだが、後半になるにつれて印象的な画も増えていく。
窓の向こう側と窓に反射する夜景をオーバーラップさせる映像がとても印
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恐怖分子(1986年製作の映画)

4.0

無人ショットに音だけが鳴り響いている描写が、寂寥感のある良い雰囲気を出している。暴力描写も唐突で鮮烈。省略多めの編集も合わせて、北野映画に似ている感じもした。たけしは本作見ていたのだろうか。
写真や機
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鉄の男(1981年製作の映画)

3.6

まずまずという感じ。ワイダは前期の方がいいのかな。
前編の「大理石の男」と比べると、撮影、演出、画は劇映画的になった。光や構図もしっかりコントロールされている感じ。こちらの方がまだ好きだったので、劇映
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大理石の男(1977年製作の映画)

3.4

ドキュメンタリータッチの映像なのだが、いまいち魅力を感じられなかった... ワイダは「地下水道」や「灰とダイヤモンド」のような象徴的な表現と生々しいリアリズムが合わさった感じは好きだったのだが。
映画
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M(1931年製作の映画)

4.6

いやあこれが30年代初頭に発表されたのか... という感じ。
明暗のコントラストの強い画が異常にスタイリッシュ。影の使い方もかっこいい。指名手配のポスターに犯人の影が映る瞬間の素晴らしさ。
モノクロの
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バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

4.4

(海外配給版)
とにかくド派手な画、演出、撮影に圧倒される二時間超であった。
心情の移り変わりや展開には正直無理がある感じもしたが、リアリティよりもテンポの方が100倍大事な作品なので問題なし。
戦闘
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ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

4.9

自分の中で「ポーラX」と並ぶ最高の悪夢映画になった。共に夜の道路を疾走するイメージも共通している。全編に渡って張り詰めた緊張感がある傑作。ボウイのメインテーマも本作の雰囲気とがっちりマッチしている。>>続きを読む

タイタニック(1997年製作の映画)

3.8

午前十時の映画祭でやっていたので見に行ったらちょうどタイタニック沈没の日であったらしい。
とにかく画、演出、撮影を派手にしとけという感じや、ピカソやらフロイトやらの名前を出したり芸術の素養を示したりし
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孤独な声(1978年製作の映画)

3.8

恐ろしいほどスローテンポ。登場人物の会話も間が凄い。カメラも動きに乏しく、劇伴も少ないのでとても抑制的。何も起こらないシーンをじっくりと見せておきながら、大胆な省略編集をするので異様なテンポ感になって>>続きを読む

チェチェンへ アレクサンドラの旅(2007年製作の映画)

3.8

モノクロ調、セピア調のカラーで、場面によってその程度が変化していく。
編集のテンポはソクーロフにしては標準的な感じ。切り返しも多く、ディゾルブも用いられる。時折若干繋ぎに妙な感じはあるが。
合間合間に
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エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

4.2

寝不足で見たが最後まで眠くならなかったのでソクーロフの眠さの秘訣?(特に「モレク神」と「牡牛座」)はフィルターと画面の暗さにあるようだ。
これだけの規模の作品をワンカットで撮影したとは信じがたい。カメ
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立ち去った女(2016年製作の映画)

4.5

ワンカットワンカットが完全に決まっており、劇伴の無い中で固定カメラロングショットの長回しがストイックに繰り返される。
照明の映える闇夜の風景のロングショットが美しい。奥行のある画の中で、闇に消えていく
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モレク神(1999年製作の映画)

3.8

カフェイン入れながら見たのに案の定中盤ウトウトした。ソクーロフ、もっとも体質に合わない監督かもしれない。映像は美しく、まあ夢見心地に見るにもいい映像なのだが。
「牡牛座」と同様のフィルターによる青っぽ
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太陽(2005年製作の映画)

3.6

ソクーロフにしては比較的普通のドラマ映画という感じ。カット数も割と多い。
他のソクーロフ作品に比べ若干映像のインパクトが弱いのでセリフの無いシーンは若干退屈。中盤はウトウトしてしまった。ソクーロフはど
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牡牛座 レーニンの肖像(2001年製作の映画)

3.7

青っぽいフィルターのかかった画が、ゆっくりと動くカメラによって長回しで捉えられ、幻想的。
暗くて鮮明で無い、ぼんやりとした変化のない映像とゆったりとしたリズムが強烈な催眠作用をもっていて中盤結構ウトウ
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赤ひげ(1965年製作の映画)

3.8

黒澤の人情物大作。ワンカットワンカットの構図が良く考えられている。壁に映る影の使い方も印象的。
地震によるセットの倒壊、粉塵の中での人物の背後からの強烈な照明による表現は鮮烈。
風鈴を使った心情表現も
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5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

3.7

ショーウィンドウや車の窓に反射する光景と、その向こう側の景色がオーバーラップする映像が面白い。鏡や自動車の車体への反射も多く用いられ、多重的な画が印象に残る。
歌のレッスンのシーンは、部屋の真っ暗な部
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3つのボタン(2015年製作の映画)

3.7

良作の短編。美しい映像、カメラ目線での語り、わざとフォーカス調整の様子を残す撮影。唐突な超現実的描写、浮遊する服、ボタンから生える花。

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

3.9

動きの多いカメラによる長回し、鮮やかな色彩による映像が美しい。衣装と壁の色は意識して合わせられているようだ。フォーカスの使い方、ピンボケした部分での色の配置も印象的。
筋書きは凡庸で、映像を前に進める
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ニーチェの馬(2011年製作の映画)

5.0

映画に過剰な装飾は一切必要ないということが良く分かる大傑作。オールタイムベストの一つに仲間入りした。
セリフ、筋書きは最小限に省かれ、豪華なセットも特殊効果も派手な劇伴もスター俳優も何もなくても、セン
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東京物語(1953年製作の映画)

3.8

この前「麦秋」を見て、続いて本作を見ると、大事件が娘の結婚から母の死に変わっているだけで、映画の基本的な構成要素は変わらず、組み替え方が違うだけだなと思った。個人的には「麦秋」の方が若干印象的なショッ>>続きを読む

ベン・ハー(1959年製作の映画)

3.8

豪華なセットに衣装、大量のエキストラを使った映像は今の映画ではなかなか見られなさそうな迫力があった。
音楽と演技は若干大仰。セット感丸出しの背景で行われる、会話シーンの単調な切り返しはちょっと退屈。ス
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日陽はしづかに発酵し…(1988年製作の映画)

3.7

動きの少ないカメラによる長回しの画の中で、風で揺れるカーテンや照明、回転する椅子などの描写が印象的。
時折挟まれる空撮や建物の側面を這うような移動撮影、遮蔽物越しのズーム、真上、真下からの撮影等も際立
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ファウスト(2011年製作の映画)

4.3

画面の左右がトリミングされている(若干斜めに傾いていた?)必要性はあまり分からないが、まあしばらくすると慣れた。
場面によってガラッと変わる色調、スローモーション、ダッチアングル、歪んだ被写体、揺れ動
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アエリータ(1924年製作の映画)

3.7

地球パートに映像的な見どころがほとんど無いのは残念。(影で浮気を目撃させるシーンぐらい)地球上で展開されるストーリーもこれいるか?という感じ。ロケット発射のローテク感満載の表現はちょっと面白かった。>>続きを読む

メキシコ万歳(1979年製作の映画)

3.7

短編のモキュメンタリ―と物語映画を組み合わせ、更にそれを編集者自身が紹介するというメタ的な構成になっている。期待していたほどではなかったが、まずまず満足した。
ハンモックと首飾りの多重露光、動物のつが
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UFO少年アブドラジャン(1992年製作の映画)

3.2

演技、演出、設定、カメラワーク、CG(なのか?)等々全体的に安っぽいが、タルコフスキーオマージュの水の描写なども挟まれるのが面白い。(作中で名前も出てくる)
対象を映すためだけの雑なカメラワークは正直
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.7

数々の構成要素が見事に絡み合った無駄のない作品。これがデルトロのオリジナル脚本か...
モンスターの造形は「パンズ・ラビリンス」の方が好みだったが、全体的な完成度の高さは圧倒的にこっち。
青、緑系統に
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最後の人(1924年製作の映画)

3.8

サイレントに慣れきっていない未熟さから、時折退屈感を感じてしまったが、傑作だということは十分伝わってくる。ピアノ生演奏@ギンレイホール。
表現主義的な演出が光る。扉の先の暗闇、虚しく揺れる扉。ビルが倒
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麦秋(1951年製作の映画)

3.9

奥行きのある固定ショットが美しい。空を映すショットも印象的。独特の切り返しが生み出すテンポ感も心地よい。同じようなショットが繰り返されても構図が良ければ何も問題ないのだなと感じさせられた。その中で時折>>続きを読む

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