Ryosukeさんの映画レビュー・感想・評価

Ryosuke

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ポーラX(1999年製作の映画)

4.6

唐突な感情の爆発に轟音(心臓に悪いレベルのものも)、省略の多い編集にジャンプカットが独特な雰囲気を作り出す、終末感の漂う怪作。
冒頭のぶん殴られるような感覚になる爆音インダストリアルとお墓の空爆?のイ
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.3

徹底して派手で大味な撮影、演出に、イカレた世界観、メリハリの効いた展開と濃密なアクションシーンが魅力的な傑作。
冒頭の車が発車するシーンのカット割りですぐに良い作品であることを確信した。アカデミー編集
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楢山節考(1958年製作の映画)

3.7

川崎市アートセンター・アルテリオ映像館「おやこ映画祭」で今村版と連続で鑑賞。今村版がリアリズムを追及しているのに対して、木下版は歌舞伎の形式を取り入れた様式美の作品。
全編思いっきりセットで、大道具の
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楢山節考(1983年製作の映画)

4.1

苦しみが、死が、生活と一体だった時代の物語。壮絶なリアリズム描写が生々しい。方言交じりで若干聞き取りづらく、英語字幕付きの上映で助かった。
動物や昆虫のカットが印象的に挿入される。ウサギを隼がさらって
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人生タクシー(2015年製作の映画)

3.7

映画のアイデア自体が面白い。監督自身がタクシーを運転し、映画は車載カメラの映像によって構成される。フィクションとドキュメンタリーの境目を曖昧にするような作品である。途中で乗ってきたおじさんがこれ映画で>>続きを読む

セールスマン(2016年製作の映画)

3.7

かなり胸糞悪い作品であった...
タイトルの「セールスマン」には、舞台で主人公が演じる役と犯人(らしき人物)の職業が行商であることの二つの意味があるようである。
画や映像表現にさほどの特徴、見どころが
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夜霧の恋人たち(1968年製作の映画)

3.5

特に前半、映像にあまりインパクトがないのが残念。トリュフォーに関しては主題やストーリーは特に好みでないので、映像で遊んでくれないと退屈してしまう。カラー期よりモノクロ期の方が趣味に合うかもしれない。>>続きを読む

アントワーヌとコレット/二十歳の恋(1962年製作の映画)

3.6

ところどころに初期トリュフォー作品らしい独特の撮影、演出が散りばめられた佳作の短編。
マンションの向かいの部屋どうしの会話を、パンで交互に映していくシーンが印象的。
素早いパンやワイプで画面の一部をく
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.5

規律に順応できない、無軌道な少年たちを、手持ちカメラ主体の奔放なカメラワークで捉えた作品。上下左右に動き回り、金網や窓などの遮蔽物越しに自在に移動するカメラを用いた映像感覚が素晴らしい。
タイプライタ
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

3.5

ダッチアングルの多用、これ見よがしなカットバック、フラッシュバックに長回し、すこしハズした編集、唐突な幻想シーン、ごちゃごちゃした色彩に美術、アクの強い登場人物ととにかく外連味の凄い作品。「サブカル」>>続きを読む

祇園囃子(1953年製作の映画)

4.0

毎カットの構図がばっちりキマっている。前後の空間が存分に活用されており、障子や暖簾越しの人間模様を映し出す画が美しい。
溝口・宮川ペアの流れるような移動撮影がもっと見られればベストだが、本作は固定のシ
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青空娘(1957年製作の映画)

3.5

初期作品だからであろうか、増村の作家性はそんなに感じない。普通のドラマ作品という感じ。まあ悪くない。
日本ヌーヴェルヴァーグの新世代らしさは、どちらかというと映像よりテーマに現れていた。女中という身分
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オトン(1969年製作の映画)

3.8

かなり異様な映画である。
帝政ローマの設定だが、城の外には近代建築があり、車が行き交っている。物凄い棒読みの役者とそうでない役者が混在している。
ダイアログがパンパンに詰め込まれており、細かい内容は良
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花婿、女優、そしてヒモ(1968年製作の映画)

4.2

良作のスタイリッシュな短編。
舞台パート以外の映像感覚が素敵。舞台のシーンに価値を見出せるのがストローブ=ユイレファンだという気はするのだが、まだその領域には達せない。
冒頭の横移動撮影は、若干長いな
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アンナ・マグダレーナ・バッハの日記(1967年製作の映画)

3.6

ワンカットワンカットの構図がよく考えられている。食堂で生徒が並んでいるカットなど印象的。
バッハが常に演奏されているのでまだ見ていられるが、固定カメラ長回しがストイック過ぎて今の自分にはちょっとキツか
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妥協せざる人々(1964年製作の映画)

3.8

顔も名前も覚えていないうちから時系列がシャッフルされたり、一気に時間が飛んだりして、長回しで大量のダイアログをまくし立てるため、筋に関しては何が何だかという感じであった。
感情の抑えられた演技によって
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マホルカ=ムフ(1962年製作の映画)

3.7

ぐるりと回転するパン撮影が印象的。
銅像三体と思いきや兵士が登場する幻想シーンは素敵。現実パートとシームレスに接続される。シンプルだが効果的なモンタージュで見せる。
軍服を貰うシーンのモンタージュの妙
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水槽と国民(2015年製作の映画)

3.6

水槽を固定カメラ長回しで捉えるカットから始まる。美しいカットだが、とにかく長いので正直楽しめはしなかった。何せ長いので画の細部まで見ることになり、普段の映画鑑賞では映像の一部分しか見られていないことを>>続きを読む

トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)

4.6

大胆なカメラワークと、別々の人物、場所を滑らかに繋いでいく長回しが素晴らしい。カメラは時に神の視点であるかのように空間を自由に動いていく。本作の筋書も相まって超越的な存在を示唆しているようにも見える。>>続きを読む

トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)

3.7

ところどころ美しいカットは挟まるが(結婚式の回想等)キェシロフスキ節は抑え目。意図的としか思えないが何故だろうか。
トリコロール三部作唯一の軽いコメディタッチであり、男が主人公の作品。三部作に一つテイ
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ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

3.9

ガラス越し、鏡越しに映る光景や人、光の効果的な使用によりキェシロフスキ的な映像を作り出す。本作では暖色系に色調が統一され、特に黄色い光が印象的である。
トリコロール三部作を思わせる腰の曲がったお婆さん
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トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)

4.6

冒頭、タイヤのアップの長回しから始まる事故のシーンで傑作であることを確信した。一つ一つのイメージ、ワンカットワンカットが総じて美しい。ぶつ切りの編集で次々にイメージを繋いでいく感覚も良い。後半に若干印>>続きを読む

アラビアのロレンス/完全版(1988年製作の映画)

4.2

シネスコで大迫力の映像を映し出す、スペクタクル大作。砂漠やラクダの大群が大画面で美しく捉えられる。お得意の列車(とその爆破)の描写もやはりインパクト大。ローポジションにカメラを設置して砂塵に画面を覆わ>>続きを読む

アニー・ホール(1977年製作の映画)

3.8

死への妄執に憑りつかれており、二分遅れると映画を見る気がなくなる性質のウディ・アレン演じる主人公に共感してしまった。
ユダヤ人のコンプレックスやインテリの自意識、精神分析等も主要なテーマとなる。
ダイ
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海外特派員(1940年製作の映画)

3.9

散りばめられた軽妙なユーモアとサスペンスのバランスがよく、全編楽しませてくれる良質な娯楽映画となっている。
新聞社や飛行機のミニチュアの撮り方がよい。お得意の窓をすり抜けカメラが侵入する撮影が用いられ
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レベッカ(1940年製作の映画)

4.3

ヒッチコック唯一のアカデミー作品賞受賞の傑作。
ジュディス・アンダーソン演じる家政婦長の存在感が凄い。冷ややかな悪意とレベッカへの狂信を怪演。突然現れ、振り向くと消えている不気味な演出が光る。
ジョー
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ふしだらな女(1927年製作の映画)

3.0

まあ今見ると全く面白くはない。
相手が銃を構えているのに、ステッキでポカポカ殴りかかるシーンなど笑ってしまう。
サイレント時代があったからこそ、映像で語り、編集で表現するヒッチコックが生まれたのだろう
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戦場にかける橋(1957年製作の映画)

4.1

シネスコでジャングルの大自然とそこを舞台にした捕虜収容所の物語を映し出したスペクタクル映画。
ロングショットによる雄大な自然の描写とそこに小さく映し出される人間の構図が歴史の大きな流れの中に消えていく
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ロープ(1948年製作の映画)

3.8

ヒッチコック作品の中でも実験的な要素が目立つ作品。
最初のカットを除くと全編ノーカットに見えるように撮影される。(と思っていたのだがもう二回明確にカット割りされているらしい)当時のフィルムによる制約に
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私は告白する(1953年製作の映画)

3.8

冤罪が作り出されていく様を丁寧に描いた作品。一つ一つのエピソードが無駄なく積み重ねられていく。カメオ出演が分かりやすくて初めて見つけたかもしれない。
神父の守秘義務を利用した設定も巧み。
冒頭の影の演
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皆殺しの天使(1962年製作の映画)

3.8

パーティの出席者たちが部屋から出ることができず、その理由も全く分からないという奇妙な設定の作品。極限状態の中での人間の醜さが淡々と描かれていく。
設定が面白い分、その説明に必要な画が多く映像の美しさは
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ビリディアナ(1960年製作の映画)

3.8

コントラストの強いモノクロ画面、美しい装飾、滑らかなカメラワークによる長回し等、映像は高水準。部屋の周囲を接写しながらぐるりと回る撮影など印象的。
乞食たちとヒロインの祈りの様子と伯父の息子が指示した
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バルカン超特急(1938年製作の映画)

4.4

ヒッチコックのイギリス時代の傑作。
正直併映で見た姉妹編の「ミュンヘンへの夜行列車」との差は歴然。「ミュンヘン~」も悪くはないのだが。しかも「バルカン超特急」の方が先の作品である。
同じようなミニチュ
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ミュンヘンへの夜行列車(1940年製作の映画)

3.6

映像に関してはあまり見るところがなかった印象。「第三の男」のキャロル・リードの作品だという期待が強すぎたかもしれない。あからさまなミニチュア撮影もチープ。
筋書き自体は若干ご都合主義だが、テンポも良く
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ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版(1978年製作の映画)

3.7

「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のインディー感や独特の雰囲気は無くなっている。割と普通のゾンビ映画という印象である。まあそれが凄いのだが。
アクションは若干もっさりしていて迫力不足は否めない。人体
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悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

3.9

冒頭のヒッチハイカーのエピソードからもうすでに最高に不気味。
青空の元での殺しのシーンも、昼でありながら風に揺れる草木やブランコでしっかり不気味さを表現しているし、そもそも題材が怖すぎる。
最初は驚か
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