芋けんぴさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

芋けんぴ

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スキャンダル(2019年製作の映画)

4.4

こうして満点に近い数字を男がつける行為はさもフェミニストアピールをしているようで嫌ではある。

私はフェミニストを自称しない。
他人が言うならいいが、まず自分で自分のことを「フェミニストです」とは言わ
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

色々惜しい映画かなぁ。

お母さんの件について「あれ、帰ってこないなぁ」的前触れがなかったり、なんか色々と「事件」に対する予感と、余波がいまいち足りない気がした。

あとは心の友達である「ヒトラー」の
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殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.1

最初のシーンと最期のシーンが呼応する映画って大好き。

自分は例えば「壺」に例えると「口」の大きさと底の大きさがおんなじところで終わる映画が好きで、その点で言えば本作のプロットは全く持って美しい形をし
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.3

「この家の人たちのこと、助けてあげるべきよね」
「さぁ。自分の良心に従って」

この会話で映画のテーマがパチンと見えた。
見えた瞬間にそのテーマに対する結論に喝采を送りたくなった。
正直、黒幕は予想が
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Love Letter(1995年製作の映画)

4.1

中山美穂よりも先に加賀まりこを「可愛い」と思ってしまった。意地悪ばあさんの印象しかなかったから、亡き息子の嫁さんを未だに可愛がる姑役が短い出番ながらもこの作品の「誰も傷つけない優しさ」を象徴していて良>>続きを読む

ラストレター(2020年製作の映画)

3.7

「主演が福山雅治級のイケおじじゃなければただのやべぇストーカーじゃん」系映画。

予告からもっと松たか子の心情に寄り添った話なのかなぁ、と思ったらがっつり男目線の話で、しかもまぁまぁわかる「この主人公
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リーサル・ウェポン4(1998年製作の映画)

4.0

アベンジャーズの20年前にあった、ファンに愛され、スタッフに愛され、キャストに愛され最高に幸せなエンディングを迎えた映画シリーズのひとつ。

妻を失った自殺癖の危険な刑事(デカ)が、人生最高の相棒と出
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

近代国家で資本主義で民主主義。

物は溢れているのに貧しい。
這い上がることが容易でない。
先進国であるからこれから成長する期待も持てず、60年代の共産主義のように「こうすれば世界がよくなるかもしれな
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.0

好きだけど、はなから序破急の「破」とうたっている以上、「これがお話のテーマや結論ではないよ」と制作側から言われているようなもの。

なのにも関わらず、よっぽどこの話のラストが気に入って気持ちよくなりす
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エクスペンダブルズ3 ワールドミッション(2014年製作の映画)

3.8

「あぁ、聞いてたさ」

全編アクション全振りの中にキラリと光る脳筋男たちのナイーブな一面。このシーン、アイデアを生み出しただけで、この映画は脚本的にも語られるべきものだと言える。

映画とは、物語とは
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

スクリーンからJJエイブライムスの悲鳴が聞こえた。

「ライアンのやつ、2時間もあったのにアイツは何やってたんだ!ちゃんと繋ぎの役割果たしてくれんと時間が足りんやないか!まずローズ!いらんからフィンと
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HELLO WORLD(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

面白かったし、日本のCGアニメ技術を上げようと現場が戦ってる映画でもあるだろうにラストの現実世界を手書きにしちゃうのはCGアニメの敗北宣言みたいで違和感が残った。

まだまだ日本ではCGアニメは亜流で
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ゴーストバスターズ(2016年製作の映画)

3.5

え?面白いじゃん?

キャラ立ちがしっかりしてるし、オリジナルの欠点だった「申し訳程度の黒人枠」問題も解消されて、あの駅員さんの加入もチームをさらにノリノリで親しみやすいものにすることに上手く寄与して
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アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

4.0

早朝の情緒不安定な時間帯にドクター・ストレンジの

「すまない、トニー。こうするしかなかったんだ」

を聴いて泣いてしまった。

ストレンジが抱えた葛藤、苦悩、後悔が明らかになるのは次作の「マルチバー
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ダム決壊で王国が--少なくとも城がながされてたら100点満点だった。

自分の祖父が犯した罪、過ちを正すために重大な決断をくだすというのはブラックパンサーや一見ふざけてるように見えたソーのラグナロクに
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

アーサー「仕事をクビになったよ!」
ジョーカー「銃なんか持って営業に行くからさ」
アーサー「保障を切られたよ!」
ジョーカー「元々効果なかったろう」
アーサー「でも彼女が出来たんだ」
ジョーカー「妄想
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殺しが静かにやって来る(1968年製作の映画)

4.4

西部時代の過酷な現実を暴き出したと同時に、それゆえにその他の西部劇は数多の力なき人々の願いを背負って勧善懲悪でなければならなかったのだと証明してみせた映画。穿った見方をすれば、まどマギの原点ともいえる>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

殺しが静かにやってくる、の幻のハッピーエンドを見たときみたいな切ない気持ちにさせられた。

てっきりシャロンテートを助けに行く話かと思いきや、リックとクリフの存在がテックスたちの殺意の矛先を変えさせた
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

4.3

予想外。これは面白い。

どんでん返しじゃないけど、クライマックスと思えた決定会議後に待ち受ける「そうだ……こいつは」という絶望に似たため息と、「そう来るか」というツイスト展開に鳥肌が立った。

議論
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天気の子(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

<2回目>
1回目より2回目の方がよかったし、あまたの否定的な批評や感想を聞いて、整理してもなお「いや、俺はこれでいいと思う」と確信が持てた。

だって陽菜と帆高がやったことは「異常気象を治める力」を
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コン・エアー(1997年製作の映画)

3.8

なぜか中学生時代に10回以上もビデオで見た映画。

いわゆるダイハードや沈黙の戦艦型の「テロに居合わせた野郎がその道のスペシャリストでチョーしつこいお邪魔虫だった」系映画の息子の一人なのだが、多種多様
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トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

4.2

「もう俺にはこれしかないんだ!」

ああいう本音の吐露に弱い。
ウッディの内に秘めた思いが苦しすぎて危うく泣くとこやった。

冒頭で提示されるウッディの真のアイデンティティ「オモチャを助けるオモチャ」
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.0

この映画のラスト、問題人物であるポッター氏に天罰がくだらないことに消化不良を感じる人もいるかもしれないが、歳をとると「あれでいい!」と思えるようになった。

つまりさ、自分のことを嫌ってる人間の顛末な
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.0

個人的に本作の冒頭はあらゆる映画の冒頭の中でもトップ10に入るほど素晴らしい。

亜熱帯の大地、乱暴に刈り取られる頭髪、踵に刻まれた小さな刺青、そして僕らを睨むように注がれる少年の怒りに満ちた瞳。
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来る(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

小松菜奈に100億点!

開始一時間でまさか妻夫木が死ぬとは思わなかった。そして「一年後」てやられて思わず吹き出した。

よかったぁ、エンドゲーム より先に見てなくて。見てたら絶対「5年後」で吹き出し
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君の名は。(2016年製作の映画)

5.0

ラストシーンが広島市内ならすれ違っても広電じゃけぇ、すぐ会えるのにねぇ。

まぁ、それはともかく僕も割りかし新海さんに近い「田舎生まれの都会憧れ」だから、この作品は東京賛歌が清々しくてよかったなぁ。
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

4.0

ヤバイ。

ああいう波乱含みのラスト大好き!

もうゾクゾク来たわ!

語彙なくすね。次作では是非新しい敵に刑務所襲撃してもらって、今までスパイダーマンが捕まえてきた犯罪者を解放。色んな敵に狙われてピ
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ぼくらの七日間戦争(1988年製作の映画)

4.0

小学生のとき大好きで文字通りテープが擦り切れるまで観た映画。中学生になったら俺も友達集めて立て籠もる!とか思ってたけど、実際に中学生になってみると現実は「リリイシュシュのすべて」だった。

学校の権力
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機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-(1998年製作の映画)

4.0

もはや夏に二、三度は見直すのが好例となっている作品。はじまりは98年。中学二年。はじめて友人達と観に行った映画がこれだった。

テレビシリーズはいっさい知らなかったが物語を察する能力には長けていたので
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日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

4.0

加山雄三がいかに「新しい時代の日本の若者」を体現していたかがこの作品を観てよくわかった。

血走った目で自転車を漕ぎ漕ぎ奔走する決起兵たちと、背広を着て多くを語らず黙して銃口と対峙する放送局員。未来が
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

4.0

ディカプリオの実演によるガルウィングの正しい開け方講座。

しかしまぁ、ご本人の顔が見るからに軽薄でいかにもって感じなのはさすが。あぁ、たしかにお前ならこういうことやりそうだなって、人を見た目で判断で
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ドラゴンボール超 ブロリー(2018年製作の映画)

4.0

本作を経ていよいよスーパーマンで言うレックスルーサーやバットマンで言うところのジョーカーレベルの「決して相容れぬ宿敵」ポジに収まったフリーザ 。

我欲の少ないセルや対話の余地のない邪悪ブウではこのポ
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

5.0

1997年の夏。当時12歳。父を叩き起こして公開二日目の最初の上映を見るために私は当時壮健であった流川のリッツ劇場へ向かった。

ネットがまだメジャーな通信手段ではなかったから知り合いに観たものがいな
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.8

35歳の自分
「ちょっと登場人物の目的がよくわからんのがチラホラいるし、オキシジェンの扱いが雑やし、何のあてもなく怪獣決戦してる只中に着陸するか? みんなちゃんと頭使えや!」

心の中にいる11歳の自
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ウォーリー(2008年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アメリカンニューシネマに完全敗北を期し闇に埋もれてしまったミュージカル大作「ハロードーリー」の楽曲の魅力をピクサー作品の知名度でもって再度世界中に認知させた、それだけでも価値ある一本。

今まで見たこ
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モンスターズ・ユニバーシティ(2013年製作の映画)

4.2

ライトスタッフ=正しい資質についての物語。

マイクは努力家だが、怖がらせ屋になるための資質は微塵も持ち合わせていない。サリーは資質はあるが、努力に欠け、しかも本当は怖がり。

そんな二人がいかにして
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