みかんぼうやさんの映画レビュー・感想・評価

みかんぼうや

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侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

3.8

好きなことを追求する情熱は、常に周りの人に伝播し、その心を動かす。映画に対する計り知れぬ愛情、映像を通して人の心を動かしたいという熱意、時代劇と侍や斬られ役の生き様への強い敬意、それらが凝縮されたよう>>続きを読む

(2023年製作の映画)

2.0

この作品を好きな方、すみません。先に謝罪します。これから本作を酷評します。

日本を代表する現代の巨匠である北野武作品にこの点数をつけるのも・・・と思いつつ、小学生から大の戦国時代、特に織田家好きで、
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失くした体(2019年製作の映画)

3.4

ネトフリオリジナルアニメで数々の賞を獲った作品ということで観ましたが、なかなか独特な作品でした。

かなりクセの強い洋風の作画、フランス映画らしい?少し不思議な世界観で、決して観やすいとはいえないアニ
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私というパズル(2020年製作の映画)

3.7

自宅出産を控えたある夜の出来事を境に、家族の関係が崩れていく過程を描いた作品。“家族”という最も深い人間関係においても、いや、最も深い人間関係だからこそ起こるお互いの価値観のズレと精神的な摩擦を、非常>>続きを読む

6888郵便大隊(2024年製作の映画)

3.9

第二次世界大戦中に結成された唯一の黒人女性小隊が、それまで滞っていた戦場の兵士とその家族や恋人・友人間の手紙の流通を復活させた奇跡の実話を映画化したネトフリオリジナル作品。

冒頭の迫力ある戦場シーン
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Mank/マンク(2020年製作の映画)

3.7

先日の「ザ・キラー」でフィンチャーに少しガックリきたところからの本作。こちらは映画としては凄い作品だと思いました。しかし、だいぶ前に「市民ケーン」を観て、その内容はうろ覚え程度の予備知識では、正直かな>>続きを読む

正体(2024年製作の映画)

4.2

この手のドラマチックなフィクションの邦画サスペンスには、結構苦手意識があって、人気作でもハマらないことが多いので、観る前は正直あまり期待していませんでした。が、自分でもビックリするくらいハマりました。>>続きを読む

箱男(2024年製作の映画)

3.0

う~む・・・期待していた「これは訳分からんが凄い作品を観た!」という感覚とは、何かが違ったなぁ。タイトルと予告から大好きな「鉄男」のような作品を期待していたのですが。映像の破壊力、破滅的な世界観、展開>>続きを読む

JOY: 奇跡が生まれたとき(2024年製作の映画)

3.9

とても良い作品でした。この作品、ネトフリ制作のためかレビュー数がかなり少ないですが、テーマ的にもクオリティ的にも、もっとたくさんの方に観られて人気になってよい映画だと思います。ネトフリ配信の中でも有名>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.2

いきなり辛辣なコメントですが、正直、今まで観たネトフリ作品、そしてデヴィッド・フィンチャー作品の中で一番面白くなかったです。

フィンチャーは特に好きな監督の一人で、「パニック・ルーム」とネトフリオリ
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ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-(2020年製作の映画)

3.9

弁護士を目指すある大学生の青年が、精神不安定な母親との関係に苦しみながらも厳しくも優しい祖母のサポートのもと、夢に向かい進み続けてきた自分の人生を振り返る回顧録。ある意味よく出来過ぎたヒューマンドラマ>>続きを読む

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

3.1

これは、シンプルに合わなかったな~。ミュージカル作品に対する苦手意識はだいぶ克服できたと思っていたけど、「やっぱり苦手かも・・・」と改めて思ってしまった。

本作自体が、有名なミュージカルの脚本家・作
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シティーハンター(2024年製作の映画)

4.0

この評価は、物語ではなく、ほぼ鈴木亮平の冴羽獠と劇画的アクションシーンに対する評価です。

漫画・アニメ原作の実写映画化に対して基本的にポジティブなイメージがない私ですが(世間で高評価の「デスノート」
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雪山の絆(2023年製作の映画)

4.1

普通の映画なら、どれだけ歩いてもその先に広がるなんとも美しい壮大なアンデス山脈の雪景色が、本作ではなんとも絶望的な地獄のように見える。本作は、ウルグアイの飛行機がアンデス山脈に墜落し、その生存者たちが>>続きを読む

消えない罪(2021年製作の映画)

3.8

ネトフリを一旦解約しようと思い、ネトフリ制作作品でなんとなく気になるくらいの作品としてそれほど期待せずに観たのですが、脚本と見せ方が絶妙で、ラスト30分で色々な意味で評価が一変。かなり面白かったですし>>続きを読む

梅切らぬバカ(2021年製作の映画)

3.6

自閉症の息子“忠さん”(塚地武雅)とその母(加賀まりこ)の絆を描きながら、地域住民の障がい者施設や知的障がい者に対する理解についてをテーマとした映画で、ヒューマンファンタジーとして考えると、地域住民と>>続きを読む

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.0

最近、社会派系の重めの映画やひたすらに自問自答を繰り返すような映画を多めに観ていたこともあり、自分の中で、映画が“作品の内容や表現を分析し、そこから知識と教養を身につけ、感性を養い、自己成長するための>>続きを読む

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.0

言葉で語らずとも表情と情景で鑑賞者の想像力に直接語りかける。本作の主人公であるレオとレミの繊細な関係性を的確に表現し鑑賞者の心に訴えかけるうえでは、余計な台詞はかえって邪魔だったのかもしれない。映画と>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.2

まず、確実に賛否両論が分かれ、一部からその表現や演出などに批判がくるリスクは確実に承知の上で、この作品の映像化を引き受けた石井裕也監督をはじめとしたスタッフ陣と、キャスティングを受けた俳優たち、特に人>>続きを読む

カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)

3.5

あの怪作「何がジェーンに起ったか?」のロバート・アルドリッチ監督の遺作である本作。アメリカの女子プロレスのマネジャーと女子レスラー2人のサクセスストーリー(完全フィクション)。「何がジェーンに・・・」>>続きを読む

存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.1

「この映画に登場するのは最低最悪の親たちと大人たちだ!」・・・と切り捨てることができるだろうか?たしかに、“私たちの常識”の枠組みで考えれば、親として大人として全くもって責任を果たしていない登場人物た>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.8

父親によって長年犬小屋に閉じ込められ育てられた少年が、いつしか犬の心を理解し自在に操る“犬のゴッドファーザー”と化す・・・

実際に犬小屋に閉じ込められた少年の事件を、ダークヒーロー物としてここまでエ
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(2017年製作の映画)

3.9

「朝が来る」、「あん」の河瀬直美監督作品。どちらもかなり好きな作品で、特に「あん」は人生で観た邦画ベスト3には確実に入れたいくらい好きな一本。本作も開始数分で、河瀬直美作品らしい随所に挿し込まれる自然>>続きを読む

雁の寺(1962年製作の映画)

3.7

「しとやかな獣」や「洲崎パラダイス赤信号」の川島雄三監督作品。スケベ生臭坊主の気持ち悪さとその妻となる若尾文子の妖艶さが生み出すエロチシズム。中盤までは、ストーリーよりも若尾文子の色気が作品を食ってし>>続きを読む

ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.0

自分の持つ強い正義感が、受け取り手の解釈やそのコミュニティの状況によってうまく伝わらず、曲がった形で伝播することで、逆に状況を悪化させていくという恐怖。

教育者ではないものの、私自身も人に指導する立
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アヒルと鴨のコインロッカー(2006年製作の映画)

4.2

告白します。最初の1時間は緩めで面白い映画だとは思いませんでした。ちょっとほんわかしたいわゆる“怪しい隣人物”のコメディ系サスペンスですが、どこか淡々とした展開で着地点もよく分からず、雰囲気は嫌いじゃ>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

3.8

A24作品なので少し構えていましたが、友情、恋愛、親との衝突、そして進学と、ティーンエイジャーの甘さや苦み、高揚や脆さが詰まった王道な青春グラフィティでした。

とはいえ、あまりドラマチックで派手な演
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アメリカン・アンダードッグ(2021年製作の映画)

3.4

アメフトに関する知識はほぼ無く、本作主人公のカーター・ワーナーなる伝説的選手のことも全く知らないものの、フィルマでの平均評価が★4.0とかなり高く大感動を期待していた作品でしたが、思ったよりも刺さらな>>続きを読む

2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

4.0

私にとっては遠すぎる存在で、知識も関心も皆無で名前以外何も知らないと言っても過言ではない前ローマ教皇ベネディクト16世の退位と現教皇フランシスコ即位の物語。とにかく映画としてのクオリティが圧倒的に高く>>続きを読む

ファイブ・イージー・ピーセス(1970年製作の映画)

3.7

先の見えない人生にもがく主人公を演じたジャック・ニコルソンらしい凶暴性と脆さを秘めた危うい演技がなんとも魅力的な、いかにも「アメリカン・ニュー・シネマ」らしい作品。いつもぼんやりとしか捉えられていない>>続きを読む

ロストケア(2023年製作の映画)

3.5

周りに負担をかけず高齢者自ら命を絶つ選択肢である「PLAN 75」と、高齢者本人の苦しみと家族の負担を解放するために他人が手を下す「ロストケア」。本人の意思の有無も、本人と家族との関わり合いも、制度と>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.0

既に2度映画化されている第一次大戦下のドイツ軍の惨状をとある新兵の視点から描いた同名小説を、Netflixが3度目の映画化。前2作は観ていませんが、重厚かつスケール感溢れる、圧巻の戦争映画でした。>>続きを読む

ソウ(2004年製作の映画)

3.6

ソリッド・シチュエーション系(実はこの言葉、最近知りました)の金字塔的作品と言われる超有名作品。実は初めて鑑賞しました。

完全なワンシチュエーション謎解き物かと思っていたら、過去の回想などを織り交ぜ
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無垢なる証人(2019年製作の映画)

3.4

凄くいい物語なのは分かるし、映画としての展開自体も面白いのですが、特に中盤以降の”“泣かせ演出”の連続と“美しきヒューマンドラマの押し売り感がどうしても引っかかってしまったな~。本作同様フィルマではか>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.7

さすがドゥニ・ヴィルヌーヴ監督!と唸らされる洗練された映像とスケール感のあるハイクオリティSF作品。

あの「ブレードランナー」の正当な続編ということで、その世界観がしっかり引き継がれつつ、ヴィルヌー
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ファウスト(1994年製作の映画)

3.7

これはもう論理や理屈で語る作品ではないですよね。実写とストップモーションアニメーションとチェコ伝統の人形劇により紡がれた超映像芸術。

ゲーテの戯曲「ファウスト」をヤン・シュヴァンクマイエル流に解釈し
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