みかんぼうやさんの映画レビュー・感想・評価

みかんぼうや

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エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.0

“違和感が魅力的”だと感じるのは人間の本能か。常識的で予測可能なことに人は安心感を覚えるけど、時にそれは面白味の欠如にもなりかねない。一方、少なくとも自分の常識や価値観では計り知れない予測不能なできご>>続きを読む

洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)

3.9

「しとやかな獣」があまりにも面白すぎたので、同じく川島雄三監督の人気作をチョイス。しかもオープニングで気づいたのですが、この作品、助監督が今村昌平。今村昌平は川島雄三の一番弟子ということを初めて知りま>>続きを読む

博士と狂人(2018年製作の映画)

3.7

英語辞書の中でも最も権威ある辞書と言われるオックスフォード英語大辞典を編纂したジェームズ・マレー博士とイギリスの精神病院からその編纂に協力したアメリカ人殺人犯のウィリアム・マイナーの関わり合いと辞書編>>続きを読む

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

3.9

中国国内では1瓶80万円以上する白血病の治療に効く飲み薬と効能が同じ薬を、インドから密輸し違法販売した男の実話をもとにした話。

「ダラス・バイヤーズ・クラブ」にどこか似たような設定で(あちらも実話)
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.9

あの「ミッドサマー」の元ネタとも言われる、ある島のカルト宗教を題材にした本作。「ミッドサマー」にはかなり辛口レビューをしたくらい低評価をつけてしまったのですが、本作はかなり面白くて自分好みでした!>>続きを読む

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

3.4

非常に深い母と息子の絆を描いた号泣物の感動作にもなりそうな作品なのですが(予告からもそれを期待したのですが)、さすがにこれはやり過ぎ。リアリティを期待したいテーマと内容だけに、そのやり過ぎな内容がかえ>>続きを読む

息子の部屋(2001年製作の映画)

3.8

2001年のカンヌパルムドール受賞作。1時間半強の作品ですが、突然最愛の家族を失い残された人たちの心境をとても繊細かつ丁寧に描いた良作でした。

死別物としては王道でストレートな内容ですが、キューブラ
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甘い生活(1959年製作の映画)

3.5

久々のフェリーニ作品。そして、カンヌパルムドール受賞作。美しく煌びやかなローマの建物や街並みを背景に、記者である主人公マルチェロとモデルや女優、実業家など様々なセレブとの接点を通して描かれる欲に真っ直>>続きを読む

しとやかな獣(1962年製作の映画)

4.5

うわ~!なんじゃこりゃ~!噂に違わぬ面白さ!理性に訴える巧妙で分かりやすい脚本と感性を刺激する奇天烈でありながら日本的芸術性の強い演出。シュールなようでエンタメ的。非現実的なようで人間の底なしの欲望を>>続きを読む

シカゴ(2002年製作の映画)

3.2

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.11】
もともとミュージカルが大の苦手だった私も、気づけばミュージカル克服どころか、最近はむしろ好きになり始めているのではないか!?と思えるようになり、ここの
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今度は愛妻家(2009年製作の映画)

3.5

前半、トヨエツ史上屈指のクズ男を演じてるな~、と思いましたがなるほどそういうことでしたか。正直、このテーマとしてはかなりベタベタな内容です。が、そもそもこのテーマに弱いので、やはり反射的に泣かされる場>>続きを読む

ハートストーン(2016年製作の映画)

3.9

こんなにも青臭く、繊細で、切なく、しかし美しい作品だとは!全く期待せず前情報無しで観始めたので、どんな作品かも分かっていませんでしたが、かなりの良作でした。

アイスランドの農村に住むソールとクリスチ
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二十四の瞳(1954年製作の映画)

4.4

太平洋戦争前から戦後の日本を小学校の先生として生きた一人の女性とその生徒たちとの長きにわたる絆を描いた骨太人間ドラマ。

有名な作品なので名前は聞いたことがありましたが、観るのは初めて。和風フラメンコ
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スモーク(1995年製作の映画)

3.8

20年以上前に観て、オムニバスがあまり得意でない私も「いい映画だ」という印象が強く残っていたオムニバス作品。なのですが、何しろどんな話だったか全く覚えていない(私、オムニバスだと話の内容をかなり忘れが>>続きを読む

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

3.7

ソフィア・コッポラの視点から描かれる我らがTOKYOと日本人。新宿パーク・ハイアット・ホテルに泊まったアメリカ人映画俳優と偶然同時期に泊まっていた新婚女性の出会いとTOKYOでの数日間のラブストーリー>>続きを読む

プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.7

鬼才ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による少女失踪サスペンス。サンクスギビングデーのパーティー中に2家族の少女2人が突如いなくなるとこrから事件は始まる。ヴィルヌーヴのサスペンスとなると、あの「灼熱の魂」の想>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.6

是枝監督×ソン・ガンホ主演で話題になった本作。

“大人に振り回される子どもの運命” × “家族という枠組みの定義(血が繋がっているか否か)” × “社会問題を扱いつつ重すぎないエンタメ性” × “
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ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.7

女性監督による女性視点から描かれた西部劇。

道先案内人として現れたミークという男に導かれ荒野を移動する3家族。しかし、いっこうに目的地に着かない不安感のなか水と食料が補足し始め、さらには先住民との遭
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花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

3.5

「欲望の翼」、「恋する惑星」ともに「お洒落なだけ」と辛口レビューで★2点台をつけてしまうほど、かなり苦手なタイプの作品だった故に、相当な苦手意識を持ってしまったウォン・カーヴァイ作品。今回、この作品を>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.7

観終わるまで全く気づかなかった。この作品、20年前に観て衝撃を受けた「アモーレス・ぺロス」の監督の作品だったとは!

オープニングから展開されるワンカット風のお洒落な映像演出と気持ちのいいスタイリッシ
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おくりびと(2008年製作の映画)

4.1

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.10】
納棺師の話ということで、かなり重苦しくシリアスな映画だと思っていたので、これほどクスッと笑えるエンタメ要素多めの映画だとは全く思っていませんでした。た
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ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

3.7

初めてのジャック・タチ挑戦はやはり彼の代表作と言われている本作。なんともオシャレ!ほのぼのとしているのに芸術的。「映画はストーリー重視」な自分ですが、本作はストーリー自体よりも、そこに登場する人物の動>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.7

前作からさらにテンポ&スタイリッシュ度&アプリ活用度がアップ!よくもまあ、これだけ色々なアプリやウェブサイトの活用を絡めた内容を作ったな~、という脚本の巧さ。製作陣、よほどITツールやアプリが好きなん>>続きを読む

自由の幻想(1974年製作の映画)

2.7

「忘れられた人々」、「昼顔」に続く巨匠ルイス・ブニュエル作品3作目の挑戦だが、これは見事なまでに好みから外れていた。

世の中の不条理をシニカルに描いたシュールなコメディのオムニバス集で、5~6話の繋
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.7

なるほど、そういうことか~。これは以前観たレビューで諸先輩方がおっしゃっていた通り、予備知識がないと作品としての本来の魅力が半減どころか8割減くらいになっちゃうわ・・・ハリウッドを震撼させた殺人事件を>>続きを読む

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

3.8

【なぜか避けてきた超有名作No.9】
うわ~、めっちゃエンタメしてる!こんな作品だったのか、バトル・ロワイヤル。ずっと殺るか殺られるかの緊張感溢れるリアルなスリラー物かと思っていた。当時国会でも取り上
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めし(1951年製作の映画)

3.7

成瀬巳喜男作品3作目。これまでに観た「浮雲」、「秋立ちぬ」が、なかなかに捻くれた男女関係を描く作品だったので、本作もそんな作品を期待していたが、こういうストレートな夫婦物の作品も作るのか、というかなり>>続きを読む

あるラブソング(2022年製作の映画)

3.5

コロラド州出身のある高齢女が、数十年間会っていなかった異性の幼馴染との再会のために、故郷近くのキャンプサイトにキャンピングカーを停め生活を始めるという本作。

休日の朝に観るにはピッタリの、穏やかで落
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ロビンソンの庭(1987年製作の映画)

3.5

うわ~、久しぶりに変な邦画観ちゃった(誉め言葉)。シュールで奇天烈で混沌としているが、芸術的で神秘的。創造的でいて破壊的。物語らしい物語がありそうで、観ていくと物語なんてあまり関係なさそうな気もして、>>続きを読む

イージー★ライダー(1969年製作の映画)

3.5

【超有名作を食らうVol.8】
ロードムービーの金字塔的作品として知られている本作。ロードムービーというジャンルに比較的苦手意識が強いのでなんとなく遠ざけていたがついに視聴。「ノッキン・オン・ヘブンズ
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上海から来た女(1947年製作の映画)

3.3

最近また仕事が忙しくなってきたので、短縮レビュー。

あの「市民ケーン」の監督・主演を務める●●による1時間半弱の短尺サスペンス。

ある男性が暴漢に襲われる女性を救う。その女性は実は大金持ちの弁護士
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

3.6

「子は鎹(かすがい)」ならぬ「猫は鎹」!?W不倫を題材にしたヒューマンドラマ・・・というよりも、大人向けのシニカルなコメディ。

現代邦画界の中でもトップ5に入るくらい好きな今泉力哉監督とピンク映画の
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.6

これはもしかしてPTA流の“こじらせ”ラブストーリー!?これまで観たPTAの三作が「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(TWBB)」「ファントム・スレッド」「ザ・マスター」の3作で、その狂気的で陰鬱とした雰>>続きを読む

狂った野獣(1976年製作の映画)

3.7

これはある意味、新種のコメディアクションというべきか!?渡瀬恒彦出演作品を観たくてチョイスした一本ですが、とにかく気軽に観られて単純に面白い!

短尺な作品で、バスハイジャック物というパニック系映画の
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風をつかまえた少年(2019年製作の映画)

3.8

私は“出来過ぎで予定調和感満載”な映画が基本的に苦手。本作もそんな映画のように見えますが・・・実話なのです。その“出来過ぎ”は実話となると、“人生の奇跡”になる。そんな奇跡に感動した素晴らしい作品でし>>続きを読む

隣人は静かに笑う(1999年製作の映画)

3.7

ご近所付き合いがあまりない我が家としては、周りのご家族と挨拶程度はするものの、その素性はほとんど知らず。しかし、本作を観ると、どんな人物か気になりつつも、あまり詮索しないほうがかえって安心なのかも!?>>続きを読む

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