みかんぼうやさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

みかんぼうや

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泥の河(1981年製作の映画)

4.3

【社会的格差、見栄や体裁など関係ない子ども視点から描かれた純度の高い友情物語が気づかせる皮肉のような厳しい現実】

やはり70~80年代邦画の破壊力は凄い。
なんという後味。観終わった後もズシリとくる
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GONIN(1995年製作の映画)

3.7

【The・雰囲気映画。意外なほど単調な展開を補う演出と超豪華キャストの個性溢れる演技。だが、結局全てを食ったのは和製「ノーカントリー」ならぬビートたけしの圧倒的存在感だ】

自分が高校1年生の時に公開
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浮草(1959年製作の映画)

3.4

【小津作品の中では感情的な言動が目立つ登場人物と内容。しかし、その映像、その音楽、その結末はやっぱり小津節全開!】

一時期ハマって立て続けに観ていた小津作品ですが、しばらく間が空いて約7か月振りの鑑
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パレードへようこそ(2014年製作の映画)

3.8

【“炭鉱ストライキ”と“同性愛”という重くシリアスなドキュメンタリー調映画になりそうなテーマを明るくポップなエンタメ映画に仕上げたところに好感!】

1980年代、サッチャー政権時代のイギリスにおける
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浅田家!(2020年製作の映画)

3.3

【やっぱり監督の作風に合わず“物足りなさ”を感じつつも、“写真”という記録を通じて人と人の繋がりを感じさせてくれる温かく感動ありの安定したヒューマンドラマ。】

フィルマで高レビューの本作。「湯を沸か
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.5

【子ができなかった辛さと、子ができたことによる辛さ。2つの対照的な視点が圧倒的な脚本、演出、演技力でリアリティを持って交錯していくサスペンス要素も含んだ傑作社会派ヒューマンドラマ】

重い。思っていた
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彼の見つめる先に(2014年製作の映画)

3.8

【障害に対するいじめや困難克服の話と思いきや・・・アメリカや日本の映画でもなかなか見られないほどなんとも瑞々しく爽やかな思春期の少年たち】

なんて瑞々しく爽やかなブラジル青春映画!
ブラジル映画とい
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ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

4.3

【素晴らしく人間臭い登場人物たちによる生々しいほどの人間ドラマ。】

これぞ“ザ・邦画”と言わんばかりの邦画の良さがたっぷり詰まった作品。
「邦画の良さってなんだ?」と考えるのですが、その一つは同じ言
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レナードの朝(1990年製作の映画)

4.0

【ただの美しい奇跡の物語ではなく、その先にある厳しい現実を描いたことに好感。ベタな内容もデ・ニーロの熱演を見せつけられたら涙せずにはいられない!】

20年前の私的第一次映画観まくり期にずっと視聴予定
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雪の轍(2014年製作の映画)

3.5

【3時間15分の超大作。やはり長い!カッパドキアの美しい景色や丁寧で細やかな人間描写をしても、3時間強、マウント爺さんのマウントトークを聞き続けるのは、やっぱりしんどい。】

比較的相性が良いカンヌ国
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.8

【本当の“神様”は、この常軌を逸した世界を一人で創造し具現化しきった全知全能の神“堀貴秀”だ。】

環境破壊により滅亡寸前となる人類のために、密かに進化し続ける地下世界の生命体調査に臨む人間が、地下世
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アフタースクール(2008年製作の映画)

3.9

【パズル的展開。どんでん返し。伏線回収。これらのキーワードに刺さる方には安心して薦められる鉄板クライムコメディ。】

いやー、相変わらず見事に練られた脚本!
内田けんじ監督の「運命じゃない人」は和製「
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ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

4.0

【全く大した話じゃないのに、なんともユニークな着想による今まで経験したことのない新感覚!演劇というフォーマットでは表現し難いとても演劇的なタイムループ作品。】

はっきり言って映画としてはこじんまりと
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別離(2011年製作の映画)

3.8

【全ては家族を守るための立場の違いによる些細なプライドと怒りから。ちょっとした摩擦が】

ベネチア国際映画祭やアカデミー賞など、世界の映画賞を総なめしたという本作。正直なところストーリーも登場人物たち
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復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

3.8

【終始漂う冷たく乾いた空気感と緒形拳の演技が生み出す稀代の連続殺人犯の冷酷さと猟奇性】

湯っ子さんオススメの本作。早速視聴。作品全体を通して感じるとても冷たい乾いた空気。凄い作品だった。オススメあり
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ペコロスの母に会いに行く(2013年製作の映画)

3.3

【直球すぎるベタベタなストーリーと演出だが、やっぱり涙せずに入られない。認知症をコメディタッチで明るく見せているところも個人的に好感。】

キネマ旬報2013年ランキング第1位ということで以前から興味
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.3

【経済的な制限と精神的な制約。選べるものと選べないもの。自己実現のための生き方の選択。】

多くのレビュアーさんが高評価している作品ですが、噂に違わず本当に素晴らしい作品でした。一章まで観終わったとき
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ディーパンの闘い(2015年製作の映画)

3.3

【移民問題を扱った社会派映画?偽装家族の中の家族愛を考える映画?作品の軸が最後まで見つけられずどこか中途半端に感じてしまったパルムドール受賞作】

カンヌのパルムドール受賞、コーエン兄弟絶賛、予告編も
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.0

【映画の主人公のような夢や希望に溢れた若者ではない、今をただ楽しみ生きる若者たち。役者陣の自然な演技と独特な空気感がたまらない。】

なんでしょう、この映画全体に漂う独特の浮遊感?
ハッキリ言ってここ
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そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

3.7

【重く暗い物語で登場人物にも感情移入できないのに、演者の迫真の演技と丁寧で繊細な映像・演出によるクオリティの高さに、じわりじわりと引き込まれていく】

重い、暗い、辛い。

脳梗塞で寝たきりの父ととも
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お引越し(1993年製作の映画)

4.3

【ジャケ写と前半の展開から想像もしなかった後半の神秘的かつ芸術的映像。序盤のお引越し風景から誰があの幻想的な画を想像する!?】

これまた出会えた、邦画の傑作。
これほどいい意味で、作品途中まで想像も
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わが谷は緑なりき(1941年製作の映画)

3.8

【山あり谷ありの人生を生き抜く家族の姿を描いた王道中の王道と言える古典的家族愛映画】

ウェールズの谷にある小さな炭鉱町で、一家総出で炭鉱夫として働くある家族が、山あり谷ありの人生の中で支え合いながら
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南極料理人(2009年製作の映画)

3.8

【日常の中の非日常の描写と絶妙な人間関係にニヤニヤせずにはいられない。全ては仲間たちとのおいしいご飯で解決する平和的思想に溢れた映画】

先日の「横道世之介」がとても素晴らしい作品だったので、沖田作品
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鈴木家の嘘(2018年製作の映画)

3.3

【ヒューマンドラマか壮大なるブラックコメディか!?引きこもり長男の自殺という悲劇を背負った家族の物語】

これは人によって評価が分かれそうな作品で、観終わった後のレビュアーさんのコメントを読むのがまた
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日日是好日(2018年製作の映画)

4.0

【時とともに変わるものと変わらないもの。邦画の持つ美しさと日本文化の持つ“わびさび”が醸し出す穏やかで心地よい空気感。考えるよりも感じたい文化芸術的映画。】

序盤の印象から茶道教室に通い始めた女子大
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レイジング・ブル(1980年製作の映画)

3.6

【粘着質で嫉妬深く猜疑心に満ち溢れたボクサーの身からでた錆的な破滅的半生】

格闘技・ボクシングが好きな自分としては、いわゆる王道な成り上がりチャンピオンのスポーツ物を期待して見始めたので、序盤から主
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ひとよ(2019年製作の映画)

3.3

【殺人加害者の家族を描く社会派映画だが、なぜか作中終始感じ続ける“不自然さ”と“違和感”】

予告を見て、かなり重厚な家族テーマの邦画を期待していて、実際観てみると、そのとおりとても重めなテーマを扱っ
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ブルーベルベット(1986年製作の映画)

3.2

【リンチの“癖”は垣間見えるも、リンチ作品としてはよく言えば「分かりやすく」悪く言えば「物足りない」正統派サスペンス】

デヴィッド・リンチ初期の作品、今回初鑑賞。
本作もそれなりにクセのある描写やキ
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横道世之介(2013年製作の映画)

4.4

【ストーリーは平凡な大学生の日常なはずなのに・・・圧倒的な“キャラ勝ち”!登場人物を愛した瞬間、その作品は】

「世之介、だ~いすき!」
こんな最も単純な言葉が最高に胸に染みる映画、そうそう無い。
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異端の鳥(2019年製作の映画)

3.7

【まるで鳥の習性の如く集団における異質な存在を排除しようとする人間たち。3時間弱の迫害と生き地獄の連続に受け手は何を考える?】

「異端の鳥」、この映画を表現する上でなんと最適なタイトルであろうか。鳥
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地獄の黙示録(1979年製作の映画)

3.7

【圧倒的スケールの映像で描かれる地獄のジャングルクルーズ。伝説的戦争映画だが、ダークファンタジー&アドベンチャーに見えてしまうのは私だけ!?】

この伝説的戦争映画、実は今回が初見です。
戦争映画自体
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

3.5

【ヴィム・ヴェンダース作品の叙情的でゆったりとした空気感と詩的な会話。ややスロースターター気味な展開も彼の作品の持ち味か。】

高評価作品がかなり多い巨匠なのに、ジム・ジャームッシュほどではないが個人
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台風クラブ(1985年製作の映画)

3.4

【オープニングからのバービーボーイズの楽曲が圧倒的!まさに台風のような思春期の脆さ、衝動性、無敵感。大人には迷惑な台風は、中学生には高揚感溢れる特別なイベントだ!】

最近、年代問わず邦画の“当たり”
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第三世代(1979年製作の映画)

1.8

【哲学的で高尚なテロ映画なのかもしれないが、脳みそフル回転でも頭に入らない人間関係とセリフ回しで登場人物への興味が持てず撃沈】

むむむ・・・これは難解で久しぶりに理解が全く追いつかない。
いや、話と
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マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

3.4

【映画を観ているというよりもテレビ番組でリーマン・ショック当時の舞台裏を見せる“長編再現VTR”を観た感覚】

2000年以降最大の金融危機“リーマン・ショック”の裏側に何があったのか?米国で起きたこ
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最初の晩餐(2019年製作の映画)

4.0

【食事が繋ぐ、家族とのあの日の記憶。】

最近の邦画の“当たり感”がハンパない!
本作もまた、とても“邦画ならではの良さ”を感じる素敵な映画でした。

異なる2つの家族が一緒に暮らす中で考えさせられる
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