この衝動性と躍動感。反体制的で、国家権力に対する怒りを散りばめつつも、同時に一個人の無力さを物語る作風。こんな尖った作品をデビュー作から送り出し、当時の日本映画界の賞を席巻する。紛れもなく、あの長谷川>>続きを読む
うわ~、吉田恵輔監督作品、観れば観るほど好きになっていく!この監督の作品、もう本能的に好きとしか言いようがない。どうしてこんなに登場人物に寄った丁寧な人間描写なのに、どこか登場人物たちを突き放したよう>>続きを読む
“アンドロイド/AIロボット物”は、一つの映画カテゴリーが確立されていると言ってもいいほど色々な作品があり、人間との友情や逆に暴走や反逆をストレートに描く作品が多いなか、壊れたアンドロイドの記憶(メモ>>続きを読む
妻と「梟」を観る予定でしたが、時間が合わず急遽こちらを鑑賞。話題のラリー・ライカート監督の新作で、以前観た「ミークス・カットオフ」が面白かったので、こちらでも十分楽しめると思ったのですが・・・
なん>>続きを読む
私のライフタイム・ベストであり唯一★5.0をつけている「アンダーグラウンド」のエミール・クストリッツァ監督が、その「アンダーグラウンド」のひとつ前に製作した本作。
「アンダーグラウンド」以降のクスト>>続きを読む
フランスの巨匠ルネ・クレーヌ作品初挑戦。脚本良し、音楽良し、監督の人生哲学たっぷりのエンタメ作品として評価が高いのは分かる。分かりますよ。しかし、この話は解せない。話が難解なのではなく(むしろ分かりや>>続きを読む
さまざまな映画賞の主演女優賞を総なめした(しかし、アカデミーはノミネートまで)ケイト・ブランシェットの演技が凄すぎて、恥ずかしながら途中までこのリディア・ターという指揮者、実在する人物だと思っていまし>>続きを読む
基本的に苦手意識の強い恋愛物。特に私が男性ということもあり女性視点の作品に没入することはあまりないのですが、今作は思いのほかハマってしまいました。
考える隙を与えないくらい、テンポよく怒涛の展開が続>>続きを読む
愛という名の狂気。さすが、あの「清作の妻」の増村保造監督×若尾文子主演という究極の昭和ダークメロドラマ。あんなにお美しい若尾文子が最初は魔性の女に見えたのに、最後にはある種の怪物に見えてしまう凄さ。>>続きを読む
だいぶ前からマイリストに入れていたのに、後回しにしていた作品。でしたが、あの「ブラディ・サンデー」のポール・グリーングラス監督だったということを知り、即鑑賞。「ブラディ・サンデー」のドキュメンタリーさ>>続きを読む
バリー・コーガン最強説。彼のような“この人がこの役を演じないと、作品として成り立たない”と思わせてしまう代えのきかない俳優って本当に凄い。
画的には、絵画のようななんとも美しいシーンがたくさん映し出>>続きを読む
本編では泣かなかったのに、エンドロールに入ってから一気に思いがこみ上げてきて涙した作品は初めてかもしれない。噂に違わぬ素晴らしい作品でした。
余命宣告を受けたシングルファーザーのジョンと息子のマイケ>>続きを読む
とても優しい語り口で、物凄く厳しいことを言われているような感覚になった作品。基本穏やかで淡々としつつところどころでコミカルさも見せる、決して暗くドッシリと重い雰囲気ではない。が、実はそこで伝えている内>>続きを読む
ベルリン金熊賞受賞作。同じ職場で働く片腕が動かず使えない男性と記憶力は抜群だがコミュニケーションが苦手な(おそらく自閉症スペクトラムと思われる?)女性が奇遇にも全く同じ夢を見ることから始まる大人の恋物>>続きを読む
1月から仕事のピーク期突入のため、刺さった作品以外は短めレビュー。
予告や設定から、「ドロステのはてで僕ら」のようなコミカルでテンポの良いコメディを想像していました。確かに前半はそんなノリだったので>>続きを読む
恒例の1月から仕事のピーク期突入のため、よほど刺さった作品以外は短めレビュー。
久しぶりのキアロスタミ監督作鑑賞。有名な“ジグザグ三部作”以外の作品を観るのは初めてです。同監督らしいドキュメンタリー>>続きを読む
フォローレビュアーのちぃさんさんやチョコミントさんがお薦めしてくださっていた本作。出演作にほぼ外れ無しで大好きなデ・ニーロの監督デビュー作ということで楽しみにしていましたが、期待以上に素晴らしい映画で>>続きを読む
なに、このラスト20分(笑)。一体何台車ぶっ壊したの!?一体何人車にはねられたの!?パトカーが一般市民をはねるわ、NHKの車がパトカーに突っ込むわ・・・ともうメッチャクチャ。当然CGが無い時代に撮られ>>続きを読む
元ジャニーズの国民的人気アイドルがこの役を演じることの衝撃。オファーした吉田監督と引き受けた森田剛の覚悟。この作品を語るには、もうこれで十分でしょ。
サイコパス物としては、正直なところ、それほどユニ>>続きを読む
アップテンポのドタバタエンターテインメントでありながら、ガッツリと社会風刺的メッセージが詰め込まれている、まさに岡本喜八節全開の本作。勢いよく切り替わっていくカメラワークとお笑いのコントのような独特な>>続きを読む
デンマーク映画って、なんでこんなに素晴らしい作品が多いのだろう。また7~8本程度しか観たことはないですが、おそらく全て★4.0以上をつけています。もちろん評価が高い作品を選んでいるとはいえ、「偽りなき>>続きを読む
“ムコリッタ”の意味を知らなかった私は、同じく萩上監督の「かもめ食堂」のような、ひたすらに平穏で温かい癒し系の作品だと勝手に想像しながら観始めました。が、実は意外にも“人間の生と死”をテーマに、今を生>>続きを読む
敢えてクリアな正解を提示することなく、劇的な展開を創り出すわけでもなく、一見淡々としていて、少し掴みどころがなく、モヤっとしたような伝え方でありながら、話が進むにつれて、ジワジワとメッセージ性が滲み出>>続きを読む
これぞ90年代~2000年代前半のベッタベタな“アメリカの家族愛ヒューマンドラマ”。家族の絆を深めるハートフルなストーリー。海辺に家を建てる話なので、海辺の景色や沈む夕日など美しい映像も満載の感動スト>>続きを読む
男性から女性へトランスジェンダーをした1人の人物を描いた作品ということで、その設定とフィルマ平均スコア脅威の★4.1で興味を持ち、先日観た邦画「彼らが本気で編む時は」のような極上の社会派感動ヒューマン>>続きを読む
巨匠ジャン=リュック・ゴダール80年代の代表作にして、ベルリン国際映画祭金獅子賞受賞の傑作。
いや~、つまらんな~。安定のゴダール印。もう、ストーリーも台詞さえも理解しようと思わないし、考察したいと>>続きを読む
まるで出来過ぎたヒューマンファンタジーのような実話ベースの物語。ここまで直球な病気&重度障がい者の苦しくも美しい感動ストーリーはいつぶりに観ただろう、と思うほど、王道にして心揺さぶられる作品でした。そ>>続きを読む
「二十四の瞳」や「永遠の人」の木下恵介監督5作品目。自動車工場経営が成功して金持ちになった少し粗暴だが気前がいい男の石津と、今は落ちぶれた元上流家庭の娘でおしとやかで美しく気品に溢れた泰子の2人による>>続きを読む
華やかなリングの上の世界の裏にある、ロッキー・バルボアにも矢吹丈にもなれない普通の人間たちの物語。
12/26の井上尚弥のボクシング四大タイトル統一選を見て大興奮し、大晦日のRIZIN(格闘技イベン>>続きを読む
「しとやかな獣」、「洲崎パラダイス 赤信号」の川島雄三作品の代表作にして、キネマ旬報が選んだ「オールタイムベスト100」日本映画編の第5位に選ばれたという本作。
幕末の品川の遊郭を舞台にしたドタバタ>>続きを読む
【なぜか避けてきた超有名作を食らうVo.13】
正確には“避けてきた”わけではなく、海というものにそこまで惹かれない人間なのと、170分の長尺が理由だったのですが、時間に余裕のある年末年始にゆっくり観>>続きを読む
皆さま、本年もよろしくお願いいたします。今年も変わらず映画&フィルマライフを楽しんでいこうと思います。
(今日アップする4本は、2023年末に観た作品です)
「二十四の瞳」、「永遠の人」の木下恵介監>>続きを読む
これは普通の青春映画ではない。ジャケ写や美男美女高校生たち、そして開始5分くらいの雰囲気から、苦手なキラキラ系高校生青春恋愛映画も覚悟しましたが、とんでもない。さすが綿矢りさ原作。びっくりするくらい面>>続きを読む
カンヌのパルムドールをはじめ、その年の様々な映画祭の賞を総なめした本作。ずっと観たいと思っていてようやくの鑑賞。さすがに見応え十分。主人公エイダの感情をピアノの音で表現した音と映像の融合と現実でありな>>続きを読む
「戦場のメリークリスマス」とともに、ずっとクリスマスに観たいと思っていた作品。名作と聞いていたので、思わず観る前から、同じくファンタジーで実はクリスマス映画でもあり私の生涯のベスト5に入る「素晴らしき>>続きを読む
【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.12】
正確には“避けてきた”わけではなく、毎年クリスマス付近に観ようと心に決めて、でも結局他の作品を観てしまい、観る機会を逃してきただけ。ですが、坂本龍一が>>続きを読む