みかんぼうやさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

みかんぼうや

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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

一時期かなりTLを賑わせたスピルバーグ初の自伝的作品。スピルバーグの作品は2000年代前半までの有名どころはそれなりに観ているものの(といっても12~3本?)、特に思い入れのある監督、というわけではな>>続きを読む

離愁(1973年製作の映画)

3.3

第二次大戦の戦火を避難するために妊娠中の妻と娘とともにすし詰めの汽車の貨物車両に乗った男性が同じ車両に居合わせたユダヤ人の美しい女性と恋に落ちるという、いわゆる戦争メロドラマ。

“ラストが全て”と言
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.8

え!アキ・カウリスマキってこんな作品も撮っているんだ。フィルマや世間でのこの監督に対するかなりの高評価に対して、「希望のかなた」も「パラダイスの夕暮れ」もいまいち面白さが分からず、本作が楽しめなかった>>続きを読む

二人で歩いた幾春秋(1962年製作の映画)

3.9

「永遠の人」、「二十四の瞳」に続く、木下恵介監督作品3作目。この方、長きに亘り紡がれていく人と人との絆を描く天才なのでしょうね。

本作、一言で言うならば、「二十四の瞳」の“家族絆”版。「二十四の瞳」
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ダイナマイトどんどん(1978年製作の映画)

2.9

仁義なき“野球”の戦い。大好きな岡本喜八監督の中でも屈指の人気作ということで、満を持して鑑賞した本作!でしたが、喜八監督作品でここまで面白さが分からない作品があるのか、と自分でもビックリするくらい、全>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.2

これはもう余計な理屈や解釈などいらない。凶悪な悪人たちを描かせたら今の邦画界で右に出る者はいないのでは?と思わずにはいられない白石監督の徹底したヤクザ描写と圧倒的演出力に、豪華個性派派俳優たちの極悪演>>続きを読む

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

4.2

こんな素晴らしい名作を「全然面白くない」と20年以上思っていた自分を問い詰めたい、と思うほど、魅力的なヒューマンドラマでした。ホロコースト物としては、「シンドラーのリスト」に引けを取らないスケール感、>>続きを読む

ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)

3.4

「シェルブールの雨傘」と同じ監督ジャック・ドゥミ×音楽ミシェル・ルグランの黄金コンビによるフレンチミュージカル。とにかくオシャレで、劇伴が全般的にジャズ系なのでジャズ好きとしてはたまりません。

先日
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エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.0

“違和感が魅力的”だと感じるのは人間の本能か。常識的で予測可能なことに人は安心感を覚えるけど、時にそれは面白味の欠如にもなりかねない。一方、少なくとも自分の常識や価値観では計り知れない予測不能なできご>>続きを読む

洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)

3.9

「しとやかな獣」があまりにも面白すぎたので、同じく川島雄三監督の人気作をチョイス。しかもオープニングで気づいたのですが、この作品、助監督が今村昌平。今村昌平は川島雄三の一番弟子ということを初めて知りま>>続きを読む

博士と狂人(2018年製作の映画)

3.7

英語辞書の中でも最も権威ある辞書と言われるオックスフォード英語大辞典を編纂したジェームズ・マレー博士とイギリスの精神病院からその編纂に協力したアメリカ人殺人犯のウィリアム・マイナーの関わり合いと辞書編>>続きを読む

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

3.9

中国国内では1瓶80万円以上する白血病の治療に効く飲み薬と効能が同じ薬を、インドから密輸し違法販売した男の実話をもとにした話。

「ダラス・バイヤーズ・クラブ」にどこか似たような設定で(あちらも実話)
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.9

あの「ミッドサマー」の元ネタとも言われる、ある島のカルト宗教を題材にした本作。「ミッドサマー」にはかなり辛口レビューをしたくらい低評価をつけてしまったのですが、本作はかなり面白くて自分好みでした!>>続きを読む

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

3.4

非常に深い母と息子の絆を描いた号泣物の感動作にもなりそうな作品なのですが(予告からもそれを期待したのですが)、さすがにこれはやり過ぎ。リアリティを期待したいテーマと内容だけに、そのやり過ぎな内容がかえ>>続きを読む

息子の部屋(2001年製作の映画)

3.8

2001年のカンヌパルムドール受賞作。1時間半強の作品ですが、突然最愛の家族を失い残された人たちの心境をとても繊細かつ丁寧に描いた良作でした。

死別物としては王道でストレートな内容ですが、キューブラ
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甘い生活(1959年製作の映画)

3.5

久々のフェリーニ作品。そして、カンヌパルムドール受賞作。美しく煌びやかなローマの建物や街並みを背景に、記者である主人公マルチェロとモデルや女優、実業家など様々なセレブとの接点を通して描かれる欲に真っ直>>続きを読む

しとやかな獣(1962年製作の映画)

4.5

うわ~!なんじゃこりゃ~!噂に違わぬ面白さ!理性に訴える巧妙で分かりやすい脚本と感性を刺激する奇天烈でありながら日本的芸術性の強い演出。シュールなようでエンタメ的。非現実的なようで人間の底なしの欲望を>>続きを読む

シカゴ(2002年製作の映画)

3.2

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.11】
もともとミュージカルが大の苦手だった私も、気づけばミュージカル克服どころか、最近はむしろ好きになり始めているのではないか!?と思えるようになり、ここの
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今度は愛妻家(2009年製作の映画)

3.5

前半、トヨエツ史上屈指のクズ男を演じてるな~、と思いましたがなるほどそういうことでしたか。正直、このテーマとしてはかなりベタベタな内容です。が、そもそもこのテーマに弱いので、やはり反射的に泣かされる場>>続きを読む

ハートストーン(2016年製作の映画)

3.9

こんなにも青臭く、繊細で、切なく、しかし美しい作品だとは!全く期待せず前情報無しで観始めたので、どんな作品かも分かっていませんでしたが、かなりの良作でした。

アイスランドの農村に住むソールとクリスチ
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二十四の瞳(1954年製作の映画)

4.4

太平洋戦争前から戦後の日本を小学校の先生として生きた一人の女性とその生徒たちとの長きにわたる絆を描いた骨太人間ドラマ。

有名な作品なので名前は聞いたことがありましたが、観るのは初めて。和風フラメンコ
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スモーク(1995年製作の映画)

3.8

20年以上前に観て、オムニバスがあまり得意でない私も「いい映画だ」という印象が強く残っていたオムニバス作品。なのですが、何しろどんな話だったか全く覚えていない(私、オムニバスだと話の内容をかなり忘れが>>続きを読む

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

3.7

ソフィア・コッポラの視点から描かれる我らがTOKYOと日本人。新宿パーク・ハイアット・ホテルに泊まったアメリカ人映画俳優と偶然同時期に泊まっていた新婚女性の出会いとTOKYOでの数日間のラブストーリー>>続きを読む

プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.7

鬼才ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による少女失踪サスペンス。サンクスギビングデーのパーティー中に2家族の少女2人が突如いなくなるとこrから事件は始まる。ヴィルヌーヴのサスペンスとなると、あの「灼熱の魂」の想>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.6

是枝監督×ソン・ガンホ主演で話題になった本作。

“大人に振り回される子どもの運命” × “家族という枠組みの定義(血が繋がっているか否か)” × “社会問題を扱いつつ重すぎないエンタメ性” × “
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ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.7

女性監督による女性視点から描かれた西部劇。

道先案内人として現れたミークという男に導かれ荒野を移動する3家族。しかし、いっこうに目的地に着かない不安感のなか水と食料が補足し始め、さらには先住民との遭
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花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

3.5

「欲望の翼」、「恋する惑星」ともに「お洒落なだけ」と辛口レビューで★2点台をつけてしまうほど、かなり苦手なタイプの作品だった故に、相当な苦手意識を持ってしまったウォン・カーヴァイ作品。今回、この作品を>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.7

観終わるまで全く気づかなかった。この作品、20年前に観て衝撃を受けた「アモーレス・ぺロス」の監督の作品だったとは!

オープニングから展開されるワンカット風のお洒落な映像演出と気持ちのいいスタイリッシ
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おくりびと(2008年製作の映画)

4.1

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.10】
納棺師の話ということで、かなり重苦しくシリアスな映画だと思っていたので、これほどクスッと笑えるエンタメ要素多めの映画だとは全く思っていませんでした。た
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ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

3.7

初めてのジャック・タチ挑戦はやはり彼の代表作と言われている本作。なんともオシャレ!ほのぼのとしているのに芸術的。「映画はストーリー重視」な自分ですが、本作はストーリー自体よりも、そこに登場する人物の動>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.7

前作からさらにテンポ&スタイリッシュ度&アプリ活用度がアップ!よくもまあ、これだけ色々なアプリやウェブサイトの活用を絡めた内容を作ったな~、という脚本の巧さ。製作陣、よほどITツールやアプリが好きなん>>続きを読む

自由の幻想(1974年製作の映画)

2.7

「忘れられた人々」、「昼顔」に続く巨匠ルイス・ブニュエル作品3作目の挑戦だが、これは見事なまでに好みから外れていた。

世の中の不条理をシニカルに描いたシュールなコメディのオムニバス集で、5~6話の繋
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.7

なるほど、そういうことか~。これは以前観たレビューで諸先輩方がおっしゃっていた通り、予備知識がないと作品としての本来の魅力が半減どころか8割減くらいになっちゃうわ・・・ハリウッドを震撼させた殺人事件を>>続きを読む

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

3.8

【なぜか避けてきた超有名作No.9】
うわ~、めっちゃエンタメしてる!こんな作品だったのか、バトル・ロワイヤル。ずっと殺るか殺られるかの緊張感溢れるリアルなスリラー物かと思っていた。当時国会でも取り上
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めし(1951年製作の映画)

3.7

成瀬巳喜男作品3作目。これまでに観た「浮雲」、「秋立ちぬ」が、なかなかに捻くれた男女関係を描く作品だったので、本作もそんな作品を期待していたが、こういうストレートな夫婦物の作品も作るのか、というかなり>>続きを読む

あるラブソング(2022年製作の映画)

3.5

コロラド州出身のある高齢女が、数十年間会っていなかった異性の幼馴染との再会のために、故郷近くのキャンプサイトにキャンピングカーを停め生活を始めるという本作。

休日の朝に観るにはピッタリの、穏やかで落
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