みかんぼうやさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

みかんぼうや

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ロビンソンの庭(1987年製作の映画)

3.5

うわ~、久しぶりに変な邦画観ちゃった(誉め言葉)。シュールで奇天烈で混沌としているが、芸術的で神秘的。創造的でいて破壊的。物語らしい物語がありそうで、観ていくと物語なんてあまり関係なさそうな気もして、>>続きを読む

イージー★ライダー(1969年製作の映画)

3.5

【超有名作を食らうVol.8】
ロードムービーの金字塔的作品として知られている本作。ロードムービーというジャンルに比較的苦手意識が強いのでなんとなく遠ざけていたがついに視聴。「ノッキン・オン・ヘブンズ
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上海から来た女(1947年製作の映画)

3.3

最近また仕事が忙しくなってきたので、短縮レビュー。

あの「市民ケーン」の監督・主演を務める●●による1時間半弱の短尺サスペンス。

ある男性が暴漢に襲われる女性を救う。その女性は実は大金持ちの弁護士
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

3.6

「子は鎹(かすがい)」ならぬ「猫は鎹」!?W不倫を題材にしたヒューマンドラマ・・・というよりも、大人向けのシニカルなコメディ。

現代邦画界の中でもトップ5に入るくらい好きな今泉力哉監督とピンク映画の
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.6

これはもしかしてPTA流の“こじらせ”ラブストーリー!?これまで観たPTAの三作が「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(TWBB)」「ファントム・スレッド」「ザ・マスター」の3作で、その狂気的で陰鬱とした雰>>続きを読む

狂った野獣(1976年製作の映画)

3.7

これはある意味、新種のコメディアクションというべきか!?渡瀬恒彦出演作品を観たくてチョイスした一本ですが、とにかく気軽に観られて単純に面白い!

短尺な作品で、バスハイジャック物というパニック系映画の
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風をつかまえた少年(2019年製作の映画)

3.8

私は“出来過ぎで予定調和感満載”な映画が基本的に苦手。本作もそんな映画のように見えますが・・・実話なのです。その“出来過ぎ”は実話となると、“人生の奇跡”になる。そんな奇跡に感動した素晴らしい作品でし>>続きを読む

隣人は静かに笑う(1999年製作の映画)

3.7

ご近所付き合いがあまりない我が家としては、周りのご家族と挨拶程度はするものの、その素性はほとんど知らず。しかし、本作を観ると、どんな人物か気になりつつも、あまり詮索しないほうがかえって安心なのかも!?>>続きを読む

スワロウテイル(1996年製作の映画)

4.0

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.】
まるで外国の映画を観始めたかのような入りと作品に漂う独特な空気感に、一瞬何事かと思うほど興味を駆り立てられる。こんなユニークな世界観を持った邦画が90年代
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アラビアのロレンス(1962年製作の映画)

3.5

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.6】
イギリス人将校でアラビア独立戦争を指揮したT.E.ロレンスの自伝を映画化した作品。なんと言ってもAFIアメリカのベスト100映画(初代)で堂々5位にラン
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フロスト×ニクソン(2008年製作の映画)

3.7

ウォーターゲート事件で失脚したニクソン大統領とイギリスの人気テレビ番組司会者デイビッド・フロストによる、テレビのインタビュー番組の舞台裏と当日の対談を描いた本作。

本作の中でも例えられるように、対話
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アイデンティティー(2003年製作の映画)

3.9

11人の男女がとあるきっかけで1つのモーテルに集まり、そこで連続殺人事件が起き始める。アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」のような、もしくはTVゲームの「かまいたちの夜」のような、王道的な密>>続きを読む

おとなのけんか(2011年製作の映画)

3.9

“思わずニヤニヤしてしまう”というのはこういう映画のためにある言葉なんだろうなと思うほど、終始ニヤニヤしながら観ていました。ただ、映画で客観的に観てるからニヤニヤできるけど、当事者にはなりたくない作品>>続きを読む

淪落の人/みじめな人(2018年製作の映画)

3.3

これはもう申し分なく素敵で優しい気持ちになれる物語。ここまで優しさが溢れる映画はなかなか思いつかないくらい。

半身麻痺の障害を抱える香港人男性と経済的困難と家族との離縁話で苦労するフィリピン人の外国
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山の郵便配達(1999年製作の映画)

4.2

約20年ぶりの再鑑賞。前回観たのは大学生の時で、内容は初見レベルまで忘れていたものの、映像が美しくてとても素敵な映画だったことはよく覚えていました。
が、改めて観て、本当に素晴らしい映画であることを再
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.4

低所得層や使用人たちが上流階級から力で富と権力を強奪するニューオーダー・・・新しき秩序。ただ、この作品で描かれるのは、新秩序の前の社会的ヒエラルキーの転覆過程である“混沌”まで、といったところでしょう>>続きを読む

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

4.2

大学生の頃に劇場で観て以来、約23年ぶりの再鑑賞!やっぱり最高!マイ・ベスト・オブ・シュール!シュールだけど、最高に面白いんだ、これが。

23年間、色々なジャンルの映画を観たし、自分も社会人になって
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キングメーカー 大統領を作った男(2021年製作の映画)

3.7

今年に入り、韓国映画の近代政治・歴史物にどっぷりハマり(当たりが多く)、観たいと思っていた本作。金大中大統領がモデルとなった政治家キム・ウンボムと彼の政治活動でまさに“暗躍”した参謀的人物をモデルとし>>続きを読む

ザ・マスター(2012年製作の映画)

3.7

久しぶりのPTA(ポール・トーマス・アンダーソン)作品。やっぱりこの監督が作る“不穏な空気感”、大好き。そして、PTA作品といえばジョニー・グリーンウッド(レディオヘッド)の音楽。こちらも変わらず作品>>続きを読む

草の上の昼食(1959年製作の映画)

3.4

巨匠ジャン・ルノワール晩年の作品。タイトルから同監督の未完40分作品「ピクニック」のようなシンプルな男女の恋愛作品をイメージしていました。

たしかに本作も表向きはシンプルな男女の恋物語です。が、その
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楢山節考(1983年製作の映画)

3.7

ここまで想定していた内容と大きなギャップがあった作品も久しぶり。母と息子が苦難を乗り越える悲しくも感動のヒューマンドラマを期待していたら、実際は寺山修司の「田園に死す」に引けを取らない衝撃的な稀代のカ>>続きを読む

いつだってやめられる 7人の危ない教授たち(2014年製作の映画)

3.5

イタリアで大人気のコメディシリーズということで、大爆笑系コメディ作品だと思っていました。が、実際にはコメディテイスト強めの可愛らしいマフィア物、という印象の強い作品でした。

とある大学の契約を打ち切
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ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

4.0

あのオバマ大統領がミシェル婦人との初めてのデートで観に行った映画としてあまりにも有名な本作。初めてのデートでこの内容の映画を観るのは凄い。でも、後のオバマ大統領を考えると、彼らしいとさえ思ってしまう。>>続きを読む

君を想い、バスに乗る(2021年製作の映画)

3.6

基本的にロードムービーにかなり苦手意識があると思っていたけど、こういう作品を観ると、意外とそんなことはないのかな?と思ったりします。多分、私が苦手なロードムービーは、主人公たちが後先考えず大暴れするタ>>続きを読む

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

4.5

観終わった後、こんな素晴らしい邦画に出会えた幸福感にただただ酔いしれました。トランスジェンダー物の作品の中では、個人的に洋画を含めても最も好きな作品かもしれません。ベルリン国際映画祭の審査員賞と観客賞>>続きを読む

欲望の翼(1990年製作の映画)

2.9

自分でもびっくりするくらい合わなかった大人気作品「恋する惑星」のウォン・カーヴァイ監督の長編2作目である本作。「恋する惑星」でもう懲りていたのだけれど、1作で判断するのも・・・という思いで観た予告編が>>続きを読む

若者のすべて(1960年製作の映画)

3.8

世代的にこのタイトルからまず連想するのはフジファブリックの名曲とキムタクと萩原聖人が主演だったTVドラマのほう(内容忘れたけど)。こちらは巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督初期のネアレアリズモ作品にして、>>続きを読む

チェイサー(2008年製作の映画)

3.9

ここ最近観ていた韓国映画は政治・歴史物が続いていましたが、久しぶりに韓国正統派クライムサスペンス物が観たくなり本作を鑑賞。これは韓国映画の中でも屈指の胸糞映画。作品全体の陰鬱な雰囲気も、連続殺人という>>続きを読む

恐怖の報酬(1953年製作の映画)

3.8

フォローしているクリームさんのレビューを拝見して、リメイク版に興味を持った作品ですが、先にどうしてもオリジナルを観たくなる性があり、まずはこちらを視聴。

話は非常に単純で、4人の男が高額の報酬と引き
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トゥルーノース(2020年製作の映画)

4.2

北朝鮮の強制収容所の実態を脱北者の話をもとにCGアニメ映像化した本作。まるでホロコーストの悲劇が現代でも続いているかのよう。自殺するという選択肢すら奪われた延々と続く生き地獄。ところどころに希望が混じ>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

2.2

「こわれゆく女」、「オープニング・ナイト」と立て続けに観た2作がかなり面白く一気にファンになったジョン・カサヴェテス監督作品も、気づけば本作でU-NEXT配信の7作品は全て観終えたことになります。>>続きを読む

サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

3.8

「ドロステのはてで僕ら」がとっても面白かった劇団ヨーロッパ企画の同名演劇を映画化した本作。私は「ドロステ・・・」を先に観てしまいましたが、本作は2005年公開(元となる劇は2001年初公演)なので、こ>>続きを読む

デンマークの息子(2019年製作の映画)

4.2

これは思わぬ傑作社会派サスペンス!レビュー数が極端に少ない作品で半信半疑で観始めたが、開始5分で、その映像や演出に巧妙さとセンスを感じ、「あ、これ絶対に好きな作品だ」と確信。そこから先の物語の展開も見>>続きを読む

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

3.6

【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.5】
私、ジャズが大好きなので、本作のメインテーマ曲でもある「トゥナイト」は、ジャズスタンダードとして曲のほうを先に知っていました。オスカー・ピーターソンが奏
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ブラディ・サンデー(2002年製作の映画)

4.1

究極のドキュメンタリー“タッチ”作品。もはや事件当日の現場に潜入し密着取材でカメラを回し続けたとした思えない圧倒的なリアリティに溢れた映像。観ている間、画面に映る人間たちが俳優で全て演技であるという事>>続きを読む

八月の鯨(1987年製作の映画)

3.5

ある島の水辺の家に住む、人生晩年期を迎える老姉妹が、それまでの人生を振り返りながらこれからを見つめるお話。主役の2人以外も登場人物も男女ともにほぼ高齢者。美しい水辺の家の老人、という設定から「黄昏」の>>続きを読む