みかんぼうやさんの映画レビュー・感想・評価

みかんぼうや

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市子(2023年製作の映画)

4.2

杉咲花の圧倒的演技力。彼女が市子を演じていなければ、これほど心に残る作品にはならなかったのは間違いない。物語の内容自体は、私の生い立ちや歩んできた人生とあまりにもかけ離れていて、本来感情移入はしづらい>>続きを読む

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語(2018年製作の映画)

3.7

人生における出会いと別れ、喜びと悲しみを、アメリカとスペインに住む2つのカップル、そして、その子どもを通して描いていくヒューマンドラマ。

全く異なる異国のカップルの人生、そして親から子にわたり紡がれ
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.5

「ミークス・カットオフ」が面白くて気になったケリー・ライカート監督の作品3本目。自由の国アメリカの世知辛い側面。踏んだり蹴ったりな状況に置かれる主人公ウェンディと愛犬ルーシーの物語。

ライカート監督
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オンリー・ザ・ブレイブ(2017年製作の映画)

3.9

この映画、予告で損していると思います。以前、本作を観ようと思った時に、事前にYouTubeで本作の予告を観たのですが、EXILEが歌う本作の日本版テーマソングがバックミュージックで流れ、いかにも泣かせ>>続きを読む

デトロイト・ロック・シティ(1999年製作の映画)

3.4

The・アメリカンおバカコメディ!ロックバンドKISSの大ファンである男子高校生4人組が憧れのKISSのコンサートチケットを手に入れるための珍道中。たったそれだけですが、コメディ色たっぷりのハチャメチ>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.7

「ロード・オブ・ザ・リング」や「ハリーポッター」シリーズなどの、いわゆる超大作ファンタジー系にとても苦手意識のある私。ですが、本作はあのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品ということもありチャレンジ。正直なと>>続きを読む

ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

4.3

これは!兎にも角にも設定とストーリー展開が圧倒的に面白い。ホロコースト物の実話と短編小説から着想を得たフィクションということで、実際にここまでのことがあったわけではないようですが、常に何が起きるか分か>>続きを読む

兵隊やくざ(1965年製作の映画)

3.9

てっきり戦争映画だと思っていたら戦時中の日本軍隊の中のゴタゴタ話。正直、話の内容が突出しているわけではないのにこれほど面白いのは、若き日の勝慎太郎演じるヤクザ上がりの二等兵大宮と田村高廣演じる有田上等>>続きを読む

此の岸のこと(2010年製作の映画)

3.5

一時期、TLを賑わしていた「茶飲友達」の外山文治監督による30分の短編作品。「Still Dark」しかり「カランコエの花」しかり、これくらいの長さの短編作品は、本当に映画として良作が多い。

老々介
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ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

4.0

中学時代から親友の2人の女性七月(チーユエ)と安生(アンシェン)と1人の男性の三角関係。ありがちな青春ラブロマンスを現代の中国を映し出す美しい映像と音楽にのせて描いた作品だと思っていたら大間違い。>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

4.2

沖田修一監督がさかなくんの映画を創ってくれたことに大感謝。沖田作品の積み上げられてきた穏やかで温かく優しい作風と、さかなくんのキャラクターやお母さんの海のように広く深い愛情が最高の形でマッチしていて、>>続きを読む

江分利満氏の優雅な生活(1963年製作の映画)

3.8

戦後の高度経済成長期の中、サントリーの宣伝部で働くしがないサラリーマン江分利満(えぶりまん)がひょんなことから徒然なるままに自分の自叙伝的な内容を書く、という話。

岡本喜八監督は好きな監督の一人です
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

3.7

世界でも大変高い評価を得ている遠藤周作の小説を、あのマーティン・スコセッシが映画化。江戸初期の隠れキリシタン弾圧を描いた作品。ここでは「グッド・フェローズ」のようなポップでアップテンポな作風は皆無。原>>続きを読む

クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

3.9

これは噂に違わず面白い!キューバ危機のなか、米ソの核戦争を避けるために奔走した人物たちを描く実話ベースの物語ということで、素性がバレないようにミッションをこなしていくハラハラドキドキの内容を想像してい>>続きを読む

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)

4.2

2013年4月に起きたボストンマラソンでの爆弾テロとその犯人追跡を追った作品。映画としてのクオリティも非常に高く、物凄く緊張感と臨場感に溢れるかなりの良作でした。ちぃさんさんのレビューをきっかけに視聴>>続きを読む

女は二度生まれる(1961年製作の映画)

3.7

川島雄三監督×若尾文子主演という「しとやかな獣」と同じ黄金コンビによる、芸者からある男の妾になり、世を渡る一人の女性を描いた作品。

なんと言っても、凛とした美しさと独特の色気を放つ若尾文子が、その魅
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つみきのいえ(2008年製作の映画)

4.0

わずか12分ほどの作品だから、その柔らかいタッチの画と音楽を楽しむ雰囲気映画だと思っていました。

か、この圧倒的な物語性とメッセージ性。まさか12分でこんなに胸が締めつけられ目頭が熱くなるとは思いも
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バーディ(1984年製作の映画)

3.6

ベトナム戦争後にPTSDを患う2人の若者を描いた作品。顔に致命的な怪我を負ってしまったアルと丸くうずくまったまま一切の言葉も発せられなくなってしまったバーディの姿から、戦争シーンはほぼ無いものの、戦後>>続きを読む

初恋のきた道(1999年製作の映画)

4.0

今から約20年前に観て以来、2回目の鑑賞。当時、この作品と「山の郵便配達」を立て続けに観て、中国の田舎の自然の美しさと、何事にも一途に取り組む農村の人々の姿に感動して、中国の田舎への憧れというか好感を>>続きを読む

RENT/レント(2005年製作の映画)

3.6

1989~1990年のニューヨークを舞台に決して華やかとはいえない(むしろ貧困寄り)生活を送る若者たちが夢を追いかける大ヒットブロードウェイ・ミュージカルを、あの「ハリー・ポッター」初期2作の監督が映>>続きを読む

グーニーズ(1985年製作の映画)

4.0

「童心をくすぐる」とは、まさにこういうこと!いや~、楽しかった!まるでアミューズメントパークにいたような2時間。久しぶりにディズニーランドに行きたくなりました(本作のアトラクションがあるわけではないで>>続きを読む

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)

3.9

もう吉田恵輔しか勝たん!という一度も使ったことのなかった現代言葉?を思わず使うほど、吉田監督の作品は本当にどれも面白い。これまで「好きな現代邦画の監督は誰?」と聞かれたら「西川 美和」か「今泉 力哉」>>続きを読む

波止場(1954年製作の映画)

3.4

アカデミー6冠の不朽の名作。とある波止場でのギャングの内紛的な話で、物語もシンプルですし面白かったです。安定のクラシカルムービー、という感じ。

今の時代に観ると設定や展開自体にはそれほどユニークさや
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ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

3.8

この作品、監督を知らずに観たら、あの「イレイザー・ヘッド」や「マルホランド・ドライブ」を作ったデヴィッド・リンチの作品だと気付いただろうか?それほどに、ハートウォーミングで正統派なシニアロードムービー>>続きを読む

喜びも悲しみも幾歳月(1957年製作の映画)

3.7

「二十四の瞳」をはじめ数々の昭和人間ドラマを生み出した木下恵介監督の161分という長編作。仕事柄、日本全国を転々とすることになる灯台職員(佐田啓二)と1度のお見合いで結婚したその妻(高嶋秀子)、この2>>続きを読む

戦争と女の顔(2019年製作の映画)

3.5

終始冷たく静かで暗い。戦後ソ連を描いた作品で、戦争は既に終わっているのに、戦争シーンなんて微塵も登場しないのに、ただただ胸が苦しく戦争の酷さを実感させられる作品。

戦争から帰還した2人の女性兵(うち
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

ヨルゴス・ランディモスの変態性と芸術性が、キャッチーで分かりやすいSF設定の物語に絶妙なバランスで結実し、この作風における一つのエンタメとしての到達点に達したと言っても過言ではない社会派ダークファンタ>>続きを読む

ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)

2.5

これはきつかった~。私が最も苦手とする歌で押してくる雰囲気映画。観終わった後に監督を確認したら、なんと同じく超苦手だった「はじまりのうた」と同じ監督ではないですか。フィルマでは超高評価作品として有名な>>続きを読む

誰も知らない(2004年製作の映画)

3.9

【なぜか避けてきた名作を食らうVol.14】
柳楽優弥が史上最年少でカンヌ主演男優賞を獲ったことでも有名な本作。もちろんその頃から知っている作品でしたが、なぜか作品リリースから20年経つこのタイミング
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未知との遭遇(1977年製作の映画)

3.4

【なぜか避けてきた名作を食らうVol.13】
先日「フェイブルマンズ」を観た際に、スピルバーグ作品の面白さと映画愛に触れ、スピルバーグのまだ観ぬ有名作を観たいと思い、本作を視聴。もともとSFがそれほど
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青春の殺人者(1976年製作の映画)

3.7

この衝動性と躍動感。反体制的で、国家権力に対する怒りを散りばめつつも、同時に一個人の無力さを物語る作風。こんな尖った作品をデビュー作から送り出し、当時の日本映画界の賞を席巻する。紛れもなく、あの長谷川>>続きを読む

犬猿(2017年製作の映画)

4.0

うわ~、吉田恵輔監督作品、観れば観るほど好きになっていく!この監督の作品、もう本能的に好きとしか言いようがない。どうしてこんなに登場人物に寄った丁寧な人間描写なのに、どこか登場人物たちを突き放したよう>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.9

“アンドロイド/AIロボット物”は、一つの映画カテゴリーが確立されていると言ってもいいほど色々な作品があり、人間との友情や逆に暴走や反逆をストレートに描く作品が多いなか、壊れたアンドロイドの記憶(メモ>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

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妻と「梟」を観る予定でしたが、時間が合わず急遽こちらを鑑賞。話題のラリー・ライカート監督の新作で、以前観た「ミークス・カットオフ」が面白かったので、こちらでも十分楽しめると思ったのですが・・・

なん
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アリゾナ・ドリーム(1992年製作の映画)

3.1

私のライフタイム・ベストであり唯一★5.0をつけている「アンダーグラウンド」のエミール・クストリッツァ監督が、その「アンダーグラウンド」のひとつ前に製作した本作。

「アンダーグラウンド」以降のクスト
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リラの門(1957年製作の映画)

3.2

フランスの巨匠ルネ・クレーヌ作品初挑戦。脚本良し、音楽良し、監督の人生哲学たっぷりのエンタメ作品として評価が高いのは分かる。分かりますよ。しかし、この話は解せない。話が難解なのではなく(むしろ分かりや>>続きを読む

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