Sachikaさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

パーフェクト・ノーマル・ファミリー(2020年製作の映画)

3.8

性別適合手術で女性になった父と、その事を受け入れられないエマ。
パパはパパ、大好きなパパ。
わかっているのに、今までとは「何か」が変わってしまいそうで。
エマの目線で見る親子の物語は、11歳の揺れる心
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カオス・ウォーキング(2021年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

頭や心のノイズが漏れてしまうという設定はおもしろかったけど、活かしきれてないというか、なんだかもったいない作品だなと思った。
女性が死に絶えた中で初めて女性を見て、淡い恋心を抱くのはわかるけど、童貞感
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ローラとふたりの兄(2018年製作の映画)

3.5

シンプルな事かもしれないけど、兄弟姉妹がいる事って素敵だなって思える作品だった。
長く一緒にいれば喧嘩もするし、意見が合わない事もある。
だけど各々が悩みを抱え、人生が上手くいかない時に、支えてくれる
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ヴォイス・オブ・ラブ(2020年製作の映画)

3.5

セリーヌ・ディオンの歌声と自伝を基に描かれる、ある歌姫の物語。
歌が大好きな少女アリーヌが、1本のデモテープから世界的栄光を掴み、そして一生の愛を知る事になるまでを描いた物語。
歌の力が一人の人生を変
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GUNDA/グンダ(2020年製作の映画)

3.8

白黒の濃淡、鳴き声と自然の音だけの世界。
小屋の入口が額縁の様で、光に当てられたグンダ親子が、神秘的で、何とも美しく見えた。
ブヒブヒと鼻を鳴らし、じゃれあい遊ぶ子豚の姿に頬が緩むのを感じる。
しかし
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ほんとうのピノッキオ(2019年製作の映画)

3.8

イタリア原作の残酷な部分を残しつつ、ダークな世界観に仕上げた『ほんとうのピノッキオ』試写にて。
リアルなキャラクター達の姿も相まって、恐ろしく、美しく、そしてどこか夢のような作品に仕上がっている本作
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.9

グランドシネマサンシャイン IMAXで鑑賞。
これはすごい!あまりの映像と迫力に、自身が砂や砂蟲に飲み込まれる様な感覚がして、喉がヒュッと鳴った。
砂の茶色や、暗い色の服装に目が慣れていると、画面に広
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MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

4.1

少年少女のみで構成された、南米・コロンビアのゲリラ戦闘部隊。
過酷な訓練により統率された彼らの心は、1発の銃弾と嘘、そしてそこから生まれる裏切によって砕かれていく。

ビッグフットの暗闇に浮かび上がる
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スウィート・シング(2020年製作の映画)

3.7

真っ暗な世界を飛び出してから気づくのは、大切なものはいつだって、手の届く距離にあったと言う事。
モノクロームの日常で、キラキラと輝く瞬間や、夢・希望がとても美しく、優しい歌声が心に響く。
つらくても、
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ビルド・ア・ガール(2019年製作の映画)

3.8

冴えない女子高生が辛口音楽ライターとなり、UKロックをぶった斬る。
辛辣な言葉の数々、そこに自分の気持ちは?
悪魔に身を捧げても、自分の魂までは預けちゃいけない。
さあ!心の声に身を任せて、自分に魔法
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スターダスト(2020年製作の映画)

-

栄光を掴むまでには、誰にでも苦悩や過去があって、それをバネに輝くのかもしれない。
それは彼も同じで、私と同じ人間だったんだなと思ったし、同時に人間らしい部分が描かれすぎて、何だかちょっとだけ悲しくなっ
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メインストリーム(2021年製作の映画)

3.4

些細な投稿もバズる(炎上する)かも知れない現代のネット社会を改めて考えて、恐ろしいなと思った。
自分の承認欲求が、誰かを傷つける刃になりうる事を、今一度思い出そうと思う。

自分に似せたアバターを作る
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.8

ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンの成功と旅立ちを、激しいジャズの音楽と共に味わう。
愛らしいキャラクターの作者とは思えぬ、スキャンダラスな生涯。
しかし甘美で孤独なそれは、改めて思い返せばムーミンのキ
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殺人鬼から逃げる夜(2020年製作の映画)

3.5

韓国発サイレントスリラー。
シリアルキラー vs 事件を目撃した聴覚障害の親子。

聞こえない恐怖、
他人に伝わらない恐怖、
死を目の前にした恐怖。

様々な恐怖を音の代わりに目で見せ、心で孤独と恐怖
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Summer of 85(2020年製作の映画)

4.2

相手を求めたくなる衝動も、快楽や安らぎも、苦しいほどの嫉妬も、全てアレックスには初めての恋で、生き急ぐ様な、ひと夏を駆け抜けるような焦燥感に、いつか来る終わりの未来を想像して胸が苦しくなった。
ただた
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ブライズ・スピリット 夫をシェアしたくはありません!(2020年製作の映画)

3.5

スランプ中の作家が降霊術で、亡くなった前妻を召喚し、彼女の力でスランプから脱却。
喜ぶのも束の間、次第に恐ろしい事態に巻き込まれていく。

さすが名作戯曲、面白かった!
古典的な部分もあり、新しい要素
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先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

3.6

嘘か真か、不倫の真実。
ネームを読む震える手、滴る無力な汗に、こちらまで息を止めてしまいそうになる様な、漫画家夫婦の心理戦。
笑っていいのかいけないのか、それすらもわからなくさせる、黒木華の怪演っぷり
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クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

4.0

東欧諸国を顧客にする 普通のセールスマンが、ソ連から持ち帰った機密情報で、核戦争を回避させ、世界を救う事になったと言う、実話を基にしたスパイサスペンス。
内通者だとバレたら収容され、処刑されてしまうか
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モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)

3.8

女性達の交流を通して見た世界は、一瞬一瞬が絵画の様に美しく、同時に、枠に収まる様子は少し窮屈そうにも見えた。
どんなに楽しくても、苦しくても、変わらずに朝はやってくる。
サミアのお腹の子が育ち、朝目覚
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くじらびと(2021年製作の映画)

4.0

たまたまくじらの日に。
鯨漁を営む人々のドキュメンタリーを観た。
鯨を獲って生きること。
生きるための恵であり、命を奪われる恐怖のあるもの。
時代が変わっても、親から子へと継承される伝統や精神と、鯨へ
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ディナー・イン・アメリカ(2020年製作の映画)

3.5

好きなバンドの覆面メンバーとの出会いが、オタク女子を変える奇跡。
歪だけど純愛、でもクレイジー。
そういう恋愛だって、散々なデートだって、馬鹿にされたって、何だっていいじゃない。
そこに愛とパンクがあ
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最悪の一日(2016年製作の映画)

3.7

日本人に道を尋ねられ、案内をして始まった今日。
自惚れ屋の彼氏とのケンカ、そこへ昔の浮気相手が自分を探してやってくる。
今日初めて会った男、今までの彼氏、過去に好きだった男。
女優志望のウニが3人の男
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

4.0

渋いビートから始まる「動」と、
静かに流れる旋律の「静」
ユージンは言う「ジャズは人生と同じさ、生きることはジャズそのもの」

水俣病を撮り続けたユージン・スミス氏が、レンズ越しに見たもの。
水俣病に
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.2

アルコールがもたらす成功と失敗、そしてそこから得る本当に大切なもの。
オンライン試写で、せっかくなので血中のアルコール濃度を0.05くらいを目安に鑑賞したけど、そのおかげで涙腺弱々になってしまい、終盤
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.8

dc公式試写にて。
噂に違わず最狂で最低な、極上の2時間!
"極"悪党達の危険なミッション、怒涛のアクションに、爆発、銃弾、血、頭、腕いろいろ。
色んな物がぶっ飛びすぎてて、目を逸らしたら置いていかれ
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.2

青春×時代劇×SF
キラキラした高校生の眩しさが、次第に努力の汗の輝きに変わる瞬間。
目の前には確実に、爆ぜる火花と舞い散る砂埃、白黒の風景が広がっていた。

はだしが時代劇に夢中になる様に、私も彼女
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5月の花嫁学校(2020年製作の映画)

3.5

1967年フランス。
パリが五月革命の波に揺られる一方で、小さな田舎の村では、未だ女子は良妻賢母になる様、家政学校で学び、しがらみの中で大人になる。
女性はこうでいなきゃ、何てナンセンス!
古い考えを
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

-

テンポよく映画・映画・映画の渦に飲み込まれ、気づけばあっという間の90分。
一本の映画を作るのに、何を切り捨て何を得るのか。
カラフルなアニメーションの波に圧倒されつつ、私にとっての「映画が好き」とは
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シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち(2019年製作の映画)

3.7

ハッピーでキュートでへっぽこな、ゲイの水球チーム🇫🇷をコーチするのは、性差別発言で謹慎中の水泳選手。
各々が何かしらの悩みを抱えながらも、
仲間と寄り添いながら、笑い合いながら、各国の強敵に挑み、LG
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ベル・エポックでもう一度(2019年製作の映画)

4.2

華やかで、素晴らしきあの時代。
行きつけのカフェで、一瞬にして恋に落ちた君と、また出会いたい。
大切な思い出を再現し、登場人物として物語に入り込めるサービスを体験したヴィクトル。
あの頃の思い出と共に
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.8

爆走し続ける、母の愛・愛・愛。

生まれた時から不自由な身体、見たこともない緑色の新薬。
大学進学目前、クロエは徐々に母親の深すぎる愛情に、疑問を持ち始める。

心配は束縛に、愛重は狂気になるのだなと
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

4.2

大麻王の財産を巡る、スマートでバイオレンスな紳士達の駆け引き。
気づいた時には騙し騙され、言葉の応酬が止まらない。
本物の悪・本物の紳士たちの巧みな罠に、観ているこちらもズブズブハマり、真実と嘘の境に
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恋する遊園地(2020年製作の映画)

3.8

遊園地の遊具「ジャンボ」と恋に落ちてしまったジャンヌ。
彼女の愛の囁きに呼応するかの様に光るジャンボ。
ジャンヌは彼の光に、ボディに、オイルにときめき、欲情する。
反応に喜んだり、大切にしたいと思った
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ワン・モア・ライフ!(2019年製作の映画)

3.4

天命で死ぬはずだった男が、最後の悪あがき!
寿命のロスタイムをどう過ごすのか。
走馬灯の様に蘇る、愛妻・初恋・不貞。
人は平等に、決まった運命によって死ぬ、はずなんだけど…?
みっともなくても抗える程
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アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)

3.8

じめっとした潮風、磯の香り、波の音、静かな物語だからこそ感じる空気感。
貧しい女性考古学者と、傲慢な夫を持つ美しき妻。
男性に搾取され、殻に篭る様に閉ざされていた女性たちの心は、お互いを知り、惹かれ合
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ビバリウム(2019年製作の映画)

3.8

エメラルドグリーンの家、雲が雲の形をした空、味のない食べ物。
新居を探す夫婦が迷い込んだ街は、居心地の良い室内と比べ、気味が悪いくらいに見渡す限りどこも同じで。
ポップな色合いの奇妙な世界に、自然界で
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