ふくさんの映画レビュー・感想・評価

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(2021年製作の映画)

3.9

パンフレットを読んで背景を知ってからだと、墓を荒らして骨をおもちゃにしてケタケタ笑ってるのは、生前蔑ろにされてきたことに対するなかなかな復讐の仕方だなと思えた。

オオカミの家(2018年製作の映画)

3.9

1度目の鑑賞ではアニメーションの情報量に圧倒されて消化しきれず、パンフレットを読んでリピート鑑賞。パンフレットで解像度が上がったのと、直前に見ていたNHKの宗教2世のドキュメンタリーと通ずるものが多す>>続きを読む

みんな生きている ~二つ目の誕生日~(2022年製作の映画)

3.0

後半のドナー側の描き方がこれまでにない視点で惹き込まれたし、白血病サバイバーとしての想いを持った企画意図も共感できるだけに、前半に大きく2ヶ所あるセクハラ描写や、(今どきしないだろう)子どものアラレち>>続きを読む

逆光(2021年製作の映画)

3.6

海に飛び込むシーン、氷嚢のシーンの湿度の高さが忘れられない。瑞々しさと、熟れすぎた果物みたいなジュクジュク感が溢れてて溺れそうだ。

カナルタ 螺旋状の夢(2020年製作の映画)

3.9

うわ〜、トンじゃう感覚ってこういうことか〜!ひたすら湿度たっぷりジュンワリで、映画館に未開のジャングルが確かに存在した。

鉱 ARAGANE(2015年製作の映画)

3.9

自分がいる場所はちゃんと光も空気もある広い空間なはずなのに、圧迫感と息苦しさをひたすら感じた。地上に出たとき、眩しさと息を吸える開放感を感じられた。すごい映画だな。

セノーテ(2019年製作の映画)

3.8

三途の川渡る感覚ってこんな感じなのかな……
生きてるのにこんな感覚味わえて夢見心地。

ひらいて(2021年製作の映画)

4.0

また好きな青春映画が増えてしまった。アイデンティティがグラグラしてどうしようもなくて暴発するあの感覚をこんなに鮮烈に描いてくれるとは…!

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.2

傑作『カランコエの花』の中川監督と、本当に目が離せない河合優実さんの名前を見て観るしかないと思った。結果、本当に素晴らしかった。学生の群像劇を生々しい手触りで映すとしたら、今なら中川監督が頭一つ二つ飛>>続きを読む

あなたの微笑み(2022年製作の映画)

4.0

ユーモアとシリアスとドキュメンタリーが映画愛・映画館愛と一緒になって目の前に広がっていた。自分が普段から通っている大好きな劇場や場所がロケ地になっていたのもあって、現実とスクリーン、自分と登場人物の境>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.2

ロングランのおかげでやっと観に行けた。原作は10年以上前、下手したら20年近く前に一度読んだきりで、細かい話はほぼ忘れていた上に、周縁部のストーリーが追加されたことで、大人になった今、本当に新鮮に楽し>>続きを読む

花様年華(2000年製作の映画)

4.5

wkw4k特集で鑑賞。映像のすべてがただひたすらに美しい。抑制的な演出とストーリーが却って余計に色気と切なさをとめどなく醸し出していて、その熱にあてられてしまう。お互いの不倫相手の顔は見えなくて、二人>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.8

汚いと呼べるもの全て突っ込んだグチャドロ狂喜爆弾みたいな映画だった。もはや映画館でしかこんな狂喜体験できない。映画の歴史を狂喜と映画愛でコッテコテに味付け。お腹を空かせてどうぞ。

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.1

タイトルが秀逸すぎる。観終わったあと、タイトルだけで懐かしさと切なさで心が疼く。パタパタするカレンダーを小道具にした演出もさり気なくて心憎い。たまたま観に行った劇場が元演劇小屋で、スクリーン前に広めの>>続きを読む

湯道(2023年製作の映画)

3.5

映画ならではのワイドな画面づくりが銭湯の開放的な空間や男湯/女湯の横長な空間を効果的に描いていて、とにもかくにも銭湯に行きたくなった。熱めのお湯でビリビリ痺れたあとに、扇風機の風浴びながら飲むキンと冷>>続きを読む

そして僕は途方に暮れる(2022年製作の映画)

3.7

最初は主人公のクズさに「マジかよこいつ…」と半ば呆れ笑いがこぼれるけれど、終盤に近づくにつれて、だんだん他人事に思えなくなってきて、芯を食われた感じがあった。自分の中にある何かから逃げ出したくなる気持>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.2

原作未読で観にいったけど、とても引き込まれた。大舞台へ駆け上る疾走感と青春感、終盤のストーリー転調からエンディングまでの流れが無理ないバランスでテンポよく繋がっていて素晴らしかったし、ジャズライブに行>>続きを読む

レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

3.0

東映70周年のバジェット感炸裂の衣装やセット、ロケーションの豪華さ、華のある人気俳優ズラッと揃えました感は凄まじかった。ただ、古沢脚本に事前の期待値上げすぎてたせいか、唐突な展開や大袈裟な演出がどうも>>続きを読む

エゴイスト(2023年製作の映画)

5.0

もう今年1番の映画に出会ってしまった気がする。県内でまだ上映してなかったから片道2時間以上かけて隣県まで観に行ったけど、そうして本当に良かったと心底感じる。帰り道の本屋さんで衝動的に買った原作とシナリ>>続きを読む

デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(2000年製作の映画)

5.0

たったの40分とは思えない完成度。サマーウォーズの原型が詰め込まれた傑作。

アザー・ミュージック(2019年製作の映画)

4.0

音楽マニアでなくても、自分のホームや家族だと思えるような愛するお店がある人なら絶対に心が震える映画。壊すのは作ることより簡単だけど、そこにあったことや思い出はその場所を愛する人がずっと覚えてくれていて>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

4.0

ハリポタファンとして観てみたかったダンブルドアのバックグラウンドが描かれた本作。冒頭のグリンデルバルドとのシーンがとにかく耽美的で、このシーンだけでもいいから観て欲しい。ふたりの吹替が井上和彦さんと森>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

映画観る前に見たアカデミー賞受賞式の中継で泣いてしまったし、映画本編もハンカチグショグショにしてしまった。俳優陣の演技のパワーえげつない。
そして、他人と触れ合う機会が減ってしまった今、手話という言語
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余命10年(2022年製作の映画)

3.9

長くて短い10年間。映像の美しさに息を呑む。
最近の松重さんの父親役は凄すぎていつも貰い泣いてしまう。

流浪の月(2022年製作の映画)

4.0

ただただ圧倒される。言葉にならない。
ふたりはお互いに救い救われているはずなのにどうして…と涙が出た。

三姉妹(2020年製作の映画)

4.0

どんでん返しというか伏線回収というか、終盤のスピード感とパワーがえげつない。宗教がらみのあれこれは、図らずもめちゃくちゃタイムリー。韓国フェミニズムの勢いと力強さにあっぱれ。

パリ13区(2021年製作の映画)

3.6

超スタイリッシュ。映像の美しさがたまらない。ポルノ女優とのやりとりがとても良くて泣きそうになった。

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

5.0

200分間の長尺にビビっていたけど、見始めたら全く目が離せなかったし、ラストシークエンスの衝撃に思わず声上げそうになった。もはや200分間のアトラクション。ちょっと「マッチ工場の少女」を思い出した。>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

4.0

ターコイズブルー基調の色彩美に目を奪われるのと同時に、何かを望むどころかただ選択することすら放棄している(放棄させられている)ようなワンダの圧倒的虚無感が後からジリジリ心を締め付ける。牙を抜かれるどこ>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

4.0

宮本信子さんがとってもかわいくてお茶目で微笑ましかった。思い出すだけであったかい気持ちになる。
お二人が祖母と孫役で共演した阪急電車も思い出されて、感慨深い。
好きなものを好きって言えるのは本当に尊い
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僕が愛したすべての君へ(2022年製作の映画)

2.7

(君愛からの再掲)パラレルワールドものを同時上映するという企画やストーリー自体は魅力的なのに、散見されるマイナス点が大きすぎてもったいなさを感じた。
原作未読かつ僕愛→君愛の順に観たが、SF慣れしてい
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私だけ聴こえる(2022年製作の映画)

4.0

Codaあいのうたと併せて観たいドキュメンタリー。アイデンティティーの揺らぎ、属する場所が見つけられず悩んだ経験があるひとは自分のことだと感じる映画だと思う。

神々の山嶺(2021年製作の映画)

4.0

映画館でアニメーションでここまでの登山体験ができるとは…。半端ない緊張感に息を呑んだ。映像も美しく、迫力があった。吹き替えの声優陣もベテラン揃いで、物語の厚みを底上げしていた。

君を愛したひとりの僕へ(2022年製作の映画)

2.7

パラレルワールドものを同時上映するという企画やストーリー自体は魅力的なのに、散見されるマイナス点が大きすぎてもったいなさを感じた。
原作未読かつ僕愛→君愛の順に観たが、SF慣れしていてSF前提で観に行
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百花(2022年製作の映画)

3.8

キャストといいスタッフ陣といい規模感といい、キャリアを積んできた今の川村さんだからこそ実現した映画だなと思う。長回しを多用した霞がかったような彩度抑えめの画作りも印象的で、儚さが底上げされていたように>>続きを読む

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