映画漬廃人伊波興一さんの映画レビュー・感想・評価 - 21ページ目

映画漬廃人伊波興一

映画漬廃人伊波興一

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アワーミュージック(2004年製作の映画)

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サラエヴォの地に降り立ったゴダールの「切り返し」への想い  ジャン=リュック・ゴダール「アワーミュージック」

北野武監督が国際映画祭(多分。違っていたらごめんなさい)のインタビューで「振り子」にたと
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ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

2.8

水野「ガメラだけは敵に回したくないね」  金子修介「ガメラ2 レギオン逆襲」

いえ、我々は既にガメラの敵かも。

だから姿を現してくれないんですw

小さな中国のお針子(2002年製作の映画)

3.8

人はどの時代に生き、どんな土地で育とうが知を求む ダイ・シージエ「小さな中国のお針子」

ジョウ・シュン演じるお針子の祖父が『一冊の本が人生を変えることもある』と言う台詞。
大きく頷きました。
それ以
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恋人たちの食卓(1994年製作の映画)

3.4

出された料理は文字通り匠の味。実は隠しておきたいのですが今年さめざめと泣いてしまった悔しい作品です アン・リー「恋人たちの食卓」

どの角度から捉えてもプロッシェナルの仕事。
ここに破綻を求むのは野暮
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アンテナ(2003年製作の映画)

2.9

推したいのは演出ではなくシナリオ 熊切和嘉「アンテナ」

「鬼畜大宴会」の熊切監督も今やすっつかりベテラン。
近年は「私の男」などでも風格を示し、いよいよ今後の担い手という感じがするのは同世代として嬉
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私の頭の中の消しゴム(2004年製作の映画)

2.4

私は面白かった  イ・ジエハン「私の頭の中の消しゴム」

作り手は熟練の技巧派かそれとも底知れぬ野心家か?

奥さんが病気になったら怖い。
黒沢清の『キュア』も病気の奥様が一番怖かった。
欠伸しか出な
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クイズ・ショウ(1994年製作の映画)

1.8

今日では驚くに値しないご事情 ロバート・レッドフォード「クイズ・ショウ」

シドニールメットの『ネットワーク』よりは気が利いてるかな、という程度の感慨しかもたらされぬのは我々は今やヤラセに慣れっこにな
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キラー・エリート(1975年製作の映画)

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ペキンパーは決してふざけているわけじゃあないんですよ。サム・ペキンパー「キラー・エリート」

名高いペキンパーの封印された一編。
プロデューサーとの揉め事伝説が事欠かないペキンパーですが一番最悪期に撮
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モンティ・パイソン/人生狂騒曲(1983年製作の映画)

3.9

一度目の鑑賞で封印。二度めの鑑賞で確信。勇気を出して推してみます テリー・ジョーンズ「モンティ・パイソン/人生狂騒曲」

ドゥシャン・マカヴェイエフの「スウィート・ムービー」、マルコ・フェレーリの「最
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ミラグロ/奇跡の地(1988年製作の映画)

-

西部劇への郷愁 ロバート・レッドフォード「ミラグロ/奇跡の地」

爽やか、ハンサム、生真面目、正義感。
レッドフォードの形容詞をそのまま具現化したような作品です。
彼はご自身の映画人生で本当にいい時期
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幸福な食卓(2006年製作の映画)

1.6

金持ちなんだな 小松隆志「幸福な食卓」

父は職務を捨て大学受験。
母は家を出て賃貸暮らし。
大抵の家なら受験生をひとりでも抱えてりゃ金が必要なんですが。
勝地涼が死んで北乃きいが劇中で『おかしい、お
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哀しき獣(2010年製作の映画)

3.3

韓流ノワール、たいしたもんですね ナ・ホンジン「哀しき獣」

今年は韓流ノワール映画を観るたび知らぬ間に引きずり込まれておりました。
そのことに他ならぬ自分自身が一番驚いております。
前世紀末の10年
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冒険者たち(1967年製作の映画)

3.4

ロベール・アンリコ「冒険者たち」

アランドロンが死んでいく姿を初めて観た映画。
昔は何度もテレビ放映されてました。
この作品自体は大した出来じゃないのは明白ですが後々に製作された映画群にどれだけ影響
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新しき世界(2013年製作の映画)

3.9

パク・フンジョン「新しき世界」

日本では作れない?とんでもございません。
本家は我が日本です。
深作監督、笠原和夫先生に観ていただきたい。
うん、まあ頑張ってるかな、なんて声が聞こえてきそうですw

問題のない私たち(2004年製作の映画)

3.7

ヒヤヒヤしながら観てました。森岡監督、この顛末どうケリつけるんだ?
森岡利行「問題のない私たち」

望月六郎の傑作『鬼火』『新 悲しきヒットマン』の脚本家森岡利行の異色編。
劇中の黒川芽以のセリフ(世
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三匹荒野を行く(1963年製作の映画)

3.3

フレッチャー・マークル「三匹荒野を行く」

幼い頃「名犬ラッシー」や「ベンジー」がヒットして親に連れて行ってもらいました。
今の時代では信じられないでしょうが当時住宅商店街にポツンと映画館が結構ありま
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ブルージャスミン(2013年製作の映画)

3.6

ウディ映画は気軽に付き合うに限ります 「ブルージャスミン」

今年観た映画でレヴューが欠けていた作品です。
ウディ作品は本作と「ミッドナイト・イン・パリ」「マッチポイント」の3作品を鑑賞。
観ようとし
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マッチポイント(2005年製作の映画)

2.8

既に成仏したはずのウディでしたが・・・「マッチポイント」

どんな方でも少なからず持っている余韻。
貴方が今、生きているのは紙一重の奇跡なんですよ、と言われてるようです。
アレン映画で初めて感じた余韻
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アンドレイ・ルブリョフ 動乱そして沈黙(第一部) 試練そして復活(第二部)(1969年製作の映画)

5.0

宿命を背負った映画芸術家の若さ一杯に溢れる活動史劇  タルコフスキー「アンドレイ・ルブリョフ」

1966年に既に完成していたそうですから映画界では「ベン・ハー」「アラビアのロレンス」が史劇のトップと
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オズの魔法使(1939年製作の映画)

4.5

ヴィクター・フレミング『オズの魔法使』(1939 米 )

この作品をいまだに『映画史に残る名作』とのんびりした事を仰る方々が案外多い事に驚きます。
そんな遠い過去の出来事を想起させがちな言葉なぞ全く
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さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)

4.1

ゴダールを畏れるな ゴダール『さらば、愛の言葉よ』

神出鬼没ぶりは変わらず。ゴダールは『犬』だって撮れる人なのです。それにしてもこの老齢にして何と型破りな事か。ゴダールを観なければ人はたやすく老い
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蜂の旅人(1986年製作の映画)

3.9

アンゲロプロスのシニカルな自嘲と見えるのはわたしだけでしょうか? テオ・アンゲロプロス「蜂の旅人」

スピロさん、少し早まりすぎです。
何も急いで開放する必要はないはずなのに。

発ちたい者は自ずから
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ゴンドラ(1987年製作の映画)

1.0

才能の片鱗さえ感じさせない愚作中の愚作 伊藤智生「ゴンドラ」

あろうことか最近この作品がデジタルリマスター版とかになって世に出回っるという事態が起きていたそうです・・

この作品で監督ヅラしている伊
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あらくれ(1957年製作の映画)

4.7

正真正銘のハードボイルド作家を忘れるなかれ  成瀬巳喜男「あらくれ」

映画生誕100年の歴史のなかで『名作』の一本や二本残した監督なんて履いて捨てるほどいますが『名作』の一歩手前で踏みとどまり一定水
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恋人たちは濡れた(1973年製作の映画)

5.0

『みっともないの嫌いじゃないよ』 神代辰巳『恋人たちは濡れた』

自堕落で自己中で他力本願で無責任で救いようがない者にだって本人にしか分からぬ苦しみがあります。
クマさんの映画はまさにそんな者への
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さすらいの恋人 眩暈(1978年製作の映画)

5.0

日活ロマンポルノはやはり世界最高基準レベルなんだと確信出来た私にとってまさに記念碑的作品です。 小沼勝「さすらいの恋人 眩暈」

この作品に出逢えた27歳の1月に阪神大震災が発生し私自身の人生も変換時
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仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)

4.7

本当の「戦い」は裏で起きていたかも! 深作欣二「仁義なき戦い 広島死闘篇」

脚本家笠原先生と出番が少ないことに不満だった菅原さんとの確執はあまりに有名ですね。

主に北大路欣也さんの砕け散った青春に
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ロープ(1948年製作の映画)

4.8

「ホークス・ヒッチコック主義」の言葉の意味を無条件で理解出来た
ヒッチコック「ロープ」

フランスのヌーヴェルヴァーグのムーブメントの中でにわかに沸き上がった「ホークス・ヒッチコック主義」という言葉。
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波止場(1954年製作の映画)

4.1

ブランド好きではありませんが共演者たちは死ぬほど好きな面々
エリア・カザン「波止場」

カザンが偉大な芸術家であるのに否定はしませんが個人的には受け付けられません。
ブランドが偉大な俳優であるのも否定
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白い家の少女(1976年製作の映画)

3.5

この世には厄介な「映画」もある、ということを初めて自分に知らしめてくれた作品。ニコラス・ジェスネール「白い家の少女」

初めて観たカナダ映画。
そして映画から「厄介な」という言葉を初めて連想させてくれ
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ローマの休日(1953年製作の映画)

3.3

「孔雀夫人」というワイラー作品を観た上でないとこの作品を論じる事は許されないそうです ウィリアム・ワイラー「ローマの休日」

私は未見ですがワイラーに「孔雀夫人」という最高傑作があるそうです。
淀川長
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白い恐怖(1945年製作の映画)

5.0

クライマックスの音楽は・・・?ヒッチコック「白い恐怖」

スキーでバーグマンとペックが滑走するシーンで使われた曲は「断崖」と同じなんですね

めまい(1958年製作の映画)

5.0

映画史の全ての色彩がここにはある。アルフレッド・ヒッチコック「めまい」

色彩は退廃的であればあるほど幻想的になるのは申すまでもない。
そこが醸し出す美の真髄に敏感である者だけが均整のとれた映画の全姿
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わらの犬(1971年製作の映画)

5.0

「単にくだらん小説の映画化を頼まれただけだ。純粋だの知性だの関係ないな」~ペキンパーの言葉より 「わらの犬」

大昔、よみうりテレビの深夜番組「シネマだいすき!」というカルトな映画番組があったのを80
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サクリファイス(1986年製作の映画)

5.0

世界最大の映画遺言 タルコフスキー「サクリファイス」

またしてもエルランドヨセフソンは火を放ってしまった。

ガンに蝕まれたアンドレイはゆらめく炎に何を見たのか?

この映画遺言を捧げられたご子息の
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少林寺2(1983年製作の映画)

4.9

コレ、一作目より性に合ってるかも・・!チャン・シン・イェン「少林寺2」

一作目公開の時はワタクシは中学生。
まさにジャッキー、サモ、ユン御三家大活躍時代。

その中で彗星の如く現れたリー・リン・チェ
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