フロベールの小説「ボヴァリー夫人」(1957)をポルトガルの女性小説家アグシティナ・ベッサ・ルイーシュが翻案した原作の映画化。オリヴェイラ監督84歳時の作品。
現代のポルトガル、アブラハム渓谷。美し>>続きを読む
監督の好奇的な姿勢と受け狙いが伝わってきて不快な映画だった。
精神疾患犯罪者矯正院のドキュメンタリーとして予想を超える映像も無かった。意外だったのは雄弁な編集がかけられていたこと。本作の紹介に”観察>>続きを読む
バットマン×東映任侠。「ニンジャバットマン」(2018)の続編。時空のゆがみにより近未来東京でスーパーマンやワンダーウーマンなどジャスティスリーグの面々がやくざ組長として生きている。前回からアニメーシ>>続きを読む
バットマン×戦国武将&忍者の和洋折衷ヒーローアニメ。世界観もクールな絵柄もかなり好み。なのだが、クライマックスの巨大ロボットシークエンスがあまりにも荒唐無稽すぎるのが惜しい。このスタッフで特撮番組「仮>>続きを読む
ラング監督がクリフォード・オデッツの戯曲を映画化した女性ドラマ。大ブレイク直前のマリリン・モンローが初の大役で出演。撮影は「らせん階段」(1946)などの名匠ニコラス・ムスラカ。
都会で挫折し10年>>続きを読む
アカデミー賞8部門にノミネートされ一時は作品賞本命との評判が高かったが脚色賞のみ受賞。
個人的にはアカデミー作品賞受賞作「ANORA アノーラ」よりもずっと良かった。世界に13億人以上の信徒を有する>>続きを読む
ラング監督の“新聞ノワール三部作”の第一作。スケジュールの都合により僅か20日間で撮影。ナット・キング・コールが出演し本作オリジナルテーマ曲「ブルー・ガーディニア」を歌唱。撮影は「らせん階段」(194>>続きを読む
「狩人の夜」(1955)「サイコ」(1960)の原点と評される古典的スリラー。ルイス・ヘイワード&アイダ・ルピノ夫妻の共演による舞台劇の映画化。監督は「ギルダ」(1946)のチャールズ・ウイダー。>>続きを読む
ラング監督の「扉の影の秘密」(1947)の次のB級ノワール。脚本は「らせん階段」(1945)のメル・ディネリ。
小説家のスティーブン(ルイス・ヘイワード)は、妻の留守中にメイドを誘惑し成り行きで殺し>>続きを読む
「ダーティハリー」(1971)などの巨匠ドン・シーゲル監督の長編デビュー作(当時33歳)。史上初の“密室もの”とされる古典推理小説「The Big Bow Mystery(ボウ街の一大ミステリー)」(>>続きを読む
フリッツ・ラング監督によるゴシック調サイコホラー。ヒッチコック監督「レベッカ」(1940)への回答とされる一本。撮影は「狩人の夜」(1955)の名匠スタンリー・コルテス。音楽は「白い恐怖」(1945)>>続きを読む
ヒッチコック監督の全53本中50本目の映画。ポール・ニューマン、ジュリー・アンドリュースの2大スターが共演。
東西冷戦下、核ミサイル“ガンマ5”の設計にかかわる重要な方程式を探りだすため、アメリカの物>>続きを読む
プレコード期ロマンス・ストーリーの最高傑作と称される一本。長距離旅客船に乗り合わせた死刑囚と不治の病を抱えた女性の1か月間の恋を描く。アカデミー脚本賞受賞。原題「One Way Passage(一方通>>続きを読む
前年にレスリー・ハワードとハンフリー・ボガードが出演しブロードウエイで大ヒットした舞台劇を同キャストで映画化。ボガード(当時36歳)の出世作となった一本。ヒロイン役は「痴人の愛」(1934)でハワード>>続きを読む
「汚れた顔の天使」(1938)の元ネタ。実在の犯罪王デリンジャーが映画館前でFBIから射殺される直前に観ていた映画としても知られている。脚本ジョせフ・L・マンキーウィッツ。原題「Manhattan M>>続きを読む
ヒッチコック監督の渡米第二作。ナチスの陰謀に巻き込まれる新聞記者を描いた同時代的サスペンス(1940年8月16日アメリカ公開)。撮影は「裁かるるジャンヌ」(1928)などの名匠ルドルフ・マテ。
第二>>続きを読む
ヒッチコック監督の渡米第一作であり生涯唯一のアカデミー最優秀作品賞受賞作。ゴシックムード漂うサイコスリラー。撮影は本作でアカデミー撮影賞を受賞したジョージ・バーンズ。
ブルジョア夫人の付き人としてリ>>続きを読む
イギリス時代のヒッチコック監督において最も暗い傑作とされるスリラー。
ロンドンで映画館を営むヴァーロックはサボタージュ(=破壊工作)メンバーという裏の顔を持っていた。若い妻(シルビア・シドニー)はそ>>続きを読む
ヒッチコック監督のイギリス時代の代表作の一つ。「知りすぎていた男」(1956)のリメイク元。原題「THE MAN WHO KNEW TOO MUCH」。ピーター・ローレがドイツから亡命後2本目の出演作>>続きを読む
ギャング映画からフィルム・ノワールへの転換点として同年の「3階の見知らぬ男」(1940)と共に論じられる一本。監督は「化石の森」(1936)のアーチー・L・メイヨとアルフレッド・ヒッチコック(ノークレ>>続きを読む
「花とアリス殺人事件」(2015)でロトスコープアニメを手掛けた久野遥子と山下敦弘の共同監督作。脚本はピンク映画の名監督いまおかしんじ。
典型的な行きて帰りし物語。山下監督独特の緩いムードがアニメで>>続きを読む
前年の「仮面の米国」(1932)と並び称されるプレコード期の社会派ドラマ。監督は「民衆の敵」(1931)の巨匠ウィリアム・A・ウェルマン。原題 「Heroes for Sale(安っぽい英雄)」。>>続きを読む
ラング監督の渡米三作目。異色の教育的ノワール。主演は同監督の前二作に引き続きシルビア・シドニー。原題は「You and Me」。
ニューヨークにある百貨店の経営者モーリス氏はたくさんの前科者を店員とし>>続きを読む
フランク・キャプラ監督の異色冒険映画。「心の旅路」(1942)の原作者ジェームズ・ヒルトンによる同題ベストセラー小説(1933)の映画化。主演は同作と同じロナルド・コールマン。後に理想郷の代名詞となる>>続きを読む
アカデミー賞長編アニメ賞。
猫と同じ高さの目線で陸・水・空を動き回る映像が新鮮で楽しかった。廃墟アトリエの巨大猫像や古代遺跡のモニュメントなど、本作で創出された風景がどれも好みで眺めているだけでも面>>続きを読む
「シンデレラ」(2015)のケネス・ブラナー監督の半自伝的な作品。アカデミー賞脚本賞。
1969年、北アイルランドのベルファストはプロテスタントとカトリック教徒の争いが起きていた(北アイルランド紛争>>続きを読む
8ミリ映画制作にかける高校生を描いた青春映画。平成ウルトラマンシリーズで知られる小中和哉監督が自身の思い出を回想しながら制作。
1978年、「スターウォーズ」に熱狂している高校生の広志は文化祭のクラ>>続きを読む
映画ライター高橋ヨシキの初監督作。
良いところが見つからずかなりイマイチだった。「デビルマン」的なテーマを直近の近未来設定で描こうとしたのだろうか?それにしても町内の暴力自警団が"激怒"の対象という>>続きを読む
ロッセリーニ監督後期の劇場用長編。
1943年、第二次世界大戦下のローマ。エスペリア(ジョヴァンナ・ラッリ)は修道尼に変装してヤミ商売に手を出していた。ある日、連合国軍側の脱走捕虜である米・英・露の>>続きを読む
原恵一監督×丸尾みほ脚本による「カラフル」(2010)以来の中学生ジュブナイル作品。
「カラフル」がベスト級に好きなので楽しみに鑑賞。感情描写はさらに繊細になり刺激的な演出は極力避けられていた。原作>>続きを読む
精神分析学の創始者フロイトの半生を巨匠ジョン・ヒューストン監督が映画化。脚本ジャン・ポール・サルトル(ノー・クレジット)。撮影は後に「インディー・ジョーンズ」シリーズ(1981~)を務める名匠ダグラス>>続きを読む
アフガニスタンから脱出し難民としての苦難をくぐり抜けてきた男の半生を描くドキュメンタリー・アニメ。本人の安全を守るためにアニメ手法が用いられた。
ドキュメンタリー・アニメは、以前に観た「戦場でワルツ>>続きを読む
フランス映画黎明期からの重鎮ジャン・エプシュタイン監督が晩年に手掛けた短編ファンタジー。テンペストは嵐の意味。
海岸沿いのブルターニュ村。嵐の迫る日に娘の恋人は船で海に出る。娘が心配のあまり長老の元>>続きを読む
1990年代前半の実験的アート映画。ロッテルダム国際映画祭にてワールド プレミア、ヨーロッパ25都市で上映。萩原朔美に師事した黒澤潤監督の長編第一作。主演は80年代小劇場演劇で活躍した美加理。
カラ>>続きを読む
メキシコ発の社会派ディストピアスリラー。ベネチア国際映画祭銀獅子賞(審査員グランプリ)受賞。
公開当時に見逃していた一本。いわゆる胸糞展開だが、メキシコ国旗を映し出し権力構造を批判する姿勢を評価した>>続きを読む
ディストピア廃墟系のストップモーションアニメ。”最後の人間”の役でアレックス・コックスが実写出演。
好みの世界観。だが、前半の主役が途中で退場し物語が抽象化していったのは個人的には残念。似た趣向の日>>続きを読む