このレビューはネタバレを含みます
ああはなりたくないよな…の嫌な見本としてひょうたんとその娘さんが例に挙げられたまま誰も突っ込まずに会話が進んでいたけど、仮にも恩師に対してちょっと失礼すぎるなと思うし、そのことを客観視できているがこそ>>続きを読む
不在の少年を常に視線の先で探すようなフラついたカメラワークが、主人公の内面で湧き上がっていく感情を透明に思わせてしまうほど純粋な好意に見せて、成就しないもどかしさをより引き立たせる。提示されるショット>>続きを読む
下心を隠した理解のある彼くんムーヴは一度取ってしまったが最後、素の自分を受け入れてもらう機会を逃す諸刃の剣だと全ての男が自覚せねばならない。この映画のソン・ガンホは無自覚的な自身の振る舞いを省みるきっ>>続きを読む
快楽に慣れて刺激を刺激として受容できなくなることで生じる社会生活での不都合みたいなものをこのタッチで描こうとなるのが、クローネンバーグはやっぱり芯から変態なんだなと思えてよかった。ブラックミラーに似た>>続きを読む
映画かは怪しいけどエンタメとして質が高い
韓国も韓国で映画のドラマ化現象が凄まじいなと感じさせてくれる1本
イーライ・ロスのリメイク版はマジでなんだったのと言いたくなるね
「教養も能力もない人間が流れ着くのは最低賃金でこき使われる仕事で、現状を嘆き出す頃にはもう取り返しがつかない。」の意の台詞を進路指導の教師が我慢できず生徒に吐く場面があって、これが一番リアルな言葉とし>>続きを読む
90年代頃の黒沢清の画作りはモロにエドワード・ヤンの影響下にあったのだなあと思わせるショットの連続。日常の脆さと突飛な暴力の描き方が北野映画を想起させる。一瞥をくれて無言で腕にベルトを巻き付けるカット>>続きを読む
全体主義の骨組みの一部として思考を停止して流れるまま行動したいという考えはとても共感できるし、集団行動で周囲と込める熱量が乖離してしまう人種も恐らくこのような思考が根底にあるんだろうなと思う。選民意識>>続きを読む
明らかにその空間に収まりきらないだろって物量を無理やり詰め込んだようなゴチャついた空間、更にそれに個人の嗜好を強く反映させたような煮詰まった雰囲気がたまらなく好きなので、大掃除後のカルチェラタンは元々>>続きを読む
本作はどうやら世界で初めて本格的にCGを導入して作られた映画だそうだが、今日的な視点からすると時代を先取りしていたんだな程度の感想しか出てこなかった。2001年宇宙の旅のHAL9000よろしく人間とコ>>続きを読む
本作とテーマの近しい『ファーザー』(アンソニーホプキンスのやつ)が、認知症患者の視点から記憶が忘却され混濁していく恐怖を描いていたのに対し、『Vortex』ではスプリットスクリーンを活用して忘れてしま>>続きを読む
イブに見た映画が『Vortex』だけだとさすがに後味悪いなと思ってお口直しに往年の名作を。米澤穂信の『ボトルネック』がこれと全く同じアプローチで人生の絶望について書いているのでそっちも続けて見て情緒を>>続きを読む
大好きだ、の一言で締め括ってそのままエンディングに突入するの、あまりに眩しすぎて失明するかと思った
ギズモが新種たちにいじめられる姿にゆ虐とかまめっちの虐待とかそういうものに似た空気を感じた。シュレッダーに押し込んだりセメントに埋めたりとモグワイを倒す手段が生々しくてグロい。
フィルムが途中で切断さ>>続きを読む
ゼロ年代の海外ドラマ的な終わらないクリフハンガーをひたすらに圧縮してテンポよく繰り返す感じがサフディ兄弟の映画に似てたし、こっちはそれ以上にくだらなくてバカっぽいのがよかった。年末には何も考えないでこ>>続きを読む
ゼロ年代のエポックメイキング的なアクションは満場一致で『マトリックス』だけど、どうやらこの『ザ・レイド』も10年代以降のアクション映画史に以前/以降の概念をもたらしたらしい。
Friendsの最終話で終末を示唆しつつ締めるのはいかにもサムエスメイル的で面白かった。サムエスメイルの作家性は色濃く反映されてるんだけど、シャマランのような切り口で話を転がしながらリューベン・オスト>>続きを読む
自身の内的な変化に対する向き合い方、クローネンバーグに置き換えると、「老い」「衰え」を受け入れ前に進むのか拒絶するのか。当初は『クラッシュ』のようなボディ破壊的性的倒錯映画かと思っていたが、こんな視点>>続きを読む
まぼろしの市街戦とかブリキの太鼓をもっと趣味悪くした感じの不快さ。機械をイカせるくだりがかなり好きだ。
同じ台詞を何度も反復し、脚本や共に演じる相手への理解度が深まるにつれて、劇中で呼ぶところの「暗号」のような言外のコミュニケーションが違和感なく馴染んでいくのがこの映画の真骨頂。台詞を聴きながら台本と睨>>続きを読む