子が自閉症、ダウン症、小人病、殺人犯、同性愛者というそれぞれに異なる親子を通じて、「親子とは」「家族とは」「普通とは」「幸せとは」と、いろいろ考えさせられるドキュメンタリー。
あまり軽々しくコメント>>続きを読む
ずっと観たかった一本。
人生のある一部を動かすような緊張感のある会話の積み重ねに引き込まれるような映画だった。とにかく会話がおもしろい。どう展開するんだろうとわくわくする。「ハッピー・アワー」と似た>>続きを読む
一人旅の醍醐味を詰め込んだ映画なんだろうと思う。旅先の日常、それも深夜や早朝の日常が映されている。そして、主に食や食に関わる場所が映されている。それが独特な雰囲気をもっていて心地よい。
見ず知らずの>>続きを読む
そこでフィギュアスケートの練習に励む口数の少ない女の子、少女に見惚れる吃音をもつ男の子、選手を引退したのちにこちらに住むようになり、彼女のコーチとして指導する男性。3者の淡くて微妙な関係性のある冬の日>>続きを読む
全寮制の高校でクリスマス休暇に帰省できず残ることになった反抗的な高校生と、その面倒を見るために残った生真面目で堅物の古代史の先生、ベトナム戦争で息子を失ったばかりの調理場の料理長。広い学校で、たった3>>続きを読む
タイトルの「まさかの」の部分がいかにもドタバタコメディぽい雰囲気を醸し出しているけれど、そんなことはない。人生を振り返るとともに、人生のひとつの帰結としての旅。「君を想い、バスに乗る」と少し似ているか>>続きを読む
初チャップリン。U-NEXTで配信が始まったこともあり、教養とまではいわなくても、経験として観てみようか、というくらいのほぼ期待していない状態で観た。ところが、いい意味でとても期待を裏切られた。
コ>>続きを読む
原作は既読で、原作の方はそこまでハマらなかったうえに、アニメもそれほど観ないのだけど、あまりの評判の高さに押されるように映画館へ。
シンプルで、過剰なものもなく、でもしっかりと心に迫ってくるいい映画>>続きを読む
とても重たい。とても悲しい。突きつけられるメッセージも重たい。思ったことを全て書こうとすると、とても長くなってしまうので、一部だけ。
佐藤二朗演じる多々羅のことを、どう考えればいいのだろう。きっちり>>続きを読む
5時間17分。長さに不安を覚えながらも、濱口竜介監督の映画なので観なければと、覚悟を決めて観たのだけど、時間なんてどうでもよくなるくらい面白かった。
会話劇の映画で、ひとつの会話の場面が、長く描かれ>>続きを読む
自然と人間、開発による共存と破壊、人生の選択、人間同士の対立、悪とは何か。
映像も音楽もよく、劇中の発言や会話も魅力的な部分も多く、映画館を出てからは考えさせられる。観てよかった。
同じ濱口監督>>続きを読む
「関心領域」という耳慣れない四字熟語、半分は黒く塗り潰されているようなポスターと、そこに書かれている「アウシュビッツ収容所の隣で幸せに暮らす家族がいた」という言葉。カンヌ、アカデミー賞やA24というと>>続きを読む
圧倒された。
前半パートは演劇当日まで、後半は本番。
会話劇。もちろん単純な会話もあるけれど、登場人物それぞれの価値観や思想が詰まった会話が繰り広げられる4時間だったような印象をもった。でも、ひと>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
もちろん作品によるけれど、伏線回収やどんでん返しがあるような作品が肌に合わないことが多い。これは合わない方だった。
たぶん、そういう点が気にならなければ、いい映画だったと思いながら映画館を出れたはず>>続きを読む
原爆の父と呼ばれる、原爆の製造責任者であり、物理学者であるオッペンハイマー。
世界を破壊する兵器を作ることで、戦争の罪深さに加担し、政治の陰湿さに飲み込まれていく。
人間としての不完全さ、科学者と>>続きを読む
天才的な知能をもちながら、工事現場や清掃のバイトとして働く非行青年。
いいなぁと思うところもたくさんあるのだけど、どうしても気になるところがあって、乗り切れなかった。
メダルをもらえるような数学>>続きを読む
やさしい映画。やさしい映画は好き。
シンプルだけどよかった。大友さんが飯塚さんに言ったひとことのために作られた映画なんだろうなと思う。そのひとことを言ってくれるのを心の中でずっと待っている人もいるは>>続きを読む
「素晴らしき平凡な日常」とあるけれど、日常と非日常の境目のような1週間だと思えた。
東京に出た友人たちが大阪に戻ってきたこと、彼氏に別れを告げられたことから始まる1週間。
それぞれの場所でそれぞれ>>続きを読む
娘と父の物語。
油絵のような映像で、明かり(特にオレンジ色の光)と、漆黒の影のコントラストがとても印象的だった。
どことなく一般的な父親とは違うんだろうなと思いながらも、父の孤独になかなか踏み込む>>続きを読む
失われた過去にじっくりと手を伸ばしていくような映画だった。
ビクトル・エリセという監督の作品はとてもいいらしい…という情報だけを引っさげて映画館に行ったのだけど、消化不良なところがあるので、勉強しま>>続きを読む
優しさという言葉で片付けるべきではないのかもしれないけれど、こういう世界であったらいいなと思える、優しさ溢れる映画だった。
心の傷や症状を抱えている人のことを理解しよう、力になろうとしあえるような関>>続きを読む
裕福で上品な黒人天才ピアニストのドクター・シャーリーが、貧乏でガサツな白人運転手兼用心棒のトニーを雇い、人種差別が色濃く残っているアメリカ南部への数週間のツアーに出かけるというもの。
コメディ要素も>>続きを読む
久しぶりにがっつりとしたコメディをみた。
ケビンがかわいい。わがままで、ちょっと生意気。でも、家にひとりぼっちになれば、だんだん寂しくなるよね。ほっぺに手を当てて大声で叫びながら驚くケビン。
なに>>続きを読む
この監督の作品は初めて。
割とシンプルな30〜40代くらい男女のラブストーリーのような気がするんだけど、変わった映画のようにも見えた。
二人は貧しい労働者。表情はあまり動かず、言葉は少なく、ラジ>>続きを読む
人の命が驚くほど軽く扱われ、死と隣り合わせの日々を生き抜こうとするピアニスト。
ナチスに占領されたワルシャワ。ユダヤ人たちはゲットーへの強制移住に始まり、さまざまな迫害を受けていく。この作品では、ユ>>続きを読む
ゆったりと、あたたかくて、やさしさあふれる映画だった。10年前に仲違いしたきりの兄が病気で倒れたと聞いた弟(73歳)が芝刈り機に乗り、350マイルの離れた兄に会いに行くというロードムービー。
見渡す>>続きを読む
名作中の名作とのことなので、せっかく映画館で上映されるならと思い鑑賞。
オードリー・ヘプバーンが有名になるのも納得した。
モノクロなのがより一層ローマの街並みや雰囲気、二人の関係性の特別さを引き出>>続きを読む
青春映画としての真っ直ぐさと、ヤングケアラーの苦しさが重ね合わせられた映画。
その2つの側面のバランスが好きかどうかでこの映画が好きかどうかが左右されそうだなと思った。気になるところもあるけど、自分>>続きを読む
これは自分の好きな要素がたくさん盛り込まれている映画だった。
僧侶のようにあまりに淡々とした日々をおくる無口なトイレの清掃員が主人公だけど、その生活にしっかりと幸福を感じていて、多少風変わりな他人に>>続きを読む
嘘と本当と秘密。人生は時に甘く、時に苦い。
人は善い一面も、悪い一面も持っている。そういったことを超えて、誰かと向き合い、誰かを受け入れようとするが、つかめそうで掴めなせてくれない。タバコの煙のよう>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
どこかいまいち乗り切れず…
自分の鑑賞の姿勢がよくないのかもしれないけど、社会への問題提起の側面も強い映画で、だからこそあまりにも頭で考えながら見てしまったせいか、ストーリーや登場人物の感情にいまい>>続きを読む
人によっては普通の幸せかもしれないけれど、そのささやかな幸せが背伸びをしても手が届かないようなところに生きている人もいて、それでも、どんなに苦しくても、手をのばすことをやめない力強さに心を揺さぶられた>>続きを読む
以前に観た『東京物語』もそうだけど、全く押し付けがましくない、控えめな優しさに溢れた人はとても魅力的だ。
育ちが全く違う夫婦。正直なところ、ぶつかり合っても当然だなと思うし、倦怠期に入ってきたら、反>>続きを読む
身体障害を抱えた人の映像作品はたくさんあるけれど、目の見えない男性が主人公のこの映画は、同情を喚起しようとか、感動的に見せようというものではなく、静かで、抑制されていて、淡々としているのがよかった。>>続きを読む
周りにも、家族にも、この世のどこにも、自分のことを理解してくれる人はいないと感じながら送る人生は、どれほど孤独なのだろう。
理解されることは望まないから、せめて放っておいてくれ、自分のひとりの世界に>>続きを読む
ローマ帝国を舞台にした作品。ある将軍が失脚し、奴隷となり、剣闘士として命をかけた闘いで、頭角をあらわしていく。政治や権力と、彼の誠実さと剣の技量の高さが重なり合い、物語が動く。
映像の迫力がすごい。>>続きを読む