ちゃおさんの映画レビュー・感想・評価

ちゃお

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悪人(2010年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

『怒り』が非常に良かったので、吉田修一・李監督つながりで10年ぶりに観た。
前半はとても良かった。深津絵里の、美人なのに行き遅れたやや野暮ったさの残る感じとか、紳士服売り場の下半身に近付くなんとも言え
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空気人形(2009年製作の映画)

3.5

ペドゥナがかわいすぎる。性描写があるが、ペドゥナのさわやかさでいやらしさはあまりなく、美しくさえ見える。だからこそ、人間の汚さや身勝手さは際立つ。
空気人形だけでなく、人間だって中身は空気みたいにから
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.0

移民や人種差別、親から稼業を受け継ぐ重圧など、優しいタッチの絵の中でいろいろなメタファーが組み込まれていて、大人も子どもも楽しめる良作。音楽もかっこよく、なにより絵が美しく、見とれてしまう。ウェイド家>>続きを読む

うみべの女の子(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

浅野いにお臭がぷんぷんする。最近読んだ『緑の歌』という漫画でも同じように「海辺」「死」「はっぴぃえんど」「風をあつめて」が出てきたのでデジャヴかと思った。これ中学生の話か…と衝撃を受けたが、見ている途>>続きを読む

母性(2022年製作の映画)

3.2

すべて、どこか作りものという感じの世界観であまりリアルさは感じられなかった。女性には母になることができる女性と、娘であり続けたいと願う女性がいる。
共感はできなかったが、こういう人もいるのかと勉強にな
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.9

俺たち仲間だよな!ではなく、あくまでも独立した個人としてチームを組む。事故の瞬間がトラウマ。セッションとちょっとだけ似ている?演奏中の音を抽象的に表現するところがおもしろかった。上原ひろみさんの音楽は>>続きを読む

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

3.8

宇多丸さんの解説聞いて、いつか見たいと思っていた映画。予期はしてたがグロシーンが多く、後半は半分以上薄目と音のみ視聴だったが、噂の森田剛の演技を見れて満足。肌感やツヤ、きっと臭いとかまでも感じるような>>続きを読む

ツレがうつになりまして。(2011年製作の映画)

3.9

全く期待しないで見たが、すごく良かった。『明日の記憶』と同じく、夫が病気になった妻がプライドを捨てて「お金が必要、働かせてくれ」と言う場面には妻の心境を思って涙が出た。なりふり構っていられない、生きて>>続きを読む

おじいちゃん、死んじゃったって。(2017年製作の映画)

3.5

人が亡くなると、葬儀に向けて忙しくなり寂しさに浸る暇もない。それを「おじいちゃんが死んだのに、誰も悲しそうじゃない」と冷静に見つめる孫の目がせつない。
冠婚葬祭にのみ集まる家族、血縁。酒を飲んだくれる
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長いお別れ(2019年製作の映画)

3.9

認知症は、長いお別れ。認知症だった祖母が95歳で亡くなった時、「ああ、私の祖母とのお別れは、祖母が認知症になったあの時から始まっていたんだな」とふとこの映画を思い出した。そして、なんだか納得がいった。

おくりびと(2008年製作の映画)

4.2

祖母が亡くなる少し前に観た。納棺師が「こんな仕事」と蔑まれる場面があったが、悲しみに暮れる家族にとって導きとなる尊い仕事だと思う。出産時の助産師にも通ずると感じた。
自分の人生の価値は他人が決める。

アリスのままで(2014年製作の映画)

4.2

忙しすぎる現代人は、イレギュラーなことが起こったときに、そこへ時間を捻出できない。そういう時に、はぐれものとされていた人の時間的余裕とあたたかみが生きる。モモみたいだ。
思うように動けず、生産性から遠
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明日の記憶(2005年製作の映画)

3.8

認知症の勉強にと軽い気持ちで見始めたが、よかった。最近若年性アルツハイマー病の藤田和子さんの話を聞いたので、同じように病気のことを職場に伝えたら当然のように自主退職を迫られる場面にはやるせなさを感じた>>続きを読む

博士の愛した数式(2005年製作の映画)

3.3

昔本も読んで映画も観た気がするが、15年ぶりくらい?に再度鑑賞。
姉への違和感や、家政婦って毎日そんなに長い時間いてやることあるかな?とか、シングルマザーが暮らしていくならお給料はいくらくらいなのか?
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ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ面白かった。
黄色と赤。黄色は黄色でも、透けた黄色とベタっと塗りたくったようなトレーナーの黄色との違い。
同じように窓の外を見つめる主人公は召物が違い、身なりは立派だがどこか空虚で、開かな
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屋根の上に吹く風は(2021年製作の映画)

3.7

決められたものをやるだけでなく、自分で考える習慣をつけるのは素晴らしいと思った。大人がどのくらい入るのかが難しい。
選挙は衝撃だった。でもこれが本当の民主主義。
屋根は危ないからのぼっちゃだめ、ではな
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アンダードッグ 前編(2020年製作の映画)

3.2

前編は結構おもしろかったけど、後編は蛇足ばかりで退屈だった。児童虐待のシーンはトラウマになりそう。森山未來の足のステップと肉体美、無精髭が見どころ。
(2022年28本目)

宮本から君へ(2019年製作の映画)

2.5

苦手な映画だった。主人公たちが無駄に叫ぶのも入り込めなかったが、漫画が原作、長いドラマのうちの一部と聞いて少し納得した。
自己満とただの執着でしかない暴力に辟易した。ラグビー部の人へのステレオタイプも
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

観た直後より、あとからじわじわきいてくる。
嘲笑に対して「そうっすね」という場面の役所公司の虚な表情と薄ら笑い、何度も思い出しては涙が出る。こうして、自分を殺して人に合わせていくこの世は本当にすばらし
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ミセス・ノイズィ(2019年製作の映画)

3.7

これコントか?と思う場面多々あり。視点が変わる場面を巻き戻して見比べて見ると、偏ったフィルターを通すと聞こえなくなっていることば、見えなくなる表情に気づく。
家で集中したい仕事をする時に子どもに構われ
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恋の渦(2013年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

期待しないで観たら、びっくりするほど面白かった。演劇のようなやりとりとテンポの良さが最高。低予算でこれだけのものを作れるんだ!
う○このたたみかけ、トモコのスッピンの目がしょぼっとした演技と「今ってト
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ユナイテッド93(2006年製作の映画)

3.7

2001年の9月11日に、ハイジャックされた4機の飛行機のうちの1機の乗客たちが、命をかけて立ち向かった様子が描かれている。電話で家族に感謝を述べるシーンは、もし自分にそんな電話がかかってきたらどうす>>続きを読む

ルワンダの涙(2005年製作の映画)

4.0

ルワンダ共和国で起きたフツ族によるチタ族の虐殺の話。数日間ナタを振り上げる人が夢に出てくるくらい衝撃的な映像だった。落ち込む。同じ人間を「ゴキブリ」だと、ある意味洗脳していく様は、現在のコロナによる分>>続きを読む

ケアニン こころに咲く花(2020年製作の映画)

3.7

「気持ちいい?自分がいいことしたって浸るのは」みたいな台詞が刺さる。やりたくてもできない現場のリアルっていうのは確かにあって、でもそこをブレイクスルーするのは誰かの情熱だったりもする。
介護のこと、特
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.7

ぶっささった。こういう映画を観ると、映画って頭で考えるんじゃなくて体験するものなんだなと感じる。さよならだけが人生だ。
(2022年20本目)

アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男(2015年製作の映画)

3.9

邦題がださくて自分じゃ見ない映画だったが、とても面白かった。ドイツは日本と違い、繰り返さないように過去の過ちをきちんと見つめている国という認識があったが、それはこうした人々の執念ともいえる努力があった>>続きを読む

パプリカ(2006年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

最初のパレードの場面に至る、意味不明な言葉の渦とキレキレの平沢進の音楽、そして見ている方の胸騒ぎと真逆なまでの本人の輝く瞳に、すごく心動かされる映画体験をした。
飛び降り自殺をしてしまう人の脳内には、
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喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)

3.0

水川あさみさんの罵倒が強すぎて喜劇になっていないような……濱田岳さんのメンタルの強さと図太さは、唯一の救いだった。
この映画を通して伝えたかったことは、馴れ合いの腐れ縁を愚痴を言いながらやり過ごしてい
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.0

期待が大きかっただけに少しがっかり。多様性といいながらフリークスをいいように利用して彼らも都合良く言いなりになる。圧倒的な悪として描かれるならまだしも、さも当たり前のように美談として語られる構造的差別>>続きを読む

君が君で君だ(2018年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ好きなタイプの映画。爆笑しながらも、あとからじわじわ考え続けてしまう。干渉しないというのが、ストーカーとの違い。じゃあ、この想いはなんなんだ?3名は、同じように見えて実は違う。髪を食べられ>>続きを読む

グリース(1978年製作の映画)

4.1

歌が最高。ヘアスプレーのジョントラボルタの女装は、このダニーとのコントラストだったのかと納得。
歩き方、髪のとかし方、バスケのトラベリング、全てが最高で爆笑。仲間の前でかっこつけている時と、サンディー
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ヘアスプレー(2007年製作の映画)

4.4

めちゃくちゃ元気が出る!黒人への人種差別やルッキズムへのポジティブパワーでの抵抗や「そのステップ、最高にクールね」と人種関係なしに友達になっていくトレイシーとペニーの我が道をゆく姿にやられた。ブラック>>続きを読む

モアナと伝説の海(2016年製作の映画)

3.8

ミラベルと同じで、冒頭5分くらいで結構大切なあらすじ総ざらいするので、皿洗いなどしていてその部分を見逃すと何が何だかわからなくなり、途中で冒頭を見返す羽目になる。
テカアがダースモール感すごいのと、こ
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塔の上のラプンツェル(2010年製作の映画)

4.0

どうせプリンセスものでしょと思ってみたが、毒親の洗脳による躁鬱の克服、自尊心の回復、守られるのではなく自衛する強い女性像、ルッキズムなど現代的な要素がたくさん含まれていて面白かった。
歌もとても良く、
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ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)

3.8

コロンビアが舞台のディズニー映画。
家族を何より大切にして家を守ることは誇りであり、そして大きな重荷でもあり得る。ニコニコした笑顔の裏に、田舎の跡継ぎ問題とも通ずる不穏さを感じていたら、バリバリと上っ
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ハイスクール・ミュージカル(2006年製作の映画)

2.7

みんなスターの歌はとても良い。
ガブリエラの流し目に、ミニーちゃんの目と同じものを感じる。
みんなの前での自分のキャラクターにとらわれて、本当の自分の好きなものに素直になれない時ってあるよね。
gle
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