sasaさんの映画レビュー・感想・評価

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オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

2.9

動物たちに祝福された愛の逃避行。クストリッツァ好きにはお馴染みの演出で面白いのかもしれないが、逃避行が始まってからは神のご加護が圧倒的すぎて悪ノリのギャグにしか見えない……導かれた先の結末も意味が分か>>続きを読む

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.2

150分の大作ながら、緩急と叙情性に富む素晴らしいプロット。さりげない伏線の回収と綺麗なエンディングが痛快。さすが名作。

カラー・オブ・ハート(1998年製作の映画)

3.3

謎のおじさんにより50年代モノクロドラマの世界に閉じ込められてしまった双子の兄妹。00年代の邦ドラのような希釈されたスクリューボールコメディで、細かい設定を放棄してるあたりもそれっぽい。1人だけ白黒に>>続きを読む

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.8

ロメール的な、いわば"街ブラ会話劇"。ドラマティックな外的要因がなくとも、名もなき人々の会話や仕草、感情のやりとりに美しさと愛おしさを見出した素晴らしい作品。すれ違い、出会い、言葉を交わす、たったそれ>>続きを読む

ストーンウォール(2015年製作の映画)

3.7

実際にNYで起こったゲイバーでの暴動事件「ストーンウォールの反乱」を題材にとり、迫害され虐げられてきた若者の"怒り"にフォーカスした作品。テーマの似た『パレードへようこそ』とは対照的に、たとえ平和的解>>続きを読む

僕の大事なコレクション(2005年製作の映画)

3.8

祖母の遺した写真に映る女性の居場所を探し求めるロードムービー。ホロコーストという隠された重いテーマがありながら、オフビート然としたゆるいコメディに仕上げるセンスが見事。

原題の"illuminate
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ダーティハリー(1971年製作の映画)

3.6

汚れ仕事専門の刑事、ダーティ・ハリー演じるクリント・イーストウッドの渋さはもちろん、それをシックに演出するサウンドトラックの上品な渋さが素晴らしい。
夜のざわめきやストリートを叩く革靴の音は静寂によっ
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インセプション(2010年製作の映画)

4.3

開始15分のOJTでルールを叩き込まれるノーラン式スパルタ。何重もの入れ子になった複雑な設定を、畳み掛けるプロットと迫力ある映像で否応なしに引き込む圧倒的なパワー。ラストカットまでオシャレ。

チワワちゃん(2018年製作の映画)

3.7

虚飾のネオンに、影も闇も全て塗り潰されるモラトリアム。"かけがえのない今"を共有しているつもりでも、実際のところ繋がりは薄く細く、消費しあい消耗しあっているに過ぎない。盲目的な衝動に駆られる若者たちの>>続きを読む

アンダー・ハー・マウス(2016年製作の映画)

3.5

レズビアンとして対照的な生き方をみせる2人の情熱的な恋を、官能的に、しかしどこかドライに描く。エダラスを演じたエリカ・リンダーのハンサム&ビューティーっぷりが素晴らしく、モデルが本職とは思えないセクシ>>続きを読む

幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

3.6

半年前に妻に先立たれ、職さえも失い、生き永らえることに価値を見出せなくなった老人オーヴェ。彼は自ら死を選ぼうとするが、近所に図々しい移民女性が引っ越してきたことをきっかけに、彼の閉ざされた心に変化が訪>>続きを読む

タミー Tammy(2014年製作の映画)

3.4

容姿も頭も悪いタミーと、アル中でクレイジーな祖母が繰り広げる破天荒なロードムービー。共感性羞恥ギリギリで笑えるブラックジョークの連発。滑稽で傍迷惑なのに、なぜか感情移入してしまうタミーのキャラクターが>>続きを読む

すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

4.5

ハリウッド往年の名作を彩る映画音楽たち。制作秘話や作曲家たちのセンス、技術、飽くなきこだわりに迫る。
ジョン・ウィリアムズがいかに偉大な人物か、という話はもちろん、作品の中にあるリズムの映像化や視線の
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潜水服は蝶の夢を見る(2007年製作の映画)

4.0

突然の発作により、左のまぶたしか動かせなくなった主人公の心象風景を綴った、実話に基づく物語。まばたきしかできず、誰かと話すことも愛する人に触れることもできない絶望と苦痛が、ささやかなユーモアや、時折挿>>続きを読む

推定無罪(1990年製作の映画)

3.4

不倫相手が殺害され、主人公に不利な証拠ばかり次々と発見される、という絶体絶命の状況の中、淡々と展開される法廷劇。その淡々さこそが本作の面白みでもあるのだが、もっと大胆にミスリードを狙っても良かったよう>>続きを読む

ヴィオレッタ(2011年製作の映画)

3.8

ゴシックファッションを身に纏った妖しく美しい少女。もはや愛ではない歪んだ愛を注がれ、少しずつ狂っていくヴィオレッタの姿が痛ましい。終盤にはその母親の壮絶な出自も明かされ、なんとも後味が悪くやるせない、>>続きを読む

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

4.4

望まぬ妊娠をした少女。背景や過去を詳らかに語ることはせず、不安と恐怖を抱えてあても無く夜の街をさまよう少女の姿を捉えた作品。ロードムービーでありながら希望や喜びは全く感じられず、明日の見えない孤立感に>>続きを読む

19歳(2018年製作の映画)

3.3

「私は、20歳で死ぬと思っていた。」
難しいこと、面倒なことから目を背け、刹那主義的な現実逃避を続ける若者の自己分析と自分語り。その痛々しさを伴った漠然たる不安と恐れは、サブカルに興じる若者には共感性
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荒野にて(2017年製作の映画)

3.8

競走馬リーンオンピートとの出会いを通して成長する青年の姿を描く。村を、街を、そして荒野を彷徨う青年の葛藤を捉えた、澄んだ冬の空気のようにクリアで美しい映像が印象的。

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

3.0

ビビッドな色遣いと音楽が実にエキセントリックで美しい一方、常に2秒3秒長い緩慢で冗長なカット、メタファー先行で魅力のない脚本が付き纏い、総合的に見て「映画としてつまらない」映画。ダサすぎるEDに至って>>続きを読む

フォー・ウェディング(1994年製作の映画)

3.0

軽妙なジョークの散りばめられたロムコム。恋愛至上主義がやや強く、ありがちな主人公本位の身勝手な恋愛に目を瞑れるのであれば、ロマンティックなオシャレ映画として受け入れられるであろう。

ぼくセザール 10歳半 1m39cm(2003年製作の映画)

4.5

10歳の少年たちが友人たちと繰り広げる大冒険。3人それぞれ交互に物語がフォーカスされており、オムニバスのようにメリハリのついた脚本と、カメラに切り取られた、主人公たちの子供らしい想像力と冒険の描写が素>>続きを読む

高慢と偏見とゾンビ(2016年製作の映画)

3.4

名作『傲慢と偏見』とゾンビ映画がまさかの融合。どうせクソパロC級映画……かと思いきや、思いのほか設定が作り込まれており、大まかな流れも原作を踏襲している。ゾンビ映画というよりはファンタジー映画というべ>>続きを読む

転がるビー玉(2019年製作の映画)

3.3

モデル、イベンター、ミュージシャン。再開発される渋谷を舞台に、寄る辺ない20代女性たちの姿を映し出した令和的青春映画。内容は薄めで、モチーフとしての欠けたビー玉のインパクトも弱いのでサブカル映画の域は>>続きを読む

はっこう(2005年製作の映画)

3.6

感情の滞留を澱みと浄化に喩えたショートフィルム。分かり合えない他者との間に生じる気持ち悪さや、唐突にタンゴを踊り出すシュールな笑いは堤幸彦を思わせる。腐敗は発酵と表裏一体であり、水の流れはそのままカタ>>続きを読む

怪物はささやく(2016年製作の映画)

3.5

怪物の姿を借りた自己との対話を通して、孤独に怯える少年が、明暗つけられない感情との向き合い方を学んでいく。ギレルモ作品に比肩するグラフィックの臨場感。

ウィッシュ・ルーム(2019年製作の映画)

3.7

望んだものが実体化して現れる"部屋"のルールや伏線を活かした、スリルとサスペンスの詰まったサイコスリラー。少しずつルールを明かして破綻なく組み立てていく脚本が巧い。

人生スイッチ(2014年製作の映画)

3.0

理不尽で露悪的、ひたすら神経を逆撫でにする話ばかりのオムニバス。『おかえし』はまだブラックジョークとして上手くオチが付いていたが、あとはただ悪趣味なだけで全く面白くない。これで笑える精神状態とは一体。

妹の恋人(1993年製作の映画)

4.3

精神的に不安定な妹と、妹のためにすべてを犠牲にして生きてきた兄が、道化のような男サムとの出会いによって互いの関係や世界との関わりを変化させていく。フェリーニ『道』のような構図をハートフルなエピソードで>>続きを読む

イーオン・フラックス(2005年製作の映画)

3.3

シャーリーズ・セロンの圧倒的美貌と、自然と技術の両立した色鮮やかなディストピアによる映像が美しい。監督が日系人だからか、ジローやらイナリやらダサい名前が登場するのでちょっと萎えるのと、シナリオが多少強>>続きを読む

ガンバレとかうるせぇ(2014年製作の映画)

3.3

汗と涙で彩られるはずの青春の、その暗い部分だけを濾し集めたような作品。"ガンバレ"という言葉に、突き放すような、互いの間に線を引くようなニュアンスを感じてしまう。それでも"ガンバレ"と言い"ガンバレ">>続きを読む

シャーロック・ホームズの冒険(1970年製作の映画)

3.4

ビリー・ワイルダー書き下ろしのシャーロック・ホームズ冒険譚。原案が4時間超えになり大幅カットした結果、内容に合わない原題、本編と全く関係ない序盤が引っ付いたちぐはぐな仕上がりに。
ホームズvsネッシー
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Mr.&Mrs. スミス(2005年製作の映画)

3.8

主演2人のビジュアルの良さと、2時間近くのあいだ全く中弛みしない脚本。 いかにもハリウッド映画らしいつくりだが、そのシンプルさが面白い。

逆光(2021年製作の映画)

4.3

眩しいほど美しい尾道の夏。若者たちのキラキラした青春の坩堝、熱を帯びた営みに飛び込めない主人公の姿。性的マイノリティとしての後ろめたさと、自分に憧れを抱く醜い幼馴染への蔑みの視線という二律背反を、三島>>続きを読む

赤色彗星倶楽部(2017年製作の映画)

3.0

論理そっちのけの青春SF映画。ストーリーも面白いし、岩井俊二的な雰囲気や屋外の採光は魅力的だが、意味ありげなだけのカット、全く面白くない小ボケが多すぎて台無しに。三木聡をやろうとして失敗しているのかと>>続きを読む

天才マックスの世界(1998年製作の映画)

4.5

乱雑に整頓された人間関係が、恋をきっかけに混沌に陥り、再び美しい非対称性を取り戻す。自己嫌悪と無根拠の自信に基づく心理描写はどこかイギリス映画的で、ウェス・アンダーソン作品の中では一番好きかも。

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