はとさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

はと

はと

映画(426)
ドラマ(132)
アニメ(0)

マーティン・エデン(2019年製作の映画)

4.4

ジャック・ロンドンの自伝的小説をイタリアのナポリを舞台に映画化。上流階級の女性に恋をした貧しい出自の青年が独学で文学を学び作家を目指す。

16mmフィルム撮影のザラついた質感。美しくてノスタルジック
>>続きを読む

エノーラ・ホームズの事件簿(2020年製作の映画)

3.9

ミリボビちゃん世代の女の子たちに、可愛く楽しくサフラジェットの精神を伝える素敵な作品。アップデートされた価値観で作られたNetflixらしい映画。

フリーバッグの監督なので、ちょっと似てる。こちらに
>>続きを読む

遠い空の向こうに(1999年製作の映画)

4.0

夢を実現する力と家族のこと。出自や環境を超えて掴み取る自分の道。とても真っ直ぐで爽やかな感動作でした。夫が好きそうな映画だったので、一緒に晩酌しながら見ました。案の定、彼は涙ぐんでた。年月を経ても古さ>>続きを読む

007/オクトパシー(1983年製作の映画)

3.3

今見ると、インドに対する偏見甚だしいけど、文化は魅力的に描かれてもいる。虎とか象とか動物出てくるのも楽しい。ワニガジェット笑える。アクションがちょっとずつ現代的になっていく進化の過程が興味深い。

>>続きを読む

007/ユア・アイズ・オンリー(1981年製作の映画)

3.2

ロジャー・ムーアボンドはちょっと合わないのかもしれない。この作品だと、見た目が既におじいちゃんなのに、若い女の子とのキスが気持ち悪くて見てられない…

ただデスモンドQは年取るごとに可愛さが増してて、
>>続きを読む

007/黄金銃を持つ男(1974年製作の映画)

3.2

乳首3つ?力士? 空手女子高生?深く考えたら負けなのかな。Qが乳首作ってあげたのかと思うとジワジワ笑える。

女性に手をあげたりこどもを川に突き落としたりするボンドがちょっと嫌。今回のボンドはあんまり
>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.2

IMAX鑑賞。この映像体験はやっぱり特別。すごいスピード感で飛ぶように駆け抜けるあっという間の2時間半。protagonistとneilの関係性がこの上なくエモくてグッとくる。途中からそうだったの?そ>>続きを読む

007/死ぬのは奴らだ(1973年製作の映画)

3.1

ロジャー・ムーア1作目。青い目が印象的、スマート。

エンタメ感いっぱい。過剰な演出に笑ってしまうけど、なんだか長く感じて、途中で少し飽きてしまった。

ポール・マッカートニーの音楽が独特でワクワクす
>>続きを読む

胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)

4.1

超絶センスのラブコメ。胸がザワザワする。片想いって顔に出ちゃうんだよなぁ。完全に溢れちゃってるふたりが恥ずかしいやら愛しいやら。私にもあんな時があったかと思うといたたまれない。

『花様年華』の影響を
>>続きを読む

マイ ビューティフル ガーデン(2016年製作の映画)

3.8

植物と触れ合い、隣人たちと交流することで 次第に変わっていく女性ベラ。絵本のような世界観、美しい植物、優しい人たち。可愛くてハートフルで癒やし効果抜群のヒーリング映画。

料理上手なシングルファーザー
>>続きを読む

ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-(2019年製作の映画)

3.8

史上最大のデータ流出、パナマ文書。法の抜け穴、節税ビジネス、ペーパーカンパニー。詐欺、資金洗浄、賄賂、汚職。気づかないうちに超富裕層に搾取され、奴隷となっている私たち。資本主義・民主主義は既に恐怖のシ>>続きを読む

遥か群衆を離れて(2015年製作の映画)

3.9

トマス・ハーディ原作。イギリス古典文学らしいラブロマンス。女性の自立とお金の問題。オースティンほど甘さやユーモアはなく、ブロンテ姉妹ほどの重みや苛烈さはない。とてもマイルドな印象。ほどよくロマンチック>>続きを読む

パーフェクト・ルーム(2014年製作の映画)

3.4

みんな怪しく見える密室謎解きミステリー。私は最後まで全然わからなかった。

マティアス・スーナールツの過去作をぼちぼち見てるので、とりあえず見てみました。こういう役のマティアスさん、たくさん見たなぁ。
>>続きを読む

WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

4.2

自分を肯定できなくて、居場所のなさを感じているラッセル。人を信じられなくて、新しい自分を求めるグレン。ワンナイトのセックスからはじまるふたりの週末。

理想の自分と現実の自分のギャップ。さぐりあいのぎ
>>続きを読む

エレファント・ソング(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

予備知識なしで見始めたので、サイコスリラー?と思わせておいて、切なくて悲しくて優しい映画だった。 愛を渇望した青年の静かな叫び。

それぞれの人物の印象が中盤から少しずつ変わる。ヒントや隠喩もかなり思
>>続きを読む

ロープ/戦場の生命線(2015年製作の映画)

4.1

NGOの活動と紛争地域の現実。目の前にあるのに手に入らない、というもどかしさ。やるべきことはシンプルかつ正しいことなのに、いくつもの壁が立ち塞がって事態はまったく進まない。そして、ユーモアたっぷりの人>>続きを読む

リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

4.3

3回目。これ、何回見てもとても良い映画。名優たちの軽妙な演技と素晴らしくよくできた脚本。壊れかけたボロボロの車に乗り込む家族たち。ラストのダンスに泣き笑い。

この映画のポスター写真がすごく良くて、こ
>>続きを読む

エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE(2019年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ブレイキング・バッドの続編映画。

本編を見てジェシーに思い入れがある人にはたまらない作品。ハラハラするスリリングなシーンが続く。最後まで飽きさせない展開。

私にとってジェシーは作中、唯一の良心とも
>>続きを読む

メットガラ ドレスをまとった美術館(2016年製作の映画)

4.0

メトロポリタン美術館コスチューム部門の資金集めのイベント、メットガラ。ひとつのプロジェクトが成功するまでのお仕事モノとしても興味深かった。

物腰柔らかいキュレーター、アンドリューさんの調整力!個性の
>>続きを読む

花様年華(2000年製作の映画)

4.3

約20年ぶり、2回目。
複雑な関係の男と女。大人のふたり。官能的なのにプラトニック。いつまでも心に残る美しい想い出。

マギー・チャンの後ろ姿、目尻をはねあげたアイライン、襟の高いチャイナドレス、上品
>>続きを読む

君と歩く世界(2012年製作の映画)

4.3

両足を失ったシャチのトレーナー、短気で粗野で貧しいシングルファーザー。お互いの欠けたところを埋めていく、痛々しくて辛い、再生の物語。

マリオン・コティヤールの演技が素晴らしかった。仕事を愛し、勝気で
>>続きを読む

ジェーン・エア(2011年製作の映画)

3.9

人が囚われている階級とか性別とか身体からの開放、人の魂の自由の話。ジェーンの強さと尊厳とそして愛の話。

幻想的な夢物語みたいな映像。ミア・ワシコウスカの肌が絵画のよう。衣装も風景もふたりの佇まいも美
>>続きを読む

クライム・ヒート(2014年製作の映画)

3.9

クライムサスペンスと思いきや、深みを感じさせる人間ドラマでもある。トム・ハーディの抑えめの演技にときおり垣間見える不穏な挙動。違和感を感じながらもジワジワ進むストーリー。まったく展開が読めなかった。隠>>続きを読む

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2013年製作の映画)

4.3

売れないフォークシンガー。頑固で不器用な男の不運で冴えない1週間。切なくて愛しくてユーモア溢れるじんわり面白い映画。ルーウィンのギターと歌声が沁みる。

色褪せた古い写真のような曖昧な美しさのある映像
>>続きを読む

ラスト・ボディガード(2015年製作の映画)

3.7

PTSDに苦しむ軍人がある富豪の妻子の警護をすることに。緊迫の心理スリラー。

入隊して命懸けで戦い、後遺症に苛まれ、行き場を失くす。そうやって苦しむのは結局貧しい人たちで、政治家や武器商人はただ駒を
>>続きを読む

サムサッカー(2005年製作の映画)

4.5

17歳の少年の心に優しく寄り添い、ありのままの自分に勇気をくれる。人と人との繋がりを淡い輝きで照らし出すような抜群の映像センス。いかにもマイク・ミルズ監督らしい作品でとても感動した。

マイク・ミルズ
>>続きを読む

RENT/レント(2005年製作の映画)

4.0

落書きだらけだった頃のNY。お金はないけど夢はある若い芸術家のたまごたち。時代を代表する有名ミュージカルの映画化。

劇場の座席で感じる感動とはかなり違うけど、キャストたちの歌唱力、表現力は申し分ない
>>続きを読む

ヴェルサイユの宮廷庭師(2014年製作の映画)

3.6

ナチュラルな色調で植物がとても美しい。優しく緩やかに進むストーリー。監督を務めた故アラン・リックマンの人柄が偲ばれる。

ラブストーリーとしてそこそこときめくし、女性をエンパワメントする場面もあったり
>>続きを読む

ニーナ ローマの夏休み(2012年製作の映画)

3.9

"君はいつでも特別さ"

バカンスシーズン到来ですっかり人がいなくなったローマ郊外。未来への漠然とした不安といつしか頑なになっていたニーナの心の扉が開くまで。夏の出会いの物語。

可愛くておしゃれなア
>>続きを読む

フランス組曲(2015年製作の映画)

4.2

戦時下のドイツ人将校とフランス人既婚女性。胸の奥に秘めたふたりの恋心。ロマンチックでとても哀しいラブストーリー。

ラストに明かされる原作者のエピソードも含めて、戦争の理不尽と人の愚かさが悲しく、誠実
>>続きを読む

コードネーム エンジェル(2018年製作の映画)

3.7

第4次中東戦争。国家の守護者か金目当ての裏切り者か。エジプト大統領の娘婿で後に政府高官となったアシュラフ・マラワンはイスラエルのスパイとされる実在の人物。本当はどっちのスパイだったのか?という今も残る>>続きを読む

ビヨンド・ザ・スピード(2017年製作の映画)

3.4

生い立ちとか育った環境とか。ズタボロの姿、こどもみたいな泣き顔。本当にどうしようもない男だけど、なんだか可哀想で嫌いになれない。THEマティアス・スーナールツ!って感じでした。

女の子かわいいなと思
>>続きを読む

クロース・エネミーズ(2018年製作の映画)

3.7

犯罪に手を染めた哀しい男のクライムドラマ。麻薬密売組織に対するオトリ捜査。貧しい出自の幼なじみたちが辿る行く末とは。

ザラついた映像が印象的。ストーリー性はあんまりなくて、行間を感じとるタイプの作品
>>続きを読む

リトル・ジョー(2019年製作の映画)

4.0

ゆっくり動くカメラ。日常に侵食していく違和感。シングルマザーの深層心理。微妙に不快な雅楽の音色。センス抜群のルック。なかなか面白い作品だった。

俳優たちの表情が乏しいので、想像力が無限に広がり、つい
>>続きを読む

セブン・シスターズ(2017年製作の映画)

3.5

人口増加、遺伝子組換、管理社会、生命の選定、SF近未来ものではよくあるテーマ。7人をひとりで演じ切る力技。

面白そうな設定なのになんとなく乗り切れなかったけど、バイオレンスに舵を切ったあたりから面白
>>続きを読む

胸騒ぎのシチリア(2015年製作の映画)

3.9

シチリアのパンテレッリーア島。うだるような暑さと土地の持つ空気感。熱とか気だるさとか渇きとか、そんなものが映像から感じられる大人の映画。

グァダニーノ監督の撮る裸はポルノっぽさがなくてアートの文脈を
>>続きを読む