何十年か前の日本映画を観ているようなどん底の貧しさと精神の清らかさ。豊かになった現在の中国で話題になっているのもさもありなん。
記録し忘れ。4月に鑑賞。
あれだけ飲むと気持ち悪くならないんだろうか。もしかして追い酒をするとそういった感覚は鈍くなるんだろうか。
冒頭で命令を出した上官が言っていたように、伝令の旅は地獄巡り、時々天国。
橋を渡って町に入るまでが現世、銃撃された後に教会が燃え上がる幻想的な場面からヨーロッパの川ではこんな急流はないよね、そして屍>>続きを読む
日本映画における2大風景は、一つが田んぼ沿いでもう一つが都市の中の川だと思っている。水と日本人は切り離すことができず、川を見ると、ああ日本映画だなぁと感じる。
家族や近隣の人の死をめぐって心にしこり>>続きを読む
不幸だった父の苦労を一方的にはらしていく娘。最初はその理由に納得するも、後半につれ、いやそれを言うのはちょっと無理あるだろうと感じていたらさすがに実の父親は直接手にかけず。
長い・・・それぞれのエピ>>続きを読む
前作は自分の有り様にこだわったちさととまひろが衝突するというしっかりした軸があったが、今回は他の殺し屋たちに狙われている以外に主だった話がなく、しかもその4人がなかなか出会わない。一作目は可愛らしいな>>続きを読む
SDGsをテーマとして作られたとのことだが、青春物語の色合い濃く、社会の底辺でもがく若者3人の一生懸命さが心に沁みる。確固たる階級社会である江戸時代、武士だけでなく町人も農民も汚穢屋をバカにし、上にい>>続きを読む
アパートかと思いきや朽ちかけた屋敷に「貸間あり」の札がぶら下がっている。美人で勝気なユミ子が部屋を借りる。ものを動かせば盛大に埃が立ち上る貸間。キャベツ巻とこんにゃく作りをする洋吉と知性あふれる感じの>>続きを読む
一人で観ていてものすごく怖かった。
この世に自分が果たして本当に存在しているのかを常に問われ、だんだん不安になってくる。こちらが尋ねているのに逆質問をされればただでさえイラっとするのに、返ってくる言葉>>続きを読む
いかにも地方の寂れたミニシアター。上映しているのは昔の名画で豪華だけどお客さんはあまり入っていないし経営は苦しい。過去を抱えた男性と映画館の再生をだぶらせて描く。若者が作った映画監督を描いた作品をひと>>続きを読む
高校生3人組がなんとか無事にマドンナを迎え入れ文化祭の出し物として映画を作る。試行錯誤する過程をわりと丹念に見せ説明調で進むのでテンポはあまりよくなく、役者も固い感じ。それと他のクラスメイトどこいった>>続きを読む
佐伯日菜子のデビュー作。今でもめずらしい子連れ就職を目指す父親と娘の話。モノローグ多め。
昔の同僚が嫌で辞めたのに、実質みんなの前で蔑まれていても我慢しているのがいかにも30年前らしくて。論理的に淡>>続きを読む
ベトナム戦争に反対し、ナパーム弾の研究所を爆破した政治活動家の父と母。清掃員がケガを負ったこともあり、ダニーと弟を含めた4人家族は何年もFBIから追われている。宗教2世ならぬ政治活動家2世の彼と弟は学>>続きを読む
違法すれすれの老人売春をやっている老若男女まざったグループが、マナだけでなく、雇われている老女性や若者にとっての疑似家族である。手を広げ過ぎたことにより関係性が徐々にほころびていく様がこの作品の柱だと>>続きを読む
ヘンテコな切り返しの連続で彩られる前半。音楽も意図的にコミカルでソワソワした感じで進むが、終盤の終盤で大団円を迎えいっぺんに空気が変わる。
三浦春馬の空虚を見つめる視線がちりばめられているのが印象的>>続きを読む
広島豪雨災害を経験した監督が、地元の人から話を聞いたことなどが題材になっているらしい。なのでとてもまじめな作り。
多島美の言葉の通り風景が大変に美しく撮れているし、冒頭の船に乗っている凛子のショットや>>続きを読む
「シン・ウルトラマン」よりもテーマが全然理解しやすいし主役の存在感もある。顔の正面からのカットも多く「庵野監督、俳優にいろいろ注文したんだろうな」感は薄まっていた。
とんでもない力を持ってしまって苦>>続きを読む
自己主張が強いことがうまく生きられることには結び付かず、時代性から逆にアダになる。男によって女性の人生が左右される典型でその描き方がなかなかキツい。時が進むにつれ自立していく姿はたのもしく凛々しいけど>>続きを読む
むむ-、このテーマだったら女性監督の方がよかったのでは。原作(脚本)も男性なんだねぇ。
一番気になったのは、男性が女の子をきれいに映そうとする意図が見えてしまったこと。逆光とかきゅっと結んだ唇とか。時>>続きを読む
SpasivaとNietが印象的な作品。
リョーハのキャラが初対面時と変化していくのがちょっと強引だなぁと思いつつも、少年っぽさを残す愛され性格なのでそりゃ好意を抱いちゃうわよね、と。ラウラはだいぶん>>続きを読む
実家と母親(ネリーの祖母)にトラウマを感じているらしい母親と、その娘のネリー。ネリーは亡くなった祖母の家の裏道を抜けて母親の子供時代に出会う。プライベートフィルムかと思いきやそうでもないらしい。セリー>>続きを読む
社会の中でうまく生きられない人の話をさんざん見てきたせいか、またか、という気持ちになり惨敗。
エキセントリックな出会いから一緒に住むことになった莉奈と修一の依存関係はかなりリアル。
そこは良いのだが>>続きを読む
弟子入りしたい、弟子同士の軋轢や裏切り、彼女との恋、音楽リアリティ番組の場面など繰り返しなので、楽しめたけど長え・・・、というのが正直なところ。
後半いきなり話が転調するのはびっくりしたが、これがエ>>続きを読む
骨太社会派ドラマで、映画「新聞記者」を彷彿させる。
ちょっとほめすぎかもしれない。というのは、弁護士事務所の事務員の木竜麻生が「幇助って何ですか」と質問するなど所々説明調のところや、愛媛県警架空領収>>続きを読む
機関車が迫ってくる場面で瞳をきらめかせている少年、スピルバーグが映画に入ったきっかけ。父から贈られた大切なプレゼントを壊す勢いでも自分が好きなシーンを再現することは厭わないサミー。母は彼のやりたいこと>>続きを読む
マルチバースからやってくるんじゃなくて、エブリンが訪れていくのでどの時点で切り替わってるのか把握するまでに時間が掛かり。
中国語と英語が混ぜ混ぜになってて、しかも英語の中国なまりが強い時とそうじゃない>>続きを読む
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ・・・の三好達治のイメージ、ガタ崩れ。
大正末期、才能はあるが金はない書生の三好達治は、裕福な荻原朔太郎の妹慶子に一目ぼれしてしまう。お互いが別人と結婚した後も彼>>続きを読む
目が見えるということはどういうことだろう、を考えさせられるドキュメンタリー。
白鳥さんは自分が盲人だから人と違っているとは思っていない。生まれた時からほぼ見えておらず、祖母からは人より努力しないと将>>続きを読む
香港の民主化運動の映画を観る時はいつもそうなのだが、終わってひどく暗い気分に。自由を圧迫する中国政府に対して抵抗する過程で香港理科大学に逃げ込んだとのこと。最初は意気揚々と警察に対抗していたのが、日に>>続きを読む
舞台となる劇場「エンパイア」。映画館があるのと、どうやらダンスホールもあったらしい(ダンスレッスンはその名残か)。クラシカルな内装、これから特別なことが始まるんだと思わせる豪勢な登り口、女神像が両側に>>続きを読む
現世の金の亡者のことを餓鬼と解釈して描くのかと思ってたら、本当に地獄巡りをするファンタジーな不思議なテイストの作品だった。
監督の作家性が存分に出ていて邦画としては特殊というか稀有な感じが。
骨董屋で>>続きを読む
熱い3人組の青春映画。それぞれの事情があり、悪い人がいないのが日本映画的。冬の寒さの中で楽器を吹く時の肺の冷たさが感じられたり、それぞれの演奏者の熱量が画となっているところ、上原ひろみのオリジナル楽曲>>続きを読む
いやぁ、しっとりした大人の映画だったなぁ、と思ったら監督自身がこれは大人の映画です、と仰っているらしく。そもそもパク・チャヌクの作品ということを忘れている中で観始めたのだが、外から2人を眺めているよう>>続きを読む
こちらも食わず嫌いでずっと引っ張っており、やっと鑑賞。ロングランありがたや。
インド独立の実際のヒーローであるラーマ・ラージュとコムラム・ビームを採用するところがウマいなぁ。抵抗がテーマと思わなかった>>続きを読む
地方に暮らすことと田舎ならではの素朴な食についての内容のようであり、実はあまり観にいく意欲が湧かず、そうこうするうちに地元の映画館で中江裕司監督の舞台挨拶付で上映とのことでそれに併せてやっと鑑賞。>>続きを読む
性自認が今とは逆の男女が、周りからバカにされないように偽装カップルになるという切ない設定。
ポップな画面と短めカットとクラスメイトとのエピソードでテンポ早く軽やかに描くが、後半、アンバーに恋人ができる>>続きを読む