イワシさんの映画レビュー・感想・評価

イワシ

イワシ

映画(1423)
ドラマ(0)

キセキ あの日のソビト(2017年製作の映画)

3.7

必要なショットだけを繋いでいくと、その繋ぎ目に省略の感覚が生まれるのだけど、この映画は全編を繋ぐその省略の感覚がおもしろい。小林薫がそうとは知らずに兄弟を認めたあとの松坂桃李と菅田将暉に『組織』のラス>>続きを読む

ゲゲゲの女房(2010年製作の映画)

3.7

リアリズムの映画。近い感触の映画は、中川信夫『怪異談 生きてゐる小平次』か。ゲゲゲの女房のゲゲゲとはゲゲゲの鬼太郎のゲゲゲと同じ意味のゲゲゲなので(つまり宮藤官九郎=ゲゲゲ)、現代の東京の風景の中に昭>>続きを読む

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

3.7

きわめて優れたファンタジー。冒頭から生と死の境界がゆらいでいて、友達は普通にいるにもかかわらず幽霊との交流の方に比重がある。生者と死者が完璧にシンクロした舞踏を披露し、それでいて未来に開けているラスト>>続きを読む

グルーモフの日記(1923年製作の映画)

3.3

エイゼイシュテインのはにかみ。ルイ・フイヤードとジョルジュ・メリエスという映画の楽しみに忠実なこの五分の短編スケッチは、映画っ子であるという照れと自慢が入り雑じったエイゼイシュテインの告白のよう。

トラック野郎 御意見無用(1975年製作の映画)

4.1

トラックのデコレーションが剥がれていくと、一輪のハマナスの花に中島ゆたかがようやく気づく。その瞬間の花と顔のクローズアップの切り返しの素晴らしさ。

イコライザー2(2018年製作の映画)

3.5

クライマックスの対決で前作に引き続きスラッシャー映画の演出がなされてて(ビラのところとか笑ってしまう)、『モンスターズ・ユニバーシティ』の湖畔のロッジで大人を撃退するシーンを思い出した。ペドロ・パスカ>>続きを読む

幸せへのキセキ(2011年製作の映画)

3.8

『ラ・ジュテ』じゃん!てか、まんまなショットあったよね?

クリスティーン(1983年製作の映画)

4.1

再見。カーペンターの映画はアメリカの夜の映画。夜を切り裂く光線、浮かび上がる赤い車体、もうもうと光を拡散させる煙が印象的。クリスティーンが殺人を犯すとき、ほぼ必ず車自体が光源となるが、キース・ゴードン>>続きを読む

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.3

エミリー・ブラントが怪物から隠れるのは『宇宙戦争』『マイノリティ・リポート』のシークエンスを彷彿とさせるが、隠れる主体を妊娠/出産直後の女性にすることでより切迫した事態を描き出してる。沈黙を強いられて>>続きを読む

放射能X(1954年製作の映画)

3.8

物語が展開するにつれ否応にも興奮が増していくというほんとうに優れたシナリオ。老人が経営する無人になった商店を捉えた一連のショットは西部劇としても通用しそうでとてもよかった。

スリープレス・ナイト(2017年製作の映画)

3.1

夜の街の映画と思っていたが、傷の映画だった。

ジェイミー・フォックスとミシェル・モナハンの頬に傷をつけることでキャラクターに共通の属性を持たせるというアイデアはいいのだが、いかんせんアクションの共同
>>続きを読む

ミラクル/奇蹟(1989年製作の映画)

4.0

フランク・キャプラ『一日だけの淑女』と『ポケット一杯の幸福』を下敷きにした映画なのだが、この格闘シーン((link: https://youtu.be/6h9XttVyxlM) youtu.be/6h>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

5.0

石橋静河の表情を捉えたシャロウフォーカスのラストカットの背景で道路を走る車がピタッと信号で止まるのを見た瞬間に震えがきた。宙吊りのまま世界が停止し、石橋静河の表情だけが移り変わり、暗転する。その感動。>>続きを読む

つかのまの愛人(2017年製作の映画)

4.0

フィリップ・ガレルの映画で興奮を伴ったおもしろさを味わうとき、その画面はアメリカ映画的な運動を示している(『ジェラシー』の拳銃の登場から未遂に終わる自殺までの速さは、ドン・シーゲルの速さを連想する)。>>続きを読む

MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)

3.3

普通だけど面白い。生身のジェイソン・ステイサムと20m越えの太古の巨大サメとの対決をクライマックスに設けるにあたって、筋立てと道具立てをきちんと前振りし(レーザーを当てられたメガロドンの眼を覚えておこ>>続きを読む

バトルフロント(2013年製作の映画)

3.7

カット割りは早急だが、アクションの身振りや銃撃戦での上下を含む位置関係は把握しやすく迫力がある。スタローンの脚本は余所者であるステイサム親子よりも、南部に住まう敵方のほうにキャラクターの厚みがあるのが>>続きを読む

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

2.2

画面を心理で埋め尽くそうとするクローズアップの応酬がしんどい。せっかくの赤い風船も視覚的に活かせてない。

でも、吹き替えで観たから涙腺崩壊だった。

ナイスガイ(1997年製作の映画)

4.6

建設現場での一連のアクションはハリウッド黄金期コメディ(バスター・キートンだ!)を観ているようで、笑うと同時に感動。ドアの開閉が生み出すアクション=ギャグ、大勢の追手、機械を利用しあるいは振り回され。>>続きを読む

ポンペイ(2014年製作の映画)

3.5

21世紀のセシル・B・デミル映画!グラディエーターにディザスターを加えてどう処理するんだと思ってたら、滅亡しつつあるポンペイを闘技場に見立て剣劇を繰り広げるというアイデアが徹底的に見世物で感動的。愛す>>続きを読む

コッポラの胡蝶の夢(2007年製作の映画)

4.3

オリヴェイラのような若々しさ。あらゆる国に赴き、風土をフィルムに定着させる。そのためにティム・ロスは言語学者と設定される。

馬泥棒のバラード(1971年製作の映画)

5.0

エイブラハム・ポロンスキーはこの遺作で泥棒たちが策略の果てにものの見事に勝利をおさめる爽快なラストを用意していた!勝利した側は無数の馬を駆り橋を壊さんばかりに蹄の音を轟かせ、敗北した側は半裸姿でとぼと>>続きを読む

インクレディブル・ファミリー(2018年製作の映画)

3.3

ブラッド・バードの資質を発揮すると、アクションのメインはMr.インクレディブルからイラスティガールになる。

ラストの映画館に出てきた「デメンシャ A113」ってコッポラの『デメンシャ13』のパロディ
>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.4

フィルム・ノワール的な戦慄。恋愛映画版『飾窓の女』であり、『ローラ殺人事件』でもある。

蓮實重彦がコメントで言及していたロングショットはなるほど、『黒衣の刺客』のそれを連想させるような自然条件の移り
>>続きを読む

アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)

3.5

撮影ダンテ・スピノッティ(!)。縮小と巨大化を繰り返すアクションは楽しいが、運動と笑いが直結していた前作と比較するとそこはいくらか後退していた印象。その代わり、役者の演技とシチュエーションで笑いを生み>>続きを読む

プロミスト・ランド(2012年製作の映画)

3.5

いい映画。
藤井仁子さんの映画評を読んで、再見した。
http://kobe-eiga.net/webspecial/review/2014/09/331/

エル ELLE(2016年製作の映画)

2.0

強く吹き付ける風に抵抗するように雨戸を閉めようと手こずる男女の姿はメロドラマにふさわしかったが、この場面が良かったのはイザベル・ユペールの設定にまったく関係ないから。男が既婚者というだけで映画は盛り上>>続きを読む

>|