イワシさんの映画レビュー・感想・評価

イワシ

イワシ

X-MEN:アポカリプス(2016年製作の映画)

3.5

マグニートーが絶滅収容所跡地を消失させるシーンにパウル・ツェラン『死のフーガ』の一節「ぼくらは空に墓を掘るそこなら寝るのに狭くない」を思い出す。記憶/歴史が力場として視覚化された瞬間の言語を絶する感動>>続きを読む

霧の波止場(1938年製作の映画)

3.5

ギャバンの平手打ち!ギャングのボスがひょろくて情けなく、こいつばっかり平手打ちを食らうのが笑う。

ちなみにカール・Th・ドライヤーとベルイマンのオールタイムベストだそう。

ル・アーブルの港町をゆく
>>続きを読む

黄昏のチャイナタウン(1990年製作の映画)

3.4

撮影ヴィルモス・ジグモンド。ハーヴェイ・カイテルが自爆する。

エンド・オブ・トンネル(2016年製作の映画)

4.2

面白かった!『裏窓』と『穴』を組み合わせたかのような見事なサスペンス。地下室で強盗がトンネルを掘る音を耳にした車椅子の主人公がその金を横取りしようとする物語だが、サスペンスを成立させるショット(微かに>>続きを読む

ザ・ボディガード(2017年製作の映画)

3.4

艶を映した路面や地下通路の撮り方が良かった。アクションシーンはモストウらしく、壁や床に執拗に肉体を打ち付けていた。

死にゆく者への祈り(1987年製作の映画)

3.3

リーアム・ニーソンが素晴らしかった。現れたときからすでに陰鬱さを抱えた表情を浮かべ、あの巨躯でためらうように歩く姿。ミッキー・ロークとの再開後、陰鬱さが一気に噴出したのか生きる屍のごとくベッドで身動ぎ>>続きを読む

風に濡れた女(2016年製作の映画)

4.0

おもしろかったが、観ている間に頭に浮かんだのはロマンポルノではなく、塩田明彦が『映画術』のなかで語ったチン・シウトンの逸話だった。『どろろ』を観ねば。

死刑執行人もまた死す(1943年製作の映画)

4.5

再見。この映画のレジスタンスが妙に恐ろしく、『M』のギャングたちと同じように見える。裏切り者の密告者が陥る悪夢的粛清はラングのアメリカ時代のフィルム・ノワールの先触れのよう。メスを握った手術服の二人が>>続きを読む

ダークタワー(2017年製作の映画)

3.6

『IT』よりこちらを支持。イドリス・エルバとトム・テイラーが〈ガンスリンガーの信条〉を唱えながら空き缶を撃つシーンで『ラスト・シューティスト』を思い出したのだが、クレジットでロン・ハワード製作と知って>>続きを読む

パディントン 2(2017年製作の映画)

4.3

今年ベスト。『希望のかなた』に匹敵する移民の映画。濁流に流される一匹の小熊が帽子を被った瞬間から号泣していた。直後に時制が現在に移り、ロンドンの人々に朗らかに挨拶しながら街中を河を流れるように移動して>>続きを読む

ジオストーム(2017年製作の映画)

3.0

スペースシャトルが森の樹木のように林立する馬鹿馬鹿しくも壮大な光景に心が動いた。ジェラルド・バトラーのはるか背後で飛び立つロケットや、ラストの桟橋に三人が並んで腰掛け釣りをする姿など静かな場面がかなり>>続きを読む

地獄の黙示録(1979年製作の映画)

4.0

再見。遡行する哨戒艇の前に現れる光景は電飾で飾られ、夜の街の濡れたアスファルトのように水面に光が照り映える。マイケル・マンのオールタイムベストの一本だが、『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』のヴィジ>>続きを読む

ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!(2017年製作の映画)

3.1

水面を境にした垂直軸の攻防がおもしろい。シールズ側は金塊をパラシュートで浮上させようとするなか、敵は手榴弾を錨に付けて落としまくる。水中での光の捉え方も複数の種類があり(球形の爆発が新鮮な印象を残す)>>続きを読む

決断の3時10分(1957年製作の映画)

4.0

キャスティングが素晴らしい。緊張に晒され眼を見開いたまま顔を強張らせるヴァン・ヘフリンと余裕のある態度が優雅ですらあるグレン・フォード。心理的に追い詰められ使命感に目覚めるヘフリンとそれにほのかに感化>>続きを読む

いぬ(1963年製作の映画)

5.0

再見。銃弾を腹に受けて倒れる男に二発目を撃ち込むベルモンドの冷酷さに痺れる。『勝手にしやがれ』から削除された台詞「背骨を狙え!」を実行しているかのよう。そしてまた、裏切りと密告の物語にふさわしく(女た>>続きを読む

用心棒(1961年製作の映画)

3.6

宿場町で吹き荒れる風が三船敏郎の袴をなびかせるのが独特の色気を画面に出してると思う。

セールスマン(2016年製作の映画)

4.1

扉の開閉と視線のカットバックを畳み掛けてくる終盤がとてつもなくサスペンスフル。シャハブ・ホセイニがとある人物を封印するかのように次々にドアを閉めていくシーンの直後、彼は舞台上で棺のなかに横たわっている>>続きを読む

希望のかなた(2017年製作の映画)

4.2

ペドロ・コスタに匹敵する程の黒い画面からシェルワン・ハジが浮上してくる冒頭から興奮し、台詞少なく手の動作によって構成される場面演出の数々を楽しみながら、映画と人間、つまりカウリスマキに信頼を覚える。あ>>続きを読む

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)

3.3

耽美で怪奇なアバンギャルド反戦メッセージ青春映画。戦争という分断が横たわっているためなのか、異性間の性的な関係は暴力がともなうのに対し、同性関でのそれは驚くほど親密であからさまに描かれている。矢作穂香>>続きを読む

妖女ゴーゴン(1964年製作の映画)

3.8

マイケル・グッドリッフが魔に導かれ、ゴーゴンの住まう城へやって来てしまうシーンが怪奇に満ちて素晴らしい。風、枯葉、眼にあたる光、鏡、鳥が絶好のタイミングで緊張をあおり、恐怖に見開かれ球のような眼のクロ>>続きを読む

ザ・クレイジーズ(1973年製作の映画)

3.4

屋外から屋内に侵入してきた者が、もともと家の中にいた者に襲われるというロメロのパブリックイメージを逆転させたシチュエーションがあってニヤリとした。

日本暴力列島 京阪神殺しの軍団(1975年製作の映画)

3.8

川辺での殺しの場面の詩情。大雨に洗われ舞い散る桜と風に揺れる白い布。力尽きた梅宮辰夫の首に巻き付いて真っ直ぐに垂れる布が印象的。

>|