佐藤浩市と横浜流星のあいだで交わされたクロスカウンターが相手を変えて何度も反復されるように、心臓を患う佐藤浩市が服用するピルを摘む仕草もまた反復され変奏される。冒頭で肩に付いた桜の花びらがはらりと落ち>>続きを読む
外界遮断のヘッドホンが外部の介入で取り外されることと念を押すように食事場面の疎外感でアーチー・マデクウェとデヴィッド・ハーパーは深く関係を結ぶと予感させるが、ヘッドホン/イヤホンは予想以上に重要な細部>>続きを読む
記録映像の発見、修復、検証、番組製作、議論など、食人という扇情的な内容を見せるまでの過程が丁寧。個人的には行方不明の撮影隊を追うロバート・カーマンの捜索パートが好き。フィルムを持ち帰るため自棄になって>>続きを読む
再見。アンソニー・パーキンスがクローディア・ブライヤーの後頭部にシャベルを叩きつける場面が最高。ごく何気ない動作でシャベルを手に取って背後に回り、躊躇いなく悠然と振り下ろすまでのワンカット、テーブルに>>続きを読む
ラスティグ、コーエンの『マニアック・コップ』コンビの作品だが、警官を軍人に変えただけの焼き直し感が否めない。すべての演出が鈍くなっているが、全身が炎に包まれたティモシー・ボトムズが大砲を撃たれ、一直線>>続きを読む
電話帳からアトランダムに標的を決める連続殺人鬼のジャド・ネルソンとそれを追うレオ・ロッシとロバート・ロジアの新米ベテラン刑事コンビ。面白い。クライマックスにて尋常ではないほどあちこちの電話がなり続け、>>続きを読む
これは良かった。ジャン=マイケル・ヴィンセントの息子が間違いで誘拐され、本来の標的だった元マフィアの証人レオ・ロッシとバディを組んで奪還に向かう。殺し屋ランス・ヘリクセンのアジトの廃工場でのアクション>>続きを読む
フレッド・ウィリアムソンが自警の必要性を説くオープニングが素晴らしい。ジェームズ・レモはフェラーラ『天使の復讐』『処刑都市』のカメラマンであるだけにやはり夜の場面が格別。ロバート・フォスターの視点から>>続きを読む
アラン・スミシー名義ということで前2作と比較すると明らかに出来が悪い。脚本に推進力は無く、ロバート・ツダールの復讐代理も味気ない描写に終わる。良かった点はロバート・ダヴィの受付回転フェイントと炎上しな>>続きを読む
2階から車に落下し立ち上がり撃たれるまでのワンカットや投げ飛ばされ壁に激突する、身体が燃えながらも殺し続けるなどスタントが何気に凄い。射撃場の警官を全員射殺したロバート・ツダールが的のあいだから現れ、>>続きを読む
キワモノっぽい映画なのに、殺人警官の正体が明らかになるまで真っ当な刑事ものとして面白いのが流石ラリー・コーエンの脚本仕事。中盤のツイストには驚愕したし、カーチェイスも見応えある。深夜の街頭に佇む巨漢の>>続きを読む
宇宙から来た寄生蛞蝓によるゾンビへの対処がショットガンで頭部を破壊し、飛び出てきた蛞蝓を火炎放射器で焼き殺すというハワード・ホークス的な連携で、しかも主役のカップルがやってるのが良い。口から寄生すると>>続きを読む
ソロリティ入寮のイニシエーションとしてショッピングモールの夜警の制服を盗むことになり、それが実行される後半から俄然面白くなる。半端に照明が点る人工的な無人の施設を空間描写が抜群で殺人よりもむしろ何も起>>続きを読む
閉店後のショッピングモールでパーティをしていた若者たちと暴走した警備ロボットとの76分の一夜の対決。頭部破壊に加えスタントをちゃんと使用した焼死場面もあり死に様が派手でおもしろい。ポール・バーテル、メ>>続きを読む
万延元年の若山富三郎から始まる暗殺オムニバス。千葉真一が小沼正を演じる血盟団事件のパートが最も長く約100分ほどを占めるが、2・26事件の首謀者である青年将校らの銃殺で迸る血がが余りにも忘れ難い。国家>>続きを読む
埋められた携帯電話に残された映像がマジで怖い。顔が怖いのは勿論だけど、何より近づいてくるのが最悪。それまでの映像や写真は検証のため静止画を拡大するこちらからの操作だったのが、あちらからの接近という止め>>続きを読む
中村錦之助のやんちゃな役どころが個人的には新鮮。錦之助と丘さとみが触れ合う場面の川、森、自然の豊かさはルノワール!
再見。中村錦之助と沢村貞子の酒屋での会話の場面、互いの身の上話を交互にするうちに第三者だった酒屋の親父も聞こえてくる話に感化されたように沢村と中村を見送る芝居の細かさ、演出の細かさ。
再見。因果が巡ってきたかのように背中を斬られた木村功の最期の「兄ぃ…」の台詞があまりに切ない。中村錦之助と十朱幸代のあいだに立ちはだかる垣根が画面の大半を覆い尽くし、どう足掻いても別れる定め。彼岸花が>>続きを読む
スタンダップコメディの描写が次々に差し込まれるがコメディ映画というよりコメディアンたちの生活を主題にしたドラマ作品の趣き。アパトーなら他の作品のほうが笑えるんだけど、エミネムが愚痴った「スーパーにも行>>続きを読む
自動車事故のシーンがちゃんとマジっぽくて笑う。フリードキン『ジェイド』っぽい喋り方でナンパを成功させる場面は時期が時期なので妙に感動してしまった。直前まで持っていけるものの不条理なくらい本番に縁が無か>>続きを読む
脱獄映画のフォーマットを利用した学校サボり映画。マシュー・ブロデリックの細工の数々が『アルカトラズからの脱出』等を想起させるし(特にベッドの人形)、ジェフリー・ジョーンズの留年の脅しは刑期延長そのもの>>続きを読む
再見。殺しの直前に特定の歌を口ずさむのは『M』を彷彿。ナイフでの殺し、送られなかった手紙とのちに『ハンテッド』で再利用される細部が目につく。ゲイポルノが上映されるハッテン場併設の小屋での殺人シーンが良>>続きを読む
ホラーとしてもサスペンスとしても微妙なんだけど、木の怪物がチンピラ三人を惨殺する場面とチェーンソー血みどろ伐採クライマックスは気合い入ってておもしろかった。頭を木っ端微塵に砕かれて残った死体は犬に喰わ>>続きを読む
中務裕太が廃墟になって久しい邸宅を訪れた場面の怪奇現象が良かった。外観とはあまりにもかけ離れた小綺麗な内装、不穏な違和感を覚える山川真里果と中務の態度、二階の扉の向こうの影の揺れ、反復による違和感の積>>続きを読む
冒頭の『2001年宇宙の旅』パロディだが、荒野でのおままごとには『ミークス・カットオフ』の家事労働風景を連想。最も笑ったのはマーゴット・ロビーのこの体勢。アメリカ・フェレーラのスピーチは憲法改正の舞台>>続きを読む
古典的なボイスオーヴァーから始まる50年代くらいのSFオマージュみたいな映画だけど、そういった部分と奇天烈なアイデアだけしか視覚化してなくてダレる。バス待合室に突っ込んでくる車の運動感の無さが異常。7>>続きを読む
かなり特殊なフラッシュバック映画。逃れようにも逃れられない運命の象徴として登場するハイウェイのパトカーはウルマー『恐怖のまわり道』を参照したのだろうか?ただただ性欲の解消のための本人も望んでないだろう>>続きを読む
実家暮らし24才無職クローン病発達障害のピート・デイヴィッドソンが家を追い出されやむなく消防署に居つくようになってからが抜群に面白い(スティーヴ・ブシェミ!)片付けられた父の写真の代わりにビル・バーの>>続きを読む
着ぐるみではない不定形の怪獣としてのドゴラの描写の数々は確かに目を瞠るが、最も鮮烈な印象を覚えたのは冒頭の宙に浮く酔っ払い。水槽の中の魚のように漂いながら呑気に歌なんか口ずさんでいるので、現象とテンシ>>続きを読む
これは80sの古典になるわー。アリー・シャーディがナイフをパクる場面やエミリオ・エステヴェスの大量ランチなど固定のワンショットで笑いを誘う。破った本の頁が机に舞い落ちたり、サンドイッチからレタスがポロ>>続きを読む
出てくる男子が全員バカで好き。核ミサイルが『となりのトトロ』みたいにニョキニョキ伸びて屋根を突き破りその先端に白い鳩がとまる場面で滅茶苦茶笑う。ラストでケリー・ルブロックが腕立て伏せを指示してるのに悩>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
地下室映画と見せかけて、『呪怨:呪いの家』からそっくり持ってきたかのような屋根裏の生活空間。つまり高橋洋の実家ネタ。とはいえアメリカンなホラー映画を思わせる地下室そのものはそこに触手めいた太いパイプが>>続きを読む
これまでの冒険活劇と異なり一つの町に留まり続ける人物たち。昼の光、夕闇の光、夜の焚火、UFOの光と風景の色を変える光量の変遷が繊細で素晴らしいし、その中で変わりゆく人々の関係の描き方も涙が出るほど繊細>>続きを読む
オリヴァー・プラットとワニがじっくり見つめ合う場面が好き。危機的状況なのに文字通りplacid=穏やか。スタン・スウィントンのアニマトロニクスもじっくり見られるし、人やヘリコプターとの比較でワニの巨大>>続きを読む