イワシさんの映画レビュー・感想・評価 - 40ページ目

イワシ

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ポイント・ブランク -この愛のために撃て-(2019年製作の映画)

2.6

フリードキンファンのギャングのボスのキャラが濃い。『L.A.大捜査線』をおススメするし、フランク・グリロとアンソニー・マッキーに観せるのが『恐怖の報酬』というチョイスで笑う。

ロスト・マネー 偽りの報酬(2018年製作の映画)

3.7

夫を亡くしたヴィオラ・デイヴィスらにプロフェッショナルな態度を要請する脚本とそれに応え見事な視線劇を演出したスティーヴ・マックィーンの確かな手腕。しかしラストの呼びかけは感傷的で弱い。『教授とわたし、>>続きを読む

ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

2.8

T-800にまつわる諸々の設定やエピソードはエモいんだけど、ティム・ミラーの演出はやっぱりつまらない。『デッドプール』よりマシだけど回想シーンの挿れ方も鈍臭い。

サラ・コナーの記録映像から波が砂を攫
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ミネソタ大強盗団(1972年製作の映画)

3.2

クリフ・ロバートソンが蜂の巣になりながら生き残るラストはアルトマンっぽいと思ったり。野球が登場する西部劇は『ワイルド・アパッチ』の他に初めて観た。

荒野の女たち(1965年製作の映画)

5.0

縦構図によって際立つアン・バンクロフトの悲壮なシルエットが『駅馬車』のクレア・トレヴァーの悲劇的な再演としか見れなくて泣いてしまう。あまりにもあっけないラストと最期のセリフの素晴らしさ。

戦火の馬(2011年製作の映画)

4.5

再見。ジョン・フォードを想起させるのは馬を撮ったからだけではない。テン年代最高のカラー撮影にイニスフリーの風景を重ねてしまう。

ホセ・ルイス・ゲリン『イニスフリー』とセットで観るべし!

パラダイス・アレイ(1978年製作の映画)

4.0

シルヴェスター・スタローンの初監督作品。傑作だった。きらびやかだが猥雑なスラム街のショービジネス、スプリンクラーから水が降り注ぐ中行われるタップダンスとプロレス、躍動し跳躍する肉体と飛び散る水滴が天井>>続きを読む

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

2.2

ジョン・カーペンターに対する直球のオマージュがあるんだけど、映画の作りはまったくカーペンター的ではない。

ビデオゲームを探せ!(1984年製作の映画)

3.5

少年とイマジナリーフレンドとの関係性は同じ監督&脚本の『サイコ2』と似てるし、他にもヒッチコックオマージュがあって面白かった。指の欠けた手が現れた瞬間はホラーとして撮ってて後戻りできない不条理にゾクっ>>続きを読む

ババドック 暗闇の魔物(2014年製作の映画)

3.8

ラデック・ラドチュックによる闇の黒さの質感が良い。神経が苛まれるほど緊張が高まる公園でのできごとから場面が跳んで車内で泣き叫ぶノア・ワイズマンと疲弊しきった顔のエシー・デイヴィスに繋げる省略のセンスは>>続きを読む

センコロール コネクト(2019年製作の映画)

3.7

各々の都合とその場の気分で行動するキャラクターたちと操られるがままであるが故に破壊活動に躊躇のないドローンたちが収まるところに収まる作劇がたいへん良かった。痛みを排除したアニメーションによる2度にわた>>続きを読む

The Living World(英題)(2003年製作の映画)

4.4

手と手の触れ合いが愛する行為として画面に現れる。ショットとショットを人と人との邂逅のように繋ぎ合わせ、「生きている世界」という映画が生まれる。その映画のなかで人と人は出会い、たがいを愛するようになる。>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.5

警官とKKKの差別意識の濃淡の描き方が興味深い。ジョン・デヴィッド・ワシントンがおそらくジャッキー・ロビンソンに倣い無言の抗議のつもりで口で咥えた資料を気にせず(あるいは気づかず)手に取る警官と肩を抱>>続きを読む

空の青さを知る人よ(2019年製作の映画)

3.5

靴を履き直すところとラストのジャンプの低さが良かった

ジェミニマン(2019年製作の映画)

3.3

ウィル・スミスを襲うバイクのまるで豹のようにしなやかかつ俊敏な駆動と攻撃、作られた存在であることをあからさまにするかのようなクローンのこのアクションはかなり新鮮だった。主題と密に関わる映像表現。

ファイヤーフォックス(1982年製作の映画)

4.1

再見。ナイジェル・ホーソーンが今際の際に目撃するイーストウッドの黒いシルエットがあまりにも映画/幽霊/神秘的で感動する。破壊活動による喧騒の隙間を悠然と歩くあの長身。「イーストウッドの作品での見下ろす>>続きを読む

ゼイ・ウォント・フォーゲット(1937年製作の映画)

4.5

マーヴィン・ルロイ渾身のドス黒い傑作。胸糞わるくて吐きそう。無実の罪で死刑を宣告されたエドワード・ノリスが減刑されたことに激怒した町民によるリンチのイメージがあまりにも凶々しい。

クロード・レインズ
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真実(2019年製作の映画)

3.4

クレモンティーヌ・グルニエが撮影現場で子役の少女と二言三言会話を交わす場面でこの二人に映画のフォーカスがあたってくれればとつい思ってしまった(諏訪敦彦+イポリット・ジラルドの傑作『ユキとニナ』があるか>>続きを読む

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

3.5

水位の上昇は当然ながらサスペンスを機能させるためなんだけど、タイトルで勝利できなかったカヤ・スコデラーリオを最も高い位置で水から上げるためでもある。バリー・ペッパーが見つめる高く掲げられた発炎筒はトロ>>続きを読む

闇の曲り角(1946年製作の映画)

3.2

キネトスコープを覗いて「男向けばっかり!」と文句を言うルシル・ボールとキャシー・ダウンズが良い。ダウンズは正式なデビュー作で、クライマックスで階段の上から夫の背中に弾倉が空になるまで銃弾を撃ち込む大活>>続きを読む

心と体と(2017年製作の映画)

3.7

アレクサンドラ・ボルベールの奇妙な性格が彼女の自殺にいちいち面白いアクションを加えていく。音楽を聴きながら浴槽で手首をガラスで切るのだが、そのガラスはわざわざキッチンから持ち出した肉叩きハンマーで割り>>続きを読む

大疑問(1919年製作の映画)

3.9

幼い頃に目撃した殺人の記憶を封じたリリアン・ギッシュが奉公した先はまさにその事件の犯人夫婦のもとだったというサスペンスな粗筋は一先ず遅延され、ギッシュがロバート・ハロンの一家に身を寄せてからいくつの素>>続きを読む

ゴダールの探偵(1985年製作の映画)

3.8

予告編の方が真っ当にフィルム・ノワールなゴダールによる探偵/マフィア/ボクシング/プロモーター/ホテル/本/カメラ/テレビ/男と女/裸体/セックス/拳銃/撃ち合い/そしてとってつけた謎解きの映画。ジャ>>続きを読む

破局(1950年製作の映画)

4.0

傑作!競馬の実況がボイスオーバーで重なる中遅れたウォーレス・フォードが背中を撃ち、狭いボートでの銃撃戦で高低差を演出した空間を見せ、ジョン・ガーフィールドの家族が泣きながら喜ぶ中相棒だった黒人の幼い息>>続きを読む

大時計(1948年製作の映画)

3.8

ほとんどのシーンが1分くらいある長回しで構成され、ときには3分にもわたるショットの中でサスペンスが高まっていく。ローランド・アンダーソンによる大時計の美術が超絶的に素晴らしく、内部にある装置やボタン類>>続きを読む

暗黒の恐怖(1950年製作の映画)

3.5

公衆衛生局のリチャード・ウィドマークがペストに罹った殺人犯のジャック・パランスを追う48時間のサスペンス。どちらも強面で悪人役が多い両者だがこの映画では注射器と拳銃という他人の身体を打つ/撃つ道具によ>>続きを読む

歩道の終わる所(1950年製作の映画)

4.5

あまりにもカッコよすぎるオープニングタイトル。立体駐車場のエレベーターのワンカットも素晴らしい。超絶大傑作。

事件の隠蔽のため死んでしまった容疑者に成りすまして顔にバンドエイドを貼り付けたダナ・アン
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殺人者(1946年製作の映画)

4.0

二人組の殺し屋、ダイナー、落ちぶれたボクサー、ファム・ファタル、フラッシュバックで語られる典型的かつ決定的なフィルム・ノワール。帽子会社の給金強盗のクレーンを用いた長回しのシーンは淀みなく進行する強盗>>続きを読む

ハイデイ(1937年製作の映画)

4.1

アラン・ドワン監督、シャーリー・テンプル主演による『アルプスの少女ハイジ』。ミュージカル入れるは、クライマックスに雪の街での逃走劇を配置するはと原作改変甚だしい。小猿による騒動による物の壊れっぷりが最>>続きを読む

宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.0

井浦新が爆弾発言をしてからの場面の怒涛の勢い、まさしくスクリューボールコメディ。池松壮亮が蒼井優の職場に押し掛けプロポーズを叫び、叫び返される場面では職場の同僚が絶叫の合間に絶妙な音を入れることで記号>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

3.0

階段という光の中へ行くための装置。クビになった直後の階段の先にある光は忍び込んだホールで上映される『モダン・タイムス』として反復され、自身がついに向こう側へ足を踏み入れようというとき、それまで背中から>>続きを読む

ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.3

アンジェリカ・ヒューストンが登場するまでがいちばん面白かった。『キートンのセブン・チャンス』的状況の中で展開されるアクションは喜劇映画的で、キアヌ・リーブスは二度連続で車に跳ね飛ばされ、しつこいくらい>>続きを読む

いかにしてフェルナンドはポルトガルを救ったか(2018年製作の映画)

4.0

コカ・コーラの悪魔祓いシーンに大爆笑。瓶を振るのかと期待してたらその通りのことをしてくれるので爆笑したし、吹き零れたのが悪魔祓いの成功みたいになっててますます笑う。

コーラを大木にかけたら凄い勢いで
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ジョゼフの息子(2016年製作の映画)

4.5

ラストの海辺を歩く父と母の背中を見送る息子の視線がジャン・ルノワール『ランジュ氏の犯罪』のラストを思い起こさせ、それが同時に息子の自立の瞬間でもある顔のショットで終わるのが素晴らしい。

La Sapienza(原題)(2014年製作の映画)

4.5

オリヴェイラ的に演出された『イタリア旅行』という感がある傑作で、続けてグリーンを観ることはせずつい『コロンブス 永遠の海』を観てしまった。

切り返しの撮り方が独特で初めは肩なめの画面を繋ぎ、それから
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