せらさんの映画レビュー・感想・評価

せら

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ショートウェーブ(2016年製作の映画)

3.6

ホームビデオ風撮影。冒頭から排泄シーンでびっくりした。

宇宙人というモチーフはいまや、断片的な恐怖が最終的にそこで結びつく未知の場所として、クリシェになりつつある気がする(心霊は使い古されていて未知
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.8

原作のふざけたキャラクターの感じも上手く再現されているし、オリジナルのエンディングも良い。

というか、伊坂幸太郎自身が映画作家的な性格を持っていることを再確認した。

空母いぶき(2019年製作の映画)

3.2

グローバル資本主義のための戦争抑制という形での戦後体制の再肯定/再意味付け。まさしく「政治の手段としての戦争」映画。

相互牽制のように問いを積み重ねていく展開を不自然に見せないように、いくつもの視点
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インデペンデンス・デイ(1996年製作の映画)

3.8

『宇宙戦争』の驚くべき翻案だと思った。『スターウォーズ』の影響も感じたし、後年のいくつかの名作エイリアン映画にも影響を与えている描写も散見されたけど、戦闘シーンにやや迫力が欠けていた気もする。

ユナイテッド93(2006年製作の映画)

3.5

緊急事態というのは、常に画面のどこかで誰かしらが喋り続けている状態をいうらしい。

無駄な描写がないのが一番いい点だと思った。

ジーサンズ はじめての強盗(2016年製作の映画)

3.6

トリックスターの映画。
社会構造は変えられなくても、高齢者に対する倫理を忘れてはならない、と。
でもこんなにダンディな高齢者いないでしょう。


直球のコミュニケーションをされても、ムッとならないのは
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奥様は魔女(1942年製作の映画)

3.4

呪いはそれをかけた主体が物語の一部として関わることによって完成するという話。

いくつかの転轍点で悲劇にふれたり喜劇に触れたりしていて、その反転が面白かった。

きさらぎ駅(2022年製作の映画)

3.6

2chの原作からモチーフは拾い集めているけど、話は完全オリジナル。


B級風だけど、かなり怖い。
一周目がかなり怖いせいで、二周目は笑いながら観れるし、最後のミステリ的終わり方も秀逸。

きさらぎ駅
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アナーキスト(2000年製作の映画)

3.4

暗殺やテロルのシーンが非常に良い。

アナキストの時間感覚は、つねに現在にあるのだということ。だからこそ、時計の狂いは致命的となるし、折を見て繰り返される写真撮影はこのことを意味している。

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.6

同じ惑星に住んでいるのに、互いに生態系上の関わりはほぼなさそう。
(人類が巨大な鳥に捕食されるシーンはあるので、そこくらい?)

新天地への逃亡によって地の利を得たことで実質勝利し落とし所を見つけると
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.6

俳優陣かぶりも板についてきた。

台詞や俳優の使い回しは、過重な負荷をかけていて、俳優が本来持っている表象機能を失効させている。

そのために、映画というよりはむしろ手塚マンガのように、ストーリーの理
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モンスターハンター(2019年製作の映画)

2.4

よく映画化したと思う。RPGの第1章だけを切り取った感じ。

序盤で隊員がバタバタ死ぬのは良かったし、クモに寄生されて死ぬのもクモ映画あるあるだと思った。
せっかくトニー・ジャーを起用したんだから、ア
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暗殺教室 卒業編(2016年製作の映画)

2.9

前編で説明していなかった殺せんせーの背景を明かしつつ終わりに向かっていくのがやや性急すぎて、ところどころ辻褄が合ってなかったように思う。

暗殺教室(2015年製作の映画)

3.2

「愛する者を自らの手で葬る」という倒錯に先立つのは、「葬るというプロセスを通じて対象を愛するようになる」ということ。


自称進学校特有の陰湿な暴力性が曖昧にしているのは、教育と暴力とが実際にはどのよ
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アナベル 死霊博物館(2019年製作の映画)

3.2

ホーム・アローン アナベルver. ということで、今回はウォーレン夫妻はほぼ不在。
人の家を勝手にいじって、お化け屋敷にしてはいけない。

お昼に仕込まれていたギミックが、日が暮れた途端に堰を切ったよ
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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

3.9

ポリティカル・ロードムービー。
描写にストイックなのは好意的に観られる。


政治に鈍感なソウルの一住民だったキム・ザボクが、光州で政治的に覚醒していくのは、ややヒューマニスティックな啓蒙の香りがする
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ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

3.7

CGが安っぽいのは笑ってしまうけど、台詞回しと俳優陣がいいので、それでもってる。ビル・マーレイがとにかく格好いい。

カフカ「変身」(2019年製作の映画)

3.5

原作の脚色としてはなかなかの出来。

サムネは解釈違いだけど、本編でのグレゴールのイメージは、小説を読んだときの印象と同じだった。
小説の挿絵か何かで甲虫類を描いていたのを見たけど、林檎がめり込んで怪
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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

3.6

チャーチルの独白と対話によって、戦時史を描いている。



こう観ると、英国は本土決戦を覚悟しながらも結局はやらなかった点で日本と似ているし、一方で王と首相が友人の如く話せるという点で日本とは違うな、
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映像研には手を出すな!(2020年製作の映画)

3.9

良作。
齋藤飛鳥さんが素晴らしい。最初気づかなかった。


大・生徒会-映像研-ロボ研は、現実-リアリティ-幻想の三項関係を結んでいて、映像研が両者のあいだのひずみとして物語を動かしていく。


この
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劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲(1998年製作の映画)

2.3

名作と名高いけど、自分にはあまりよくわからなかった。

ミュウツーは「自分は何者なのか」とアイデンティティの問いを常に抱えているが、それは「自分は本物か偽物か」という問いではなかったはず。それがすり替
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ビジネス・ウォーズ(2015年製作の映画)

2.7

細部のギャグが本筋とアンマッチなので浮いて見える。下ネタ過多なのはそのせい?

でも、理想の上司で理想の父親ではあるし、契約一つ取るのがこんなに大変というのも経営者としては身につまされはする(?)
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.5

終盤の展開が良かった。回想と解説というナレーションの形式は、かなり無理のある場面接続を可能にしてくれるけど、取扱注意だとも思った。

ラストのハーレイ・クインのファッションが好き。

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

4.0

人物を新規に登場させる場面の作り方が上手い。会話の細部がギャグタッチなのも良かった。

イップ・マン 宗師(2019年製作の映画)

2.0

これは酷い。

これではデニス・トーがかわいそうだと思った。
ドニー・イェン主演の『イップ・マン』シリーズや『カンフーハッスル』その他の香港映画へのオマージュは感じるけど、各場面が切り貼りしているだけ
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エンドレス・エクソシズム(2018年製作の映画)

3.0

新年一発目(に観る映画じゃない気もするけど)。

怪現象描写は良いけど、登場人物同士の関係性がやや弱い。あと、なぜ主人公は殺されなかったのか、という問いに対する答えが与えられないまま終わってしまうのは
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ランボー(1982年製作の映画)

3.6

ランボーの復讐が明らかにやりすぎで笑ったけど、たんなる個人的復讐ではなくアメリカ社会に対する戦争をやってたんだな。

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