ホウ・シャオシェンには続篇、というよりまた武侠映画を撮ってほしい。出てくる人たちの動きが皆とても鋭い。デジタル感が強く出ていても、照明が落ちてない。感情の描き方が相変わらず非常に上手い。サントラが現>>続きを読む
珍しい銃を使ってるボンボンだから、何かしでかすだろうなとわかる。弁護士とマジシャンの役の俳優がとても良い。女優の寝かせ方とか、刑務所でブノワ・マジメルが面会を断るシーンにおける『暗黒街の弾痕』のよう>>続きを読む
あえて役者にカメラを意識させつつ、必要以上のところまで近づけてないところが良い。自殺しようと銃を口に突っ込んで、むせるところがシビアだ。ゲルマンの映画にカラーの場面があることに驚いたが、品が良いカラ>>続きを読む
戦闘シーンのカットの切り替えとか動きの滑らかさが良いと素人ながら思いました。ただ俺の好みからすると精神に問題を抱えすぎている人が多いです。特にヒロインは重度だと思いました。シャアはロリコンらしいです>>続きを読む
「蒸気」の点数です。映画自体はすげえ理屈っぽくて予想通りのことしか起きなくて面白くなかったです。予想以上の動きは「蒸気」しかしてません。あと三船敏郎に「兜が重い」とか言わせないでほしかったです。
ガンマンにとって「空間把握」と「一瞬の勝負」がいかに重要か、それがよく伝わる。あっけなく敵が殺されているように見えるのは勝負が「一瞬」のものだからだ。敵は全員強い。
丁寧な仕事。「草食系」ほど女優を可愛く撮らなければならないことがわかっている。盾というのは危なっかしく感じたが、合理的に思えてきた。
コリン・ファレルに油断するな。「マイアミ・バイス」で彼は「動きが本物」という長所と「情に流されやすい」という短所を提示し、「ロンドン・ブルーバード」では、その短所があだとなってしまった。「デッドマン>>続きを読む
状況は深刻。「サミュエル・フラー」の霊魂を発見。繰り返す。「鬼軍曹ザック」「最前線物語」の「サミュエル・フラー」である。「誰」か批評を書いてほしい。
形式的・構造的には多数の人間たちのそれぞれの「戦争の物語」を匿名化した複数性のものとして描くことで「戦争映画」が陥りがちな情報の中心化・偏在化を避け、映画的倫理をもった距離感で相対化しているという点>>続きを読む
ソ連の映画の語り口がこんなにアメリカ的でよろしいのか。アンソニー・マン的俯瞰ショットを利用した銃撃シーンのアクション造形だとか、捕虜が懐疑心を持たれた兵士に連れ出される場面の夜の照明だとかが良い。反>>続きを読む
捜査官の妻が夫を庇うシーンにおける照明修正クローズアップがドキュメンタリータッチでドライかつ経済的に進む映画にエモーションを生み出している。この演出は後に「裸の拍車」の素晴らしいクローズアップを予告>>続きを読む
集団の会話をオフの音声として処理するとかそういうさり気ないところを「小津」精神で撮っているのが良い。録音や寄りにかなり気を使い、「奇跡」もそうした映画的演出で描写することにこだわっているのが良い。窓>>続きを読む
映画熱が冷めきっているときでもホークスは面白く感じる。1,2回目の鑑賞時にはそれなりにあった「ストーリーの全体像把握への欲求」が完全に冷めていたため、かえって個々のシーンの演出や、照明、役者の演技と>>続きを読む
空間把握や視点転換、ショットに流石と思わせるところはあったがウォルシュの観てきた西部劇のなかではこれというほど突出したものを感じなかった。
ロジャー・コーマンは今のところ「あらくれ5人拳銃」以外乗れない。キャラクターの造形、台詞も紋切型だし、同じ時期の同じような題材の「殺し屋ネルソン」にあった突発的な暴力の恐怖がない。語り口の経済性のみ>>続きを読む
見るたびに困惑してしまうレベルですごい。どうしてこれで話が流暢に進むのかわからないし。人間をどうしてこのように描けるかもわからない。物語的高揚に沿ったショットが誇張化されることもなくしっかりと挟まれ>>続きを読む
イーストウッドがオランウータンのように吠えたシーンで細かいことは良いじゃないかという気にさせてくれた。イーストウッドパンチ(カメラへのパンチ)、立ち姿というスターとしての特権性が強調されているという>>続きを読む
「マッドマックス」よりアクション演出が向上しているとは言いかねる。構図を出そうとしているような画も多いが、直後に挟むショットを間違えている。台詞が少ない映画のありがたみなら「ドライヴ」のほうがやや感>>続きを読む
均質化への反動性という意味で「神々のたそがれ」と質的に差異はなく、ポリフォニックな触感的振動を物語変化の起爆剤としてさり気なく配置しているぶんよりタチが悪い映画だと思う。
人間の音声がかぐや姫を変>>続きを読む
「男女の会話が別の場所での不幸な事件を勃発」というのを反復させることで、クライマックスにおいて会話を止めて友人の議員の家に向かう主人公の行動に説得力をもたせているところと、暗殺者との攻防場面における>>続きを読む
ヘリが襲ってきて洞窟に入って今度はヘビに襲われる、というシーンの恐怖演出を空間的にも音響的にもなんら工夫せず、音楽の力だけに頼りきるのはいくらなんでもなかろう。場面転換の単調さも物語従属的で面白みに>>続きを読む
単純な映画が好きなため、なんとなく遠ざけていた作家だったのだがこれは割と知識より個々のシーンの即物的、触感的魅力で入り込めたので楽しめた。タルコフスキーがある意味はっちゃけた映画なのかもしれない。傷>>続きを読む
中島貞夫は深刻な状況から喜劇性を生み出すのが上手い監督という印象しかなかったが、これを観て評価が上がった。肉親の情といったメロドラマ的感傷に悩まされず対立しあう兄弟の鏡像性を酒場のシーン、ラストのド>>続きを読む
名作と言われてることに疑問を感じたりはしなかったのだが、ファム・ファタール物というにはヒロインの行動動機が明解すぎる部分が多い。というよりは恐らく場面にふさわしい見事な照明が当てられているにしても、>>続きを読む
評価はマイナス五兆点くらい。ある時点からまさか小津をやっているつもりなのかという悪い予感に襲われ、能のシーンで予感が的中し、頭痛に襲われる。善良機械のおしゃべりマシーンしか出てこない典型的な映画とし>>続きを読む
物語ではなく撮りたいシーンから映画を構成している感じは良い。スピルバーグの映画はどこかしら青臭さが強く感じるものが多いが、初監督作品は特にその匂いが強い。
「金を渡す」という行為を物語変化の契機としてカッティング等で強調的に描いているところは良かった。スコセッシにしては技巧ではなく物語展開に必要なカメラ移動にも気をつかっている。照明やこの手の師弟関係モ>>続きを読む
リタ・ヘイワースが立ち上がり歩き出すシーンと最後の縦の構図だけで傑作。シネスコにおけるトラッキングショットはこうであれという感じの見事な撮影。
一度見直したら随分と細部を見逃していたことが判明。フォード映画における「男の敵」「果てなき航路」のポジションに位置する傑作であると思う。有馬稲子演じる娘の幸福への予兆は照明により奪い取られており、最>>続きを読む
「赤ちゃん教育」程イカれてはいないものの、ドアや時計といった小道具の使い方がちょいとくどいとこもあるにしても楽しいし、ケイリー・グラントの転び方も見事である。ちょっとアイリーン・ダンという女優がこの>>続きを読む
音楽のマグガフィン的な使い方、やたら叩くピーター・ローレが良い。最初にヒッチコックみたいにカメラが窓から侵入していくとこで驚く。こういうミステリー的驚きのほうに行くなら「孤独な場所で」のように「内と>>続きを読む
久しぶりに見返す。アンソニー・マンらしい俯瞰、仰角ショットが上下の高低差のサスペンスを高めていく。ラストのシークエンスは照明を修正した異次元クローズアップだけでなく、ジェームズ・スチュアートとジャネ>>続きを読む
黒沢清が活劇になると面白い人という文脈でクローネンバーグを評価してた気がするが、ちょっと同意。クローズアップの使い方には乗れないのだが、銃を取り出し始めると画面が活性化する。