SatoshiFujiwaraさんの映画レビュー・感想・評価

SatoshiFujiwara

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映画(685)
ドラマ(0)

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.2

シンプルなストーリーをナラティヴと画面で飽きさせずに観させ、久しぶりのサム・メンデスは良き哉。いろいろ上手いなと。映画の中間地点、砲弾を浴びながら崩落した橋をなんとか渡り切ったスコフィールドがその砲手>>続きを読む

汚れた手をした無実の人々(1975年製作の映画)

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前売は買っていたけどなんの予備知識もなく観始めたら「え、シャブロル作品にロミー・シュナイダーかよ」と思うや否やしだるま状態のロミーに「他に何が要るの?♥」とのたまわせてボルテージが急上昇したのはいいが>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.9

半地下、ってのが効いている。言うまでもなく上層階ではなく、路面に面しているのでもなく、かと言って明確な地下でもない。その半地下に押し込められた家族4人は、他の大勢とは違った位置から道端で繰り返し立ちシ>>続きを読む

Wedding in Blood(英題)(1973年製作の映画)

4.4

フランスの地方都市のどことなくうらさびれた街並みはそれだけで絵になるというか映画的な想像力を喚起させるものがあるが、本作など冒頭からまさにそんな感じ。

いささか誇張されたステファーヌ・オードランとミ
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ラストレター(2020年製作の映画)

3.2

おっさんの心の奥底に内在する中二病的な願望が先鋭化されて臆面なく開陳されているのがあっぱれ、というかもはやセルフパロディの域。あるいは無理が通れば道理引っ込む。毀誉褒貶どこ吹く風、岩井俊二は岩井俊二で>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.3

映画的な脚色の施し加減は知らんれど、冒頭からしばらく、リチャード・ジュエルは「底辺生活者」(故意にこういう書き方をしている)であるが故か、その反作用としての法と正義への潔癖なまでの指向性がある種の認知>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.4

敢えてシネフィリー的なことを書くが、会話の中で一瞬スティーヴ・マックイーンへの言及があったのは『栄光のル・マン』へのオマージュ、7000回転への度々の言及は同様にハワード・ホークスの『レッドライン70>>続きを読む

コミッサール(1967年製作の映画)

3.9

のちに生まれる子供への、その親であるクラウディアが歌う子守唄が流れる中(この段階では子守唄とは分からない)画面に出現する騎馬兵たちのモブシーンからして素晴らしい。本作は全てのショットにかような力が漲っ>>続きを読む

ディアーディアー(2015年製作の映画)

3.7

タイトルとかキャッチコピーからしてずっと軽いノリのコメディかと思っていたら、まあ軽いは軽いが割にいたたまれない話じゃないの。中上健次的な血縁っつーか「路地」感をうんと飲みやすくした感、だがそれでも重い>>続きを読む

車夫遊侠伝 喧嘩辰(1964年製作の映画)

4.2

橋の上から車夫の人力車ごと喜美奴(桜町弘子。本作でのこの人の顔好きですねえ)を川へぶん投げるシーンのユニークな描写。これが唐突な惚れた→求婚につながるのならば、ラスト、焦らしに焦らされ伸ばしに伸ばされ>>続きを読む

8月の終わり、9月の初め(1998年製作の映画)

4.8

本作、7〜8本ほど観たアサイヤス作品中では間違いなく最高、と言うか全作品中でも最高なんじゃないかと無責任に断言したくなる出来。多用されるバストショットと手持ちカメラは、まるでアマルリックやバリバール、>>続きを読む

サスペリア(1977年製作の映画)

3.9

いきなりの広角レンズ使用に非現実的な赤い光で来たコレ感あり。とにかく赤=血の視覚イメージで徹底的に塗り込められるが、歯並びのおかしなルーマニア語しか話せない下男ってのは歯=吸血鬼、ルーマニア=トランシ>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.1

冒頭の列車のショット→ウェンディが画面右に犬と戯れながら進んで行くところをロングの横移動で撮り、そこへ犬へ話しかけるウェンディの声とやはりウェンディの何気ない鼻歌がかぶさって流れて来るのだが、なんてこ>>続きを読む

ホームワーク(1989年製作の映画)

3.6

何せ『トスカーナの贋作』のキアロスタミであるから、単なるドキュメンタリーとして観る訳にもいかない。宿題について沢山の男の子にキアロスタミその人が次々と質問していくが、男の子を正面から捉えたカメラそれ自>>続きを読む

七月のクリスマス(1940年製作の映画)

4.3

コーヒーのキャッチコピー募集に応募したジミー(1等は25000ドルの賞金)は自分のアパートの屋上で婚約者ベティと一緒にラジオでその結果発表を待ち構えている。2人の会話が次第に気まずい雰囲気になってベテ>>続きを読む

雪の断章 情熱(1985年製作の映画)

4.2

演劇ってのは基本的にその場でリアルタイムに共有する三次元体験だけど、その演劇の特性をまんま映画=映像という二次元で観られるのが前提のメディアに移植したらどうなるか的世界。くさい芝居も相まって全てがいき>>続きを読む

フラワーズ・オブ・シャンハイ(1998年製作の映画)

4.7

東京フィルメックス、デジタル修復版日本初上映。実は本作未見、こいつはいい機会だということで。

登場人物を決してクローズアップにせず、ほとんど水平な位置からフルショット及びバストショットで距離をおき捉
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HHH:侯孝賢(1997年製作の映画)

3.7

東京フィルメックス

終映後のアサイヤスのトーク/Q&Aでシネフィル的な観点からではなく人間ホウ・シャオシェンを捉えるべく撮ったと言っていて、まさに観ながらアサイヤスならもっとシネフィリーな視点やら質
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ヴィタリナ(仮題)(2019年製作の映画)

3.3

東京フィルメックス

ほとんどが暗闇の中で展開される長回し、それゆえそれぞれの登場人物の輪郭(これは視覚的にも人格的にも)が渾然一体となって溶解し、少しボーッとしていると誰だか分からなくなる(つまりボ
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風の電話(2020年製作の映画)

4.4

基本的に諏訪敦彦を信頼している。それは「この主題に則してどう撮るべきか」という方法論が視覚的なアクションとしてきっちりと画面に定着しているからで、例えば冒頭の広子(渡辺真起子。下手すると渡辺真起子と気>>続きを読む

THE DEAD CLASS/死の教室(1976年製作の映画)

4.3

ポーランド映画祭2019

タデウシュ・カントル、名前は有名だが最近はその演劇作品を観る機会がなかなかなくぜひ何か観たいと思っていた訳でして、代表作と言われている『死の教室』の舞台をワイダが撮っていた
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ウィリーが凱旋するとき(1950年製作の映画)

4.5

ひさびさのジョン・フォード、やっぱクソ面白い。個人的には『わが谷は緑なりき』や『黄色いリボン』的なやつよりは『周遊する蒸気船』ライン(?)の軽やかで荒唐無稽な作品にジョン・フォードの面白さを感じている>>続きを読む

結婚スクラム(1938年製作の映画)

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タイトルで4人(豪華な4人!)が音楽に乗せてリズミカルに闊歩するシーンのあと急激な睡魔に襲われほとんど夢の中(貴重な機会なのに…)。観たとは言えないが一応記録しときますわ。仕事後の鑑賞寝落ち率高し。賑>>続きを読む

ゴーストタウン・アンソロジー(2019年製作の映画)

3.4

TIFF2019

ドゥニ・コテについては名前すら知らなかったが、某映画批評家がツイッターでかなり褒めていたんで観てみた(観ようとした時点でチケット完売、ちょいちょいウェブページ覗いていたら1席だけ戻
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WASP ネットワーク(2019年製作の映画)

3.7

TIFF2019

『カルロス』に続いて割と短期間にテロ(テロリスト)を作品の題材にした辺りアサイヤスの何らかのこだわりがあるのだろうけど(いや、単にネタ的にイケるからか)、それはともかくこれは面白い
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.6

TIFF2019

いやなんか、こういう世界は真人間(笑)であるがゆえのまっとうで贅沢な悩みだなあと真人間ではないわたくし(自虐)は眩しくて少し引いてしまわないでもないが、しかし超上手い。ノア・バーム
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戦争のさなかで(2019年製作の映画)

3.6

TIFF2019

スペイン現代史については通り一遍の知識しか持ち合わせていないが(昔レネの『戦争は終わった』を観てスペイン独裁とフランコ将軍についていくらか意識的になりましたね)、恐らくは史実に極め
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クール・ワールド(1963年製作の映画)

3.4

なるほど演説者の顔を真正面からクローズアップで捉えつつの「白人は悪魔だ!黒人こそが人類の起源だ!」というマニフェストがブチ上げられる冒頭シーンは強烈な印象を残すが、その感興が持続するのは遠足なのか社会>>続きを読む

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

3.9

一応昔観てますが細部はほぼ忘れてました(苦笑)。

改めて観て。

バロック的、と言うと単純な要約かも知れないが、個人的に本作で興味を誘うのは一見したところの「語るスタイル」の混合、にも関わらずそれら
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停止(2019年製作の映画)

3.7

TIFF2019

ラヴ・ディアスが特段好きな訳でもないが、昨年TIFFでの『悪魔の季節』もやはりまだ一般公開されてないし、逃すと観れるのはかなり先だろうと何となくチケット取ったら上映時間283分と聞
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ラ・パロマ(1974年製作の映画)

4.8

へルヴェティカ・スイス映画祭にて。

相当久方ぶりの再見、ヤバイ作品との記憶はあったが、今観たら記憶していたのよりさらにヤバかった。冒頭の静穏な夕暮れの湖畔を捉えたショットに被さる神経を逆撫でするか
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ジョーカー(2019年製作の映画)

3.2

DCコミックスにも『バットマン』にもほとんど思い入れがない立場から言えば、インパクトがあるにはあるけれどもほどよく教訓的かつ図式的で無根拠的な荒唐無稽さに欠ける。ホアキン・フェニックスはもちろんゴイス>>続きを読む

魂のゆくえ(2017年製作の映画)

3.7

この静謐さと審美的な映像にはかなり心惹かれる自分がいるのだが、しかし本作の2017年という設定でベルイマンの『冬の光』そっくりのお話やらブレッソンの『田舎司祭の日記』まんまの牧師のモノローグを持って来>>続きを読む

ハイ・ライフ(2018年製作の映画)

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採点放棄(苦笑)

無機質でスタイリッシュな映像と音楽は素敵だけど、タルコフスキーとキューブリックを足して2で割った上にクレール・ドゥニ的な生々しいえげつなさとメタフィジカルなものへの指向性がトッピン
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