HomareKarusawaさんの映画レビュー・感想・評価

HomareKarusawa

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葬送のカーネーション(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

祖父は‪祖国の魂を継承させたい。口には出せない。賛同者はいないから。‬
‪人生は虚無なのかの問いかけ(伏線)‬
祖国には連れて行けず、孫娘の心にいるのは祖母でなく母だった。‬
だが最後に身体だけは残っ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

父(カラム)は離婚により別れた11歳の娘と束の間の旅行をする。父娘水入らずの最後の旅かもしれない。最高の旅となることを期待して興奮で夜も眠れない。良き父であろうとするも、娘を退屈させ、未熟な自意識が露>>続きを読む

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

2.0

ぬいぐるみを愛でる映画じゃなかった。
直感でこれキライと思ったので2.0。

自意識オバケが自己の加害性と被害者性をやたら膨らませて節制し合うのって「優しさ」かって、ディストピア味を感じるんだよね。
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

5.0

子供椅子に感情移入しました!
エモーションが激しく動いたのは、お尻や足が椅子である私と接触するところと、靴を失くして痛そうでこっちまで辛くなるところ。

欠落を抱えた子供椅子になって好きな女子に受容さ
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東京残酷警察(2008年製作の映画)

3.0

近未来の日本を舞台に「権力の(子供っぽい)残酷さ」を描く。裏テーマはたぶん「怒られない範囲でえぐい描写やれるだけやる」。

『仮面ライダーBLACK SUN』とスピリットが似てるという噂をきっかけに観
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カメの甲羅はあばら骨(2022年製作の映画)

2.0

「人間の骨格を動物に置き換えたら面白いよね」が原作の魅力なのに
モブキャラが全員、鼻が長い以外は普通の人間のゾウというデザインはなげやりすぎないか。
人間離れした骨格の人々がうじゃうじゃ暮らす社会での
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最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

2.5

古典SFの朗読。
旧ユーゴのスポメニック(記念碑)の異形の建造物を異世界の文明の遺跡に見立てながら、ヨハン•ヨハンソンの壮大な音楽を聴く。『メッセージ』のサントラをやった人。

時空を超越した存在への
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イノセンス(2004年製作の映画)

3.0

登場人物ことごとく電脳の検索結果を引用した気取ったセリフをつぶやき、トグサが常識人のツッコミを入れるという噛み合わない会話が続く。
少佐にまた会えてうれしいという素直な情動も表せなくなっているバトー、
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共想(2018年製作の映画)

4.0

東日本大地震から年月が経ち疎遠になっていた二人の、心残りと心の壁。
忘れえぬ人といつかまたという祈り。

ドキュメンタリーと錯覚させる臨場感のシーンが面白いし、なんと言ってもお愉しみはミニマルに主役二
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HACHI 約束の犬(2009年製作の映画)

3.5

あけましておめでとうございます🎍

忠犬ハチ公の物語の舞台を現代のアメリカに置き換えたと聞いて期待する通りのハートフルなドラマです。登場人物は優しい人しかいないし、余計な風刺やギャグもありません。
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ハレンチ学園(1970年製作の映画)

2.0

造成工事の真っ最中のような何もない場所にある聖ハレンチ学園。身勝手でスケベな教師が規律の乱れた生徒を鍛え直すためにスパルタ授業でシゴキをしたり女生徒の服を脱がせたり、金を踏み倒しながらのインチキ修学旅>>続きを読む

ゼイラム(1991年製作の映画)

3.0

脱獄した凶悪宇宙怪人ゼイラム、彼を捕獲しようとする賞金稼ぎの美女イリア、巻き込まれる秋葉原の電気工事屋の神谷さんと鉄平の奮闘を描く。

見どころは1990年のGANTZ的な異空間の日本の町で繰り広げら
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ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

3.5

娘を救いたい殺し屋vs殺人狂の暗殺者。
ハードなバイオレンスアクション。
序盤では日本の居酒屋やラーメン屋がでてきて親近感が湧く。中盤からバンコクに舞台を移すと街中でマシンガンぶっ放したり手榴弾を爆発
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アンテベラム(2020年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ジャネール・モネイの一人二役、社会階層の分断がテーマのポリティカル・サスペンス。
特に印象的だったのは、
ラストの憤怒の形相の仁王像みたいなすごい顔芸と、
『プレシャス』のスーパーサイズ黒人女性の自由
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サマーゴースト(2021年製作の映画)

3.0

夏と花火。
ノスタルジーの映画なので晩秋に公開するのはピッタリです。
自分も学生時代に友達と花火をしたなあとしみじみ思いながら観るわけです。

ノスタルジーは自分への憧憬です。ナルシシズムが寄り添って
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アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)

4.5

細かいディテールを見つけるのが嬉しい映画。
誰かの内面を発見してゆくのは楽しいんだよといってくれている。

シオンは純粋超ポジティブな言動と外観だが、存在の根幹には強烈な愛着がある。危険な地獄の妄念に
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.0

優れたホラーは時代の恐怖を反映する。
少子化。
草食化・恋愛の忌避。
倫理なき科学の発達と社会にラジカル・フェミニズムが浸透して行き着く先は「“生殖”が否定された世界」なのではないかという恐怖。

J
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Shari(2021年製作の映画)

4.0

知床の雪の中、獣の血の塊が動き出したような存在。まとわりつく氷と自身の血肉の重さにううめきながら、汗だくになって遊び踊る姿は、生命と熱量の奔流のようだ。

映像作家・ダンサー・振り付け師の吉開菜央さん
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シンデレラ(2021年製作の映画)

3.0

賛否バッキリ分かれている評判を聞き、良かった探しをするつもりで鑑賞しました。
次のポイントはあらかじめ知ったうえで観ました。
・家事労働するのは姉たちや継母。あまりいじめない。姉たちの足の指やかかとは
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ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

4.3

テンポいいのに、ところどころのゆったりした余韻が素晴らしい。
お姉さんとの別れのシーン、来るべきその瞬間に慄きつつ大人びた受け答えをする切なさが好きだ。少年のひと夏の恋、冒険と友情が瑞々しい。

アヴリルと奇妙な世界(2015年製作の映画)

2.8

些細な愚行が世界を絶望に満ちたものに変えるし、地味なひとりひとりの意思が世界を守るというメッセージは評価したい。
とはいえ後半になるにつれストーリーがダイジェスト感一杯になってくる。

ジブリ感がうる
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カラミティ(2020年製作の映画)

4.0

あらすじ。マーサは聡明で気丈な娘。負傷した父の代わりに男の領分とされた仕事を上手くこなすが、女の仕事には興味がない。女らしい格好をしないことから仲間や家族から疎まれ、同調圧力に苦しんでいた。あるとき盗>>続きを読む

劇場版 ユンカース・カム・ヒア(1995年製作の映画)

3.5

細やかな描写と水彩調の背景が良い。
季節の変化、後半の雪の風景が素晴らしい。

ストーリーは丁寧で矛盾はないけど、
問題を抱えていて離婚を決めた夫婦が子供のために離婚を取りやめることが良き事と描かれる
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岬のマヨイガ(2021年製作の映画)

4.0

みんなの苦しみに寄り添おう。まさしく震災応援の作品でした。

傷を抱えた人が傷を克服する話ではありませんでした。ここにいていいよ。でも自分だけひどい目にあっているんじゃないよ。他のみんなも何かに傷付い
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

5.0

ラストはすずがナウシカになる話です。だから、たった一人で身を投げ出して危機に立ち向かうわけです。すずの母の声優が誰かが鍵です。

細田監督が描きたいと希求する理想のヒロインがその「姫」。

自分が何者
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.5

キャラクターがみんな愛おしいな!
それぞれ見せ場がイカしてて嬉しいが、
なかでもハーレイの大立ち回りがキュートだし、ウィーゼルは出る場面全部楽しい。

犬鳴村(2020年製作の映画)

2.0

それはないだろ、の積み重ねで後半になるほど説得力なくなる。

何が呪われてるのかよく分からないし、
幽霊と対話してしまって幽霊が説明役になったりして怖くない。

明菜が立ちションかなと思わせてペットボ
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スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)

2.5

ハーレイクインはいいけど、ウィルスミスとか良い人過ぎるだろ。もっとド畜生の集まりか、独自の悪の信念を貫く人々を期待していたからアレレとなった。ラスボスを倒すモチベが低かったな... ジョーカーが世界を>>続きを読む

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

4.5

最高に楽しい特撮ファミリームービー!
主人公の凶悪妹を筆頭に、頭のおかしい人が臆面なく生き生きしててスッキリ爽やか!
クリーチャーもキモカッコイイ!

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.5

ぱっと見、映画作り蘊蓄アニメでしょ? て感じですが、遥かに面白いしクオリティも高かったです。
物作りに人生懸けた人を救う作品です。

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

3.5

「春」は上っ面ぽいと思ってたけど、破局の予感がしてくるころから俄然面白くなる。最後の落ちがガツンとくるね。至福の美味を想像させてからの、ほろ苦さが堪らない。

ゾッキ(2021年製作の映画)

4.0

判くんが印象的。
最初から死にたがりで怖いし、次第に狂気の度合いを深めてゆく。そんな彼だが、「治る」とかでなく、「誰かのかけがえのない者になる」ことで理解者を得て、ありのままの判くんのままで幸福になっ
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8 1/2(1963年製作の映画)

3.5

こりゃ映画できそうもないぞと分かってきてもまだ見捨てない人達、最後まで主人公に付き合い決着をつけて人生に向き合えと厳しく言ってくれる人達は、良い思い出、悪い思い出、今も心に残る解決できないモヤモヤだ。>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.6

キャラクターたちが長年の執着や心の傷から解き放たれ、救われていった。僕らもだ。

ピノキオ√964(1991年製作の映画)

2.3

1991年の時代の中での、ゲリラ撮影の臨場感と疾走感を愉しむ作品。
意味不明だったり、何映してるのかわからんところも多いし、冗長すぎるし、ダサい場面もいくらもあるが、最後まで見切れば凄いクソ映画を観た
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.0

別れの予兆がよぎり、いつしかどうにも身動き出来なくなっている。辛いよね。あのときどうして分かってやれなかったかと、思ってしまうよね。出会った頃の気持ち、愛しんでしまうよね

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