志賀さんの映画レビュー・感想・評価

志賀

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クレアのカメラ(2017年製作の映画)

3.2

ホン・サンス監督の映画を観るのはこれで4本目です。本作を含めていままで観たのはキム・ミニを主演に据えた「正しい日 間違えた日」以降の4本です。

この作品を見てて、ホン・サンス監督のこれまでの作品に感
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岸辺の旅(2015年製作の映画)

1.1

すべてが臭かった。

くっさいビデオの画質、ホームスタジオ丸出しだったり90年代のTVのコント番組みたいなくっさいセット、まるでなってないくっさい編集・つなぎ、実生活で絶対に吐かない文字列のくっさい台
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

悪者たちもすべて滅ぶ。自分が考えるより思いがけずそれが早く訪れる者もいれば、老いて朽ち果てやっと滅びる者もいる。209分に及ぶその滅びの唄、長すぎた。

明らかに物語のそして映像のテンションがどんどん
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ジョーカー(2019年製作の映画)

3.5

まず画力のある監督だなと。印象に残るショットが山ほどあった。テーマも良かった。緊縮財政で荒廃する街、悪化する治安、切り捨てられる福祉、そのしわ寄せを受ける弱者たち。本作で舞台となった架空の都市ゴッサム>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

自分の道を見いだせず幼少の頃から落ちこぼれ続けてきた青年が、テロ犯から多くの乗客の命を救う。「大きな目的に向かって人生に導かれる」ようにその電車に乗った中学からのおちこぼれの親友3人。

実話をもとに
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

「父親たちの星条旗」以降でイーストウッド監督が繰り返し扱っているテーマが以下のものです。

・死地から生還して、周りからは英雄と称えられながらも心の傷に悩まされる主人公
・自分では制御が出来ないような
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青春群像(1953年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

定職を持たず、日がなつるんでる穀潰し5人の群像劇。冒頭、雷雨に襲われるパーティーの華やかなわちゃわちゃ感。新婚旅行のお土産のマンボのレコードを掛け、広場で踊りだす二人の男。カーニバルの半ば痴呆的な祝祭>>続きを読む

フランシス・ハ(2012年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

学生時代の痛いノリのまま大人になれず、才能もないまま大都会NYで夢を追う女性。終始、そのハシゃぎが痛々しく、そして映画そのものの綴り方も、この女性主人公(グレタ・ガーウィグ)と同調するかのような痛々し>>続きを読む

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

互いに己の「正しさ」を信じて、相手を叩き潰すことに夢中になった末に陥るのが戦争状態(別に国家間に限らず)である。

戦争は殺されたものだけが敗者なのではない。殺されたものの家族や恋人、友人。戦場になっ
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夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

10代の頃から、若さと性の力で優勝を重ねる女性たちを山ほど見てきた。そして彼女たちの若さがしおれていって次第に勝てなくなり、やさぐれたりドツボにはまったり悲惨な目に遭っているのも同じ数くらい見た。出会>>続きを読む

ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)

4.0

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ニュージャージーの貧民街から、音楽の才能だけを元手に栄光への階段を駆け上がる4人の若者の物語。成功と破滅、とそこからの再起。

よく言われているように音楽映画って、音楽をただ題材にすれば良いのではなく
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サスペリア(1977年製作の映画)

4.0

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ルカ版の『サスペリア』を劇場で見てずっとオリジナル版が気になっていたので見ました。

冒頭、ヒロイン(ジェシカ・ハーパー)が空港から降り立つシーン。自動ドアの機構の寄りと強調された音のノイズ。ロングの
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

仕事(舞台演出)や家事は出来て息子への愛情もある夫(アダム・サンドラー)と、夫も子供も愛しているが自分の価値を(誰かに)認めてほしくて(確認したくて)息子を連れて夫と別居することになった妻(スカーレッ>>続きを読む

J・エドガー(2011年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

脱法行為も厭わない捜査・取り締まりなど権力を暴走させることも多々あったFBI。その発足から組織を育て上げ、37年にも渡り長官を務めたエドガー・フーバー(レオナルド・ディカプリオ)の物語。

潔癖症、吃
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ヒア アフター(2010年製作の映画)

2.1

このレビューはネタバレを含みます

脚本の筋回しとしても映像の文法的にも巧みさが際立っていて破綻なく見れるようにはなっているが、一本の映画として見通したときに、2時間以上も一体これは何を見せられていたんだという感想を抱いてしまう怪作。>>続きを読む

正しい日 間違えた日(2015年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

『それから』に続いてホン・サンス監督鑑賞、2作品目。

デジタビデオの鮮やかではあるが退屈で平坦な色、奥行きの無い画。そしてホン・サンス監督の伝家の宝刀(なんですよね?)ガタガタズーム。主人公の寒い語
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インビクタス/負けざる者たち(2009年製作の映画)

4.5

これまで抑圧を受けていたものが、時代の流れで抑圧を受けなくなったときどう振る舞うのか。もっともよく見受けられるケースは、単純な立場の反転。錦の御旗を得て、これまで自分たちを抑圧してきた者を、逆の立場と>>続きを読む

チェンジリング(2008年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

愛のために傲慢と腐敗にまみれた権力と闘い抜く女性の物語。イーストウッドはこれまで権力の理不尽で絶対的(に思える)力と闘う男を度々撮ってきた。しかし本作では行方不明になった息子の救出を願うシングルマザー>>続きを読む

それから(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

初ホン・サンスです。

常々、同じ職場のクッセェ家庭持ち上司とダッセェ不倫している人は全員目も当てられないぐらいに悲惨な死に方をして地獄に落ちて欲しいと切に願っている祈っているぼくからすると、この作品
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硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)

3.9

善悪二元論ではなく敵側も味方側もさまざまな背景や物語、特有の人生を送ってきた人たちが殺し合いをさせられていたのだとはっきり浮かび上がらせる脚本、見せ方になっていて本当にこの監督のジジイは慎ましく誠実な>>続きを読む

父親たちの星条旗(2006年製作の映画)

4.9

今から人を殺しに行く戦士というよりは、むしろ少年と言った方が適切なほど顔からまだ幼さが抜けていない青年たち。戦場に向かう船の中で、タバコを吸い、トランプをし、我流での散髪や、ラジオに合わせてギターを弾>>続きを読む

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

4.6

ふーん、30超えてても何かをひたむきに頑張れば貧困から抜け出せるっていうアメリカンドリームの話ね。うーん、それにしては淡々と進んでくなあ。ロッキー好きだしそれでも見れるけど、こんなもんかあ、と。ああな>>続きを読む

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

5.0

まるで呪われているかのように次々と起きる最悪なこと。行き先は粉砕機、止まらないベルトコンベアに乗せられたような人生。どこかで何かを間違った。それも決定的に。その時の過ちが雪山の雪崩のように人生の局面局>>続きを読む

ブラッド・ワーク(2002年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

シリアルキラーによる予告犯罪。主人公と犯人二人きりでの暗闇の街の追跡劇。冒頭から『ダーティー・ハリー』を想起させるシーンが続く。闇夜のフェンスをよじ登る犯人。しかし、『ダーティー・ハリー』と違って、主>>続きを読む

スペース カウボーイ(2000年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

40年越しの夢を叶えるためかつて精鋭中の精鋭だった現・荒くれジジイチームがre-challengeする物語。かつて文字通り"前人未到"のフロンティアだった宇宙に、人類最初の一歩を踏み出す筈だったジジイ>>続きを読む

運び屋(2018年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

その頑迷さ故に人生の終わりぎわで、これまで積み重ねてきた多くのものを失ってしまった男。ひょんなことからドラッグの運び屋を始めざるをえなくなる。違法な稼業で掴んだお金でその失ったものをひとつひとつ取り戻>>続きを読む

許されざる者(1992年製作の映画)

4.3

過去の誤ちを引きずり続けている男が、決別したはずのものにふたたび手を染める理由はなんなのか。法とは言うまでもなく、つねにすでに暫定的かつ恣意的であり欠陥多きシステムである。その不条理なシステムの支配下>>続きを読む

グラン・トリノ(2008年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ビールとスポーツ観戦、庭いじりと人種差別が趣味のアメリカのクソジジイ。妻の亡き後、孤独(孤立)は深まるばかりだ。しかし多様性に(文字通り)触れることで、心はほどけていく。人種の別なくすべての者を口汚く>>続きを読む

ワイルドバンチ(1969年製作の映画)

4.6

贅沢すぎる西部劇だった。序盤からド派手な撃ち合い、無関係な人も容赦なく死にまくり。何頭もの馬で川を泳いで渡ったり、蟻地獄みたいな砂の谷に飲み込まれたり、ワインが入ったクソ大きな樽をライフルで撃ちまくっ>>続きを読む

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.6

これはアメリカの物語。すべての国民が、移民か、さもなくば父や祖父やそのさらに上の世代に移民の出自を持つアメリカという国を象徴する物語。ファミリーヒストリー。

陳情者の話を重々しく聞くゴットファーザー
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僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)

3.0

文句なしの5でした。孤独な人と犬との親和性。クソバカ映画でくだらねえ〜て1000回くらい観てる最中おもったけど、泣けて泣けてしかたかった。ぼくも犬みたいな人生を生きたい。無理なのはなんでかな、できるよ>>続きを読む

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

3.0

20世紀を代表する偉大な映画監督の作った偉大な作品なんだろう。それまでの人類の誰もが見たことのなかったイメージをカメラで美術で脚本で演出で具現化しているのがはっきりとわかる。

しかし何か物足りなさを
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わらの犬(1971年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

腰抜けの男が極限まで追い詰められ爆発させる暴力についての映画。

妻の故郷であるイギリスの片田舎に妻とともに移住してきたアメリカ出身の数学者(ダスティン・ホフマン)。研究に没頭できる平穏さを求め、物騒
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ダーティハリー(1971年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

善も悪もなく渇いたバイオレンスが全体において暴発する中、見下ろす者の目線と見上げる者の目線が幾度となく絡み合う映画。

その上下の目線の交錯は冒頭から顕著である。高層ビルの屋上から下に狙いを定める銃口
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さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)

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ボケ老人の戯言。だとは決して片付けられない何か。

一昔前のiPhoneで撮ったような、奥行きのない薄っぺらな画質。思いつきのようなイメージ、マヌケだったりバッチリ決まったりしている画と、自分以外の誰
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フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

追いかけて追いかけてひたすらに追いかける映像の連なり。ジーン・ハックマン演じる主人公は本作のほとんどの時間で、ある時は歩き、あるいは走り、尾行し、追跡し、しつこいくらいチェイスする。

観てる途中で北
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