しもさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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無垢なる証人(2019年製作の映画)

3.5

「あなたはいい人ですか?」
「自分の世界から出ない人には、その世界に入って行けばいい」
このセリフにドキッとさせられた。
そしてこのセリフこそ、この映画の本質を表しているように思う。

本当の自分とは
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母なる証明(2009年製作の映画)

3.6

物語の結末、賛同できないがなぜか納得できた自分がそこにいた。あまりにも深く、無条件の母の愛。それゆえの行動には、ああわかると思ってしまった。
途中まで見たときに、せっかくの週末に後味の悪い映画を見に来
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淪落の人/みじめな人(2018年製作の映画)

3.9

号泣。
立場の違いや国籍、民族、文化の違いを超え、人間として向き合ったとき、人は深いところでわかり合える。
そしてそのきっかけは夢に向かって一生懸命頑張っていることや、真面目に仕事に取り組んでいること
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ソン・ランの響き(2018年製作の映画)

3.5

孤独を抱えた2人の青年が出会い、お互いの孤独に気付き、その孤独を埋め合うように心を通わせていく。2人共が過去に縛られていて、それが孤独の一因になっている。ようやく過去から解き放たれ、新しい一歩を踏み出>>続きを読む

オルジャスの白い馬(2019年製作の映画)

3.4

コンパクトな映画にストーリーがぎゅっと詰まっている。カザフスタンの風景、文化、生活。どれもが興味深いが、オルジャス一家が巻き込まれる人生の荒波に相対するほかない。
何より森山未來がカッコいい。西部劇の
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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

3.8

何の前情報もなしに見に行った。
面白かった! 久々にエンタテインメントの楽しさを味わった。
最初は「動きが滑らかじゃないなあ」「ジブリっぽい」とか思いながら見ていたが、どんどん勢いに引き込まれ、そん
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his(2020年製作の映画)

3.7

見終わった後、なぜだか前向きな清々しい気持ちになった。
男とか女とか大人とか子供とか、都会とか地方とか。そんな区別どうでもいいじゃないか。人は一人では生きていけない。だったらつまらない区別はなしにして
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.8

文句なく面白かった。映画として面白かった。
途中から物語に引き込まれ、自分が韓国にいるかのように錯覚した。
お金だけが幸せじゃない。心の豊かさが大切。とかはキレイごとで、結局は持つ者に持たざる者の気持
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ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

3.5

やはり男が追うのは母の面影なのか。母を追うことで自分の人生をなぞり書きしているかのよう。
雨と夜のシーンが多く、正直なところ晴れ晴れとした印象はないが、水たまりに映るネオンや夜明け前の空の風景が美しい
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巡礼の約束(2018年製作の映画)

3.6

映画として完成された作品。扱うテーマは普遍的で親子の愛、夫婦の情愛だったり。無論チベット風に味付けされているが、その事だけを取り上げずとも素晴らしい作品だった。

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.4

スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーがいい。上手い。
おそらくお互いのことを嫌いではないはずなのに、少しずつたまった小さなズレが大きな亀裂を生んでしまう。せめて、ヘンリーが幸せに成長することを
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あなたを、想う。(2015年製作の映画)

3.7

不覚にも涙してしまった。
離れても、故郷への想い、家族への想い、母への想いは消えることはない。
海に囲まれた台湾ならではの題材。そしてまた、海=母の象徴でもあるのかな。

アンナ(1966年製作の映画)

3.4

カラフル、オシャレ、かわいい!
デジタルリマスター版で本当に良かった。あの色彩を楽しむことができて…
とにかくアンナ・カリーナの魅力がいっぱい詰まった映画です。ちょっとキュンとしたり、せつなくなったり
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第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)

3.7

絵画のように美しく、夢の世界に吸い込まれたよう。ベトナムの湿度の高い空気すらスクリーンから感じられる。
女性を描いた女性のための映画。通常意味嫌われる「血」の表現が何度も登場し「生」の生々しさを想起さ
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ロマンスドール(2019年製作の映画)

3.2

蒼井優の美しさと高橋一生の美しさを堪能する映画。
個人的にはピエール瀧が良い感じの役で出ていて、とあるシーンで吹き出してしまった…

さよならテレビ(2019年製作の映画)

3.8

テレビ離れが叫ばれて久しい今、テレビ局自身がテレビをどう料理するのか。
そんな興味本位で見に行った。
が、しかし。
予想を大きく裏切られた。
本作がフィクションなのかノンフィクションなのか、それすらわ
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幸福路のチー(2017年製作の映画)

3.6

やられたなあ。こんなにグッとくるとはなあ。
家族とか友達とか人生とか幸せとかいろいろ考えてしまった。
プラス台湾の情勢や文化についても考えさせられたし、層の厚さみたいなものを感じた。
見た人ごとにお気
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ガリーボーイ(2018年製作の映画)

3.8

あっという間の154分だった。
全編通して、音楽っていいなと思えた。
必死に生きる若者たちの魂の叫び、心に響いた。
爆音上映とか応援上映があったら、見に行きたいなあ。

大仏廻国(2019年製作の映画)

3.2

世界がこんな状態だから、そろそろ奈良の大佛あたりが人びとを救済するために立って歩くんじゃないだろうか。
などと空想してしまった…

典座 -TENZO-(2019年製作の映画)

3.4

世界が大変だ。
こんな時だからこそ考える。信仰とは、仏教とは、僧侶とは。
誰もが足るを知り、互いを大切にしながら生きていけたら、少しは幸せになるのかな。

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

3.8

親が子を思う、愛しい人のことを思う。
どんな関係性であれ、誰かが誰かのことを思う気持ちは尊い。
そんな純粋な気持ちを思い起こさせてくれた。ありがとう。

春画と日本人(2018年製作の映画)

3.5

永青文庫で開かれた「春画展」。開催にこぎつけるまでの秘話を関係者へのインタビューを中心に明らかにしている。
私も東京、京都両会場に足を運びましたが、開催までにあんな苦労があったとは!本当に尽力された皆
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お料理帖~息子に遺す記憶のレシピ~(2017年製作の映画)

3.6

なかなかの飯テロ映画でした。
オモニのレシピノート、欲しい。もしくはオモニの料理を出してくれる食堂が欲しい。

ストーリーはよくある親子の話かもしれない。認知症のくだりもよくある話かもしれない。だが、
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ドリーミング村上春樹(2017年製作の映画)

3.6

デンマークの人から村上春樹作品はどう見えるのか興味があって見に行った。
その浅はかさをはるかに超える1時間でした。
言葉、文章、解釈、翻訳、漢字、並行世界、自分の居場所…さまざまなことを考えた。
なに
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帰れない二人(2018年製作の映画)

3.8

私が見たジャ・ジャンクー作品では一番重い作品。せつないを超える。
一見、男が悪いだけのようにも思えるが、どちらの気持ちも理解できたり。だからこそ余計に辛くなる。
時間のせい、時代のせいにはしたくないが
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Girl/ガール(2018年製作の映画)

3.4

ララが身体的にも精神的にも追い詰められていくのと同時に、見ている側もどんどん追い詰められていく。
辛い。痛い。
唯一の救いは家族や医師が彼女を支えようとしていること。
ラストに少し希望が見えたけど、彼
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

3.8

打ちのめされた。
エンドロールが流れる中、自分の思考をどこに向ければいいのか考えていた。自分にできることはないのか?いや、違う。子供の貧困問題について勉強する?違う…
答えは見つからず、重い問題を抱え
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あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

3.6

せつなくもあり、励まされた気持ちにもなり。良い映画だった。
原題が「Sir」でこの言葉の持つ意味が重い。心の距離が近づいたとしても、越えられない高い壁がある。インドの現実が辛い。
その後の二人が幸せだ
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ロビンソンの庭(1987年製作の映画)

3.2

デジタルリマスター版で鑑賞。
日本が浮かれていた1987年にしてこのダイバーシティ感。海を越えて評価されたのも理解できる。主人公が女性っていうのも良かった。パンクとかはよくわからんけど、生きていく強さ
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旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

3.3

ミステリーハンターとか憧れてたけど、大変なお仕事なんだなあ。
とは言え、ウズベキスタンはいいとこです。ラストシーンの撮影場所に行ってみたい~

風をつかまえた少年(2019年製作の映画)

3.6

「良い話」だけではなかった。
お涙頂戴の成功秘話に割かれた時間は少なく、話のほとんどがマラウイの一家族の現実を描いていた。見ているのが辛くなるような時間が続く。学びたくともお金がないから学校に通えない
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こはく(2019年製作の映画)

3.4

最後の最後で涙腺崩壊。やられました。
父に自分の姿を重ねてしまう弟と、うまくいかない人生を父のせいにする兄。
井浦さんも大橋さんも難しい役柄を非常に自然に演じておられた。
それをやさしく包み込む長崎の
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希望の灯り(2018年製作の映画)

3.8

この映画にはスーパーヒーローは出てこない。
でも静かな勇気をもらえる映画だった。
世の中は捨てたもんじゃない。誰かがそっと見守ってくれている。働いていいんだ、生きていていいんだ、と小さく自分を肯定でき
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嵐電(2019年製作の映画)

3.4

京都の空気を内包した映画。
盆地独特の底冷えする冬の空気が体内に吹いたかのよう。
映画自体も自主制作映画華やかな頃を思い起こさせる空気感が漂っており、懐かしいと感じる人も多いんじゃなかろうか。
是非京
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慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ(2014年製作の映画)

3.7

全体に「死」の雰囲気が漂っていた。
悲壮感はないのに、すぐそこに死が迫っているような不思議な感覚。よく考えると人は一日一日死に近づいているのだから、不思議ではないんだけど。
近しい人の死に接してもなお
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春の夢(2016年製作の映画)

3.6

ものすごく狭い範囲のことを描いているのに、ものすごく広い映画だった。
冴えない男たちとマドンナとの日常。ただそれだけじゃなくて、脱北、介護、病、親子、性。さまざまな問題を描いている。下町と都市の対比。
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