しんどうさんの映画レビュー・感想・評価

しんどう

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ベティ・サイズモア(2000年製作の映画)

3.6

ラブロマンスはご都合主義が多いけれど、本作はちょっとやりすぎた感があった。
殺人や病院のシーンでかなり血がドバッと出るところもありそこは本気で作らなくてもと思ってしまった。

冷静に考えるとあんな
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レイチェルの結婚(2008年製作の映画)

2.3

このレビューはネタバレを含みます

これはハッピーエンドなのか?彼女はまた施設に帰っていく。母親との確執は?うーん、結局家族の問題はそんなに簡単に解決しないということなのか?なんともすっきりしないストーリーだった。家族物の感動ストーリー>>続きを読む

恋愛小説家(1997年製作の映画)

3.0

恋愛小説家という職業よりも、変質者扱いされている主人公。「人間嫌い」かと思いきや、本人は意外とかまってちゃんなのが、おもしろい。キャロルとの恋路は、一歩進んで3歩下がるような展開だが、中年同士の恋模様>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

4.1

白黒のエッセイといったようなおもむき。シーンの切れ目切れ目に長い暗転ポーズが入る。まるでページをめくるように。何の事件もなく、ラブシーンもなく、ムードだけで押していく。しかも少しも飽きさせない。新鮮だ>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.8

終わった瞬間は、解釈が難しいなと思った。
一つ一つのシーンを思い返してみると、見た方がどう考えるのかを問われていたんだと気付く。主人公が右往左往してるのを見て最初は笑ってても、途中からはなんとも言え
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サンドラの週末(2014年製作の映画)

3.8

サンドラの週末を、ドキュメンタリー調で淡々と撮っている。
サンドラの心情もそうなのだが、サンドラを通じて見る、同僚の家庭やヨーロッパの状況の方が気になった。
子供の教育費、離婚問題、恐らく移民であ
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リービング・ラスベガス(1995年製作の映画)

3.9

実にやるせない映画。
ありのままの相手を丸ごとすべて受け入れる無償の愛は、時に応じて享楽的な愛にもなり、エキセントリックな愛にもなり、破滅的な愛にもなるということを実感する。
ニコラスケイジがアル中
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赤い影(1973年製作の映画)

2.3

説明を省いた語り口で、しかも時々けれん味のある不気味な映像が挿入され、クライマックスまで何の話なのかわからないまま、しかし高いテンションを維持してストーリーが進む。
セックスシーン初め、冒頭の娘の事故
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.0

何気ないことから始まった恋愛が、紆余曲折ありながら突き進んでいく様子をポール・トーマス・アンダーソン監督らしく描いていく。
あたかも自分事のように感じる懐かしさも加わって二人の恋物語の行く末にも一喜一
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.5

続編を作るにあたり、色々紆余曲折があったやに聞いていたが、変な懸念をすっかり吹き飛ばしてくれた本作。亡き同僚の息子との確執、かつてのライバルとの再会、トムが演じるからこその恋模様。そして、なによりも前>>続きを読む

V.I.P. 修羅の獣たち(2017年製作の映画)

3.7

全編に渡る緊迫感と抜群の映像センスは見応え充分でさすがパク・フンジョン監督って感じ。
ただ、なんだろう、話は上手くまとまってない印象。
1人のVIPを巡り、警察、国家情報院、北朝鮮の工作員、さらに
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トラック29(1987年製作の映画)

2.6

生活に疲れた女性の虚構と現実が入り混じった内容が、ニコラス・ローグらしい。リンダの内面を幻覚として捉えているので、わかりにくくてすっきりしない。だけどテレサ・ラッセルの官能的なパーソナリティは魅力的で>>続きを読む

欲望(1966年製作の映画)

3.4

極端に少ない台詞とは対照的に次々と場面が展開し、非常に難解。
主人公がカメラで切り取ったミステリアスな「現実」が曖昧なものである一方、彼が街中で目にする俗悪な「現実」はありのままに存在していて面白い
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.7

プロット的には魅力的な内容だが、キャラクター設定と脚本が理想的過ぎて作為的に感じてしまう部分が多かった。
是枝監督らしく温かみがあっていい作品だが、今回はなんかもう一歩物足りない感じがする。

ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.7

ホラー映画と異なり、ディストピアを描いた作品として観ていて居心地の悪い事にかけては、近年まれにみる作品だった。

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.9

アメリカ西部の荒くれ男が、弟嫁の連れ子である青年の魅力に惑わされていく。
ウエスタン的な枠組みを借りて、強靭な肉体に秘められた、繊細で壊れやすい心の闇を追求した異色ドラマ。ちょっと「ブロークバック・マ
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.7

自分には何の縁も無い高級ブランド・グッチを創業した、一族の栄枯盛衰物語。20世紀に起きたとは信じられない、ローマ帝国のごとく後継者問題をめぐって、セレブ・ファミリー同士で物欲と愚行と陰謀が入り乱れ崩壊>>続きを読む

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.4

映像なのだが、一冊の質の良い推理小説を一気に読んだ気持ちになった。
もちろん作品中に、作家・翻訳者・出版社という本に携わる人々が描かれているからだけど、それだけではない。
次々と展開されるエピソー
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ハードエイト(1996年製作の映画)

4.0

ストーリーを紙に書けば何てこともないドラマと言えるが、そんな話をオープニングからラストまで引き込む力はすごい。特に老ギャンブラーを演じたフィリップ・ベイカー・ホールの存在感は圧巻で彼の一挙一動を見てる>>続きを読む

ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

2.7

ストーリーはコリアンムービーの慟哭や、カタルシスがなく、薄っぺらくつまらないものだった。なによりイ・ジョンジェが追いかける理由が説得力が感じられず、加えてどんなに強くても単身であそこまでやれるはずがな>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.3

濱口竜介監督の新作なので期待して観たら、思っていたような世界の斜め上を行く素晴らしい映画だった。
それは、意外性たっぷりの「偶然」が起こった時、人はどういう行動を取るのか…。これまた意外な展開が自分
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.6

もう少しコメディタッチのお話かと思っていたが、意外にシリアスな内容でちょっと肩透かしを食らった気分。
彗星が地球に衝突する時、人々はどのように行動するのかというテーマだが、正直食傷気味だし、目の前の危
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ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

凶悪な強盗犯と、暴力刑事と言う対立構図の中に、強盗犯の下働きとして使われ、仕事が終われば恐らく始末される黒人のチンピラを加え、三つ巴のサスペンスにする工夫は面白い。
その一方で、アクション映画の定番
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ブラディ・サンデー(2002年製作の映画)

3.7

たった45年前にこんな愚行が行われていたなんて。ドキュメンタリータッチで非常に臨場感のある映像だった。キャストはもちろん、エキストラの群衆にエネルギーを感じた。まったくもって状況を把握できていない軍部>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.8

宇宙の覇権を巡る冒険譚ありながら、史劇を思わせる重々しさが良い。光線銃ではなく刀剣を闘いに用いる意図はその辺を意識してのことだろう。運命の王子を演じるティモシー・シャラメのか弱さ加減が絶妙なのも良い。>>続きを読む

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

3.0

ラストベルトのど真ん中で成長した子供たちのドキュメンタリー。白人、黒人、アジア系の3人の若者達だが、みな家庭内暴力だったり、親に先立たれたり、心に傷を抱えながらも、スケートボードという共通項でつながっ>>続きを読む

恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.2

熱帯のまとわりつく空気のように濃密で濃厚。画面にほとばしる制作現場の狂気が、画面を超えて観客に伝わる。CGではない完全ロケのガチ撮影が醸し出す臨場感と密度が凄い。フリードキン監督が「自身の最高傑作」と>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

4.3

「ヒメアノール」に圧倒されてから、吉田監督の作品は迷うことなく公開後すぐに観ている。今作も本当に良かった。重いし、辛い話なんだけど、それだけじゃないというか。登場人物それぞれに存在感があるので、自分だ>>続きを読む

バッド・チューニング(1993年製作の映画)

3.3

青春のある一日を堪能。「若者は馬鹿者」とはよく言ったものだが、まさにその通りの青春が描かれていて納得。このバカさがなければ立派な大人になれないのもまた真実。何となくだらーっとして過ごす若い人生の真髄が>>続きを読む

ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

3.9

擬人化された小動物たちが人間を相手に繰り広げるイソップ物語の現代版のようなお噺。野生のキツネらしく人間のものに手を出して手痛い目にあった過去をもつ父親ギツネが再び同じ過ちを犯してしまい家族を危機に陥れ>>続きを読む

WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

3.5

ある男性2人の金曜の夜から日曜の昼、週末のお話。
特に大きな事件が起こる訳でもない、劇的に人生を変える何かがある訳でもない、淡々と2人の日々が描かれているだけなのだけれどその描写が妙にリアルで引き込
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少年の君(2019年製作の映画)

4.6

中国、受験戦争を戦う女子高生と、チンピラ少年の出会い。主演2人のつながりに圧倒された。
進学校におけるイジメ、周りの無関心、ライバルの脱落を願う気持ちなど、とてもリアルに描写されている。ヒロインのチョ
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SOMEWHERE(2010年製作の映画)

3.7

監督の独特な世界観が垣間見える映画だった。内容もスターの日常生活といってもいいし、少し悩みがたくさんある男の物語といってもいいし、映画を鑑賞する側からは色んな見方、楽しみ方があってよかった。相当まった>>続きを読む

コーラス(2004年製作の映画)

4.0

大きなことを成し遂げ、名声を得ることだけが人生じゃないと感じられる映画だった。少年たちの更生施設で、体罰ではなく、心を通わせることで彼らの心を変えようとしたマチュー先生の行いは、オリンピックでメダルを>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.6

酒によって自信と人生を楽しむ気持ちがあらわれて来たのは良かったが、だんだんと深酒になっていき、「飲み過ぎは良くない」という教訓にもなっている気がした。
学生たちと教師の絆、教師の家族愛なども描いた佳
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トランスアメリカ(2005年製作の映画)

4.5

心にじわーっと効く作品だった。これだけの重いテーマを、さらっと軽い味付けでユーモラスに綴っていくダンカン・タッカー監督の腕前には、確かなものを感じた。後味もすっきりとしていて、心に仄かな希望の明かりを>>続きを読む

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