脈絡ない下町人情劇からの41時間世界最終戦争、3周くらい周って『リアル』
開始0秒では同情の余地しかない主演兼敵役がルックス・感情も含め状況に流されるしかない無能の凡夫であるがゆえに、現世が地獄と結論せざるを得ない全編が怖過ぎる。
主演のU-ボートさんが映ってる間ずっとワクワクするし、端役の人間が陸に上がるとはよ地獄の棺桶戻れや、てなる。
窓枠越しの『回転』風ショット総毛だったし、なんならそのまま幽霊モノでいってくれて構わんかったよ!
キービジュアル含む幾つかのテレンス・スタンプのショットが人ならざる悪魔にしか見えず、不在の空虚さ(と退屈さ)は絶大
映画が人間の肉眼や耳で知覚可能なマクロ表現である以上、五感で感知されないミクロ事象をマクロ化することは主人公同様(しかし全く逆の意味で)不得手であり、彼の幻視していたミクロ・ユニバースがもたらす現世の>>続きを読む
「視聴者から報告を受けた我々取材班は現場へ急行したッ!」てならなくてホントよかった。
サイレントで純化された表情ドアップの連続はゆうてもあまりにエピック。或る意味でプロパガンダの最高峰かも
亡霊のイメージが万国で通底している部分があるのって、恐ろしくもホッとするよな
ジャンル職人カーペンターのミニマム美学、最早なんかのアートフィルム
概念的過ぎる闇落ち構造を演技巧者軍団の説得力でねじ伏せる力技
殺人後にいそいそと事後処理する犯人とか、ジャンル紀元前にして脱構築後の描写なんよな。時代が輪廻しちゃってるマリオ・バーヴァの神秘
彼此40年近くブレない(撮影,照明,編集,プロット,上映時間...)カウリスマキ定期を今現在の物語として語り直(し、ここ極東の片田舎でもそれを歓待)す(る)圧倒的確信・迷いの無さ
オープニングのネタバラしに帰結する導線を追っていたらドーナツが買えなかった私怨の逆恨みを匂わせてフッと終わるエンディング善き。長いけど
エポックメイキングなホラーの後にジャンル自体取っ払った世にも奇ッ怪な不条理劇を撮っちゃうアンダー・ザ・シルバーレイク現象
元来暴力を描くことに秀でた映画とかいう媒体に映り込むはずがない値のtendernessを観測
このレビューはネタバレを含みます
9年前に祓われて「Don't go」と呟いていた=エマ・ロバーツ期の彼女の行動は自由意志だった。時間軸の入れ子による微細ながらジワジワ染みるどんでん返し、全く嫌いじゃない。
2024年初見だからキャスティング大優勝に観えるのか。
厨二リアルタイムでシネ・ウインドに駆けつけるべきだったのか。
『ミツバチのささやき』で観てたから、少女を投げるショットは存在しないと思ってた。
旅行のホームビデオを"ロードムービー"と言い張る大学生メンタリティをホントに具現化しちゃってる心地よさ。