kaeru3さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.5

面白かったのだけど、東京の郊外で生ぬるく育った身としては、華子と美紀のどちらの世界にも入れず、ただ寂しく彼女たちのドラマを眺めてた感じ。

国境の夜想曲(2020年製作の映画)

3.7

とても点数を付けにくい映画。
ポスターに書かれた「必ず朝は来る」という言葉が虚しく思えるくらい、夜明けにはまだ遠い難民や国境に暮らす人々の絶望が後を引く。

「ローマ環状線」もそうだったけど、ジャンフ
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フレンチ・カンカン(1954年製作の映画)

4.7

演出も役者たちも衣装も美術も、優美で艶っぽく、ひたすらうっとりしながら観ていた。
プロデューサーとアーティストの話として、面白いし甘酸っぱい。
ラストのフレンチカンカンは、もう踊り子たちが登場する場面
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おしゃれキャット(1970年製作の映画)

3.3

気品溢れる母猫ダッチェスが、どんな状況にも動じず優雅に対応するのがステキ。
でも、そのせいでどんなピンチもあまりピンチに見えず、全体的に展開がゆるゆるとしてるのが難点か。。

英国から来たガチョウの双
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.2

面白かった!
基本的にドキドキしっぱなしなんだけど、3話とも後味が違って、それぞれ違う形でやられた!と思うし、トータルでじんわりと良い。

あと、冒頭の監督のメッセージからして不思議だったけど、役者さ
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晩春(1949年製作の映画)

3.9

当時の結婚観は興味深かったけど、肝心の父娘の話はあまりピンと来ず。。
でも、家のしつらえや、まだアメリカの占領下だった街頭の風景を堪能できる映像は良かった。
あと「東京物語」のイメージで観たら、原節子
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ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん(2015年製作の映画)

3.7

色使いがアールデコ様式の旅行ポスターみたいで、とても美しかった。

特に色彩だけで、北極の空気の冷たさ、静けさを見せるのがすごいなと思った。氷の軋む音が吸い込まれていくような効果音も相まって、息を飲ん
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脱出(1944年製作の映画)

3.7

「三つ数えろ」が面白かったので鑑賞。

なんてことない会話や展開にたっぷりと時間を使って、冗長といえば冗長なんだけど、優雅といえば優雅で、好きだった。

なんせローレン・バコールの低音ボイスと上目遣い
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三つ数えろ(1946年製作の映画)

3.8

ハンフリー・ボガートとローレン・バコールが見てみたい、というモチベーションから鑑賞。

原作を全く知らなかったので、話の筋は最後までよくわからないままだったけど、それでも面白かった!

出てくる人物た
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トゥルー・グリット(2010年製作の映画)

3.9

信頼のコーエン兄弟の渋い西部劇だった。
交渉と契約で自らの命運も決まっていくドライな世界で、登場人物たちが何を優先するのかが興味深い。

ヘイリー・スタインフェルド演じるマティがとてもクールだった。冷
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ベイマックス(2014年製作の映画)

3.5

予備知識なしに見たので、思いがけずヒーローもので驚いた。

ベイマックスのフワフワと慎重に動いたり、健康管理の任務に律儀にこなすところが良かったので、武力で戦うよりももっとケア力を生かして戦うところが
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.9

何が起こってるのかを目と耳と頭を全開にして考えながら観るという、映画の面白さを堪能できる映画だった。

不穏な人間関係のかたわらで、カウボーイたちの仕事や専門知識、暮らしぶりが丁寧に描かれていて、プロ
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金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト(2017年製作の映画)

3.7

映画としては思いのほかスタイリッシュな映像や演出で、最初は戸惑いがあったけど、金子文子役の女優さんの生命力溢れる演技で引き込まれていった。

これまで朴烈も金子文子も知らなかったので、とにかく知るきっ
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

キャリー・マリガンのコスプレとハスキーボイスでの脅しが聞けて、辛いけど胸のすく復讐劇になっていくのかと思いきや、、
見終わった後ひたすら胸が痛む。

キャシーが復讐を果たさんとする前に、相手の男に「ニ
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.3

すっごい変な映画なのだけど、見終わった後には「バイタリティー」って言葉が浮かぶ。
コロナ禍であまり人とも話さず、心身ともにボヤボヤと生きてるので、刺激にはなったような。。
スイスアーミーマンが、予想以
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ウォーリー(2008年製作の映画)

4.2

イブがとにかく可愛かった。不審なものを見つけると即砲撃する物騒なところもあるけど、夢中になるウォーリーの気持ちがわかる。
年齢のせいか健気な人やモノを見ると、それだけで泣きそうになってしまう。

音も
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1984(1984年製作の映画)

3.5

原作を読んでないので、どんな雰囲気の映画なのか想像つかなかったけど、アートな雰囲気で意外だった。とても80年代っぽい。
ジョン・ハートのツーブロとデニムのツナギがお洒落すぎて、なかなかストーリーに集中
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The Hand of God(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ナポリの猥雑だけど神秘的な魅力を写し取っていて、無性にナポリに行きたくなる。

真っ青な海に浮かびながら、キラキラとした陽光の中で愛を語り合う父母の場面は、この映画の中で屈指の美しい場面だったけれど、
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ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(1998年製作の映画)

3.5

ゆるそうなムードなのに、しっかり作り込まれてて展開は小気味いい。
ただ、古い建物内の映像がじとっと暗くて、爽快感は今ひとつ。。

犯罪集団なのに銃の扱いには不慣れでバタバタしたりして、改めてアメリカは
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

3.0

1作目を上映時に観て以来のマトリックス。
登場人物の相関関係や物語の設定を忘れているけど、まあ大丈夫だろうと思って観たら、思いのほか大丈夫じゃなかった。
ストーリーは追えるけど、登場人物の選択の理由や
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.9

キャストがすごいコメディくらいの予備知識で観たけど、これは面白かった!

アメリカや世界情勢の風刺がてんこ盛りで、笑いながらも頭をチクチク刺激されて、見応えがある。
マーク・ライアンス演じるGAFAの
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象は静かに座っている(2018年製作の映画)

3.8

幸せそうな登場人物が一人もおらず、曇り空で光もうっすらとしか届かない寒々とした景色が続く4時間。

死んだように生きていた高校生や老人たちが、諸々あって生気を帯び始めてからが面白くなった。

みんなが
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レベッカ(1940年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

癌とわかったレベッカが夫に自分を殺すように仕向けるというのが、悪女の面目躍如という感じの最後で、不思議な爽快感?がある。

ジョーン・フォンテインが、純朴でドジで少しイラつかせるキャラクターから、頼も
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遊星からの物体X(1982年製作の映画)

3.7

渋い映画だった。
展開も面白いけど、基地内の設備やインテリアとかビジュアル的にも良かった。
暗い雪原に基地の灯りが浮かぶカットがかっこいい。
あと、娯楽ルームにあったグレーのソファも欲しい。
犬がとて
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.3

3時間という長尺にびびってたけど、映画館で観てよかった。
ここまで効果音や音楽が心地よい映画って、記憶にないかも。

原作にもあった演技というテーマが、演劇のメソッドや言語を超えたコミュニケーションへ
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.8

ほとんど色彩のない荒涼とした世界で、ティモシー・シャラメの佇まいのみが極彩色というか、視覚的にはほぼシャラメ映画。でも横長の画角の構図も一つ一つ端正でしびれた。
ジェイソン・モモアの殺陣も華やかでカッ
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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.2

フェスの記録映像というよりは、1969年夏のアメリカ社会とブラックミュージックの状況を丁寧にわかりやすく伝える構成だった。

かと言って、頭でっかちな感じではなく、名前しか聞いたことのなかったアーティ
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悪い男(2001年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

ずっと昔に、ヨーロッパ映画好きな友達から勧められてたのを思い出して観てみたけど、キム・ギドクのその後の顛末を知ってるいま見ると、相当キツイ。

ソナ役の女優さんの顔立ちやファッションが、自分の学生時代
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.7

とにかく音楽と息子役の子が良かった。

ユン・ヨジョンのように口は悪くなかったけど、同居してた祖母が懐かしくなった。なんとなく家にいて家事や孫の世話をしてるけど、たまに若い頃の意外な話をして驚かせたり
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

スケボー仲間たちの関係がギスギスがしていく過程がリアルでじめっとしてたから、ラストのショートフィルムでもカタルシスに持っていかれず、、、
あの頃のクールで悪くて自由に見えて憧れてたMVとかも、実はメン
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大脱走(1963年製作の映画)

3.8

硬派なアクション映画かと思いきや、ユーモラスでほのぼのしたトーンもあり、気張らずに楽しめた。

自由になること以上に、技術や組織力を駆使して脱出に挑むこと自体に価値を見出してるようにも見えた。失敗して
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リンカーン(2012年製作の映画)

3.7

なんとなく見逃してたスピルバーグ映画をみる祭の一環として鑑賞。
冒頭でいきなりスピルバーグが出てきて時代背景のポイントを解説してたので、知識不足で振り落とされるのを覚悟して観たら、案外ついていけた。さ
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欲望という名の電車(1951年製作の映画)

4.2

マーロン・ブランドが若い頃セクシーだったというのは本当か?と検証するくらいの軽い気持ちで見始めたら、ヴィヴィアン・リーの演技と白黒の映像の緻密さに圧倒されてしまった。

ブランチが17歳の悲恋に囚われ
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A.I.(2001年製作の映画)

4.2

永遠と人間の物語かな、と思った。

人間たちとその生活が無機質で、ロボットたちがより有機的な俗の世界に生きているのが面白かった。

オスメントくんがいなかったら撮れてなかったのでは?という名演だったし
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

4.2

劇中で何度か人々が選別されるシーンが出てくるけど、とてもリアルに入念に描かれていて、見ていて一番辛かった。
家族が離れ離れになったり、労働力とみなされるか否かなど、状況は異なるけど、家族を守ろうとした
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カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

3.3

この映画が日本初のカラー長編というのが面白い。フルカラーで見せたいもの、、って考えたら美しい浅間山麓の風景と薄着でのびのび踊る高峰秀子たちだったのかな。それも納得のすがすがしい映像だったけど。

スト
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