kaeru3さんの映画レビュー・感想・評価

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.6

トリニティ実験がクライマックスだったかなぁ。

なんだろう、、
この映画の中で、オッペンハイマーがどういう人物なのか、その人となりが今ひとつ見えてこなかった。
描かれてたけど、展開を追うのに必死で見落
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Here(2023年製作の映画)

4.0

ひたすら苔、森に降る雨に浸る映画だった。

「人間が滅んだ後も、苔は生き続ける」
ということを映像と音でじーっと体感させる、
そのための映画という感じすらして、思い返してみて、改めて感心してしまった。
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.9

前半の修行のシーンでウトっ😪としてしまったけど、面白かった。
薄明の砂漠を歩く場面や、ハルコネン家の甥っ子の剣闘シーンのモノクロの映像など、とにかく映像が美しく面白く、眼福。

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.5

人気のない地下鉄駅でエスカレーターがガシガシとイカつい音を立ててる冒頭の場面から、もうヨーロッパの大都市の夜の空気が溢れてて、好きで堪らなくなった。
郊外(というか都会の周縁部)の深夜の情景、オレンジ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

リスボンでのダンスシーンが圧巻で、そのためだけにでももう一回映画館で観たいくらい。
デフォルメされた19世紀末のドレスも最高。

ラストだけがちょっとしっくり来なかった。
解放される女性の象徴だけでな
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.0

夕刻の商店街の空や、夏休みの校庭の情景がとてもよかった。記憶の中の昭和の質感。
そして戦争がじわじわと生活にしみ込んでくる描写がすごい。戦争は嫌だなとリアルに感じさせられた。

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.6

リリー・グラッドストーンの優しげで優雅で、でも次にどう出るか想像のつかない不敵なムードがとてもよかった。
犯罪物ですごくスコセッシ映画っぽいんだけど、なんとなく全体のトーンがつかめないまま終わってしま
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たそがれ清兵衛(2002年製作の映画)

3.8

最初は真田広之の無駄遣いと思ってしまってたけど、納得の展開に。
命懸けの仕事が、大義のためでも仇討ちのためでもないのが、新鮮だった。
小林稔侍の上司がすごく良い味を出していて、ほんわかした。

ジュリア(s)(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

お母さんが亡くなるあたりまでは面白かったんだけど、最後一つの人生に絞られてしまったのが残念だった。
どの人生になるは観る側に委ねてくれてもよかったかなーと。

あと、個人的には分岐していく人生で、シン
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.6

記録をつけ忘れてたのだけど、一年経って思い出すのは、石の場面かなあ。あれは妙な感動があった。

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

一年くらい前に見たので、細いところは覚えてないものの、

母親の浮気の証拠になる映像を本人に見せる時に、フィルムを映写機に冷静にセットするカットが、とても印象に残っている。映画監督になる者の業、という
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ブリキの太鼓 ディレクターズカット版(1979年製作の映画)

3.5

うーん、、歴史物としては興味深いんだけど、成長を止めたオスカル坊やの役回りがピンと来なかった。ナチスの時代の暗喩とか?

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

冒頭のウィリアム・ブレイクの詩と、並んで見つかった二体の人骨から、友情に殉じる2人の話というのはネタバレしてるのに、2人の様子があまりに優しくて調和が取れてたから、もう何かの奇跡が起こって、2人が幸せ>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

3.5

あり得ない展開では無くて、いまの世界がどれだけヤバいかというのを逆に実感させられた

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.5

いろんなテーマが盛り込まれてたけど(盛り込まれ過ぎ?)、文章の持つ力、というのが個人的には惹かれる要素だった。

ブレンダン・フレイザーの人の良さそうな放っておけない佇まいが、100%生かされてた。

大いなる幻影(1937年製作の映画)

4.0

第一次対戦下の国籍や階級、民族を超えた個々人の信頼関係が、ユートピア的に高潔に描かれていて、見ていくうちに「大いなる幻影」というタイトルが重く響いてくる。

シュトロハイム演じるドイツ貴族の大尉が、映
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.6

いまいち適性がない努力型の暗殺者って、新鮮だけど、主人公としては地味すぎる。。
映像と音楽はものすごくカッコよかった。

旅するローマ教皇(2022年製作の映画)

3.8

世界各地の訪問の場面と同時に、移動中の飛行機の中の光景もとても印象的だった。
窓の外を眺める教皇、並走する戦闘機、機内での記者会見や、そこでの率直なやり取り...

精力的に社会問題と向き合ってきたフ
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マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

冒頭とラスト、それにハンナ・シグラの圧に心地良く圧倒される。
マリア・ブラウンをめぐる男同士の密約や2人の精神的な関係性を解説するブログを読んで、なるほどと思った。アメリカン・ニューシネマもそんな作品
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

3.8

見終わってしばらくたつけど、思い出すのはペトラの守護天使みたいなマレーネ

アル中女の肖像(1979年製作の映画)

3.8

アート映画にたまにあるグロテスクだったり露悪的なところがなく、狂言回し的な三人組とのバランスも良くて、なんというか見やすかった。
水色のコートとハイヒールのふらつく足で、凍てつく川沿いのゴミ集積所を歩
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シチリアを征服したクマ王国の物語(2019年製作の映画)

3.6

スチールを見た時は、クマが可愛くないかも...と思って敬遠してたけど、動いてる姿を見たら案外可愛かった。面で出来たフォルムや質感、ふわふわした動きが独特でクセになる。
統治する側になると内紛や公正さの
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MERU/メルー(2014年製作の映画)

3.7

体力、技術もすごいけど、精神力がまたすごくて感嘆。崖にぶら下がったテントに4日間閉じ込められても、ユーモアを絶やさないって。
あの絶壁をどういう風に下るのか、下山の様子もちょっと見てみたかった。

午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

3.9

シャルロット・ゲンズブール演じるエリザベートが、穏やかで繊細でとにかく善い人で、こんな善い人が主人公として映画が成り立つのかと、妙な感動があった。当然ながら佇まいも美しく、何とういうか、映画の登場人物>>続きを読む

妖怪の孫(2023年製作の映画)

3.5

ぬるぬると腐敗していっているのを実感する。
腐敗の原因が一つでないだけに、絶望感がすごい

帰れない山(2022年製作の映画)

3.7

簡単に「自然Natura」という言葉を使う都会人と、山の人ブルーノのやり取りが興味深かった。
観てる時は正直長いなと感じていたけど、翌日になって、じんわりと山の風景が浮かんだりする。山の中を歩いてると
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EO イーオー(2022年製作の映画)

3.6

ポーランドの森と田舎道がどこか懐かしく、そこを歩くEOの佇まいがすっごく良かった。

いろんな文明批判がゴチャッと入ってる感じで、結局、人間てどんな立場の人も愚かで勝手ということなのかな。。とりあえず
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ロッキー(1976年製作の映画)

3.6

勧善懲悪とか、厳しいトレーニングを積んでのサクセスストーリーを想像してたら、もっと地味で渋い展開だった。
貧しい中での腐れ縁の仲間たちを背負ったままリングに上がる感じが良かったし、
試合の場面の淡々と
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めまい(1958年製作の映画)

3.9

キム・ノヴァクの目線や低めの声のトーンが魅力的で、ジェイムズ・スチュワートがおかしくなっちゃうのも納得。
恍惚感と不安が交錯するホテルでのカメラワークと照明に圧倒された。まさに幻惑。

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.3

個々のエピソードで何が起こってるのかよくわからない中、確かなのはボタンのかけ違いのような2人の関係だけという、、ちょっとストレスの溜まる展開。。
音楽は良かった。

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

前半の暴力シーンがあまりに生々しくてしんどかったので、せめて非行少年が改心する的な流れを想像(期待)してたら、そんな甘い話ではなかった。

政治家や学者の倫理観の欠如にフォーカスされていく展開も、スタ
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ヨーヨー(1965年製作の映画)

3.9

優雅でノスタルジック。
印象的な場面は多かったけど、イゾリーナの堂々とした美しいお辞儀が、なぜか頭から離れない。

大恋愛(1969年製作の映画)

3.8

定番のギャグばかりなんだけど、演技や編集の間が完璧すぎて、笑うというより感嘆しながら見てしまった。
浮気の相談に乗る悪友とのウキウキぶりが、めちゃ可愛かった。

ノベンバー(2017年製作の映画)

3.8

知的で優美な雪だるまのクラットがとても良かった。
時間や空間を超えて巡る水のイメージが、野卑な村人たちの騒ぎの中で、不意に清涼な気分にさせてくれる(その代償は大きいけど)

アス(2019年製作の映画)

3.8

面白かった!
怖さ、ユーモア、社会批評、いろいろとバランスが絶妙

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