一生かけても忘れられないと思うラブストーリーがいくつかある。どういうわけかそのどれもが全うな幸せからは程遠い。不幸体質なつもりはないのに何故だろう。誰も知らない。見向きもしない。ツギハギで補っても穴だ>>続きを読む
モスクワの街がカメラの中で死んでいる。何故こんなにも味気なく写してしまったのか…。よその国の旨味を思いきり殺した演出にガックリと肩が落ちた。わざわざオールロケを敢行した意味はどこだ。女の子二人がふわふ>>続きを読む
思春期女子の痛さ痒さ甘酸っぱさ。わたしもかつては17歳の少女だったのでよく存じております。というかレディバードを心の中に飼っていない人なんているのかな。みんな昔は居たでしょう、ピーチクパーチクうるさい>>続きを読む
『何もツッコむな。ツッコんだら負けだ。ふたりのイケメンに挟まれるヒロイン、という構図をただ目で楽しめばいい。複雑な人の心など求めてはいけない!全てを飲み込め!』と、2011年当時のわたしは書いています>>続きを読む
良く噛んで観なくては…。そう覚悟はしていた。一人の女、二人の男。女の失踪をきっかけに生まれる疑念。さりげないヒントや伏線を反芻しながら頭の中で膨らませる。ボーッと観ているだけでは眠くなる一方だ。噛んで>>続きを読む
日本一可憐なファムファタール。美しすぎる人はどうしてこうも不幸が似合ってしまうのか…。かわいさ余ってという言葉があるように、美しさが余ると男は狂ってしまうのですね。「マレーナ」しかり「ドッグヴィル」し>>続きを読む
小鹿のように愛らしいエマ・ストーン。白鳥のように優雅なレイチェル・ワイズ。二人の熾烈な戦いが拝めるとなれば無視できない。勢い勇んで行って参りました。こりゃあ確かにえげつない。美しい女たちが美しいまま、>>続きを読む
『実話に基づく物語』このテロップを出されてしまうと弱いのは人の常です。人命救助の現場が舞台となればなおのこと。作品として率直に評価することを許さない感傷が、デーンと立ちはだかる。なんだかなあ…という気>>続きを読む
顔ではなく心に目がついていればいいのに、と思うことがある。いくら凝らしても覗けない内側をわたしは知りたい。片腕の不自由な男。コミュニケーションの不自由な女。もちろんどちらも底無しに孤独だ。食肉処理場で>>続きを読む
「ギフテッド」で描かれていたのは特別な才能の守り方だった。授かり物は保護して活かすべき。子供にとっての今の幸せが、未来に繋がるとは限らない。うーん、難儀な問題だ。正しさだけでは割りきれない愛が右往左往>>続きを読む
どう…、評価…、する…、べき…なのか。文字にしても口ごもるくらいには動揺しました。こちらのポテンシャルの問題を詫びたい気もするし、あちらの攻め過ぎたアプローチのせいにしたい気もする。愛の終わりから始ま>>続きを読む
火花散る家族愛。みんなで怒鳴る。掴み合う。愛しているが故のやいのやいの。う、うるせえ…。在日韓国人として日本に生きたある一家の姿を喧しい愛情でもって描いている。置かれた環境や降りかかる悲劇に飲み込まれ>>続きを読む
アルツハイマー症を患う主人公ビョンス。初老、獣医、娘が一人、そして元連続殺人鬼。…オモシロくしかならない設定じゃないか。「老いぼれ元殺人鬼VS現役エリート殺人鬼」という攻防だけでも十分白熱するのに、追>>続きを読む
選んだ男と選ばれた女。始まりはどこにでもあるシンデレラストーリーだ。どうしてわたしなの。見出だされた女アルマはそんな風に瞳を揺らす。誇れるものなど外にも内にも持っていない。アルマはひとり静かに愛を待っ>>続きを読む
ワル萌の宝庫。予想外に愛せてしまった。「そういうつもりじゃなかった気分」を味あわせてくれる映画好き。何しろキャラクターの旨味が満点でした。男も女も子供も活躍。しかも揃いも揃ってはみ出し者ときてる。トラ>>続きを読む
哲学的なタイトルと薄暗くてエロスなジャケット。ううー、難解そうだー重そうだー。相当な体力と気力が必要な気がしてずっと遠ざけていた。…なんだ、めくるめく純愛の映画じゃないか!抽象的な表現や混沌とした時代>>続きを読む
『めくるめく女子の世界。リンスの匂いがプンプンしてます。独特の甘ったるさ。ほんとなら美しく描いちゃダメなやつだし特別出来の良い映画だとは思わない、…のですが。全寮制という舞台にどうしても胸踊る!これば>>続きを読む
女のタフネスを硬派に魅せる。立ち向かう姿勢から歴史的クライマックスにいたるまで、浮かれたテンションは一切排除。ひたすらにクールを貫く。ビリー・ジーン・キングという名前が既にドラマチックだ。伝説になるに>>続きを読む
まんまとデ・ニーロに搾り取られた。顔中涙でしょっぱいわー。今でこそ色々な疾患に焦点が当たるようになってきたけれど、過去にはなんの解明もなく精神病とひとくくりにされてしまう事例がたくさんあったはず。感情>>続きを読む
有りがたき大物女優の詰め合わせ。サンドラ・ブロックとケイト・ブランシェットが並ぶだけで謎の緊張が走る。けた違いの大枚の匂い…。8人の悪いオンナたちによる大勝負をゴージャスに痛快に。規模がデカすぎて庶民>>続きを読む
音を鳴らす。声を重ねる。揺れて跳ねてひとつになる。音楽はどうしてこんなにも簡単に人の心を結ぶのだろう。誰かの大事な歌が何も知らないわたしにも届く。頼りなげな歌声に耳は一瞬で捕らわれた。主人公が演奏する>>続きを読む
「ホークアイと共に生きていけるのなら死んでもいい…」なにかしら、この支離滅裂なトキメキは。彼の瞳に見つめられたら最後、一瞬で乙女に早変わり。目の中にハートマークが咲いてしまった。映画史上、最も守られた>>続きを読む
主人公はもちろんオギーだ。特別な顔を持つ彼が物語の中心であることは間違いない。けれどこの映画はオギーを軸にいくつにも枝分かれする。世界に飛び込むオギーと、世界側で彼を待つ人々、両方からのアプローチ。視>>続きを読む
大声では言いたくないので小声で言います。…この映画スキです。公開当時トヨエツに夢中だったのでドラマ版すっ飛ばして劇場に走りました。ポカーン系であることは間違いない。無駄が多く情報は少なく、シリーズを見>>続きを読む
「そういう星の下に生まれた人間」、もっと言うなら「そういう星の下でしか生きられない人間」は、間違いなく存在すると思う。トーニャ・ハーディングはまさにそういう人だ。壊れかけの洗濯機でガッコンガッコン回さ>>続きを読む
オリジナルである「50回目のファースト・キス」でアダム・サンドラーとドリュー・バリモアが作り出した空気感は舌触りの良い綿菓子のようだった。「そんなバカな…」を丸くふわりと包んでしまう甘さ。ロマンスとお>>続きを読む
『好きだ。ノリと血糊のバイオレンス。大人しく観るのはナンセンスです。出来るだけ血を滾らせ前のめりで観賞しましょう』と、2012年当時のわたしは書いています。「プラネットテラー」とか、「ファーザーズデイ>>続きを読む
スクリーン越しだろうとなんだろうと、最上級のパフォーマンスは見えない境界線を越えてくる。目の前でフレディがマイクを握る。反り返ってシャウトする。音が届く限界まで、世界はクイーンのものになる。本当に、ほ>>続きを読む
「ぼくのエリ 200歳の少女」は最も好きな思春期ホラーです。このくらいの年頃ならではの幼さと芽生え。ぺたんこな体と体が向き合うはじめての恋にどれだけ震えたことか。北欧の真っ白な冬に甘い赤色が悲しいほど>>続きを読む
好きなものを「好き」と言う。この単純明快な宣言に至るまで、世界中でどれだけの心が尻込みをしているのだろう。当たり前の基準や組み合わせ、みんなが好きなもの嫌いなもの。いくら多様化しているとはいっても世の>>続きを読む
『女二人、お先真っ暗の旅。ここまで無防備にバカンスしてりゃあこうなるわな。身を売られても仕方のない危機感のなさ』と、2012年当時のわたしは書いています。仕方のないこたないだろうけど自ら餌振り撒いてる>>続きを読む
「頑張ったって死んじゃうんだから、気楽にいこうよ、気楽に」ホスピス病棟新設パーティー、末期ガン患者を前にもたいまさこが笑顔でそう挨拶する。真っ向から死を笑い飛ばすこのインパクトが忘れられない。死にゆく>>続きを読む
『アマンダ・セイフライドが食べ頃です。もぎたての桃のような。つきたての餅のような。今食べずしていつ食べる!』と、2011年当時のわたしは書いています。この頃のアマンダは本当に飛ぶ鳥を落とす勢いでしたね>>続きを読む
金融、政治、スポーツ、ヤクザ。触手が伸びづらい四天王。中でもヤクザモノに関してはコントで見るのもヤなレベル。が、、、そんなことも言ってられない顔ぶれと圧ですよ。予告編だけでも土下座したくなるような並み>>続きを読む
A級もB級も見分けがつかないお子さまだったわたしを夢中にさせた映画。地中から人間を喰らうグラボイズと、ご近所感満載のキャラクターたち。スリリングで痛快で、何度でもわくわくする!カントリーミュージックが>>続きを読む
やさしく包んだ夫の頬。いってらっしゃいと振られた息子の手のひら。数時間前、確かにさわれた最愛は一瞬でバラバラにされてしまった。何もかも奪われた女カティヤを見つめる。息も絶え絶えな彼女を周囲や世間はただ>>続きを読む