白さんの映画レビュー・感想・評価

白

バガテル
大学生活最後の年(にならないと困る)

映画(733)
ドラマ(14)

霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

2.5

ファンタジーとは説話論的な世界認識の書式である。いつかこの文言は再度取り上げます。

アオサギとツル(1974年製作の映画)

2.5

映画に全く関係なくて大変恐縮ですが、Twitterを始めました。全然呟いてません。
新しいアイコンはケーゼビアのA Maiden at Prayer(ca. 1899)です。

若き日のあやまち(1952年製作の映画)

3.0

シューベルトの野バラが女性徒たちの間で賑やかに歌われる傍らの木陰で、動揺する2つのプライド。
「大人」にならざるを得ないということは、主体性の問題に無自覚でいられないということでもある。

宮本から君へ(2019年製作の映画)

5.0

大学時代に観てきた新作邦画の中で一番興奮したかもしれない。これは間違いなく今年ベストになる。
男らしさや女らしさといった、社会的に忌避されつつある非合理なレッテルがかくも豊かに主題を彩る映画的装飾とな
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マスク(1994年製作の映画)

3.0

収監されてるジムキャリーを救済するために犬がジャンプを試みるシーンを見てると、そのシーンの撮影のために犬が何度もスタッフに投げられている光景を想像してしまう。

ゼイリブ(1988年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

作り込まれた仮想の世界設定の上で人間が記号的に消費を繰り返す様子と、それを可能にするイデオロギー装置としてのメディアが幾度も映し出される。合法的支配に対峙する新興宗教やテロ組織といった不服従の部分によ>>続きを読む

山椒大夫(1954年製作の映画)

5.0

あの悲劇的な決意の美しい表白は水紋となって、ひたすらに無情の念を押し広げるままに儚く消えてゆく。
過ぎ去ってしまえば、懊悩のしるしはどこにも残っていない。それでも惨たらしさから新生のための懐かしさの場
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レクイエム・フォー・ドリーム(2000年製作の映画)

4.5

差異と反復が織り成す聴覚的なレイヤー;ヒップホップモンタージュによる熾烈な音響デザインによって、神経症的な人格と物語の調性は映像の直線的な勢いの中でその輪郭を崩壊させながら、脈動するひとつの音楽へと繋>>続きを読む

ウィーアーリトルゾンビーズ(2019年製作の映画)

1.0

この監督はInstagramで映画を撮りあげたらしい。
菊地成孔出ててワロタですね。

罪の手ざわり(2013年製作の映画)

4.5

緩やかに、そして乱れるように変身を遂げる「夜」の情景や人々の投げ掛ける視線が、
何も忘れたくない、自分の哀惜を永遠なものにしたいという思いに駆られるがままに強烈な印象を伴って、網膜に濃く深く焼き付いて
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薄氷の殺人(2014年製作の映画)

5.0

これほど鮮烈な抒情が映画で描きうるとは到底想像しがたいほどの澄んだ緊張感が一瞬ごとに画面を揺るがせ、迸るエロスとタナトスのアウラが凍てつく強度で観る者の感覚を抉る。紛れもない傑作。

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

5.0

大きな純粋な怒りが、鳴り止んだ音楽のしじまに響き渡り、それが音調のうしおのように高まったり低まったりする。
彩り煌めく夜空を後景にして疾走を続ける激情は惨めさも鈍い希望も置き去りにして、ひたむきに訣別
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汚れた血(1986年製作の映画)

5.0

女が道路の向こうへと腕を振り上げて走ってゆく。形から影へとその姿は薄れてゆきながらも、女は陶酔感に満ちた表情を浮かべ、虚無の直中へと融け込んでゆく。

殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.0

SBSが華城連続殺人事件の犯人特定と報道(ただし公訴時効成立)する直前にこれを観たばかりだったのでとても驚いた。

https://news.sbs.co.kr/news/endPage.do?new
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ある女の愛(1953年製作の映画)

4.0

愛とは諦めずに、ひたすらに相手を待つことである。
個人的にベルクソンを思い出す。

サリヴァンの旅(1941年製作の映画)

4.0

スラップスティック~スクリューボールのコメディ史を観てるよう。最後に主人公が悟ったコメディの価値には首肯せざるを得ない。ありきたりな感想だけど、こういうシンプルな強度を持つ映画を映画館で観るのが楽しい>>続きを読む

妻は告白する(1961年製作の映画)

4.0

あまりにも明白に映し出される表情と断片的に論じられる出来事の明快な過程を経て、彩子の不純さへの疑いと心象の不透明さは段々と無視できないものになっていく。
何より彼女が紡ぐ言葉が私たちを全く動揺させない
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曽根崎心中(1978年製作の映画)

5.0

マルチ・アングルショットの重層性が二人の愛の決定的な存在証明となる。
卑しさや潔さの交叉点上で描かれる精神の生命の苛烈さが、男性女性の対称線上でまばゆく、美しく紅の火花を散らす。対象物は何処までもフェ
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清作の妻(1965年製作の映画)

4.5

疎外された過去ゆえに湧き起こる胸苦しい衝迫と、自らの期待を裏切ることを許せない残酷な運命を背負った女を待ち構える場所は、我々にとって思いもよらない、古くて新しい、一見するとあまりにも馴染み深い自然な眺>>続きを読む

3-4x10月(1990年製作の映画)

4.5

果てしなき死への憧憬は惨たらしさを伴ど、その生への諦念を確実に内包しているとは限らない。
不完全にしろ、そこには紛れもなく純粋な意味での北野武の死と暴力の美学が秘められている。フィルムに焼き付く凶暴な
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稲妻(1952年製作の映画)

3.5

夫妻、母娘、男女の三つの位相が混交した空間で一貫する女の日常的なリアリズムが、朧げな空気の中で強く切なく響く。

凱旋の英雄(1944年製作の映画)

3.5

相対化を通して培われた価値判断や決定が終盤では否定されるかのように主人公が自らの正義に向き合うことによってカタルシスが巻き起こる
愛国的な気風は良くも悪くも風通しが悪そうなのでコメディには向いてる

バシュフル盆地のブロンド美人(1949年製作の映画)

3.5

常に反復と結びつけて理解されてきたアメリカ映画が、同じような構造の一定のパターンを決まった生産ライン上で、わずかばかりの差異をともないながら大規模に反復してみせたことこそアメリカ映画なるものの本質であ>>続きを読む

海の沈黙(1947年製作の映画)

4.0

「私」を委ねる超越性の問題としてのエキゾチズム、或いは第三帝国について。将校によってイデオロギー化された物語に、彼らは沈黙によってのみ抵抗する。そうやって将校の因果論による世界認識は次第に揺らぎはじめ>>続きを読む

ひとつの歌(2011年製作の映画)

3.5

形と色に分断されたイメージは、それぞれ、セピア色に褪せた過去へ、目の前の額の現在へと振り分けられる。二人が画面に封じ込めた過剰な物たちが放つ、軋みに似た不穏な不協和音が静謐に響きわたる

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.5

イメージの断片化と再構成を図るキュビズムの手法によって施された記憶の中の景色は、フレーム内でのリズムと調和を通して新たなロジックを齎しながら、その映画的な振る舞いを新生の時へと迎い入れる。

6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

4.5

描くことの原点、更にはリアリティを追求する主題としてのポートレート。
それぞれの年齢が刻まれた表情と憂いをたたえる時々の実情が、観る者の前で、紛れもない人生の景色へと繋がって行く。

夏の嵐(1954年製作の映画)

5.0

ブルックナーの第七交響曲に彩られた世界の始まりへの律動は、愛の必然性を証明することなどせず、愛という無数の罪を誤魔化すための言葉が持つ神話の効力を脱呪術化するための甘美さだけをただひたすらに備えている>>続きを読む

冬の光(1962年製作の映画)

5.0

あらゆる感覚がまどろみに沈もうとしているなか、魂は誰にも見張られずに自由にただよおうとしている。
夜の魔法の世界で、深く、永遠に生き続けるために。私たちがこの孤独の世界で迷わないように。

桜桃の味(1997年製作の映画)

4.5

バタイユ的に言うなら、生は死の否定である。死の断罪であり、死の排除である。
しかし死が意識を持つ個体としての人間の不在を喚起しないとき(その存在論的基盤を失うとき)、生命の苦悩と歓喜の経験の狭間で人は
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生きものの記録(1955年製作の映画)

3.5

正常と異常のボーダーを無意識に内面化させ、偏見の目を向けて生きることこそが恐怖である。映画はそれを例示する。
10年前に落とされた核爆弾以上の威力すら忘れたように度外視してしまうほど、人は冷静に笑って
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冬の旅(1985年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

どこまでもマージナルなサンドリーヌ·ボネール。
ターミナルで再集合する登場人物は、彼女を見捨てた事実による同心円上で緩かに繋がる。それは現代社会の人間的なネットワークの姿を皮肉に象徴している。
都市と
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壁画・壁画たち(1981年製作の映画)

2.5

壁画は、場所におけるアート(自由な個人的表現)性、地政学的問題を代表し、社会的な無意識を反映する公共物になる。
その例として、メディアで採用されないメキシコ人の問題について利害を主張するために壁画が描
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