普通は電車か車で行くだろうというところを、歩くという選択をし、500マイル北上していくハロルド・フライにロマンを感じた。これぞロードムービー。
最後の洒落も含めて、ショスタコーヴィチの交響曲第5番で涙するストーク大佐のキャラクターが好きだった。
トラックが次々に氷に落ちていくシーンはなかなか迫力があった。
アンドリュー・ヘイ作品の中でも指折り。
ほぼ2人だけで映画を成立させてしまうトム・コートネイとシャーロット・ランプリングの素晴らしさたるや。
強固な絆で結ばれたはずの関係があれよあれよと憎しみあいに変わる。姦通の罪深さを物語る作品。
オリジナルの『異人たちとの夏』と比較すると、だいぶ脚色は加えられているが、じつはこちらの作風の方が好きなのかもしれないと思えた。ゴーストストーリーズのお膝元英国でリメイクしたのは正解だったように思える>>続きを読む
リメイクされた『異人たち』を鑑賞してオリジナルのこの作品に辿り着いた。幽霊譚と人情噺がうまく混ざり合った佳作。
とくに、今半ですき焼きを食べながら息子を労う両親との別れのシーンは堪らなかった。使い終>>続きを読む
いちいち笑わせてくれるコミカルな作品。公衆電話でボタンを小銭かわりに代わりに投入するのは何より笑えた。アラン・アーキンのアクセント、キャラクターが見事にハマっていて面白い。Amphicar770とLo>>続きを読む
原爆を生み出したオッペンハイマー博士の伝記映画。
率先して計画に参加したのかと思えば、完成したあとは自責の念に駆られているようにも見えるどっちつかずの態度には驚いた。歪んだ思想の持ち主というよりは、>>続きを読む
主人公エリーにまつわる謎についてはユーモアがあって面白かった。
殺陣やCGも含めて意図があってこの世界観を選択したように感じられた。
富裕層の生活や遊び方が描かれる作品。
挿入歌Nina Simone"Sinnerman"が流れるタイミングが見事だった。
ホームズの弾く"Danny Boy"が愛嬌があって印象的だった。
キングスマンのルーツを描く作品。
シリーズ随一の惹きつけられるストーリーかもしれない。
精神病院で長年を過ごしたモナ・リザ・リーは不思議な力を使って脱走。辿り着いたニューオーリンズの街で追跡者から遁走する。
不思議な力についてはとくに説明がなく、あくまで飛び道具。本筋にはさほど重要では>>続きを読む
久々に観たくなって棚から一掴み。
"世のため人のため"という大それたものではなく、"何か気に食わねえ"という憤りから事に発展している点が好きな作品。
窓から落下した夫の死を巡り、裁判の判決までを描いた作品。
主人公サンドラと息子がのぞむ裁判の様子が緊張感に満ちていた。
フーダニットやハウダニットもののミステリーとは異なる魅力があった。
米軍がアフガニスタンを撤退するまでの間、彼らに協力していた現地の通訳、コーディネーターにフォーカスした映画。戦争映画はあまり鑑賞しないが、着目点が優れていた。
協力すればピザを発行すると仰ぎながらそ>>続きを読む
プロレス好きにはたまらない作品。父が偉大だとなまじその背中を息子たちが見てしまっているため、同じスタイルを踏襲しなければならない、またはそういう空気が周りにも流れてしまってそうせざるをえない難しさがよ>>続きを読む
ウディ・アレンの好きなものをすべて詰め込んだような映画。相変わらずの皮肉っぷりも健在で、萎れた様子はまったくうかがえなかった。むしろまだまだ生きて作品を作り続けてやるという意志が垣間見た。
しかし、>>続きを読む
なかなか心を開かない少女がホームステイを体験し変貌を遂げる。それだけだと言ってしまえばそれまでだが、主人公コットの育った環境や、心を閉ざす過程を丁寧に描いているため、彼女が少し変わったという部分に大い>>続きを読む
英国に住むパキスタン人の社会や文化を垣間見る映画。多くの人種が住むロンドンの面白さと難しさがよくわかる。
シャザド・ラティフの好演が光った。
約25年ぶりに再び鑑賞した。
ヘンリー8世崩御後の混乱したイングランドを束ねたエリザベス1世の物語。劇中で描く年代を絞って丁寧に描いている割には伝記的要素は薄い。とはいえ手垢がついた古典作品のテイス>>続きを読む
ランボルギーニを創設したフェルーチオ・ランボルギーニの物語。夢のためならばすべてを犠牲にしても叶えてみせるという、破天荒な生き方をした人物だと映画を通じて初めて知った。本当の車好きとは彼のような人のこ>>続きを読む
どちらかと言うとギャバンよりもドロンにフォーカスされた作品。もう少しギャバンが前に出てきても良かったような気がした。
ユーモアのあるクライマックスに驚かされる。
これまでの作品にない作風のポアロ。いよいよケネス・ブラナーの色が出て来て続編がどうなるのかに大いに期待できそう。
映画化されていない作品にどんどん着手して欲しい。
硬派な順でいうと007→キングスマンの次点として新たな受け皿になってくれそうな英国作品の予感。
ヒュー・グラント、ジョシュ・ハートネット、エディ・マーサンの配役が絶妙だった。さすがガイ・リッチーとい>>続きを読む
少々ポアロが芝居がかり過ぎるものの楽しめた。
ブルースを聴いて感傷にふけるポアロの姿はなかなか新鮮だった。
豪遊生活や華美なパフォーマンスを続ける巨匠としてのダリと、内側の人間しか知ることのない孤独なダリの違いを晩年のダリと共に時を過ごした主人公ジェームズの目線から描いている。
"ときどきサルヴァドール・>>続きを読む
結婚を迎える娘とその父親の物語。
歳を取るに連れて、だんだんと父親側の心情に共感できるようになってきた。
同胞を殺す以外に生き延びる術がなかった主人公ハリーの酷い境遇に慰みの言葉もない。落胆し、怒りに身を震わせる彼が神を信じなくなるのはさもありなん。すべての登場人物の精神がどこか破壊されている悲惨な時代で>>続きを読む
ナチの拷問で精神を破壊された、あるいは破壊されるのを防いだ男の物語。そこにチェスが大きく絡んでいる。
最後に出てくるシュテファン・ツヴァイクの言葉が素晴らしい。
"今日 我々は精神が無敵だと信じね>>続きを読む
ベンジャミン・ブラック『黒い瞳のブロンド』が原作のフィリップ・マーロウ。原作よりも映画の内容に軍配があがった数少ない作品の一つになった。
老境に入り、少しうらびれた様子のあるマーロウをリーアム・ニー>>続きを読む
終始マーロウの目線で撮影された原作に沿った作風。主人公がほとんど登場しない稀有な作品。前衛的なカメラワークをはじめ個性的で面白い映画だった。
ジョージ・モンゴメリー演じるマーロウがかなりソフトでハードボイルドの要素は皆無だった。
原作の独特な雰囲気は消え、ラブロマンス的な要素が全面に出た作品に変わっている。
メガロドンが襲ってくるという展開がわかっていても楽しめる。ただ襲われるだけのパニック映画ではなく、なぜ襲われるのかという理由が明確で、現代が抱える問題と結びつけられていて一理あると納得せずにはいられな>>続きを読む
香港でイメージするのは香港料理、カンフー、雨傘運動を連想するが、辺境禁区やフェリーを乗り継いで行く田舎があったり、香港について無知であることを思い知らされた。まだ見ぬ香港で繰り広げられるラブストーリー>>続きを読む