ジプシーさんの映画レビュー・感想・評価

ジプシー

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楢山節考(1983年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

因習や掟が支配する村社会に住む人々。
彼らの行動や感情が理解できないところがちらほら。
剥き出しの生と死。演技や撮影に何となく気迫を感じ、内容に関わらない名作の品格が漂う。
日本の片田舎の村の映画が世
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

展開やセリフは平凡でドラマ性に欠けるので退屈した。
duneの世界表現としての映像の迫力と、それを過剰なまでに盛り立てる圧倒的な音楽は楽しい。
サンドワームを操縦するアイデアと絵面は観れてよかったと満
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

広島と長崎の描写を避けたノーランと広島のレポートから目を背けるオッペンハイマーが重なる。
物理学者の情熱と勝利にスポットが集中したからこそ、その狭い世界の解像度が上がった。
大統領という政治トップのニ
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i ai(2022年製作の映画)

4.0

自然にのびのび生きている人たちの不潔で汚い生活に生命力を感じた。
ところどころ分からず置いてかれてる時間とピュアな感動が交互にあって全肯定はしないけど好きは好き。

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

どのシーンもまさに絵画のように美しく、陽光と闇夜のコントラストが鮮烈。
視線のぶつかり合い。描く側も描かれる側もたじろぎもせず毅然として、見てるこちらが耐えかねるような緊張から逃げる素振りも見せず、む
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

4.0

シリアスなシーンがないからか演技が気にならなかった。全てボケで映画を作りきったのがすごい。

8 Mile(2002年製作の映画)

4.0

さんざん鬱屈した展開からの最後のバトルでスカッとした

マルコムX(1992年製作の映画)

4.8

3時間たっぷりマルコムX。
自伝映画としての完成度が高い。
マルコムXの野性、知性、情熱、狂気、愛が感じられた。

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.5

セリーヌ好きになってまう。
互いの状況から考えや思いにまで話が進む。優しい嘘も交えつつ心の深い所まで吐露し合う。会話のテクニックなんかじゃなくお互いが心を開けるかどうか。
理想の男女に見えるけど現実じ
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レナードの朝(1990年製作の映画)

5.0

レナードにすっかり見入ってしまって共感度合いが半端じゃない。久々にシンクロした。あいさつを交わすだけで最高なあの感じがよく分かる。ああいう感覚で生きてるなぁ。母親やセイヤーにとっては短い一夏の思い出だ>>続きを読む

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ヤバイ話ランキング1位やろ。
好みや面白いかは置いといて、ここまでエグい話を作れたのが驚き。
初めはバイオレンスな復讐劇かと思ったがラストにかけてのネタバラシの畳み掛けは圧巻。
男の狂気と情けなさが骨
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お早よう(1959年製作の映画)

4.5

奥様方の井戸端会議を客観的に見る可笑しさ。
テレビのない時代と1人スマホ1台の時代、何が違うんだろうと考えるきっかけになるもはや時代劇。
大人の挨拶をバカにするくだりで爆笑した。
弟くんはアイドル。

ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

定番の凸凹コンビ、バディ映画としてのクオリティが高い。2人の最悪の出会いから境遇が重なり、過去を共有していく。2人の関係性が深まっていく過程に嘘臭さがない。
エレノアが途中で合流し2人の仲を掻き回すか
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オーシャンズ11(2001年製作の映画)

4.0

テンポの良さと分かりやすさ。
メンバー集めて協力プレイのストーリーは楽しい。

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

天才建築家とIT成功者なはずなのにクローズドな家族の中の展開が殆ど。
社会の厄介者から芸術家に、仕事をしないと役立たずって、天才ならではの随分特殊な悩みだな。南極でたまたま巡り合った勢いで成し遂げてし
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シン・レッド・ライン(1998年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

兵士の間を銃弾が飛び交い爆発で吹き飛んだ次の瞬間、鳥の雛が羽化しトカゲや猿や梟やコウモリやらの目がカットインしてくる。
人間関係の中で埋もれて自分の意思も外の世界も見えなくなっていくけど、ウィットはそ
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ウォッチメン(2009年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ヒーローと歴史をうまく組み合わたSF。
法治国家の機能不全と暴力の復活。2010年代のヒーローブームを予兆したような作品。
核戦争の回避にはDrマンハッタンのような超人的仮想敵の出現が必要というラスト
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.5

カメラと街と会話だけで、ほとんど音楽すらなく映画が成立するとは。
偶然居合わせた男女が話しながら次第に仲良くなって、日の出前には誰よりも理解し合ってしまう奇跡のような恋愛。こんな恋愛してみたい、でも現
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ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版(1989年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

80年代に50年代のノスタルジックな村の世界を描く。その80年代を羨む今がどれだけ廃墟なのか、かつてを知らない自分には分からない。
ただ映画好きたちの熱狂だけじゃなく村には色んな人がいることもよく描か
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幻の光(1995年製作の映画)

4.8

人と風景が重なり、溶け合う。演出も構図も色合いも絶妙で独自の世界観。あらゆるカットが美しい。
尼崎のゆみ子はかわいらしい恋する少女で、能登のゆみ子は気丈な妻で母親。
これがデビュー作かと思うと衝撃的。
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.5

生きるとは、というテーマを説教臭さなく巧みに描いたSF傑作。
ほとんどモノローグ、心の声だけで展開するのが斬新で、映画だから表現できる人間の生活。
目に見えないものに心を開くとこんなに素晴らしい人生に
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.0

男の視線の気色悪さ。
レクターがなぜか紳士に見える瞬間がある。

バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

やたらと攻撃的な白人は、鬱屈した人生のはけ口にシューティング。ピストルにしがみついてピストルが無きゃ不安でパニックになる弱々しい人間。
バクラウは争いを好まず平穏に生きているが、いざという時には村総出
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

スマートな人たちの会話劇。
ところどころ映画オタクの2次創作的な要素が入ってきてフィクションの楽しさを感じる150分。死体処理のシークエンスはタランティーノがダラダラふざけてるのが伝わってきてニヤニヤ
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

脚本のテンポとかは良くて退屈しないんだが、どうしようもない男とサイコな女が主役なのがいまいちつまらなかった。

セブン(1995年製作の映画)

4.0

シリアルキラーの雰囲気よかった。
胸糞悪いよくできた完全犯罪。

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

4.5

世界はどうなっているのか、というテーマをコメディで面白おかしく描く脚本がすごいよかった。
2人でいる時に突然商品のコマーシャル喋り出すトゥルーマンごっこやりたい(笑)

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

死んだ彼が幽霊となって彼女を見守る話から、自分の家の歴史を辿る展開に。
彼は生前引っ越すことを厭い人の出たり戻ったりをストレスに感じていて、彼女との愛の巣を作ることに強くこだわっていた。家にも歴史があ
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彷徨える河(2015年製作の映画)

4.5

初めての映画体験。
彼らはみんな俳優らしく演技だったらしいがドラマじゃなかった。
言葉にしにくいけどアマゾン感じた。

七人の侍(1954年製作の映画)

4.5

脚本が素晴らしく良くてストーリーもキャラも好き。金も名誉もなく命がけで戦う男たちの生き様。
セリフと声と表情と佇まいで人物像が伝わる。
3時間の映画が長いのは今の定型化された常識で、3時間分の中身がし
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ほとんどドキュメンタリーな臨場感。
トムハンクスのパーフェクト演技。
英雄か過失かのせめぎ合いで本人も葛藤するが、結局のところどちらでもなかった。機長は経験に従い職務を全うし多くの人が助けに走ったから
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

原始時代から宇宙時代への演出すごかった。始めは道具で殺し最後は道具に殺される。
セットや特撮のディテールが緻密でゆっくり見せたい気持ちも分かる。
平常運転のゆったりとした時間感覚がHALが攻撃し始める
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アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

コメディで見やすい。
失敗したらやり直すを繰り返し、完璧な男を演じるが、最後は日常の大事さに気づいて過去に戻らなくなったティムの成長譚。
結婚式で台風に襲われながらもみんなそれぞれ楽しそうなシーンがよ
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

低予算だからこそできる表現の工夫が練られてて映画愛が伝わった。
25歳でブリグズビー・ベアしか知らないジェームスが外に出て拒絶されるんじゃないかと思いきや、映画への情熱で警官の壁も誘拐犯の壁すらも超え
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聖の青春(2016年製作の映画)

4.0

自分の知らないところに狭い世界があってその界隈で情熱的に生きる人たちがいることに何だか安心する。
将棋一筋で生きる、それも寿命が長くない中でこれしかないっていう生き様は、ひとりよがりで切なくて、床に伏
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