長編初監督にして、ジェシー・アイゼンバーグ、すごいな。最新型のしんどい親子話。DV被害者のシェルターを運営するなど社会活動(政治)を積極的に行ってきている母と、音楽を通じてインフルエンサー(商業)を目>>続きを読む
『アメリカン・ユートピア』からデヴィッド・バーンをちゃんと知った人間としては、約40年前からこれをやってたかと驚いたし、ライブ演出にしても音楽性にしても、なるほど、後進への影響の大きさは感じられた。浮>>続きを読む
キャストが好みなのとフィルメックス選出ということで観てみたが、何とも微妙。ニュースにもなったホスト殺人未遂事件の公判記録から掘り下げていったとのことだったが、創作にする過程での登場人物たちの掘り下げが>>続きを読む
ベルリン映画祭で注目されたバス・ドゥヴォス監督最新作。ベルギーという国ならではの自然な多言語観。全ての物事をホリゾンタルに扱いたいという監督の言う通り、都会のビル群や自然の中の苔コロニー、森が等価に映>>続きを読む
原作は好きだけど、ビックリするくらい無風だった。山下敦弘監督、近作がほぼハマらないので、早くオリジナル作品を作って欲しい。原作は絵柄も含めてファンタジー性が強い作品だからこそ楽しめたが、マジヤクザが中>>続きを読む
マジで何も分からなかったので、何も書けない(これを全部、1人の脳内で考えて作ったのか!すげぇ!くらい?)のだけど、ちょうど今、見られる「ミニミニポッケの大きな庭で」と比較すると、短編集だったら、楽しめ>>続きを読む
#MyFFF に併せて、『サントメール ある被告』アリス・ディオップ監督の前作を。サントメールも今一つだった者として、本作を配信で集中して観るのは無理だった。提示する問題やテーマ自体は意義深いのかも>>続きを読む
ティルダ・スウィントンの一人二役が自然(しかも親子役なのに!)で凄い演出!とは思ったが、配信で見た分、映像や音の美しさを感じることは出来ず、評判のジョアンナ・ホッグの手腕を実感することは出来なかった。>>続きを読む
東京日仏学院にて。やはりレア・ミシウス、長編デビュー作から、とんでもない。ノエ・アヴィタも若干18歳で、凄まじい演技。奇しくも #哀れなるものたち と同様、女性の性の目覚め(同時に視覚を失っていく…)>>続きを読む
素晴らしい!早くも、年間ベストに入るくらい好み。ヨルゴス・ランティモスらしく極めて変でグロテスクで下世話な映画なのに圧倒的にポップで美しい。ミシェル・ゴンドリー作品を待望する人間として、思わぬ方向から>>続きを読む
文句なしの実写化!流石、信頼のハイロー久保監督。そして、彼に任せた製作陣に天晴れ!『キングダム』からの山崎賢人とスタッフ、『アイヌモシリ』福永壮志監督を経ての山田杏奈の起用も素晴らしい。世界に誇れる日>>続きを読む
まずはウディ・アレンが健在で良かった。2020年時点のウディ・アレン自身のような愛すべき老害の妄想。数多くの名監督が自伝的映画を作る中で、彼は今を描く。絵画の世界ではなく、今回は名作映画の世界に入って>>続きを読む
草野なつか監督の初長編ということで、監督自身が認める通り荒削りながら、傑作。『王国』と同様に現実が虚構(創作)に変容する瞬間を映しとる。シンプルな三角関係に見えて、その奥行きは深く、如何様にも解釈でき>>続きを読む
香港そのものの変化を、ネオンが消えていく街並みに重ねる。失われた夫であり父の存在もまた香港そのものが重なる。若い頃からの夢を叶えるべく、コツコツと積み上げて来たものが、時代の流れの中でガラガラと崩れ去>>続きを読む
相変わらず杉田協士監督作品は初見時には理解できず、船を漕いでしまうシーンも多々あるのだけれど、それも込みの鑑賞体験として心地良い。抜けたシーンを埋めるべくパンフの「撮影稿」を読むと、他のシーンもバッサ>>続きを読む
岡山天音に圧倒される2時間。最後までツチヤタカユキに少しも共感できないままでも面白く観られたのは、菅田将暉や仲野太賀らとの凄まじい演技合戦があってこそ。笑いに呪われた男が、実力だけで一歩ずつ上っていく>>続きを読む
有りそうで見たことない近未来SF。SFという「if」を題材として扱いながら、作中でifを描くメタSF。シアーシャ・ローナンとポール・メスカルがとにかく素晴らしいが、『LION』ガース・デイヴィスの映像>>続きを読む
終盤は嗚咽の連続。なんと美しい愛の映画を…!マリヤム・トゥザニ監督、『モロッコ、彼女たちの朝』から更に人物描写の細かさ、丁寧さが増して、既に巨匠の貫禄。主要登場人物3人だけの小さな世界の静かな映画なの>>続きを読む
これ、何で劇場公開しなかったかな…!『はじまりのうた』『シング・ストリート』のジョン・カーニー監督作で、ジョセフ・ゴードン=レヴィットが出演する、ほぼシングルマザーと不良ワナビー息子に纏わる音楽ドラマ>>続きを読む
劇場鑑賞2作目にして、もうケリー・ライカートの大ファンだ。なんだ、この人間そのものを映しとる映画は。説明的な表現は何一つない。ただ、彼女たちが生きている姿を映しとるだけで豊かな映画になっている。牛映画>>続きを読む
味わい深い…。生活のために違った目的で未開の地を訪れた2人の優しい男が唐突に出会い、資本主義に巻き込まれ、ついには資本家に追われる様を淡々と描くのだが、ゆったりと濃厚な人間関係を描く前半と、スピーディ>>続きを読む
なんと愛おしい…!誰でも作れそうなシンプルな話に恐るべき奥行きを持たせ、カウリスマキ作でしかない傑作に仕上げる巨匠の辣腕。さりげなく爆笑を掻っ攫いながらホッコリ、時にドキッとさせつつ泣かせる。2020>>続きを読む
マジでどうしちゃったんだディズニーと思ってしまう酷いクオリティ。内容とか思想とか以前に、アニメーションとしての魅力が無さすぎる。政治的メッセージとエンタメとしての面白さが両立し得ることは数々の近作でも>>続きを読む
圧倒的なライブ体験。テイラーに続いて、世界トップクラスのライブを、画面越しとは言え、素晴らしい音響と映像で体験できるとは。TOHO日比谷の通常上映でも最高でした。ビヨンセほぼ知らなくても楽しめたので、>>続きを読む
傑作!エメラルド・フェネル長編2作目でこのキレッキレな映像美は驚愕。若くして数々の傑作を体現して来たバリー・コーガンが演じるからこその多重性。ジェイコブ・エロルディ(「EUPHORIA」)のエロさ。ア>>続きを読む
名前は知っていても起こったこととその後のことをはっきりとは知らなかったエメット・ティル事件を真正面から描いた映画。彼がどんな少年だったか、なぜ都市たるシカゴからミシシッピの田舎に行ったか、当時から都市>>続きを読む
常間地裕監督の新境地ながら確かな作家性。「味の話」「香の話」「音の話」の三編からなるオムニバスで、全く異なる時と場所と人を描いた重ならない作品群であり、演出や撮影方法も大きく異なりながらも、違和感がな>>続きを読む
「いちばんすきな花」に通じる今時の男女の関係性を描いた作品であり、 「愛にイナズマ」に通じるコロナ禍の苛立ちを描いた作品であり、つまりは2023年の今ならではの映画。説明的でなく沈黙や長回しを使って、>>続きを読む
今年のカンヌ・パルムドール『落下の解剖学』のジュスティーヌ・トリエ監督による2013年の作品。フランスにおける婚姻関係や親権の扱いについて学びがあるが、それ以上に、フランスにおける人と人の距離の近さと>>続きを読む
週末に起きた出来事を通じて、まさしくアメリカの「終末」を描いている訳で、原作を出した早川書房の担当者さん(翻訳の高山真由美さん?)素晴らしい。終末への3ステップは、プロデュースにオバマ夫妻が入っている>>続きを読む
「ザ・プレイリスト」しかり、IT業界内幕モノは低温にするのが流行りなのかな。ちょい前の「テトリス」とかテンション高くて好きだったけど、本作もユーモアは忘れない。iPhoneを作れ(ら)なかった人という>>続きを読む
冒頭の衝撃的な事実が語られる取調シーンの後は「ホン読み」の繰り返しが独特の撮影と編集で映されるだけなので、途中まで呆気に取られてしまうが、作り手の意図が垣間見えると、ゾクっとさせられる。物語として演じ>>続きを読む
天才バーンスタインの人間味だけを切り取った映画。しかも主役はキャリー・マリガン演じるフェリシア。才能に惚れ込み、彼自身を愛し、愛されながら、夫の抱える公然たる「秘密」に苦悩する様をドライに、時にじっく>>続きを読む