しゅんかみさんの映画レビュー・感想・評価

しゅんかみ

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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

5.0

3時間26分という、いくら映画が好きでも怯んでしまう長さですが、観ている間ディカプリオと一緒に事態に絡めとられている感覚になって、一瞬も飽きる時間がなかった。
(全世界でもまだ公開されていないこの作品
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同じ下着を着るふたりの女(2021年製作の映画)

4.7

東京フィルメックスにて。
『私ときどきレッサーパンダ』、『秘密の森の、その向こう』など、今年は母娘の関係を描いた映画で面白いものが多いと感じるが、この映画はかなり異質で、2作のように映画を通して見て腑
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RRR(2022年製作の映画)

4.0

ハチャメチャに面白い。
アクションシーンは痛みを感じさせるリアルさとケレン味が同居していて、最先端というところまで来ていると思う。

ただ、同時に危うさを感じてしまった。
英国の植民地支配に対する、抵
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

5.0

「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いている」という言葉、なんかすごく怖いんですよね。

この映画はこの言葉を映像にしたようなシーンから始まり、またこの言葉のように「見る」ことについて、あるいはさら
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

5.0

生涯ベストがひとつ増えてしまった。


これこそ映画だし、こういう映画が観たくて映画を観ているんだと全細胞で感じた。

観終わった後、「今日このまま死んでも幸せかもしれない」とすら思った。



劇中
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

5.0

恥ずかしながら初めて鑑賞。

30年前の映画とは思えないめちゃくちゃ先進的な映画であると同時にラストに向けてのエモーショナルの高まりに涙を禁じ得ない。
こんな大傑作ならもっと早く観たかったわ!

…と
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

チームヒーローものというジャンルをまた更新してしまったんじゃないか…
気持ち悪くてグロくて悪趣味なものが映ってるのに、同時に美しくて愛があって、めちゃくちゃ感動してしまった。
ジェームズ・ガン、おめで
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隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

5.0

隔たる世界の2人

あるアフリカ系青年が、家から出てタバコを吸っていると特になんの理由もなく白人警官に取り押さえられ殺されてしまう。しかし彼は再度目を覚まし、同じ1日を繰り返す…といういわゆる「ループ
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ガールズ&パンツァー 最終章 第3話(2021年製作の映画)

5.0

いやもう最高かよ。
知波単学園戦から準決勝の序盤まで。と言ってしまえばそれまでだけど、あと一歩まで大洗を追い詰める知波単や、準決勝の相手の不気味な行動とラストのクリフハンガーまで、目が離せないスペクタ
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街の上で(2019年製作の映画)

5.0

1人で映画を観た後はたいていイヤホンして音楽を聴いちゃうんだけど、たまにイヤホンせずに街の人の声を感じたり見たりして、他人の人生を想像したりしたくなることがある。この映画はまさにそういうやつ。

若葉
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マ・レイニーのブラックボトム(2020年製作の映画)

4.8

チャドウィック・ボーズマンの遺作にしてアカデミー賞ノミネート作。
どういう映画かほぼ情報なしで観ていたので、基本的にはほぼワンシチュエーションの会話劇だったので驚いたが、元が戯曲ということで納得。
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.9

予告の「騙し合い」的な要素も無くはないけど、実は「面白い芸術をどうやって世に出して行くか」という話だったように思った。
というか自分も途中までその騙し合い的な要素に引っ張られてしまったので、フラットな
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ノマドランド(2020年製作の映画)

5.0

住む場所や職を失った主人公がアマゾンの倉庫で働く…という時点で、『家族を想うとき』みたいな辛い話か…?と思いきや、この放浪という生き方も悪くはない…のか?くらいの描き方。
そしてそれを美しくて広大なア
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.9

2009年に観た当時は、「文句なしに最高!!」と思っていたんだけど、シンエヴァ前に見返した時点で思ったことがあったので書き残しておく。

この映画の何が最高だったかと言えば、『序』がテレビ版のほぼ「リ
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

ここまで巨大化してしまったエヴァという物語を語り直して終わらせるという作業が完遂されている、という事実だけでも感動してしまう。もちろん、むちゃくちゃ訳分からないけどでもおもしろい、TVシリーズを観た時>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

5.0

いやー超面白い。『パラサイト』のような階層を描く社会派の映画でもあり『ダウントン・アビー』のような貴族社会を描いたコメディのようでもあり、そして女性の自立や連帯を描いた映画だった。
意外にも笑えるとこ
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

1.0

予告編で観る限りは、「普通」や「常識」をちゃんと問い直す映画に見えたので、それなら今っぽいなと思ったし、清原果耶と成田凌というフレッシュな2人の主演映画ということで割と期待して観に行ったけど、感想とし>>続きを読む

乱れる(1964年製作の映画)

4.8

Netflixで配信開始となっており、映画好きを名乗るなら成瀬巳喜男の一本くらい見ておかなきゃという謎の自意識から鑑賞。

まず、主演の加山雄三と高峰秀子の素晴らしさにやられた。また、1960年代の地
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野球少女(2019年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

終盤に主人公・スインがプロチームから「女性チームのフロント」の提案を受けるくだり。
球団の代表から「女性であることが短所ではなく長所だと思う。(だからこのポストを任せたい)」という、一見落としどころに
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.9

同時期に公開の同じようなテーマの作品だったので比較対象としてしまうけど、『ヤクザと家族』が届きそうで届かなかったところに到達していたと思う。

綺麗事として頭で理解してしまいがちな「元受刑者の社会復帰
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ミッドナイト・ランナー(2017年製作の映画)

4.1

韓国版の『21ジャンプ・ストリート』っぽい、笑えるところも豊富なエンタメ映画。
それにしては相手にしている犯罪が最低中の最低なので、あの程度ボコすだけで終わらせて良いのかという問題もあるけど楽しめた。
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あの頃。(2021年製作の映画)

4.0

前半、自分が本当に好きな推しに出会った主人公と、同じ好きを共有できる仲間に出会う部分は本当に感動してしまった。「桃色片想い」で落涙する主人公を観てこっちも泣けてしまうし、大学のイベントで、周りで観てい>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.9

2幕目までは悪くはないし、3幕目の磯村勇斗が良い。ただ、景気良くねえな〜というのが正直な感想…
暴対法によって落ちぶれざるを得ないヤクザを描きたかったのは良いんだけど、せめて磯村勇斗の父親の仇を討つク
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ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

5.0

4K HDR版を丸の内ピカデリーのドルビーシネマで。

小学校4年生の時、公開当時に観に行ったけど、心情的にはゴジラが好きだったので小4のくせに「ガメラ〜?」という若干ナメた態度で観に行ってたような気
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

5.0

恋愛、貧困、労働、カルチャーが鋭利な刃物を持って襲ってきて、グサグサと刺して去っていくような映画。

一見あるカップルだけの話にも見えるけど、この顛末に至るのは日本が抱えてる新卒第一主義やブラック労働
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トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そして(2020年製作の映画)

5.0

星野源さんがANNで名前を出していたので。

ステレオタイプ的な描かれ方や、シスジェンダーの俳優がトランスジェンダーを演じることなんかは、あらゆるマイノリティ表現に繋がる話でもあり、めちゃくちゃ視点の
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3年目のデビュー(2020年製作の映画)

4.0

「日向坂で会いましょう」しか観てないので、このグループが今に至った経緯を知るには良かったし、「青春の馬」と濱岸さんの復帰や不在の小坂さんのストーリーが重なるところはグッときた。

ある程度彼女達のこと
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

4.6

普通のアジアの役所然とした冷たい雰囲気の建物も、撮り方によっては『裏切りのサーカス』みたいな大人の色気を漂わせることができるのか、という驚き。
実際にパリやワシントンでロケしているのもゴージャスで、本
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キング(2019年製作の映画)

4.4

自然光とか蝋燭の明かりで作られた陰影濃いめの絵作り+いろんな映画の良い顔英国俳優てんこ盛りで楽しめたし、なによりシャラメの独特な存在感がヘンリー5世のいろんな面を好演してて、名実ともに彼の映画になって>>続きを読む

スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち(2020年製作の映画)

4.8

『ようこそ映画音響の世界へ』もそうだったけど、この映画も映画の見方に厚みを加えてくれるような映画の裏側ドキュメンタリー。
スタント「ウーマン」であることで要求される現場での立ち振る舞いに気を遣う部分と
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名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)

4.6

韓国クソデカ感情ヤクザ映画だけど、想像以上にミステリー的要素も強めだった。過去と現在が入り組む構成に主人公と共に観てる側も振り回される。

特に銃撃戦のシーンとか、絵がバッキバキにキマっていてほとんど
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EXIT(2019年製作の映画)

4.5

新年から鬱々とした世相なのでカラッとした映画が見たくなり、そんな映画っぽいという評判を聞いていたので見てみたら、まさにピッタリだった!
序盤はマジでこの映画何?となるコメディシーンの連続でそれはそれで
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

5.0

あまりにも素晴らしすぎて余韻がすごいので、久々に感想文を書きいて発信したくなってしまいました。

しかし、まずこの映画を観る上では、最低限マーゴット・ロビーが演じるシャロン・テートという人について知っ
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サスペリア(2018年製作の映画)

4.8

エッジの効いたビジュアルのせいか、掴みきれないストーリーでも目が離せない。
『ブリッジ・オブ・スパイ』を思い出すような冷戦下のベルリンの美術も素晴らしかった。
そこかしこに、ここ数年のトレンド感がある
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ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

4.9

『アンブレイカブル』『スプリット』『ミスター・ガラス』
なんちゅう綺麗な3部作だ。『スプリット』後に『アンブレイカブル』を見直すと、また違った感慨があったけど、『ミスター・ガラス』後に『アンブレイカブ
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シュガー・ラッシュ:オンライン(2018年製作の映画)

4.6

もはやゲームは関係ないんだけど、インターネットをアニメ化するというアイディアと、ディズニープリンセスのメタギャグに笑った。

振付師の竹中夏海さんがツイッターでヴァネロペとラルフの関係を「引退するアイ
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