しゅんさんの映画レビュー・感想・評価

しゅん

しゅん

2016.1.1〜
一回観ただけで採点する度胸も能力もないので、点がついてるのは複数回観た映画です。(途中から新作もつけることにしました)
家で映画を観るのが苦手で劇場で観ることが多いです。名画座好きです。
もっともらしいことを言ったりします。昔は映画苦手でした。

M/OTHER(1999年製作の映画)

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傑作。タイトル通りMotherとOtherの間で引き裂かれる女を映した映画は終始暗い画面の中で展開するのだが、その暗さを利用して開始40分間子供の表情を見せないという演出を施す。顔の見えない不気味さが>>続きを読む

2/デュオ(1997年製作の映画)

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素晴らしい。映画を観ていてよかったと思う映画。
「結婚」と発話するときの絶望感、男から女へと狂気が移動する過程、窓から覗く貨物列車と眩しすぎる夕陽。全てがいい。特に自転車と車の併走。びっくらこいた。田
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わたしたちの家(2017年製作の映画)

3.8


(パンフレットに私のレビューが伏見瞬名義で載ってます)

試写でみました。

暗い部屋で、白のワンピースを着た少女達がエレクトロニックなポップスに合わせて輪になって踊る。シンディ・ローパーのGirl
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レディ・ガイ(2016年製作の映画)

3.1

悪くない、悪くないよ。ドンパチ抑えめだけど、静かな安っぽさが新鮮でおもしろい。ストーリーにおける犬の存在の無用さもなんかいい。
シガニーウィーバーの紺シャツ×ドット柄ネクタイかっこいいです。

恋山彦(1959年製作の映画)

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神保町シアター、新春時代劇傑作選

マキノ雅弘作品、連続で鑑賞。
まず話がやばい。吉川英治の原作がすでにやばいみたいだが、徳川綱吉治世の江戸の世に、伊那(現長野県)に潜んでいた平家の残党一家が乗り込ん
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清水港の名物男 遠州森の石松(1958年製作の映画)

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神保町シアター、新春時代劇傑作選

冒頭、次郎長お屋敷でのショットのつなぎの鮮やかさに魅せられ、後は錦之助の魅力にやられっぱなし。丘さとみ(かわいい)との風呂場のシーン、二階から振る舞う猿の物まね、最
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レベッカ(1940年製作の映画)

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シネマヴェーラ、ヒッチコック特集。
前半の嫌味なぷっくりおばちゃんと後半のレベッカがつれてきた目がいってるメイド、二人のおばちゃんがかなり効いてる。

ヒッチコックにはどこか苦手意識があって、おそらく
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ふしだらな女(1927年製作の映画)

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シネマヴェーラ、ヒッチコック特集。

法廷シーンと回想シーンを、デキャンタグラスなどのアイテムでつないでいく前半がいい。あとは後半の、アップの際の顔の角度だけで二人の女の対決の勝敗を理解させる表現。過
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キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

3.0

頭から見せ場をつくりつつ後半までテンションを落とさずに二時間強を走り切るのは立派だし、ストップアンドゴーで見せるCGアクションも前作同様いいノリを出しているが、ジュリアンムーア演じる敵ボスがどんどんし>>続きを読む

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

3.5

折り紙ハンゾウがかわいい。サーモンが美味しそう。

伊藤計劃の(小説より遥かに素晴らしい)エッセイ『人という物語』における「人間は物語でできている」という言葉に心底納得した身としてはなんともすんなり入
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荒野のガンマン(1961年製作の映画)

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新文芸坐

ペキンパーとプロデューサー(モーリン・オハラの弟)が喧嘩して、話がグダグダになったらしく、確かに後半の煮え切らなさがやばい。冒頭の首つり処刑未遂シーン、足元から縄へカメラが動くときの緊張感
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駅馬車(1939年製作の映画)

4.5

新文芸坐

今年一発目はこちらでした。
もちろんクライマックスの疾走すごいんだけど、話もめっちゃいい。セリフを二度繰り返すやつ(「なんて言えばいいのか…」「じゃあ一杯だけ」)が巧いし、相乗り人が増えて
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LOFT ロフト(2005年製作の映画)

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冒頭のマンション室内のシーンが文章書いているときのゲロゲロ感を見事に表現していていい。音がする前に叫ぶ中谷美紀もいい。あと押し出し式の焼却炉。

主要人物中ただ一人まともだったせいでひどい目に遭うトヨ
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汚名(1946年製作の映画)

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シネマヴェーラ、ヒッチコック特集

カメラの奥に立ち顔を一切見せないアリシア(イングリッド・バーグマン)の父親から、背中だけを映し顔が見えない状態で登場するデブリン(ケイシー・グラント)のつなぎでつか
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下宿人(1926年製作の映画)

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シネマヴェーラ、ヒッチコック特集。

サスペンスがエロスを育むヒッチコックサイレント期の傑作。「下宿人」アイヴァー・ノヴェロ登場時の笑えるほどの不穏な妖艶さは『クリーピー』の香川照之ばりの胡散臭さを醸
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三十九夜(1935年製作の映画)

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シネマヴェーラ、ヒッチコック特集。

『仁義』のアラン・ドロンにも似たロバート・ドーナットのシリアスな顔にお調子者の逃亡者の役を負わせるのはいささか不似合いだし、筋書きもかなり強引ではある。とはいえ後
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第3逃亡者(1937年製作の映画)

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シネマヴェーラ、ヒッチコック特集

列車の映る風景が明らかに模型なの、機関車トーマスみたいでかわいいですね。
長距離ドライバー御用達カフェ、叔母の家、下宿、ホテルと常に騒動が持ち上がるドタバタ感が本作
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リアル 完全なる首長竜の日(2013年製作の映画)

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首長竜より中谷美紀が怖い。

黒沢清独特の心のこもらないセリフ、今回だと病院内の拍手とかオダギリジョーの「藤田くん、シャレたことしてたんだぁ」あたりだけど、その薄っぺらな不穏さが今作の場合物語構造と相
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アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

3.5

すっごく久しぶりに観たけどこんなコントみたいな話だったっけ?二割がシュール、あとの八割はエロとギャグです。手の甲から蟻がたくさん出てくるところ好き。あと二台のピアノと動物の死体引っ張ってくやつも。>>続きを読む

砂漠のシモン(1965年製作の映画)

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60年代のブニュエル、三本連続鑑賞は最高の体験でした。高い台の上で暮らすことで信仰心を試すこと自体すでにアホっぽいのだが、そこに輪をかけてアホな話になってくからすごい。台に登るまでは背中のアップで、次>>続きを読む

皆殺しの天使(1962年製作の映画)

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若者がセレブおばさんに「臭い!臭いんだよ!」と叫ぶシーンが良すぎる。20人による室内劇の関係性を確認するためにもう一度観たい。

なぜか部屋から出られないとかコルタサルの短編のネタにありそうな話ですね
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ビリディアナ(1960年製作の映画)

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なんという爽快な悪意!縄跳びの持ち手が牛の乳房の形と酷似してるだけで笑いが起きてくるけど、そのアイテムにペドフィリアと自殺のモチーフを被せてくるあたり見事としかいいようのない。後半の大狂乱はまさにカタ>>続きを読む

オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

3.8

優れて音楽的。自然と体が反応するバルカン音楽の2ビートはもちろんのこと、豚の血の風呂桶にアヒルが次々飛び込むシーン、あるいは〈噛み付く〉時計や井戸での上下運動に発生するリズムはひたすらに気持ちいい。二>>続きを読む

希望のかなた(2017年製作の映画)

3.5

この映画を観て一番心癒される人間のカテゴリーがあるとしたら、それは紛争地域の難民でも人道主義者でもましてや日本人でもなく、愛煙家である。この映画ではタバコ、そしてそれに触れる指先が人間関係の確かさを匿>>続きを読む

トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

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薄汚れた警察署と遠くに見える観覧車の遠景ショットや階段に遮られた家族の食卓の様子とか、今作も不気味なキヨシクロサワ全開。オフィスの揺れまくるカーテンとかわらっちまったよ!そして、ニンゲン合格の時も思っ>>続きを読む

吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)

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ドラキュラ伯爵の長すぎる上半身の影が階段の壁に映る。照明の濃淡コントラストが、朝日を浴びると消える吸血鬼の存在と連携していることは理解できたが、古い作品ほど映画館で観ないとわからないことが多いな。

パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

3.0

Another Girl, Another Planet.

いろいろ煮え切らない。冒頭の、シールを貼った窓にエル・ファニングが映ってるショットはなんだったのだろう。
夜の団地の美しさには説得力があっ
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ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

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素晴らしいゴシックホラー。固定装置や銀盤写真といったキーアイテムはもちろんのこと、銀のエビの飾り、古ぼけた車、工事現場といった小道具やロケ地の使い方が鮮やか。父親が後半になって禿げてきているものいい。>>続きを読む

コルネイユ=ブレヒト(2009年製作の映画)

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三つの同じ映像の繰り返しで成り立っている。別々の編集が施されているらしいが、私の鈍い感覚では違いが全く分からなかった。反復的な手法って映画にももちろんあるけど、ここまでの徹底的な反復は珍しい。しんどか>>続きを読む

ジョアシャン・ガッティ(2009年製作の映画)

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デモ更新中に警官が投げたゴム弾によって失明した映画作家、その失明前の写真が砂の上に置かれているだけの映像にストローブによるルソーの朗読が乗る二分間。

魔女 女だけで(2009年製作の映画)

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ユイレ亡き後のストローブ。森に寝そべる魔女と女神の会話。フレーミングに対する感性。土曜に観たけど読まれたテクストの記憶はほとんどない。

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

3.3

アフロアメリカンが三人登場してくることがどうしても気になるというか、主人公の住む地域の特性を示すだけに留まらないような、ムーンライトやゲットアウトやドリームに通じる黒人映画性を見出してしまうのは穿った>>続きを読む

人生の舞台(1979年製作の映画)

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後ろポケットあたりに火がついたまま楽屋に戻るサーカス員の姿が印象的。ディナーの上を空中ブランコ的に前後に揺れながら移動するカメラも謎の気持ち悪さだったな。

あと、フィルマークスに登録されてないけどス
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アイスホッケー(1976年製作の映画)

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観たのもう一週間前だけど。
ポーランド映画祭のジヴォルスキ・ドキュメンタリー五本上映。
低い位置でボール間近を追いかけるカメラの恐怖感と殴り合い寸前をスローモーションするときの不吉さ。自分の声を聞いて
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階級関係 -カフカ「アメリカ」より-(1984年製作の映画)

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全速力で走っても殴られてバルコンに運ばれても分け目の乱れないクリスチャン・ハイニシュ。汚れない白シャツも素敵だ。画面に映らない人物の声が記憶に残っている(横になる歌手を映すショットとか)。最後、列車の>>続きを読む

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