しゅんさんの映画レビュー・感想・評価

しゅん

しゅん

2016.1.1〜
一回観ただけで採点する度胸も能力もないので、点がついてるのは複数回観た映画です。
家で映画を観るのが苦手で劇場で観ることが多いです。名画座大好きです。
もっともらしいことを言ったりします。昔は映画嫌いでした。

フィツカラルド(1982年製作の映画)

-

「船の山越え」ってどういうことかよくわかっていなかったけど、こういうことかよ!あまりの馬鹿っぷりに笑わざるを得ませんでした。本当に山越えできるかどうかわからないドキュメンタルなスリルと、助太刀に入る原>>続きを読む

鉄路の男(1957年製作の映画)

-

新文芸坐シネマテーク

主人公のじじいと同じような傲慢・頑固・怒りんぼの三拍子揃ったハゲ上司が職場にいるんですが、実際に接しているとマジでストレス半端ないです笑 それはさておき、映画は端的に傑作でし
>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

-

大学の哲学の授業でデッガードはデカルトに由来していると教えられて早13年。漸く観ました。爆音上映の振動良い感じです。

デッガードがレプリカントか否かという問いは、「アンドロイドと人間の差など存在しな
>>続きを読む

アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)

-

泥の河でもスクリーンから見れば穏やかな気持ちになるんだな。映画内の過酷さと映画館の心地よさの対比が凄かった。
霧深い山々をロングショットで映す冒頭と全てがレプリカかのように静止したカヌーを回転しながら
>>続きを読む

ドリーム(2016年製作の映画)

3.5

車を修理するオクタヴィア・スペンサーの下半身にはじまり、実験中につっかえるハイヒール、執拗に研究室とトイレを行き来する足元と、足とハイヒールへの集中が印象的。決して歩きやすい靴にはしないという矜持が彼>>続きを読む

ノスフェラトゥ(1978年製作の映画)

-

ちょっとアホっぽいホラー感と赤い船が航路を行く時の環境映像っぽさ(午前4時くらいにテレビで放送される外国の風景をひたすら流すやつみたいな)との落差が激しくてうっとり。大量のネズミと頽廃した人間の宴を映>>続きを読む

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

3.5

「全部、瀧のせいだ」のコピーのもとにJR SKI SKIの広告を思わず作りたくなってきますが、ぼくは川口春奈とピエール瀧だったら後者の方が好きですね。広瀬すずなら迷うところですが。なんの話だっけ?まぁ>>続きを読む

神田川淫乱戦争(1983年製作の映画)

-

笑うしかない。はははは。シックスナインした後で、彼女達は笑いあう。ははははは。尻に花を挿して。メガネをオレンジマーカーで塗って。はは。青、赤、紫。花火。きれいだな。きれいかな? 

黒沢清のデビュー作
>>続きを読む

小人の饗宴(1970年製作の映画)

-

ラテンアメリカ的な、文学と政治との距離が限りなく近い映画。皿は割れ、花は燃え、ナマケモノは十字架に。詩をイメージに、というか実写にするということが全てだろう。

回り続ける無人の車を車内から撮影すると
>>続きを読む

シュトロツェクの不思議な旅(1977年製作の映画)

-

ビール、アコーディオン、九官鳥、未熟児、青タン、移動住宅、湖、コーヒー、動物磁気、競売、強盗、ネイティブアメリカン、チキンダンス、リフト。そして。
なんて、なんて切ないんだろう。このアメリカの(悪)夢
>>続きを読む

私は告白する(1953年製作の映画)

-

宗教と法律のダブルバインドもの、最高ですね。ショットの繋ぎがめちゃくちゃで「センス!」って思った。モンゴメリー・クリストを舐め回すカメラがいやらしい。

街を徘徊してるときに松葉杖の女の子とすれ違うの
>>続きを読む

白い決死隊(1954年製作の映画)

-

新文芸坐シネマテーク

三、四年前に『不運』観て以来のアンジェイ・ムンク。ドイツ兵に見つかる寸前の野戦病院で、医師が凍傷の指先を切断する場面が圧巻。ノールックでランプを机の上に置こうとするがなかなか定
>>続きを読む

三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.8

凡庸なエリートがサイコパスに巻き込まれるあたり『クリーピー』と設定がかなり似ているのだが、全く違う映画になっていて面白すぎる。『クリーピー』が宙吊りの不安定さを強いるのに対して、本作の安心して観ていら>>続きを読む

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

-

至高の映像だらけの傑作。木の葉や電車の音の静けさの中で蒸留されるサスペンスとその後の弛緩の落差が冴えまくり(そしてその弛緩こそがクセもの)だし、薄ら寒いほど空疎なセリフも効いてる。「やっぱりアメリカは>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

3.0

浜辺に立つ二本のポールが均等に画面を分割してたり、空と海のシーンで視界が90度ずれて水平線が画面を垂直に切ったりするシンメトリカルな構図や、三つの同時進行のストーリーが実際は時間軸をずらしている(つま>>続きを読む

ダーク・ハーフ(1993年製作の映画)

-

クライマックスに近づくほど弛緩していく感じは『ゾンビ』と似ていて。双子を抱えた男二人が本棚を開けたところなんか物語的には一番緊張感募るところなのにみんな爆笑してた。この心地悪さがだんだん心地良くなるゆ>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.0

妻ローラが喜んで作った芽キャベツとチーズの入ったパイを、パターソンはなかなか食べようとしない。不味かったことが少しずつわかるあのシーンがたまらなく好きだ。ローラの気取りと思いつきにあきれながら、パター>>続きを読む

戦争のはらわた(1977年製作の映画)

-

ナチスとソ連というアメリカの敵同士の争いということもあってか一切容赦なし。いつだって可笑しいほど誰もが誰か殺し殺されて生きるのさ、とオザケンが歌い出すくらいに兵士が死にまくる。爆風で金網に飛び込む画が>>続きを読む

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

-

新文芸坐 黒沢清オールナイト

事務所でスケートする阿部サダヲ、大杉漣を乗せた道路を逆走する車。長回しのセンスが素敵だ。おでん屋で酔っ払う話のあまりのスピード感に爆笑。発狂に至る前の妻の明るさはとにか
>>続きを読む

蛇の道(1998年製作の映画)

-

新文芸坐 黒沢清オールナイト

これはもうとんでも無く鮮やか。アップダウンの多い道を行く車からのショットと女の子の後ろを電車が過ぎるところが特に素晴らしい。哀川翔の抑えた狂おしさ、香川照之のどうしよう
>>続きを読む

CURE キュア(1997年製作の映画)

-

新文芸坐 黒沢清オールナイト

固定カメラで捉えたイス、机、おもちゃの乗ったテーブル、二人の人物の絶妙な距離感。それに続く机の振動。これだけでもう震えるような傑作感。「あんたは誰だ?」と問いかける萩原
>>続きを読む

ブリティッシュ・サウンズ(1969年製作の映画)

-

ゴダール映画のお茶目さが炸裂。ユニオンジャックを突き破る手、陰部とフェミニズム、排外主義者の空きっ歯男(「インド人の人権など知るか、勝手に飢えてろ」あたりがヤバめ)、ビートルズの替え歌「You say>>続きを読む

姉妹坂(1985年製作の映画)

-

メロすぎるドラマ、ベタすぎる合成、浅野温子すぎる浅野温子。センチメンタルムード出し過ぎの音楽は耳障りだし、象徴性しか感じない色彩も暑苦しいし、ひたすらにツッコミを入れ続ける100分。ただし嫌いではない>>続きを読む

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

3.8

「道」と「家」、ロードムービーと夫婦ドラマの並列(分裂?)が、設定もテーマもかなり近い『美しさ星』との一番の違いかな。長澤まさみにはやられっぱなしで、後半に滲み出す幸福な絶望感にはグッときました。>>続きを読む

Seventh Code(2013年製作の映画)

-

おそらく世界で一番ノイジーな音楽は、聞きたくない時に大音量で聞かされるJ−POPだろう。この作品は制作条件上入れる必要があったでだろう前田敦子の青春パンク風のテーマ曲(ていうか元々はこの曲のMVなのか>>続きを読む

ギミー・デンジャー(2016年製作の映画)

5.0

イギーポップはダンサーだ。手を伸ばして体をくねらし、首輪をつけて犬のように這いずり回り、客席を睨みつけてダイヴする。もちろんJBやMJのようにシャープすぎる動きで魅せるわけではない。誰でもできそうだけ>>続きを読む

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣(2016年製作の映画)

-

この映画自体がフィクショナルなバレエ作品ですね。ドキュメンタリー感はほぼ脱臭済み。母との会話なんて完全に演技だし、当然ながら演技は巧くない。
一番良かったのは公演終わった後の疲れでイライラしてる控え室
>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

-

グラサンかけたアンセル・エルゴートがなにかに似てるなと思ったらダンシングフラワーだった。
それはさておき、このベイビー映画から感じるのは「老い」だ。
冒頭、ジョンスペ「ベルボトム」に完全同期のカーアク
>>続きを読む

七月のランデヴー(1949年製作の映画)

-

新文芸坐シネマテーク

動物園の象の真正面顔はどうして笑いを誘うのか。斜めから映っていたダニエル・ジェランの顔が横顔に切り替わる時にどうしてハッとするのか。鏡に映るニコール・クールセルの開いた背中はど
>>続きを読む

アルジェの戦い(1966年製作の映画)

-

まず、どんな理由があれ基本的に一般人を殺してはいけない。まじで。死は死を賭した人間同士が扱うものだと思うし、革命や自由という言葉の価格落下とテロリズムは大いに関係ある。野暮は承知だし史実に文句を言って>>続きを読む

トラフィック(1971年製作の映画)

-

タチの映画は笑い以上に「一体どんだけのアイディアと労力があればこんなことができるんだ!?」という驚きに溢れている。機能満載のキャンピングカーしかり、玉突き事故しかり、モーターショーのドア開閉の連続しか>>続きを読む

幸福の設計(1946年製作の映画)

-

最高の労働者階級夫婦、アントワーヌとアントワネット。製本所、通勤経路、安アパートの現実的な描写からマジカルな瞬間がいくつも浮かび上がる。特に終盤のケンカと、その時に外れたガス栓を抑えるおっさんの動きが>>続きを読む

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

-

5時から6時30分までじゃねーか!おれがなんか勘違いしてるのか?というツッコミはさておき、死の予感を前にしてもナルシスと他者の視線の恐怖は離れてくれない、タロット占いより逃れがたいものがあることを知ら>>続きを読む

麦秋(1951年製作の映画)

4.5

今回初見かと思いきや、途中で一回観たことあるのに気づいた。それにしても、なんと恐ろしい映画だろう。人情風味の結婚話を装いながら、その実はまるで姨捨山の話じゃないか!最後の「幸せでした」というセリフが過>>続きを読む

ダイ・ビューティフル(2016年製作の映画)

3.7

念願のミスコン女王になった瞬間に急死したトリシャ、彼女と同じトランスジェンダーで親友のバーブス。とにかくバーブスのトリシャへの視線が泣けて泣けて仕方がなかった。これは去り行く者の映画ではなく、去る者を>>続きを読む

>|