しゅんさんの映画レビュー・感想・評価

しゅん

しゅん

2016.1.1〜
一回観ただけで採点する度胸も能力もないので、点がついてるのは複数回観た映画です。(途中から新作もつけることにしました)
家で映画を観るのが苦手で劇場で観ることが多いです。名画座好きです。
もっともらしいことを言ったりします。昔は映画苦手でした。

映画(568)
ドラマ(0)

彼の見つめる先に(2014年製作の映画)

2.8

Belle and SebastianのThere's too much loveについて、ガブリエルが「兄貴が部屋でかけるんだけど途中で寝るからアルバムの最後まで聴いてるのは僕だけだった」というベル>>続きを読む

ワンダーストラック(2017年製作の映画)

3.0

ボウイの「Can you hear me?」の声と聾者の物語を重ねるセンスは秀逸で、窓を開いた瞬間に音が消える演出も好き。映画が好きで耳の聞こえない女の子がトーキーの発明に怯えた、という挿話にはハッと>>続きを読む

ラブレス(2017年製作の映画)

4.0

曲がった木が水鏡に映ってシンメトリーな形が作られる冒頭の数カット。校舎の入口から怒濤のように押し寄せる子どもたち。静寂と急襲が同居する映画の導入として実にふさわしい。セックスシーンをすべてバックで押し>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.5

政府高官と新聞屋との間に友情を育むことが不可能になる。役割によって人間間の引力が切り裂かれることの哀愁を、輪転機のマシーナリーにリズミカルな運動が増長させる。トムハンクスの娘はレモネードに金儲けの悦び>>続きを読む

ハッピーエンド(2017年製作の映画)

3.3

ひさしぶりにハネケ観たけど、こんなに観やすかったっけ??群像劇として構成されたストーリーテリングの巧みさには唸らされるものがあるが、どこかリアリティから遠いところにある作品で、喜劇としての強度が足りな>>続きを読む

ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

3.5

蛇足感の一切ない完璧な続編。追い抜いていく電車とゆっくりと消されてく自習室のライト。速度の緩急がそのまま競技かるたのスピード感に憑依し、音を聞き続ける登場人物に呼応するように観ているこちらも競技場のざ>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

1.0

螺旋状に色づいて立ち上がる死者の国の何という絢爛さ。マリーゴールドの葉で出来た橋のオレンジ色の何という暖かさ。物語の機転となる"あの事実"が知らされるときには涙が流れたし、『ペドロ・パラモ』などに描か>>続きを読む

予兆 散歩する侵略者 劇場版(2017年製作の映画)

-

とりあえず主役三人の顔が黒沢映画にマッチし過ぎ過ぎ。夏帆のずっと不安を引きずっているような顔、宇宙人顔なのに人間臭い染谷翔太、和風顔なのに開いた瞳孔が完全にサイコパスな東出昌大。全てが完璧。
ドブ川、
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レヴェル5(1996年製作の映画)

-

閉塞感とオキナワモナムール。当時70代のフランス人のおじいちゃんが攻殻機動隊と集団自決を混ぜ合わせたような作品を作っているなんて。沖縄とどう向き合うかということに関して一番真摯な作品であることは間違い>>続きを読む

何故彼女等はそうなったか(1956年製作の映画)

-

みたの2週間前くらいですが、印象深い。戦争を背景にした不良少女たちの更生施設の話なんだけど、実際のところ彼女達は不良でもなんでもなくて、世間がラベルを貼付けてはがさないようにしているだけということが次>>続きを読む

花咲くころ(2013年製作の映画)

4.0

ワンシーンワンカットのバストショットを多用することで生まれるであろうスピード感と切迫感。突然の大雨とトンネルの奥の光。ジョージアの独立戦争の影に苛立つ大人たちの中で少女たちがどんな生を選ばされたのかが>>続きを読む

ゆれる人魚(2015年製作の映画)

2.0

80年代ニューウェーブ×ゴシックホラー×少女という題材はドンピシャなのだが、音楽に対する映像のつくりがあまりにも大味ではないか。MVみたい、という言い方があるけど、良質なMVはもっとたくさんあるわけで>>続きを読む

ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)

3.5

90度の角度で切り替わるショット編集と鏡・ガラスの反射が律儀に繰り返され、最愛の男の死に立ち会った”彼女”の苦難が累乗されていく。環境がハードになればなるほど美しさが高まるのが素敵でもあり残酷でもある>>続きを読む

羊の木(2018年製作の映画)

3.8

上映最終日に滑り込んだけど観て良かった!

松田龍平が乗る車に向かう木村文乃。彼女と車を後ろから引き気味に撮る固定ショットから乗り込むときの車内からのショットのつなぎがあきらかにおかしい。木村が車に追
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.8

『美女と野獣』を「結局野獣とかいいながらイケメンじゃん」とディスり、ガチの怪物と中年の夢見がちなおばさんとの関係を本当に美しく描いてしまう姿勢と力量が素晴らしいし、ヘアバンドやライトをはじめとする赤と>>続きを読む

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

3.8

すごくいいじゃないか。ソフィア・コッポラは舐められすぎだと思う。フェニックスがあんな静謐な音楽を作ることにもびっくり。

この映画の中ではあらゆるものが裂かれる。布が裂かれ、枝が裂かれ、脚が裂かれ、シ
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水槽と国民(2015年製作の映画)

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水槽:金魚=国家:国民という関係性をエネ・マグネルによるマルローの小説で明示するといわれれば非常に分かりやすく形式的だけど、水槽の金魚を観るというたわいもない行為が映像のフィルターを通すことでなんらか>>続きを読む

アルジェリア戦争!(2014年製作の映画)

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強い二分間。
アルジェリア戦争の上官を殺した男の話が語られるのに、ベランダの側でTシャツの男がスーツの男に銃をつきつけられるカットが重ねられる。シュレベール『治療』の冊子が映され、その後流れるシューベ
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共産主義者たち(2014年製作の映画)

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新しくとられた部分とストローブ=ユイレの旧作5本をつなげた一作。冒頭、なにもない白い部屋の一角に立つ二人の男。その立ち方と、外から聞こえるフランス語の尋問の下品な声が異様で気になる。途中睡魔に襲われた>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

4.0

すごい。謎過ぎる。普通に面白いのと同時にマジで意味が分からない。

フィックスが多いわけでもパンがふられるわけでもテクストが頭に入らないわけでもないのにこのストローブ=ユイレ感はなんだろう?と思いなが
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blank13(2017年製作の映画)

2.8

火葬場やバッティングセンターの斜めの構図のフィックスはなんかわからんがかっこいいし、屋上での高橋一生・リリーフランキーの距離の取り方も絶妙。ただ後半のお葬式のお笑い展開はかなりむずがゆくて正直苦手。あ>>続きを読む

昼顔(1967年製作の映画)

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お金持ちで優しいイケメンと結婚して幸せいっぱいのはずなのに性生活だけがうまくいかず妄想が止まらない姉ちゃんがお昼の娼婦を始めちゃう話。ドヌーブの波打つ髪と揺れる臀部に揺蕩いながら、妄想と現実の境の消失>>続きを読む

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

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『ダークナイト』後に観たのはよかったのかわるかったのか。レイチェルに”It is not who you are underneath, but what you do that define me.>>続きを読む

シチリア!(1999年製作の映画)

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男の背中と海のうごめき。三度繰り返される遠景のパンショット。くるっと廻る研ぎ師のおやじ。焼いたニシンを手づかみで皿に乗せた時にあらわれる蠅。ストローブ=ユイレについて語ろうとするとどうしても細部の羅列>>続きを読む

今日から明日へ(1996年製作の映画)

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モダニズム風刺の俗物的な夫婦劇にひたすら不穏な旋律を乗せ続けるシェーンベルグの一幕オペラ自体がすでに凄いが、カメラの切り取り方一つで映像作品として独立させるストローブ=ユイレの感受性はやはり凄い。歌い>>続きを読む

ロートリンゲン!(1994年製作の映画)

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12月のアテネフランセのトークで持田睦さんが「カトリックの教会はたくさん映っているが、プロテスタントの建築物が実は全く映っていない」と語っていた『ロートリンゲン』。持田さんがストローブ本人に尋ねたら「>>続きを読む

雪夫人絵図(1950年製作の映画)

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冒頭の二つの浴槽から溢れ出る水と、結部の湖から立ち昇る霧。固体(雪)は液体(水)から気体(霧)へと変わり、循環は更なるカルマへと続く。心理劇として見れば雪とその周囲の人物の煮え切らなさに苛立ちを覚えず>>続きを読む

エヴァの匂い(1962年製作の映画)

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個人的にジャンヌ・モローよりリザ・ガストーニの方が圧倒的に好みなので主人公の気持ちには全く乗れないのだが、それは置いといて。

あらゆるものを投げまくる破壊者(あんなに聴いてたビリー・ホリディのレコー
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リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

2.5

役者の立ち位置に違和感があったり(観音崎が河原でハルナに泣きつくとことか)、カット割りがどうにも不自然だったり、ルミちんの部屋になんでメガデス表紙の雑誌(『BURRN!』か?)があるのか気になったりと>>続きを読む

ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男(2016年製作の映画)

2.8

同じファッションドキュメンタリーでも『ディオールと私』や『メットガラ』が一回のショーに向かっていく展開だったのに対し、本作は半年に一回のショーが繰り返されるサイクルを捉えている。映画内に密着してたショ>>続きを読む

シングル・ガール(1995年製作の映画)

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女の子とはわかりそうでわからないもので、お腹に命を宿しているならなおさらだ。ヴィルジニー・ルドワイヤンにどれだけカメラが近づいても、どれだけ顔の歪みや微笑みを見事に捉えても、つかみとれないなにかがある>>続きを読む

ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

3.3

顔色が悪いのにかわいいという顔立ちのバランスが良いのに加え、ストップモーションアニメによる前髪や目玉の動き、細長すぎる木々の造形などに魅せられる。車のミラーとかはどうやって撮るんだろうな。
ストーリー
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インターステラー(2014年製作の映画)

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ノーランではじめて好きだと思えました!

親子ものと宇宙ものの組み合わせに嫌な予感しかしてなかったし、顔に対するカメラの近さに「やはりダメか…」と思ったものの、砂のカーテンがゆっくり落ちるところあたり
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苦い銭(2016年製作の映画)

3.8

幸福な映画だ。
163分の中に、一般的な意味で喜ばしい瞬間はない。苦しい生活の中の一瞬の楽しみや人間同士のつながりすら映らない。映るのはひたすらに銭を追いかける苦さばかりだ(夜行列車内のトランプや衣料
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何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

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何が怖いって車椅子の人間を二階に住まわせてることでしょう!そりゃあ籠の中の小鳥に自分重ねるわ!
大女優ベティ・デイビスの壮絶な醜さの演技には当然衝撃を受けるし、ハート形の付け黒子がことさらに狂気を煽る
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砂漠の流れ者(1970年製作の映画)

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瀕死の放浪の末に砂漠に水を見つけ一山狙おうとする男のある種「小さい」エピソードを、神話的寓話性の「大きい」スケールで語ってみせるペキンパーの快作。同じ方向に顔を向けている別の人物をカットでつなぐ、一日>>続きを読む

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