しゅん

しゅん

2016.1.1〜
一回観ただけで採点する度胸も能力もないので、点がついてるのは複数回観た映画です。
家で映画を観るのが苦手で劇場で観ることが多いです。名画座大好きです。
もっともらしいことを言ったりします。昔は映画嫌いでした。

アルジェの戦い(1966年製作の映画)

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まず、どんな理由があれ基本的に一般人を殺してはいけない。まじで。死は死を賭した人間同士が扱うものだと思うし、革命や自由という言葉の価格落下とテロリズムは大いに関係ある。野暮は承知だし史実に文句を言って>>続きを読む

トラフィック(1971年製作の映画)

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タチの映画は笑い以上に「一体どんだけのアイディアと労力があればこんなことができるんだ!?」という驚きに溢れている。機能満載のキャンピングカーしかり、玉突き事故しかり、モーターショーのドア開閉の連続しか>>続きを読む

幸福の設計(1946年製作の映画)

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最高の労働者階級夫婦、アントワーヌとアントワネット。製本所、通勤経路、安アパートの現実的な描写からマジカルな瞬間がいくつも浮かび上がる。特に終盤のケンカと、その時に外れたガス栓を抑えるおっさんの動きが>>続きを読む

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

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5時から6時30分までじゃねーか!おれがなんか勘違いしてるのか?というツッコミはさておき、死の予感を前にしてもナルシスと他者の視線の恐怖は離れてくれない、タロット占いより逃れがたいものがあることを知ら>>続きを読む

麦秋(1951年製作の映画)

4.5

今回初見かと思いきや、途中で一回観たことあるのに気づいた。それにしても、なんと恐ろしい映画だろう。人情風味の結婚話を装いながら、その実はまるで姨捨山の話じゃないか!最後の「幸せでした」というセリフが過>>続きを読む

ダイ・ビューティフル(2016年製作の映画)

3.7

念願のミスコン女王になった瞬間に急死したトリシャ、彼女と同じトランスジェンダーで親友のバーブス。とにかくバーブスのトリシャへの視線が泣けて泣けて仕方がなかった。これは去り行く者の映画ではなく、去る者を>>続きを読む

淑女は何を忘れたか(1937年製作の映画)

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子供が壁にボールを投げるシーンがすごい。画面の左に投げてるのに右に跳ね返ってくる。カメラの角度でボールの動きに魔法をかけてるのだが、この魔法が「雨が降ってるのに晴れだという手紙が届く」「殴られたのに情>>続きを読む

花に嵐(2015年製作の映画)

3.5

映画と非映画の境界を揺さぶるという意味で、「ノイズ映画」と呼ぶに相応しい。もちろんハイの強いノイズ音楽を挿入するタイミングも最高。そして騎乗位のガウンの着せ方が完璧でした。エドワード・ヤンも自主映画も>>続きを読む

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

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いやぁ…これと似たような状況に陥ったことあるから笑えるところも笑えないし突き放すところも突き放せない…。男がサイコパスというのはよくわかるが。イジー・メンツェルを彷彿とさせる哄笑感とドン底のニヒリズム>>続きを読む

ローラ(1961年製作の映画)

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脚本うますぎ、ファサードの撮り方良すぎ。アメリカ水兵と14歳女子の危ういデートのシークエンスが最高だったな、スローモーションも全然嫌味じゃない。

驟雨(1956年製作の映画)

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観た後に岸田國士の原作確認したら夫、妻、妻の妹の三人の会話に終始する一幕ものの戯曲だったので、映画の内容の半分以上はオリジナルということになる(もしくは他の作品を繋ぎ合わせてる?)。結婚生活の閉塞感や>>続きを読む

天使の入江(1963年製作の映画)

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斜めに並べられた鏡に映るジャンヌ・モローのダッシュ!💨 冒頭の後ろにどんどん引いていくカメラに顕著なように、スピード感が全体を引っ張っていく。ルーレットに溺れる女とたじろくビギナー男の姿は滑稽に見える>>続きを読む

未来よ こんにちは(2016年製作の映画)

3.8

フェリー内から曇った海を映す冒頭ショットと、イザベル・ユペールが赤ん坊をあやすところから移動して家の構造を映す最後の長回し。最高の映像二つに挟まれた贅沢なサンドイッチ。移動性が高いけど、逆に主人公、母>>続きを読む

人生タクシー(2015年製作の映画)

4.0

あぁ、これはすごい。上映時間と映画内経過時間が丸っきりシンクロしてるような生々しさ。実際には相当編集を施してるはずだけど、作為性が見事に隠蔽されてる。ドキュメンタリー風と思いきや、そこには物語もキャラ>>続きを読む

ローラ殺人事件(1944年製作の映画)

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素晴らしい。嘘が嘘を呼び込み、勘違いがそこにからみつく。ラストまで一切のスキなく展開される恋と殺人の乱れあいにひたすら夢中になった。忘我状態で見入ってしまったのでほとんど批評できる状態にありません。ロ>>続きを読む

扉の陰の秘密(1948年製作の映画)

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サスペンスの持続からの意外な反転に見事にだまされました。俗流フロイティズムなトラウマ解釈は普通にやったら絶対サムいと思うんだけど、映像の強度と脚本の巧みさでノワール傑作にまで昇華されるあたりさすが名匠>>続きを読む

ジャンヌ・ダルク/I 戦闘 II 牢獄(1994年製作の映画)

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新文芸坐オールナイト6時間。

高笑うジャンヌ、怒るジャンヌ、叫ぶジャンヌ。ちょくちょく意識が飛んでいたので全体的なことは何も言えないのだが、『裁かるるジャンヌ』の打ち拉がれた悲劇のヒロイン像とは対照
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デュエル(1976年製作の映画)

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新文芸坐シネマテーク。

冒頭、エルミーヌ・カラグーズのアップからカメラが引いてのバランスボール、直後のジャン・バビエのバク転(!)という流れがいきなり最高。カメラの切り返しとか唐突な光りの明滅とか鏡
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怪物はささやく(2016年製作の映画)

2.0

大切な人から受け継いだ物語によって非情な運命を乗り越える展開にはウルっときたし、母親役フェリシティ・ジョーンズの演技もたしかに素晴らしかった。にもかかわらず、この映画には煮え切らなさを強く感じてしまっ>>続きを読む

岸辺の旅(2015年製作の映画)

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卵、白玉、地球儀、天球図、マッチ箱に書かれた時計の絵などに現れる丸型のモチーフや、白玉だんごと餃子を包むという動作に顕著なように、まるで死が生を丸ごと包み込んでしまったかのような映画。死んでいる設定の>>続きを読む

カリスマ(1999年製作の映画)

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井戸と湖のショットが美しいなと思ってたら後で役所広司が井戸を破壊しだして衝撃!

カリスマと呼ばれる木をめぐる争いと真実がわからないまま敵を定めて憎み合う人々という構図はもちろん社会の寓話なんだけど、
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パリはわれらのもの(1961年製作の映画)

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新文芸坐シネマテーク。

演劇、秘密結社、政治の季節、妄想と、リヴェット作品頻出のテーマが多く登場するデビュー長編だが、その後のリヴェット的ないたずら心や軽快さはなく、ひたすら重苦しい雰囲気がのしかか
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夏の娘たち~ひめごと~(2017年製作の映画)

4.0

主人公のお母さんが旅館の廊下を走るところを前から後ろから映す映像をはじめ、つなぎ方のストレンジ感が半端ない。とにかく、めっちゃ変な映画。長野の上田と伊那を舞台にした近親相姦がテーマの恋愛劇を平田オリザ>>続きを読む

SEX配達人 おんな届けます(2003年製作の映画)

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堀禎一特集、別タイトル『宙ぶらりん』

結婚に踏み切れない男女の彷徨を描いたデビュー作。デリヘル嬢がアパートの階段を登るところを遠景から撮ったショットや、最後のイカフライ定食を頼む背中など、カメラ位置
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初恋・地獄篇(1968年製作の映画)

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「キャベツを剥いたら芯が出る。たまねぎ剥いたら何が出る?」

『演劇』の平田オリザワークショップが記憶に残っていたので「たまねぎ剥いたらたまねぎが出る」が絶対正解だと思ってました。涙…


羽仁進特集
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夫がツチノコに殺されました。(2017年製作の映画)

4.2

『ドレミファ娘の血は騒ぐ』以来の衝撃。休憩なしの二本立てでトイレ我慢できずに冒頭を見逃して、戻ったらいきなり櫻井拓也がツチノコに噛まれていましたが、凄いのはそこからでした。あまりに唐突にやってくる聾唖>>続きを読む

方舟の女たち(2016年製作の映画)

3.5

同じ電車の中で別々に痴漢に遭う三人の女性の物語を、反復を用いながら一つの線につなげていく。下手にいい話に流されずに(人に流される女の話だけど)画作りの説得力でエンディングへと導くところがナイスだし、ホ>>続きを読む

あらくれ(1957年製作の映画)

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原作で何度も繰り返される水のモチーフがこの映画では原作とは全く違う箇所で変奏されるのだけど、その鮮やかさといったら!落雪、放水、通り雨。極め付けの名シーンはどれも水がらみだ。裏通りの狭い道の捉え方とか>>続きを読む

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

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観終わった後にまず感じたのは「こんな映画を撮ってしまったらもう映画を撮れなくなるんじゃないか?」ということだった。実際にはイーストウッドはこの後もたくさんの映画を撮っているのだが、そう思ってしまうくら>>続きを読む

サイコウノバカヤロウ(2017年製作の映画)

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(テアトル新宿、OPプロジェクト)

「社会不適合」は決して「ダメ人間」ではない、というテーマに沿った青春劇には説得力あるし、櫻井拓也をはじめとする男優陣の熱演にも力があったと思う(特にイワヤケンジの
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ドント・ルック・バック(1967年製作の映画)

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ディラン「Knowって単語はみんな知ってるだろ?でもみんな本当は何も知らないんだ」
記者(TIME誌?)「君はさっき、僕は知ってるって言ってたよね?」
ディラン「僕が言いたいのは、みんな死ぬってことな
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ヒア アフター(2010年製作の映画)

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津波と二度の車衝突がいきなりエグいが、三つのエピソードを繋げていくストーリーテリングはスマートで優しい。だけどなんだか怖くもある。窓から見下ろすマット・デイモンもジェントルだけどちょっとストーカーっぽ>>続きを読む

ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

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かわいこちゃんのオッパイが長い髪で隠れてるところは浜崎あゆみのアルバムジャケットを思い出しますが、それとは関係なくホイットニーとキュアーに感動しました。カメラが常にちょっと揺れてるのもなんか優しいよね>>続きを読む

悲愁物語(1977年製作の映画)

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……新文芸坐と神保町シアターの清順特集で計24本観ましたが、一番ヤバかったのは最後にみたコレでした。ゴルフと恋愛に関するトレンディな話かと思ったら、色々なあれこれを無視して途中から中年女ストーカーのホ>>続きを読む

殺しの烙印(1967年製作の映画)

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最後の揺れるリングロープに至るまでにインパクトあるシーンが多すぎて全く要約できない。60年代中期の清順映画の凝縮力はほんとすごいと思う。
殺し屋ナンバースリーとナンバーワンの対決前の共同生活はマジで意
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オペレッタ狸御殿(2004年製作の映画)

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以前宝塚で『信長』を観た時、インド象出てくるし最後信長が本能寺から抜け出して船で海外行っちゃうしでとにかく凄かったんですが、この作品にも同じものを感じました。ツァンツィーの無理矢理な設定とか、たくさん>>続きを読む

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